緋弾のアリア~IFエネイブル間宮 あかり   作:リムル=嵐

23 / 30
ども、お久しぶりです。



あかりちゃん トラブルは休ませてくれません。

はぁ、どうしてこんな事に……………

 

予想の斜め上を行く展開に、頭を抱えたくなるのを堪えて、皆とオバさんの家で相談することになった。

 

「………ふぅ、それじゃあ。現状の整理といきましょうか」

 

オバさんがお茶を飲んで、一息吐いて疲れた顔で言った。

 

「取りあえず、あかりは乗能力(マルチレイズ)の説明をしなさい」

 

うぅ、分かったよ。

 

「まず、私の家系は、乗能力を持たないんです。私は突発的な発現をした存在で、妹も乗能力には目覚めてません」

 

「まさか、天照大御神に言ってた事って………」

 

驚きでこっちを見る志乃に、苦笑いして言う。

 

本当はちょっと違うんだけど、流石に転生の時の話なんて言えないもん。()()()()()()()()、天照が言ってたから、これも嘘って訳じゃないんだけどね。

 

「うん、天照大御神による加護、本当は私なんかの血筋じゃ、受け賜る事の出来ない事何だけど、私は神降ろしの適正が、日本で一番高いって、だから加護を付けたって、大御神が言ってた」

 

神降ろしの適正は、多分生前逢ってた事が、要因の一つになってるんじゃないかと思う。

 

基本的に、神降ろしとか悪魔召喚とか、降臨させたり呼び出したりする魔術とか儀式何かは、呼び出す相手と縁を結んだり、縁の有るものを触媒にするけど、神降ろしで縁を使うのって、凄く難しい。

 

できて縁のある場所……神社とかでの降臨になる。

二回目以降は、神と直接縁を結べるから、少しはマシになるんだけど、それも神降ろしの条件によって、縁の強さが決まるから、一概に難易度が凄く下がるって訳でもない。

 

でも、私は生前、()()()()()

対等とは言えずとも、巫女と神程の差が開いてなく、殆ど同じ目線での会話。

 

これは縁を繋ぐのに、これ以上無い効力を発揮するの。

何せ、神の見た目も声も、話し方から性格までも、情報としてお互いに持っていんだもん。そりゃ神社で縁が殆ど無い、赤の他人との神降ろしよりも、お互いに人となりを知ってての神降ろしの方が、成功率が高いに決まってる。

 

それに、巫女(道具)(上位者)の縁じゃ、たかが知れてる。神降ろしの間は意識が無いとか、神降ろしをする毎に何か代償が必要とか、そういうのばっかりだからね。

 

「それで、天照に乗能力を貰ったと、天照はそういう能力があるのか?」

 

う~ん、どうなんだろ?

 

たしか、義母様から能力を貰ったとか、なんとか。

 

「たしか、日本書紀でも、古事記でも、そんな事書かれて無いですよね?」

 

志乃の疑問に、オバさんも唸る。

 

「うぅん、天照大御神は、権能や神性の創造・付与は伝承に無い筈よ。まぁ、神話なんて曲解とか外典とか、数え切れない位あるから、絶対とは言い切れないわね」

 

「えっと、義母様から能力を貰ったって、聞きました」

 

二人してスゴい勢いでこっちを睨んできた、え?私何か不味い事言った?

 

「「それ本当!!?」」

 

あまりの勢いに思わず引いちゃう。な、何がそこまで重大なの?

 

「それが本当だとすると、イザナミノミコトまで、出張ってきたってこと?」

 

「………あり得なくは無いわね、国産みや神産みで、自分に無い能力を持つ存在を創造してる存在だし、能力の創造・付与位してくるかも」

 

「でもそれは、イザナギノミコトにも言える事では?」

 

「イザナミノミコトはあの世、死後の世界の神で、転生にも……………」

 

二人で盛り上がって、どんどん話が難しくなってる中、私とキンジが取り残されてる。

 

「何が何やら、あかりは分かるか?」

 

「正直半分も無理です、あそこまで飛躍すると最早別の言語ですよ」

 

こっちの事は意識の彼方に飛ばしちゃってる二人を、呆れながらお茶を飲む。

 

デデンデンデデン、デデンデンデデン

 

ん?

電話だ、ののかから?

 

キンジに一言言って、廊下に出て電話に出る。

 

「はい、もしも「お姉ちゃん今どこ!?」……………小百合オバさんの家だよ。どうしたの?」

 

「はぁ~、良かった。お姉ちゃんまで居なくなると思った」

 

ん?

()()()()

 

疑問に思った私に、ののかが深刻そうな声で言った。

 

「お姉ちゃん、()()()()()()()()()()()()()

 

え?

………………………………………………………………………………………………………………………………………

 

「いやいや、そんな筈無いでしょ、()()お父さんだよ?里長のお祖父ちゃんを越えた、国内トップクラスの中・近距離戦闘のスペシャリストだよ?」

 

信じられなくて聞き返す、だってあのお父さんが、()()()()が一度も勝てなかったあのお父さんが、行方不明?

冗談でももっとマシな嘘を言いなよ、洒落にならないよ本当に。

 

「………………………………………………」

 

そんな、私の言葉に返ってきたのは、ののかの重い沈黙だった。

 

「嘘、でしょ?」

 

「三日前から、定期連絡が無いの…………今回は、海外の仕事だから、捜索も難しくて……………………う、お祖父ちゃんはっ、万が一もっ!、考えろってッッッ!!」

 

涙声になって、最後は泣き叫びながら言ったののかの声を聞いて、意識が遠くなる。

 

そんな、嘘だよ、だってこれからなんだよ?今お父さんが抜けるなんて、来年のイ・ウーの襲撃はどうするの?対抗できる人なんて、それこそお父さんとお祖父ちゃんだけだったんだよ?そんな、どうしてよ、嫌だよ、何でいなくなっちゃったの?お父さん!!

 

目頭が熱くなって、口元を手で押さえる。

私は、お姉ちゃんだから、ののかが泣いてる時に、泣けないよ、うぅ。

 

「落ち着いてののか、こっちが落ち着いたら直ぐに行くから、絶対お父さんは見付けるから、だから心配しないで」

 

「なん」

 

ののかが何か言ってるけど直ぐに電話をきる。

時間が無い、スカートのポケットから、天照大御神に渡された金属、陽生魂を出す。

 

震える身体を、深呼吸して落ち着かせる。

……………スゥー,ハァー……スゥー,ハァー……………よし、落ち着いてきた、大丈夫、私はお姉ちゃんだもん!!

…………最近皆に甘えてばっかりだけど。

 

別の事を考えて、思考が落ち着いたのか、だいぶ調子が戻ってきて、手の中の陽生魂を見る。

 

「さっそく、これの出番、か………仕組まれてそうだけど、先にキンジ達に話さなきゃ」

 

陽生魂は淡く点滅するように光ってる。

神秘的な光景何だけど、見ようによっては発信器みたいにも見えるから、何か複雑。

 

今度は、ちょっと大きい事になりそうだし、キンジには大人しくして欲しいんだけど、志乃に頼もうかなぁ。

 

部屋の中に入ってきた私を見て、オバさんが真面目な顔になる。

 

「そうなると、大国主命が絡んできて……………どうしたんですか?小百合さん」

 

オバさんの雰囲気が変わって、オバさんと話してた志乃が戸惑ってる。

 

キンジも、私の顔を見て、只事では無いって思ったみたい、遅れて志乃も私に気付いた。

 

「見た?」

 

「ええ、三日で使えるようにしたげる」

 

「ありがと」

 

「お礼は終わってからよ」

 

私とオバさんの会話に戸惑ってる二人に、椅子に座って、電話の内容を話す。

 

 

 

 

 

「こりゃ、学校に暫く戻れないな」

 

事情を話した後、開口一番にこの台詞だもんなぁ。

 

やっぱり、ついてくる気満々だよ、シスコンめ。

いや、嬉しいけど、こんな過保護で良いのかなぁ。

 

無茶は許さんって感じに睨んでくるキンジに、思わず顔を逸らす。今直視したら顔が赤くなる自信あるよ、今回は海外なのに、お節介でついてくるって、嬉し恥ずかしで、情けない不甲斐ないも出てきて、感情が制御出来ない。

 

「仕方無いです、先生には家庭事情でゴリ押ししますよ」

 

結局ぶっきらぼうに言って、オバさんにキンジの説得を丸投げする。私じゃ無理、直ぐに落とされる、即落ちする気しかしないわ。

 

「俺はそれに巻き込まれたって事にするか、どうせ理由なんてロクに確認もしないしな」

 

「はぁ、私はついていけませんね、仕事があるので。あかり、無理は絶対ダメだからね?」

 

「分かってるよ、ののかにこれ以上負担掛けたくないし、キンジ先輩に未だ返事貰ってないもん」

 

返事、いつまでも待ってるから、早くしてよね?

 

視線でそう訴え掛けると、キンジが気不味そうに顔を逸らした。

 

「あかりは陽生魂を使えるようになったら、一度里に出発ね。志乃ちゃんはお仕事終わるまでここに居なさい。遠山君は、()()()()()()()()

 

オバさんの言葉に、キンジが信じられないような目でオバさんを見る。

 

「…………は?」

 

「聞こえなかった?帰りなさいって、言ったのよ」

 

あっさりとそう言って、オバさんはキンジを見る。

 

「どうしてです?あかりは俺の戦妹(アミカ)だ」

 

「ええ、戦妹よ、それだけ

 

続けて言ったオバさんのその言葉に、キンジが絶句する。

 

「そもそも、戦兄妹(アミカ)契約は学生の間の契約で、本質はお互いの技能・技術の継承と成長。誰も本当の家族の様に扱えなんて規則は無いし、そんな義理も義務も無いのよ。これは間宮の問題、貴方が首を突っ込む事じゃ無いわ」

 

見も蓋も無いって言うか、ドストレートって言うか、頼んだのは私だけど、中学生相手にそんなキツい言い方しなくても………キンジ固まっちゃってるし。

 

私の為にってのは分かるし、キンジに大切にされてるって考えると、顔を直視できない位には嬉し恥ずかし何だけど、今回ばっかりはキンジに引いて貰わないと困る。

 

お父さんはSDA総合ランカーと戦える位強い、里の皆から鬼神って呼ばれる位、近接で負け知らずな人だったんだ。

 

その人が行方不明になるレベルの相手………本職が隠密のお父さん相手に、裏工作とか小細工なんて、現実的じゃ無いから、真正面から戦って勝ったって可能性が高い。私は、色金に匹敵するって言ってた陽生魂の力と、乗能力(マルチレイズ)で逃げ出す位なら大丈夫だろうけど、キンジがどうかは、自信もって大丈夫って言えない。

 

そもそも海外だから、英語が出来ないキンジは向こうでの生活すら危ないから。

 

「でも、」

 

納得出来ない顔で、拳を握り締めるキンジ、ゴメンね、今回は私の問題だから。約束破ってごめんなさい。

 

「今回は運が無かったと思いなさい。私も捜索には参加するし、あかりには万が一も起きないから。」

 

「……………ッッッ!!……あかりを、お願いします」

 

「ええ……ま、未だ少しの間時間はあるのだから、その間は好きにしなさい」

 

暫くの間、誰も喋らなくて沈黙が続く。

 

私が原因だから、何か気不味い。

 

キンジが部屋に戻って、志乃が事務所からの電話で部屋を出た後、オバさんが話し掛けてきた。

 

「遠山君は、優しいのね」

 

「お節介なだけよ、後お人好し」

 

気恥ずかしくて、突き放した言葉が出てくる、本当はもっと、キンジの話しをしたいのに、話を切る言い方しか出てこない。

 

「英語は大丈夫そうだけど、探すとなると、他の言葉も必要ね。私の又甥はどこに行ったのかしら?」

 

こうして聞くと、やっぱりオバさんって歳なんだなぁ、お祖父ちゃん今年で未だ五十八じゃなかったっけ?

 

戦前から巫女やってる大先輩なんだよね、全然そう見えないけど。

 

「出発前に、お土産何が良いって聞かれて、アメリカに行くって言うから、自由の女神のキーホルダーと、向こうの写真お願いしたの」

 

「アメリカねぇ、また面倒な。あそことは不可侵条約結んでるのよねぇ、私が表に出られないか、茜に頼むしか無いかしら?」

 

茜と?

やった!!

ってか、もう驚かないからね、個人で国と不可侵条約結んでるとか、マンガの世界みたいな事、これからいくらでもあるだろうし。

 

「貴女も、この件が終われば、嫌でも結ぶ事になるわよ。今回ばっかりは、貴女自身の力でどうこうは無理だもの」

 

ってことは、私も巫女の仲間入りかぁ。

あ~あ、SDA総合ランキング、トップテンになるの、夢だったんだけどなぁ。

巫女になったら、もう無理だよねぇ、オバさんはランキングに載ってから、巫女になったって言うし、巫女のオバさんと、ランキングに載ってるオバさんって、別人扱いだからなぁ。

 

戸籍複数の名前で持てるのは、巫女位だよ。

しかも国からのお墨付きの戸籍、SDAランキングに登録時のオバさんの名前は姓は同じで名は由梨(ゆり)、殆ど変わって無いけど、これだけでも十分人は誤魔化される。

 

見た目も変わったらしいしね、巫女の影響なんだろうけど、若返りとか、本当にファンダジーの世界だなぁ。

 

「貴女の存在も十分ファンダジーよ……………………ほら」

 

ポスッ

ちょいきなり引っ張るのやめてよ、つか、何で抱き締めてるのさ?

 

「二人は暫く来ないでしょう、今のうちにすっきりしちゃいなさい。少し位泣いても、誰も文句言わないわよ、これからは泣く暇なんて無いんだから、ね?」

 

若干涙声のオバさんに言われて、身体の緊張が解けたのか、震えが止まらなくなって、視界がぶれる。

 

何か、泣いてばっかだなぁ。

 

 

 




以下、次回予告(多分今回だけ)

結局現場整理に入る前に、トラブルの発生。
妹のののかからの連絡を受けて、あかりは行方不明の父親の捜索に、アメリカ行きを決める。

一方のキンジは、小百合から現実を突き付けられ、傷心状態に…………

志乃は芸能活動で身動きがとれず、小百合は条約のせいでアメリカに行くことが出来ない。
あかりとアメリカに行くことになった狐、茜とは………

次回「神様って、以外と皆ミーハー」

次回も見ないと、風穴開けるわよ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。