緋弾のアリア~IFエネイブル間宮 あかり   作:リムル=嵐

3 / 30
嘘だろおい、あかりちゃんがヒロインしてるだと( ゚Д゚)
何か、書いてて、こいつとんでもない性癖の扉開いてんじゃね?とか思ったけど、ジャパンなら普通だなハッハッハ∩(´∀`)∩


少女達の練習《ガールズ・エチュード》
ちゅうがく1ねんせい!


休み明けの月曜日、今日からまた、学校生活が始まるとなると、ちょっと憂鬱。

 

「あかりちゃん、おはよー」

 

「おはよー」

 

クラスメイトの子に挨拶して、自分の席に座る。

 

「ねえねえあかりちゃん、遠山先輩がまた告白されたって、ホント!?」

 

教科書広げて授業の準備してたら、前の席の女の子が話し掛けてきた、名前は立花 華(たちばな はな)、装備科の女の子だ。

 

出てきた話題に頭を抱えたくなるけど、そんなことしても意味ないから我慢。

 

「えっと、私未だ先輩にその話し聞かされてないよ。今度は誰?」

 

それにしても、あの女ったらし、また女の子ひっかけてるの?

我が事ながら、ちょっと呆れるわ、女の子からみた前世の私って、こんな感じだったのかなぁ。

 

「三年生の先輩、バスジャックに巻き込まれた時に助けたのが切っ掛けって、告白してたらしいよ。昨日、近くの公園で」

 

私が虐められる前に助けて、ちょっと女の子の事教えてあげただけなのに、どうしてこうなるの?

 

………やっぱり、人の人生を変えようとするのが間違いなの?

 

「そうなんだ、放課後先輩に聞いてみるね?」

 

取り敢えず、放課後あの昼行灯はお説教だね、懲りない事はしっかり叱らなきゃダメなんだよ。

 

「ありがと~、校内新聞のネタに困ってたから、助かる!!大好きだよあかりちゃ~ん!!」

 

「ちょっいきなり抱き付かないでよ、皆見てるから!?」

 

間に机があるのに、器用な事しないでよ!!

 

それに、いくら新聞部だからって、他人の恋愛事情は書かない方が良いと思うよ?醜聞屋って言われるかもしれないし。

 

「私ぃ、あかりちゃんが言うなら、見られても良いよ?」

 

ッッッッッ!!!!!!?………もう、華ちゃんったら、冗談止めてよ?結構可愛いんだから。

 

「もう、冗談やめて、私にそっちの気は無いからね?」

 

そう言って抱き付いてる華ちゃんを、強引に引き剥がす。

 

「あん!もう、連れないな~。女の子はもっと優しく扱わないと、だめ何だゾ☆」

 

そんな事言ってニヤニヤしながら、ウインクしてくる級友にデコピンして、隣の席で呆れてる目で見てくる友達に話し掛ける。

 

「拓君も助けてよ、友達が困ってるんだから」

 

そう言って拗ねる私に、拓君こと、井上 拓巳(いのうえ たくみ)君は、愛想笑いしながら口を開いた。

 

「あはは、まぁ華ちゃんがくっつくのは、いつもの事だしね。もう半年何だし、いい加減馴れたら?」

 

顔は甘い感じのイケメンなのに、口から出るのは辛辣なお言葉。

 

まぁ半年もしてれば馴れるけど、半年も見てるんだから、止めてくれても良いと思うんだ、私。

 

「そう睨まないでよ。ほら、華ちゃんが嫉妬しちゃうよ?」

 

拓君が言った瞬間、お預け待ってた犬みたいに、飛び込んでくる華ちゃん。

 

「あかりちゃん、私も見て~」

 

何て言いながら、抱き付いてくるのに回した手で、然り気無くボディチェックしてくるから、流石に私も怒る。

 

「ちょっ、もう、しつこいよ華ちゃん」

 

「だからぁ、そんな連れないこと言わないで。ん?………あ、もしかしてあかりちゃんふとっ「それ以上はホントに怒るよ?」はーい、ごめんなさーい!」

 

こいつ、よりによって男友達の前で、何言おうとしてるんだ、危うく素が出たじゃん。

 

「ほれ、そこのロリ二人、HR始めっからおとなしくしてろ~」

 

「「はーい」」

 

むぅ、華ちゃんのせいで先生に注意されたじゃん。

拓君は笑ってるし、私根に持つタイプ何だからね?前世から。

 

その後時間が経って、お昼休みになって私がいつも通り、二年生の教室に向かおうとすると、華ちゃんが話し掛けてきた。

 

「あ、あかりちゃんいつもの?」

 

そう言って、私の持ってる物を見る華ちゃん。

心なしか、ニヤついてるのが苛つく。

 

「うん、先輩私が渡さないと、惣菜パンとコーヒーしか飲まないし」

 

「健気な妹だねぇ、先輩が羨ましいよ」

 

そう言って話に参加する拓君、何で彼女とか奥さんとかより先に、妹が出てくるんだろう、謎だよ。

 

「あら?妹キャラが好きなの?」

 

「いや、そうじゃなくて、戦妹(アミカ)だから、妹って思って」

 

そんな感じで話に盛り上がる二人に、一声掛けて私は二年生の教室に向かった。

 

「じゃあ私行くね」

 

「「行ってらっしゃ~い」」

 

………………むぅ、何でニヤニヤしてたのよ二人とも、納得いかない。

 

私は前世の私(昼行灯)がマトモな物食べてないから、仕方無く戦妹として、行動してるだけで、別に他意なんてこれっぽっちも無いからね?そもそも前世の自分に恋心抱くとか、それってただの、ナルシストのキモいやつじゃん!私はナルシストなんかじゃないし、どっちかって言うと金一お兄さんの方がタイプだし……………いや!!これは別にブラコンじゃないし、血の繋がりも無いし、前世では兄弟でも、今は一人の女の子な訳であって、つまり私が金一お兄さんをちょっとカッコいいなぁ、何て想ってて「あら、あかりちゃん?」

 

「ひゃ!?」

 

び、びっくりしたぁ、白雪先輩か、考え事してた時に話し掛けられたから驚いたよ。

 

「どうしたの?そこ男子トイレだよ?」

 

「え?………………あ!?ごめんなさーい!」

 

慌てて周りを見ると私が居る所は、二年生の階の男子トイレの入り口前だった。

 

周りの先輩達が、心配そうに見てるのが凄く恥ずかしい。

 

「うぅ、白雪先輩~」

 

涙目の私が白雪先輩に突撃すると、先輩が抱き締めて頭を撫でてくれた。

 

うぅ、前世は何て恵まれてたんだ、こんなに良い人が幼馴染だったなんて、前世では考えられなかったよぉ。

 

「あはははは、よしよし、今日もキンちゃんにお弁当作って来たんでしょ?一緒にキンちゃんの所行こ?」

 

「ありがとうございます先輩。」

 

結構な速度で抱き付いたのに、嫌な雰囲気を出さないで優しく背中を叩いてくれる白雪先輩の優しさに、不覚にも胸がときめく。

前世の幼馴染が女神過ぎて、そっちの気が無いのに私、惚れちゃいそう。

 

「あかりちゃんは今日は何作ってきたの?」

 

二人で教室まで歩きながら、今日の献立のお話をする。

 

毎日、学校がある日の前日に、次の日のお昼の献立をメールで連絡するから、私も先輩も何作ってきたのか知ってるけど、大まかにしかメールしないから、その日のお昼のお楽しみになってるのだ。

 

「筑前煮と、から揚げ作ってきました」

 

「朝から煮物大変よねぇ、あかりちゃんは妹と二人暮らしだから、尚更だし。」

 

そう言って頭を撫でてくれる先輩に、ちょっと恥ずかしくなりつつ、先輩が作ってきたお弁当を聞く。

 

「先輩は何作ってきたんですか?」

 

「私は卵焼きと、きのこの炊き込みご飯に、茶碗蒸しと、デザートの和菓子、簡単なのだけどね?」

 

え、スゴ!?

手間が掛かるものが多いし、何が凄いって和菓子だよ、和菓子!!

 

和菓子って、作る物によるけど、スッゴい手間と時間が掛かる料理なのに、朝から準備じゃ絶対間に合わないよ、前日から下準備しても、先輩私より朝時間無いのに、凄いなぁ。

 

「先輩、いつも手が込んでて、凄いなぁ。私なんて作れるものが少なくて、あんまり出来も良くないし」

 

これでもインスタントしか出来ない前世より、かなり頑張った方何だけどね。

 

お母さんが武術とかより、嫁入り修行の方が大事って言うタイプだったから、今も休日実家に帰ると、家事の勉強が待ってるし。

 

「そんな事無いわよ、戦兄(アミコ)の為にここまで出来る子は、あかりちゃんだけよ?自信持って!」

 

うぅ、ヤバイ、白雪さんが女神過ぎる。

 

「うぅ、私、白雪先輩の妹になる~」

 

「ちょっと、いきなり抱き付かないで。もう、仕方無いわねぇ」

 

「むふふ、白雪先輩おっきいですよねぇ。幸せ~」

 

前世から思ってたけど、ホントにおっきいよなぁ、どうやったらここまでおっきくなるんだ。

 

毎日牛乳飲んでるし、強襲科で運動もしてるのに、全然おっきくならない。自分のと比べて、あまりの戦力差に涙目になってくる。巨乳なんて滅べば良いんだ、白雪先輩とお母さん以外の巨乳は敵だ!!

 

「ほら、もう教室着くから、いい加減離れなさい」

 

白雪先輩器用だよなぁ、抱き付いてるのに、普通に歩けるんだもん。

これも星伽の武術の応用なのかな?

 

「はーい。遠山先輩、今日も端っこの席で、校庭でも眺めてるんでしょうかね?」

 

男子にはモテ男ってことで僻まれてて、女子には手が早い下半身男って評価。

 

他にも色々、本人の事よく知らない人達から、言われてるみたいだし。本人は昼行灯だから、ろくに否定しないんだもん。教室だといつも一人なんだよね、昼行灯。

 

「そんな皮肉止めなさい。キンちゃんは私達を待っててくれてるのよ?」

 

むぅ、別に自分の事なんだから、良いと思うんだ。あ、過去の出来事が私の前世と違うから、もう別人なのかな?よく分かんない。

 

取り敢えず頷いとこ。

 

「分かれば良いんだよ」

 

白雪先輩はそう言って、ドアの前で軽く身嗜み整えた後、教室に突入する。私も真似して軽く身嗜み整えた後、お弁当持って教室に入る。

 

「えっと、失礼します」

 

「キンちゃーん、お弁当持ってきたよ~」

 

二人して入ると、中の喧騒が一瞬静まり返る。

うぅ………はぁ、いつまで経ってもこれは馴れないなぁ。何か悪い事したみたいで辛い。

 

で、話し掛けられた当の本人(昼行灯)は、と言うと。

 

「お前ら、よく毎日飽きないよな。ここじゃあれだ、屋上行くぞ」

 

何て言って、ろくにこっちを見ることもなく、てくてく歩いてく始末。ここまで酷い男は珍しいんじゃ無かろうか。

 

クラスの人も、あいつ何言ってんだ、みたいな反応だし。この昼行灯、ホントにあのお兄さんの弟なのだろうか、ちょっと前世が恥ずかしくなってきた。

 

まぁ、私達の事庇ってくれてるんだけどね。不器用過ぎるよ、ホント。

 

「あ、待ってよキンちゃん!」

 

「失礼しました………待ってくださいよ、センパーイ」

 

上級生のクラスだから、出るときに一礼して、私達も急いで後を追う。

 

「あいつ、女の子が弁当作ってきてくれるのに、何だよあの態度」「つうか、人としてどうよ、親切には親切で返せって、親に習わんのかね」「私、あいつのくれるのが当たり前みたいな態度、大っ嫌い!」「「「「分かる~!!」」」」「つうかアイツキモくね?」「だよねだよね、いつもスカした態度でさ」「禿げ同だわ、マジでムカツク!」

 

扉をしめた後直ぐに聞こえてきた声に、一瞬視界が真っ白になった。

 

クラスメイトを群れて虐めるお前らも、存外に大概だけどな、虐めは駄目だって親に習わんのかね?

 

「ッ!?………ッッッ!!」

 

ほら、白雪先輩も顔が強張ってる、手なんて指先白くなるまで強く握り締めてるし、毎日こんな感じ何だもん、学校嫌になっちゃいそう。

 

「速く行きましょうよ、白雪先輩」

 

私はいつも通り、後ろの声にも、白雪先輩の事にも気付かないふりで、笑って白雪先輩を急かす。

 

「………………うん、そうだね」

 

二人で昼行灯を追い掛けて、屋上に行く。

武偵中の屋上は、入り口のカギが壊れてて、縁を腰ぐらいの高さの柵で囲まれただけの、何も無いだだっ広い空間。

 

屋上ではもう、予め持っていたのか、小さめのブルーシート敷いて、端の方に陣取ってる昼行灯が居た。

 

「どうした、白雪、どこか悪いのか?」

 

何て言って、さっきの時とは違って気遣うもんだから、白雪先輩が態度を良くするんだよね。これが惚れた弱みなのかなぁって、思います。

 

「だ、大丈夫だよ、私は元気だから、気にしないで?」

 

「そっか、悪い所あったら直ぐ言えよ?」

 

「うん、ありがと、キンちゃん」

 

空気が甘ったるい、何これ、無性に緑茶が飲みたい。でも飲んだら死んじゃうんだよね、私。

 

昔、お母さんが遠足の水筒の中身を、ののかの水筒と間違ってお茶を容れた事が有るんだけど、その時病院に運ばれて、お医者さんに調べてもらったんだ。

私は一日に250㎎のカフェインで危険域らしい。

 

普通の人はちょっと寝付きが悪くなるレベルでも、私には致死量だ。この体質のせいで、私は一族の技の継承権が、ののかより低い。

 

一子相伝の、長女が覚える等の技は、私の変わりにののかが覚える事になってる。

 

ま、私としてはののかには申し訳無いけど、変な癖が付く前に、この事が分かって良かったと思うよ、自分の訓練が出来るし、お料理とか、勉強とか。

 

それに、脳内処理速度とか、リミッター制御とか、この体質でのメリットは沢山あるんだから、これぐらいへっちゃらだよ。

 

「これ、私のお弁当何だよ、きのこの炊き込みご飯と、卵焼きと、こっちが茶碗蒸し。デザートも有るからね」

 

「ん、どれも旨そうだな。いつもありがとな、白雪」

 

「ううん、私は良いの、好きでやってるから、あかりちゃんのお弁当も美味しそうなの揃ってるんだよ……………あかりちゃん?」

 

あ、うっかり考え事してた、この身体になってから、脳内処理速度に任せて、ついつい考え事する癖が付いちゃってる。

 

まぁ、前世の記憶持ち何て子供何だから、周りに馴染めなくて、いつも一人で遊ぶか、ののかと遊ぶかの二択だっただけ、なんだけどね。

 

「どうした、あかり、具合でも悪いのか?」

 

気付いたら昼行灯の顔が目と鼻の先にあって、驚いて後ろに飛び退く。

 

!!?!!!?

 

「ん...熱は無いな」

 

「な、なななななにしてんですか!!」

 

この昼行灯、いきなり乙女のおでこに自分のおでこくっつけるとか、私を殺す気か!!

 

「何だよ、元気じゃん」

 

「もう、キンちゃん!そういうのは家族だけにしなさいって、言ってるのにぃ!!」

 

そうだそうだ!そういうことばっかりやってるから、勘違いばっかするんだよ!!

私と白雪先輩の為にも、少しは自重しろぉ!

 

…………は!?

いや、この私と白雪先輩ってのは、決してライバルが増えるからとかじゃなくて、学校生活が辛くなるっていう、れっきとした理由がですね!?

 

「あかりは、俺の恩人だ、つまり俺の大事な人だ、だから家族と同じ扱いして、何が悪い」

 

…………………////////ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛、もう!!

 

この昼行灯、何でこんな殺し文句ばっかり言うんだよ!!

 

「殺し文句の生き字引ですか貴方は」

 

二人に聞こえない声で小さく一言呟いて、お弁当を広げる。

昼行灯は聞こえなかったみたい……………良かったぁ。

 

「ん?から揚げと筑前煮か、旨そうじゃないか。あかり、いつもありがとうな!」

 

くそう、こいつの笑顔がマジで眩しい、なまじお兄さんに似てるから、勘違いしそうになる。落ち着け私、こいつは私の前世よ?ろくな男じゃ無いわよ!!

 

「別に、私達が作らなきゃ、片寄った物しか食べない遠山先輩が悪いんです。他意は無いですから!」

 

そう言って筑前煮を摘まむ。

………ん、もうちょい濃い方が昼行灯の好みかな?……は!?私は今一体何を考えて!!?

 

「ん、二人とも旨いよ、ホント。学校にはこのために来てるようなもんだ」

 

そう言って美味しそうにお弁当食べる昼行灯に、何か、クラっとする。落ち着け私ぃ!!この昼行灯は、金一お兄さんじゃないからね!!

 

「キンちゃん、私、キンちゃんにそう言ってもらって嬉しい!!」

 

何か白雪先輩が、嬉しさの余りトリップしてるけど、時間は有限なので無視して食べる。

 

…………うぅ、やっぱり白雪先輩の方が美味しい。何か悔しいなぁ、もっと練習しなきゃ。

 

「おい、あかり」

 

やっぱりお塩とかの使い方からして、違うのかな?何て考えてたら、昼行灯に話し掛けられた。

 

「ん、何です?」

 

「付いてるぞ」

 

そう言って頬っぺたに付いてたキノコを取って、パクっと食べる昼行灯………こいつはいつもこうなのか?こうだったな、そういえば。前世からこんなことばっかりしてたわ、私も。

 

「どうした、いきなり赤くなって、やっぱり体調が「大丈夫です!!」そ、そうか」

 

恥ずかしくて思わずおっきい声出して、ご飯を掻き込む。

 

やられる側になって、始めて分かった。これされるのメチャクチャ恥ずかしい。相手が異性だと尚更だ。こんなんされたら、そりゃ落ちるよ、我ながら見た目は、お兄さんに似て結構なイケメンだし...........むぅ。

 

「ふぅ、食べた食べた、 御馳走様二人とも。」

 

雑談しながら食べてたら、直ぐにお昼ご飯が無くなっちゃった。未だお昼休み半分以上有るんだよねぇ。

 

「デザート有るから、ちょっと待っててね、キンちゃんあかりちゃん」

 

未だHRまで時間は余裕あるし、デザートの時間はあるな、やったー!!あ、お茶出さなきゃ、今日はお母さんが玉露送ってくれたから、水筒に容れて持ってきたんだった。

 

「私お茶を持ってきたんで、どうぞ」

 

「お、ありがとな」

 

「ありがとうね、あかりちゃん」

 

二人に紙コップ配って、お茶を注ぐ。

今更だけど、やっぱり中学でこれするのは、やり過ぎだよね。

 

いや、義務教育なのに、給食は食堂に行って受けとる方式っていう、この学校がおかしいんだけどね。任意だから、私達みたいにお弁当オッケーだし。

 

生徒の自主性とか自立云々って言ってるけど、そんな事やってるからPTAを敵に回すんだよ。

 

HR前に家に帰ってもお咎め無しだし、担任が朝に、今日はめんどいからHRなし、何て言う日もあるんだから、この学校は教育機関として間違ってるんです。

 

…………武偵育成って意味では、間違って無いかもだけどね。

 

「はい、金鍔(きんつば)作ってきたの。沢山有るから、持って帰って、お家の人にもどうぞ。作り過ぎちゃって」

 

え、何この量。お昼ご飯と同じ位の量が有るんだけど、流石にこの量はちょっとぉ……ん?この金鍔、色が違う?

 

「あ、気付いた?普通の小倉あんだけじゃなくて、他のあんも使ってみたの。」

 

凄い、粒とコシは勿論うぐいすや白あんもある、こんなに手が込んでるなんて、白雪先輩がちょっと眩し過ぎるよ。

 

「お、どれも旨いな、お茶にも合うし、兄さんにも放課後届けるか」

 

何て良いながら、パクパク食べてる昼行灯の言葉に、そういえばと思う。

 

未だお兄さんは『イ・ウー』に入って無いんだよね。

 

昼行灯が高校一年の時にシージャックが起こるから、私が中学三年の時か。少なくても二年の間に、私はお兄さんと、カナと闘えるように成らなきゃダメか。

 

お兄さんが居なくなるのは、例えもう、無関係な存在になったとしても、絶対にヤダ。

 

それと、昼行灯がそのせいで暗くなるのは、何かムカツク。

 

「あかり、お前、やっぱり調子悪いだろ。全然食べてないじゃないか」

 

口をモグモグさせながら、喋らないで下さい。それと………………乙女の食事事情は、地雷の宝庫よ、バカ!!

こうなったらやけ食いよ、全部食べてやる!

 

「遠山先輩、これ食べた後覚えといて下さいよ」

 

小さく一言呟いて金鍔をパクつく。

全部1つずつ食べて、お茶をゆっくりと飲む。少しなら体調に直ぐに出るような問題はないし、和菓子にはやっぱりお茶が一番合うからね……………むふぅ、どれも美味しいなぁ。白あんも捨てがたいけど、うぐいすも良いなぁ。

 

けど、カボチャあん、お前がナンバーワンだ!!

 

美味しい、カボチャあんが美味し過ぎる。あ、ちょっと昼行灯、私のカボチャあん取らないでよ!?

 

「えっと、キンちゃん、女の子には色々有るんだよ?それより、金鍔どれが一番美味しい?」

 

あ、白雪先輩、別に女の子の日じゃないです。私のは重すぎるので、その日は登校出来ないですし。

 

「ん?そうなのか?金鍔はこの黄色いのが良いな、甘さが丁度良い」

 

ん?昼行灯はカボチャあんが好きなんだ、何か子供っぽいなこの人。いや、私もそれが好きだけどさ。

 

「私も、カボチャあんが一番好きです。他も美味しいんですけど、後引く感じがあって、後お茶に合うんですよね」

 

私の感想に、昼行灯が頷いてる。何か微妙な気持ちだよ。

 

「ふふ、二人ともカボチャあんね、今度作る時に参考にするから、ありがとうね」

 

そう言って笑う白雪先輩、何この女神、前世で機関銃ぶん回してた人と同じ人とか、考えたくないよ。

 

……………どうしてああなった!!

 

三人で談笑してるとHR開始の予令がなった。もう五分前らしい。

 

「あ、もうそんな時間か、教室戻らないとな」

 

そう言って寂しそうに笑う昼行灯に、白雪先輩が不安そうに質問する。

 

「そうだね………………………ねぇキンちゃん、学校楽しい?」

 

「ん?楽しいぞ、二人と会えるからな」

 

……………頬っぺた掻いて視線を逸らしてる、嘘ついてるな、昼行灯。

 

「遠山先輩、私達以外で、楽しいことってあるんですか?」

 

「それは……………良いだろ、別に、俺は今に満足してる」

 

不機嫌そうに顔を背けた、これも嘘だ。

 

昼行灯のバカ、変な所で気い遣って、また一人で背負い込むの?

 

「そっか、キンちゃんが良いなら、私は何も言わないよ」

 

また周りが気い遣ってる、こんなのって無いじゃん。お互いが気を遣って、お互いが我慢して、お互いが損してる。何か、ヤダ。

 

「ほら、二人とも、もう遅刻確定だからさ、ここでサボっちゃおうぜ、何ならこのまま訓練でもするか?」

 

ホント、バカ……………バカキンジ

 

 




どうしよ、一晩で出来たとか、言えない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。