おかげでプロット全部やり直しだぜ、チクショウ(;´_ゝ`)
あの後、倒れた私を救護科まで運んでくれて、目を覚ますまで、この昼行灯ことキンジは、ずっと傍に居てくれたらしい。
……………何だろ、無償に恥ずかしいな。
「先輩?」
取り敢えず、あんな殺し文句連発して、私のこと落としたキンジに、文句を言おう。そうしよう。
「ん、どうした?」
文句言おうとしたのに、キンジの顔みたら全然出てこない。何これ、見てるだけでポカポカしてくるんだけど、これがホレた弱みってやつ?白雪先輩、いつもこんな思いしてたの?
でもこれ、何かで感じたことあるんだよね、何だろう?
「いえ、何でもないです」
保健室は今、私とキンジの二人っきり、今私が言えば、キンジはどこまでしてくれるだろう?……………は!?落ち着きなさい私!!いくら前世より感情の制御が出来ないからって、何考えてんのよ!!?
「やっぱり、どこか悪いんじゃないのか?」
はう、心配してくるキンジの顔見てたら、何か苦しくなってきた、顔が真っ赤になるのが分かるよ。
「大丈夫ですよ、救護科の先輩も言ってたじゃないですか、過度の心理的ショックによる、キャパオーバーで気絶って」
「そんな人間滅多に居ないとも言ってただろ、バカ。今日は家まで送るからな、戦兄命令だ」
な、ダメ!それは、心の準備が!!
ど、どうしよう、このままキンジと一緒に帰るとか、メチャクチャ恥ずかしい!!学校の友達に見られたらヤダ無理死んじゃう!!!
うぅ、どうすれば良いのよぉ。私がこれから起こる下校の羞恥に頭を抱えてると、携帯から某特殊部隊のBGMが流れ始めた。
ん?こんな時間に誰だろ。
「あかり電話きてるぞ」
そう言って、私のブレザーから、携帯渡してくれるキンジ。携帯受けとる時に、ちょっと手が当たってビックリしたのは、絶対に内緒だ。
「あ、ありがとうございます」
あ、ののかからだ、どうしたんだろ?
「もしもし、ののか?」
「お姉ちゃん今どこ!?」
ひゃ!?
「えっと、学校だけど」
「それなら連絡してよ!!今日から私、家の修業があってアパートに戻れないんだから、夕方頃に連絡してって言ったじゃん。今七時だよ!!?」
え、嘘!?
急いで確認すると、時計は七時五分を指してた。
ホントにそんな時間だったんだ。
うぅ、すっかり忘れてたや、ののかとの電話。
「ごめんねののか。お姉ちゃんちょっと今、保健室に居て、時間確認出来なかったの」
この学校、救護科の治療室と病室は、時計置かない様にしてるの。武偵は色んなトラウマ持ちが居るから、それ対策らしいけど。私よく分かんないや。
「え、何かあったの!?怪我は!!!」
ののか、声おっきいよ、キンジが呆れてるって。うぅ、恥ずかし過ぎる。
「大丈夫だよ、ちょっと訓練で擦りむいただけだから、平気平気」
「むぅ。なら良いけど、とにかく!私が戻る三日後まで、アパートにお姉ちゃんしか居ないんだから、気を付けてよ!?」
何に気を付ければ良いのさ、分かったけど。ののかは心配性だよ。
「大丈夫だって、お姉ちゃん信じなさい!」
「………分かった、それじゃ切るね。お休みなさい、お姉ちゃん」
む、随分不服そうじゃない、私だって一人暮し位、出来るもん、安心してよ!
「うん、お休みののか」
「意外だな、前に会った時は、もっと大人しい子だと思ってたぞ、ののかちゃんは」
そう言えばキンジは、ののかに一回会ってたっけ、一月位前に。
「む、ののかは大人しいよ?ただ、ちょっと私の事になると、過保護なだけで」
「確かに過保護だな、どっちがお姉ちゃんだか、これじゃ分からん」
うにゃ!?
乱暴に頭撫でないでよ、恥ずかしいから止めて!!
「ちょっと先輩、恥ずかしいから、止めて下さい!」
「ん?誰も見てないだろ、何恥ずかしがってんだ」
キンジが見てるじゃん!!
この昼行灯!女たらし!根暗!
「ぶ~、私は恥ずかしいんですぅ」
「何言ってんだか、それよりもうこんな時間だし、一回歩いてみろ」
ふぇ?
いきなり何言ってんだろ、歩けば良いの?しょうがないなぁ。そんなに私のブルマ姿が気に入ったの?キンジも中学生だったって訳ですか。思わずにやけるのを抑えられなくて、だらしなく笑う。
「何ニヤけてんだよ、速くしろ」
もう、そんな急かさなくても良いじゃん。こっちは体調不良だっていうのに。
「よっと、これで良いんですか?」
何で私に歩かせるのかな?あれかな?まだ着替えてないから、ブルマでも見たかったのかな?それなら言ってくれれば、今じゃなくても着替えるのに………って私!?何でもう、そこまで落ちてるのよ!!
って、あれ?
考え事で足下が覚束ないみたいで、躓いて転んじゃった。
「おっと、やっぱり未だ難しいか。しゃあない、一人で着替えられるか?何なら未だ、白雪残ってるだろうし、白雪に手伝ってもらっても良いんだぞ?」
で、それをキンジに受け止められて、頭真っ白になっちゃってる。冷静なのは、脳が疲れて、パニックになるほど元気が無かったんだね、パニックは体力とか、精神的にも結構疲れる事だもん。私は程度によるけど、一日三回もパニックになれば、キャパオーバーで気絶。その後は疲れきってて、一日ダウナー状態です。テンションはメッチャ低くなる。
まぁ、それでも……はひぃ、キンジの匂い安心するぅ。何か安心し過ぎて、ボーッとしてきた。
あ、そっか、脳に負担掛かって、一時的に身体機能が低下してるんだ、後半で私が使ったコンボ、今考えると二割で出来る範囲越えてるもん。
多分五割は越えてた、今の私は五割を越える感情の、制御が出来ないから、後半は殆んど暴走状態に近かったんだよね。
……………キンジが
「……一人じゃ無理です。先輩、手伝って下さいよ」
あはは、キンジ困ってる。ゴメンね、暴走させるキンジがいけないんだよ?もう、我慢出来ないもん。
「あ、あぁ、白雪に連絡するから、ちょっと待ってろ」
そう言って携帯を取り出すキンジの腕を、掴んで止める。
「おい、連絡出来ないから離せ」
「やです、白雪先輩じゃなくて、
あ、緊張してるんだ私、手が震えてる。目も少し潤んでるのが分かるよ、度胸無いなぁ。ねぇキンジ、ダメですか?
「!?………ダメだ。疲れてるんだろ、少し落ち着け」
はぁ、中学生の頃に期待しゃダメだったの?
そりゃ、高校に入ってからの方が、女の子の扱いになれるような事が沢山起きたけどさぁ、もうちょっと度胸見せてよ。私が勇気出したのに、バカ。
「………そうですよね、分かりました、我慢します」
「我慢も何も、気の迷いだろ。白雪からメール返ってきた。生徒会の仕事終わったら、直ぐに来るってよ」
こっちを見ないで携帯を見てるキンジ、顔真っ赤だよ?ちょっと嬉しいかも。でも、二人っきりの時に、他の
「白雪先輩にも迷惑になっちゃった。ごめんなさい」
あの人、生徒会長で茶道部と華道部部長だから、毎日最終下校時間ギリギリに学校出てるんだよね。
武偵中は、最終下校時間八時だから、白雪先輩家に着くの九時過ぎだし、そこから朝のお弁当の、下準備とかもあるんだよ?
中学生に無理させ過ぎだって、大変ってレベル越えてるよ。前世の高校でも、同じぐらい忙しかったんだろうなぁ。それなのにあんな邪険に扱っちゃって、あまつさえ厄介者扱い、今世は絶対にそんな事させないよ!!
まぁ、私も迷惑かけちゃってるんだけどね。うぅ、白雪先輩は私の女神様、私がお弁当初めて作ってきた時も、事前に言うの忘れてたのに、すっごく優しくしてくれたし、よく勉強教えてもらってるし、女神様だよ本当に。
「バカ、落ち込むな。白雪はすきでやってるんだから、お前のせいじゃない」
でも、キンジが言えば、白雪先輩どこでも付いてくるじゃん。あの人根がお人好しなのに、キンジに対しては恋の力も絡んでくるんだよ?それはもう、とんでもない位言いなりだよ?まるでキンジが、ご主人様みたいな感じだよ?最初見た時、ホントに驚いたんだから。前世で何で普通に感じてたんだろ、おかしいよ絶対。
「なら私、一人で帰りますよ。白雪先輩は、キンジ先輩と、一緒に帰りたいでしょうし」
そう言ってそっぽ向くと、キンジが呆れて私の顔に手を伸ばす。え、何?怒らせちゃった!?ど、どうしよ、どうすればあやまる?でも何にあやまれば痛い!?何するのよキンジ!女の子にデコピンとか、デリカシー足りてないよ!!
「バカだよなあかりは、バカりだ、バカり」
な!?何その言い方!!こっちは好きでバカになったわけじゃないんだよ!!第一、私がバカになるんならキンジだってバカでしょ!!!
「いきなり、何言うんですか!?もぅ!」
ポカポカキンジの事を殴る。力入んなくて、全然威力が出ないからか、キンジ笑ってるし。
「ほら、しおらしくなってるんじゃなくて、そっちの方があかりだよ。第一、お前の為に来てるのに、お前が一人で帰ったら、俺が白雪に怒られる」
そんな感じに頭を撫でてくるキンジ。うぅ、私が悪いみたいじゃん。バカ。
でも、言い返せない。ってか、殺し文句言われて顔真っ赤だよ、何でこう、恥ずかしいセリフ言えるかなぁ。
「ぐぬぬ、先輩が正論言ってる」
どうやったら、こうまでして的確なタイミングで、殺し文句と正論を飛ばせるのか。天性の女ったらしだよ、女の子の天敵だよ、非リアの理想だよ、キンジのバーカ///
「それよりだ、未だ白雪が来るのに大分時間がある。」
キンジが、部屋の内鍵閉めちゃった。私、もしかしてピンチ?
「何で、俺が撃たれてる時にヒステリアモードになったと分かった?」
ぐ、それは、その、ええとあれだ、えと、どうしよ?
「正直に答えてくれ、あかり、そうしないと俺は、お前と戦わなくちゃならない」
そりゃそうだよ、そんな事分かってるよ!HSSは遠山一族の秘密の一つ、.....何かもう結構広まってるけど、それでも知ってるなら、出所調べないとダメな事位、私でも分かるわ!!
「えと、私のご先祖様分かりますか?」
こうなったら、ご先祖様のせいにして、乗りきるしかない!!
「間宮だろ?...............あぁ、そう言うことか」
ご先祖様の一人に、遠山一族の部下だった人が居る。その人が、子孫に伝えていたって事にすれば、私が知っている事に説明がつくんだよ、やったー!!
「あの状況でヒステリアモードになれるのを知ってるのは、分かった。だけど、死にかけるとヒステリアモードが発動するなんて、俺は知らなかったぞ?」
えっと、それは.....いや、それもご先祖様のせいにしちゃえ。実際ご先祖様、達筆な字でヒステリアモードの事書いてるしね。.....まぁ、秘中の秘とも、書いてるけど。
でもごめんなさいご先祖様、仕方なかったんです。悪気は無かったんです!!
「それは、ご先祖様が巻き物に書いてて、えっと、他にも有るんですけど、聞きます?」
う、怖い顔しないでよぉ、キンジに怒られてるみたいで、泣きそうになる。
「お前のご先祖様、忍びなのに情報漏らし過ぎだろ」
それについては、はい。私も思っている所でして、その、上司が怖かったんだと思うよ?
「いやぁ、私も少し思ったんですけど、個人的な日記みたいな物でしたし。結構雑な感じで、蔵に入っていたんです。正直な話、見る人なんて居ませんし、知ってるのは私だけだと思いますよ?」
「………そうか、今度里に行く時に、見せてくれないか?その巻き物」
ん?そう言う事なら、全然平気だけど、そんなに気になるの?
「分かりました。他のヒステリアモードの事も、話しますね」
あ、生徒手帳出したよ、メモするんだ。何か意外だなぁ、前世だと手帳として、ちゃんと使った記憶が無いからなぁ。
「準備オッケーだ、話してくれ」
「はい。まずヒステリアモードには通常のタイプがあります。ノーマルモードみたいな感じです。これに瀕死の時に発動するハードコアモードと………………」
続き言い辛いよ、これ。
「どうした、言い辛いモードでもあるのか?」
う、不安そうにしないで下さいよ、見てる方が辛いです。
「えっと、奪われた女の人を、奪い返す、モードがあります。それと、そのモードを何度も繰り返すと発動する、複数の女性が傷付けられると、発動するモードがあります。」
あ、やっぱり微妙な顔した。そうだよねぇ、私も聞いてて、どうなんだろうこれって思うもん。何度も女の人を奪い返すって、どうやったらそんな状況になるのよって。
ま、まぁ、でも実際、前世では一度あったし?あるにはあることなのかな?珍しい事では、あるんだろうけどさ。
「後は妄想して一人でなる、春水車ってモードと、賢者みたいに無欲になって、興奮しないモードがあります。最後のは、逆に弱くなるらしいですけど」
そこまで話した後、キンジはメモをとって、一息吐いた。まさか、外部の人間からヒステリアモードについて教えられるとは、思わないよね、しかも年下に。
「ありがとうな、教えてくれて。一応、家に帰って爺ちゃんに聞いてみる。助かったよ、特に最後の二つ」
まぁ、そうだよね、普通聞いたら、強いって思うよね。でもヒステリアモードになれるぐらい、強く妄想するって、実際難しいんだよ?
「力になれたなら、良かったです。私、迷惑ばっかりかけちゃってるから」
俯いて言ったら、頭を撫でられた。
はふぅ、撫でるの下手なのに、何でこんな気持ち良いのかなぁ、凄い安心する。何だろ、お母さんとか、お父さんに撫でられてる感じ。優しい感じがする。
「お前には、いつも助けてもらってるんだから、気にすんな。俺の方こそ、
そりゃそうだよ、私が全力で、当たるかもしれないギリギリの位置を狙ってたんだもん。いきなり動かれれば、そりゃ動いたら、直ぐに対応出来ないから、間に合う頃には、もう大ケガしてるよ?
改め考えると、ホントに無茶なことしてたんだなぁ。暴走してたからとはいえ、殆んど殺人未遂みたいなもんだよ。でも、私が暴走しないのは、感情制御の面からして無理だし………もうキンジに私が暴走しても、受け止めてくれるだけの力がないとダメなんだよね。
里に来たときに、お父さんに頼んで、修業させてもらえないかな?
うん、それが良い、これからどうせ、沢山巻き込まれて戦う事になるんだし、強ければ強い方が、死ぬ確率は下がるんだもん。
私は、キンジが香港で死ぬのを防ぎたい。それにその、キンジと一緒に居たい。傍に居るだけで良いから、選ばれなくても良いから、キンジの事を近くで見ていたい。
私は、金一お兄さん派だからね、傍で見られるだけで満足だよ。
あかりちゃんはメインヒロイン、異論は受け付けない。