魔法少女リリカルなのは Metal Chronicle -鋼を統べる者- 作:零式機龍
辺りを包み込む、目を覆わんばかりの光。
続けて、激しい衝撃が襲ってくる。
何が起こってるんだ!?
「なのはッ!!!」
魔法少女リリカルなのは Metal Chronicle -鋼を統べる者-
第8話 対峙と乱入者
衝撃波を受け、なのはがこちらに後退してくる。
「なのは! 大丈夫か!?」
「う、うん。わたしは平気・・・だけど・・・」
「なッ!? レイジングハートが・・・」
手にしたデバイスには、損傷の跡。
フレームにも、デバイスコアにもあちこち
これは・・・酷いな。
「ジュエルシード、再活性化します!!」
「ッ!!」
美月の声に顔を上げる。
ジュエルシードから激しく光が立ち上り、脈打つように鳴動している。
早く止め・・・ようにもレイジングハートがこんな状態じゃ・・・・・・
どうすれば・・・!
「!! フェイトちゃんが!!」
見ると、フェイトがジュエルシードに飛びついていた。
デバイスは手にしていない。
その手でジュエルシードを掴み、強く握り締める。
「デバイス無しで封印を!? 無茶だ!!」
「フェイト! 駄目だ! 危ないよ!!」
ユーノやアルフさんが叫ぶが、フェイトは止めようとしない。
手からはジュエルシードの光が幾筋も漏れ、彼女に苦痛の表情が浮かぶ。
くそッ・・・見ている事しか・・・できないのか・・・!!
どれ位たっただろうか、次第にジュエルシードの波動が小さくなる。
封印・・・できたのか・・・?
「フェイト!!」
崩れ落ちるフェイトを抱きかかえるアルフさん。
「あの・・・」「・・・フェイトちゃんは」
声をかける間もなく、ギロリとこちらを睨みつけると、そのまま踵を返し飛び去ってしまう。
残された僕たちは立ち尽くすしかなかった・・・・・・・・・・・・
その夜、それぞれ自宅に戻り、今日の事を話しあう。
《なのは、レイハさん大丈夫か?》
《どう? ユーノくん・・・》
《かなり破損は大きいけど、大丈夫だと思うよ。
自動修復機能をフル稼働させてるから、明日には回復すると思う》
《そっか・・・よかった・・・・・・》
《ひと安心ですねー》
《・・・なぁユーノ。フェイトの封印って・・・あれってやっぱりヤバかったのか?》
《・・・かなり危険な手段ではある。
封印のプロセスは、稼働中の魔法プログラムに対して外部から割り込みをかけて、
その プログラムを停止させることで行われるんだけど・・・
当然、対象よりもこっちの魔力が高くないといけない。
だから通常、デバイスもその最大出力を放てる形態で行使される。
――― それをデバイス無しでやろうとすると・・・
強い魔力と高い技術をもってしても、負担は相当だと思う》
《フェイトちゃん、大丈夫かな・・・・・・》
《大したこと無ければいいけどな・・・
――― 封印、か・・・美月、例のプログラムは出来上がったか?》
《・・・? 何の事だい、祐介》
《前に、レイジングハートにシーリングのプログラムを教えてもらってな。
それを僕たち仕様にプログラミングし直す事ができればと思ってさ》
《完成すれば、祐介にもジュエルシードの封印が可能になります。
――― こちらも明日にはなんとか》
これで少しは、なのはの負担も減らせるといいんだけど・・・
危険が及ぶような封印、させたくないもんな。
翌朝。早くに目が冴えてしまたので、散歩がてらランニングに出ていた。
流石に人通りもほとんど無い。爽やかな朝を満喫しつつも、考えるのはこれからの事。
「祐介、どう思います?」
「何が?」
「フェイトさんの事です。祐介はどう見ます?」
「どうって言っても・・・一概にどうとは・・・・・・
まぁ、優しい子なんだろうな、とは思う」
「優しい・・・ですか」
「何が何でもジュエルシードを手に入れるって風を装ってるけど、
その気になれば、なのはや僕を倒して奪う事もできたと思う。
昨日だってそうだ。なにもあんな危険を冒して封印する必要はなかった。
街がどうなろうが、デバイスの修復を待って封印にくればよかったんだ。
あの状況では僕たちには確保できない事も分かってただろうしな」
「でも、ジュエルシードを集める意思は半端じゃないですね。
相当な物を背負ってるんでしょうか・・・・・・」
あれだけ必死になるんだ。並大抵の理由じゃないだろう。
何がフェイトをそこまで駆り立てるのか。
たとえ戦うしかないのだとしても、それが分からないとスッキリしない。
次は・・・答えを聞けるだろうか・・・・・・
その日の夕方、突然感じた波動。
《ッ!? ジュエルシードか!》
《発動地点・・・・・・臨海公園です!》
急いで人ごみの中を、目的地へと走る。
《封印プログラム、できてるな!》
《いける筈です!!》
《上等! なのは、ユーノ!》
《うん! 分かってる!》
《僕たちもすぐ向かうから!》
《あぁ、現地で合流だ!!》
・・・・・・恐らくは、フェイトも出てくるだろう。
正直、どうすればいいかなんて思い浮かばなかった。
もうこうなったら出たとこ勝負だな・・・・・・
臨海公園に着くと、ちょうどユーノが結界を展開したところだった。
今度のジュエルシードは樹を取り込んだらしい。
巨大化した樹が、枝を、根っこをうねらせている。
「さて、どう出るか――― ッ!?」
突然、横から飛来する金色の光弾。フェイトか!?
しかし暴走体はバリアを展開、弾かれる。
「防御まで備えたやつは初めてだな・・・」
「来ます! 飛びますよ祐介!!」
唸りをあげて叩きつけられる根っこを、上空に飛んで避ける。
同じ様に上空に移動していたなのはと合流する。
「どうするの、祐介くん」
「どうしようかなぁ。まさかのバリア持ちだもんな。
それにフェイトも来てるし・・・・・・」
目を向けると、そのフェイトはデバイスを大きく振り抜き、
回転する魔力刃を暴走体に向けて射出する。
再びバリアによってそれを防ぐ大樹。
「――― 便乗してみるか。
同時や連続で攻撃すれば、バリアを抜けるかもしれないし」
「分かった! やってみる!! レイジングハート!!」
「Shooting mode.」
「こっちもでっかいのいくぞ、美月!」
「了解! 大出力砲撃用意!!」
なのはがレイジングハートを変形させ、僕も新機鋼を顕現させる。
FHA-03M1 メガ・バズーカ・ランチャー。
僕の身の丈程も、いやそれ以上の長さの砲身を持つ大型砲。
銃尾から引き下ろしたステップに片足をかけ、正面に構えて両手でグリップを握る。
見ると、フェイトの方も次の攻撃態勢に入っていた。
「撃ち抜いて! ディバイン―――!」「Buster.」
「メガ・バズーカ・ランチャー・・・!」「発射っ!!」
「貫け、轟雷!」「Thunder smasher.」
3つの砲撃が、桃色・緑銀・金色の輝きが、大樹へと殺到する。
展開したバリアも虚しく、暴走体は光の奔流に呑みこまれていった。
封印されたジュエルシード。
それは、僕たちとフェイトとの間に浮かんでいる。
封印体勢のままデバイスを構えての睨み合い。
――― 先に口を開いたのはフェイトだった。
「ジュエルシードには・・・衝撃を与えたらいけないみたいだね」
「・・・そうだな。昨日の今日で同じ事は勘弁だ」
「うん・・・
フェイトちゃんのバルディッシュも、かわいそうだもんね・・・・・・」
「だけど・・・譲れないから」
「Device form.」
「わたしは・・・フェイトちゃんと話をしたいだけなんだけど」
「Device mode.」
デバイスを通常形態に戻す2人。
本格的に戦闘に入る・・・か・・・・・・。
「わたしが勝ったら・・・・・・
ただの甘ったれた子じゃないって分かってもらえたら・・・・・・
お話・・・聞いてくれる?」
フェイトは答えない。でも同意とみていいだろう。
仕方がない・・・やるしかないか。
「祐介くん・・・・・・」
こちらも戦闘態勢に入ろうと構えた時、
なのはが何か言いたそうな目でこちらを見ているのに気付いた。
――― あぁもう、こいつは・・・・・・
「・・・・・・分かったよ。お前に任せる。思いっきりやってこい」
「うん・・・ありがとう」
苦笑と共にその場から離れ、地上に降りる。
戦闘中、退避していたユーノを拾い上げ、なのはたちを見上げる。
「祐介、なのはは・・・?」
「自分が勝ったら話をさせてくれ、だとさ」
「そんな!?」
「しょうがないだろ。なのはが決めた事だ。
とにかくまずは、想いをぶつける事に決めちゃったんだから」
「なのはさんの想いは・・・届くでしょうか・・・・・・?」
頑張れよ、なのは・・・・・・
お互いに突進する。
大きくデバイスを振りかぶり、振り下ろされる。
2人が交錯するその瞬間・・・・・・
「ストップだ!!」
水色の光と共に、2人の間に割って入る黒い影。
左手でレイジングハートを、右手の杖でバルディッシュを、それぞれ受け止めている。
「ここでの戦闘は危険すぎる!
時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。
詳しい事情を、聞かせてもらおうか」
――― 誰だよ。
第8話 終
~あとがき・・・もどき!!~
作者「祐介にも封印できたんだ・・・」
祐介「その適当な設定を書いたのはお前だけどな」
作者「機械とかプログラム関連なら、美月に任せりゃ何とかなるかなーと」
美月「そうです! もっと頼って下さい! 私にもっと出番と愛を!」
作者「まだ言ってんですか。出番は・・・鋭意努力って事で」
祐介「愛は増えん」
美月「(いつか目にもの見せてくれる・・・)
しょうがないですねー。
じゃあ切り替えて機鋼の話をしましょう。派手なの出て来ましたね」
祐介「FHA-03M1 か・・・でかかったな」
作者「メガ・バズーカ・ランチャーって書いてあるから分かると思うけど、
MSN-00100 百式の運用したアレです。えぇい、ままよ!ってね。
ハイパー・メガ・ランチャーでも良かったんだけど、型式分からなかったから」
美月「・・・何でそんなに型式にこだわってるんですか」
作者「いや、美月に格納されてるデータって名称リストになってる設定だったから・・・
なるべく見た目にもややこしい名前を用意しようと思って・・・」
祐介「そのせいで僕が苦労するんだけどな・・・・・・」
作者「一度使っちゃえば通称になるから大丈夫!」