魔法少女リリカルなのは Metal Chronicle -鋼を統べる者-   作:零式機龍

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第5話 邂逅、そして戸惑い

 

 

 

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夜、眼下には静かな町並みが広がっている。

 

「・・・ロストロギアは、この付近にあるんだね」

 

分かっている事だと言えばそれまでだけど、そばにいたパートナーに確認する。

 

「形態は青い宝石。

 一般呼称はジュエルシード・・・」

 

そう言うと、彼女は何か言いたげな顔をして私を見る。

 

「・・・そうだね。

 すぐに手に入れるよ・・・」

 

  オオォォーーーン

 

そして彼女の声が夜空に響きわたった。

 

 

 

   Side out

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのは Metal Chronicle -鋼を統べる者-

 

第5話 邂逅、そして戸惑い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだな、すずかの家に行くのも」

 

休日、僕となのはは月村邸へと向かっていた。

 

「そうだね。最近お茶会してなかったから楽しみだよ♪」

「なのはさん達3人はいいとして、祐介が優雅にお茶会・・・似合いませんねー」

「ほっといてくれ。招待されたんだから行ったっていいじゃないか」

「でも想像して下さいよ。

 広い庭に置かれた白いテーブルとチェア。

 そこで優雅にティーカップを傾けながら談笑する祐介・・・

 笑えるほど違和感ありますって。なのはさんもそう思いませんかー?」

「にゃっ!? そ、そんな事ないと思うよ、うん!

 別に、いつもタイムセールに走り回ってるからって、

 オバサンみたいだなとか、そんな事は思ってないよ!?」

「I also think so.」

「あんた達も大概失礼ですね!?

 おい、まさかユーノもそう思ってるんじゃないだろうな?」

「え、えーと・・・・・・ノーコメント?」

「お前らみんな敵だ!?」

 

もう、泣いていいかな・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで月村邸に到着。

しかし・・・アリサの家といい、すずかの家といい、いつ見てもでかい家だ。

 

  ピンポ~ン

 

・・・何故にインターホンは、一般家庭的なモデルなんだろう。

まぁインターホンに高級感もなにも無いか。

 

「祐介様、なのはお嬢様、いらっしゃいませ」

 

出迎えてくれたのはノエルさんだった。

 

「どうも、ノエルさん」「こんにちは~」

「どうぞこちらへ。すずかお嬢様もアリサお嬢様もお待ちです」

 

ノエルさんに案内され、部屋に通される。

 

テーブルでは、すずかと、既に来ていたアリサがカップを傾けていた。

 

「あ、なのはちゃん、祐介くん」「おはよ。遅かったわね」

「すずかちゃん、アリサちゃん、おはよー」「2人とも、おはようさん」

 

陣取っていた猫を抱き上げ、椅子に座る。

あ、ユーノが蛇に睨まれた蛙、もとい猫に睨まれたフェレットになってる。助けないがね。

 

 

 

しばらく談笑していると、藪から棒にアリサが口にする。

 

「・・・今日は、元気そうね」

「え・・・?」

「なのはちゃん、最近少し元気無かったから・・・」

 

すずかも、少し言いにくそうにしながら、優しく続ける。

 

「もし、何か心配事があるなら、話してくれないかなって・・・2人で話してたんだけど」

「すずかちゃん・・・アリサちゃん・・・」

「・・・よかったな、なのは。心配してくれる友達ってのは、やっぱり大切にするもんだ」

「あんたもよ、祐介」

「へ・・・?」

 

ちょっと驚いてアリサに向き直る。

 

「あんたとも、なのは程じゃないにしても1年付き合ってきたんだもの。分かるわよ」

「そっ・・・か・・・」

 

・・・・・・参ったな。

自分では何気なく振舞っていたつもりだったけど、心配かけちゃってたのか・・・・・・

 

「ありがとな、2人とも・・・心配かけてごめん。

 ちょっと野暮用で失敗やらかしてさ。気づかない内にヘコんでたのかな・・・

 でももう大丈夫、元気でた」

 

何よ現金ねー、などと笑い合う。

 

その後、ユーノが猫に追い回されたり、それに足を取られたファリンさんがお茶をぶちまけそうに

なったりと、場はドタバタと和みまくり・・・

 

・・・・・・本当、2人ともありがとな。ありがたい友達持ったよ、全く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気分と場所を変えて庭のテーブルを囲みお茶を啜る。

ん、この言い方は少しジジくさいか・・・? もとい、ティーカップを傾ける。

 

「しかしまぁ相変わらず・・・すずかの家は猫だらけだな・・・・・・」

 

そう、屋敷の中もそうだったが、そこかしこに猫、猫、猫・・・・・・猫王国である。

ちなみにアリサの家は犬王国だったりする。

しかし動物は和むねー。猫は可愛いねー。とかやってた時・・・・・・

 

「――― ッ!?」

 

この感じは・・・!?

 

《なのは! ユーノ!》

《うん・・・すぐ近く、だよね》

 

間違いない・・・ジュエルシードか・・・!

しかし今はアリサとすずかもいる。どうしたものか・・・・・・そうだ!

 

《ユーノ、まず1人で向かってくれ。なのはと追いかけるから》

《・・・? そうか! 分かった》

 

ユーノがなのはの膝から飛び降り、茂みへと駆けていく。

 

「あれ? ユーノ、どうかしたの?」

「う、うん・・・何か見つけたのかも。ちょ、ちょっと捜してくるねっ」

 

なのは・・・もうちょっと演技がんばれ?

もっとこう、自然にな。こんな風に。

 

「なんか面白そうだし、僕も行こ」

「あんたも行く気? まったく野次馬なんだから」

「何だよ、そこは少年らしいと言えよー」

 

そう苦笑して、2人を残し、なのはとユーノを追って茂みの中へ走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し走ると、反応が急に大きくなった。

 

「美月!」

「ジュエルシード、発動を確認しました!」

「ここじゃ人目につきすぎる・・・結界を張らなきゃ!」

「「結界?」」

「最初に会った時と同じ空間。

 魔法効果の生じてる空間と、通常空間の時間信号をズラすんだ。

 僕が少しは・・・得意な魔法・・・!」

 

そう言うとユーノは何やら集中を始め、魔法陣が展開される。

 

「あまり広い空間は切り取れないけど・・・この家の付近くらいなら、なんとか・・・」

 

なんとなく周りの空気が変わる。あの夜と同じだ。やっぱり普通の空間とは違うように感じる。

あぁ、今まで事件時にいつも人目が無かったのは、これのお陰だったのか。

 

「祐介くん! あれ!」

 

なのはが指す方向にジュエルシードの大きな光。

そこから現れる巨大な影。警戒して身構える。

 

「くそっ! 今度はどんな奴が・・・!

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

  にゃ~ぁお

 

猫・・・・・・だった。

誰がどう見ても立派に猫だった。

ただ大きさが半端なくデカい。高さも10m以上はありそうだ。

 

地響きをたてて歩き出す猫を、全員であっけにとられて眺める。

 

「あ、あ・・・あれって・・・・・・」

「さっき向こうに居た、小猫だよ・・・な・・・」

「た、多分、あの猫の“大きくなりたい”って想いが、正しく叶えられたんじゃないかと・・・」

 

ぶ、物理的に大きくなりましたね・・・・・・

もはや小猫じゃねぇ。いや、大きくなっても仔猫には違いないか。

暴れるでもなくノシノシと歩き回る巨大猫を眺めて、しばし悩む。

しかしこのままって訳にもいかないよな。

 

「どうするんだよ・・・コレ・・・?」

「行動はただの仔猫ですけど、いかんせん大きすぎますしねー」

「やっぱり、このままじゃ危険だから、元に戻さないと」

「そ、そうだよね。流石にあのサイズだと、すずかちゃんも困っちゃうだろうし・・・」

「いやいや、そういう問題じゃないって・・・

 取り敢えず、襲ってくるような様子はない、か。本当にデカいだけで、ただの猫だな。

 もう、さっさと封印してしまった方がいいんじゃないか?」

「そうだね・・・・・・レイジングハートっ!」

 

なのはがセットアップしようとした、その瞬間、突然金色の光弾が横切り猫に命中する。

 

「な、何だ!?」

 

いきなりの事に驚きつつ、光弾の飛来した方角へ振り返る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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対象への着弾を確認する。・・・初撃だけでは、それほどダメージもなさそうだね。

 

「バルディッシュ。フォトンランサー、連撃」

「Photon lancer Full auto fire.」

 

ジュエルシードを発動させたであろう猫へと射撃魔法を連射、直撃。

ちょっと可哀想だけど、ジュエルシードの確保のためにも、大人しくしてもらわなきゃ。

さらに連射。

 

ところが、突然飛び出してきた人物が防御魔法を展開、防がれる。

 

「魔導師・・・?」

 

何でこんな管理外世界に魔導師が、とも思ったけど、人の事は言えないね。

多分、私と同じようにジュエルシードの探索に来ていたんだと思う。

1人は、白を基調としたバリアジャケットに、バルディッシュと同じインテリジェントデバイスを

持っている女の子。

少し離れて男の子がもう1人。バリアジャケットは・・・展開してないのかな。

手にしている銃、あれが恐らく彼のデバイス。

 

・・・・・・多分、2人とも魔導師としてはまだ新米。驚きと困惑の表情がありありと出ている。

 

でも、相手が誰であろうと・・・・・・

 

「ロストロギア、ジュエルシード・・・」

「Scythe form Set up.」

 

バルディッシュをサイズフォームへと変形させ、構える。

 

「申し訳ないけど、頂いて行きます・・・!」

 

踏み込み、白い魔導師に向かって肉薄、バルディッシュを振り抜く。

相手は飛行魔法で上昇、それを目で追いながら、追撃体勢へ。

 

「Arc Saber.」

 

そのままバルディッシュを振り抜き、発射された魔力刃は回転しながら命中。

防御魔法で凌いだのだろう、あの子は爆煙の中からさらに上昇するが、それは読んでいる。

待ち構えていた上方から、バルディッシュを振り下ろす。

彼女もかろうじて自分のデバイスで受け止め、鍔迫り合い状態に。

 

「なんで・・・なんで急に、こんな・・・!」

 

その状態から、声をかけられる。

でも・・・・・・

 

「答えても・・・・・・多分、意味がない」

 

そう返す事しかできない。私のするべき事は、ただ一つなのだから。

 

一度距離をとり、バルディッシュをデバイスフォームへ。

彼女もデバイスを変形させ、こちらへ向ける。

 

「Photon lancer Get set.」

 

バルディッシュを相手に向け構え、にらみ合いになる。

 

そして数瞬・・・・・・

気絶していた大猫が鳴き、身を起こそうとする。

彼女がそれに気を取られた瞬間、

 

「・・・・・・ごめんね」

「Fire.」

 

威力を高めたフォトンランサーが彼女に直撃した。

 

 

 

   Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのはっ!!」

 

あの子の光弾をまともに食らったなのはが宙高く吹き飛ぶ。

あんな状態で地面に叩きつけられたら・・・・・・!

くそッ! このまま走っても間に合わない!

 

「美月! 飛行ユニットっ!!」

「は、はい! バックユニット、展開!」

 

瞬間、構築されるパーツ。

『AQM/E-X01』。左右に伸びたウイングと、可動式のスラスターを備えたユニット。

なのはの飛行魔法についていくために、新たにデータベースから探し出した機鋼だ。

それを背負うような形で装着。全開でバーニアを噴かす。

 

「くッ・・・! 間に合えぇっッ!!」

 

落下してきたなのはを、何とかギリギリで受け止める。

パッと見、大きな外傷は見当たらない。

安堵の息を吐いた時、背後で大きく金色の光が走る。

振り向くと、大猫のジュエルシードを、あの子が封印していた。

 

そしてこっちに視線を向ける。

・・・恐らく、僕たちとそう変わらない年頃。

黒を基調とした、レオタード状のバリアジャケットとマント。

長い金髪をツーテールにまとめている。

反射的に銃口を彼女に向けるが、撃っていいものかどうか戸惑いが頭から離れない。

・・・今の状態では、うかつに動けない。

なのはがあっという間にやられた相手だ。勝てるとも思えない。

 

それ以前に、人を撃てるのか・・・? いくら威力を制圧モードに設定してるとはいえ。

 

 

 

 

 

――― 十数秒の葛藤。

突然、彼女は踵を返し、飛び去っていった・・・・・・

 

「反応、消えます。この近辺から離脱したようです」

「・・・・・・はぁ・・・・・・・・・・・・」

 

気が抜け、その場にへたり込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気を失ったなのはが目覚めたのは、もう夕方になる頃だった。

取り敢えず、ユーノを探している途中で転んで気絶した、と説明はしたが。

みんなに、また心配をかけてしまった。ほんと申し訳ないよな・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜。今日の事について、4人で話し合う。

 

《で、いったい何だったんだ、あの子》

《あの杖や、衣装や、魔法の使い方・・・多分、いや間違いなく僕と同じ世界の住人だ》

《ほんと容赦なく魔法ぶつけてきましたねー、あの人》

《うん・・・・・・ジュエルシード集めをしてると・・・

 あの子とまた・・・・・・ぶつかっちゃうのかな・・・・・・》

《・・・そう、だろうな・・・ 向こうもアレが目的なんだろうし・・・

 正直、分からない・・・次に会った時、どうすればいいのか・・・・・・》

 

不思議と、恐怖はなかった。

あったのは、戸惑いと・・・僅かな悲しさ。

同じ物を求めている以上、ぶつかる事もあるのかもしれない。

でも、なんの意志の疎通もできないまま戦う事になるなんてのは・・・

 

 

 

 

 

今は・・・分からない事が多過ぎる・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ソファに身を預け、寄り添ってきた彼女の頭を撫でる。

 

「少し、邪魔が入ったけど・・・大丈夫だったよ」

 

彼女は安心したように頬を緩める。

 

「ジュエルシード・・・シリアル14。

 ・・・・・・幾つかは、あの子達が持ってるのかな・・・・・・」

 

今日回収した青い宝石を眺めつつ、あの時逢った魔導師の事を思い出す。

私と同じようにジュエルシードを集めているのなら、持っているはず。

 

ふと目線を下げると、彼女が心配そうにこちらを見ていた。

 

「大丈夫だよ・・・・・・迷わないから・・・・・・」

 

そして、机の上に目を向ける。

そこには1枚の写真。

 

「待ってて・・・母さん・・・・・・

 すぐに、帰ります・・・・・・」

 

 

 

   Side out

 

 

 

 

 

      第5話   終

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ~あとがき・・・もどき!!~

 

 

 

祐介「割と???視点多かったな」

作者「これでも削ったよ? 最初はもっとコロコロ視点変わってたから」

美月「今更ですけど、3人称で書けば良かったですねー」

作者「というより、???ってする必要を感じない・・・

   どうせみんな知ってるんだから名前書けばいいんじゃないかとも思う」

祐介「僕達は知らないんだけど?」

作者「さ、そんな事より今回の新しい機鋼の話題に行こう!」

美月「流しましたね・・・・・・

   えー今回は『AQM/E-X01』でした。

   飛行するためのユニットですか?」

作者「どんな物かってゆーと・・・・・・

   つまりはエールストライカーパックの事なのです!(ドヤァ」

祐介「・・・分っかんねーよ」

作者「読む人にはきっと分かる!

   あ、あとどうでもいい話だけど、今回祐介が持ってた銃、

   あれは、プールの時に使ったビームスプレーガンです」

祐介「ほんとにどーでもいいな!」

美月「いつまでこのテンションであとがき続けられるんでしょうね・・・・・・」

 

 

 

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