咲の世界にジョセフのようなキャラクターをオリ主として登場させてみた   作:橆諳髃

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「よぉ作者! かれこれ3年ぶりだな?」

まぁそうですね。3年ぶりですね。

「全く、中途半端な所で中断しやがって。その作品が後どんだけある事やら」

それ言われると何も言えないですけど……やっぱり気分って大事ですよね?

「まぁそうだがよぉ〜。取り敢えず鶴賀編は終わらせろよ?」

まぁそのつもりで考えていますよ。今のところは。取り敢えず本編どうぞ。


14話 ありふれたこの時間が……

 

 

 

 

 東横とデートをした翌日は普通の登校日だった事もあり、日常としては今のところ変わりは感じられない。

 

 まぁ……変わった事としたら、あれ以降さらに東横がべったりとしてくるぐらいで、授業中も誰にもバレない程度でコッソリイチャイチャしたり、部活中も先輩方の目は気にせずに俺にスキンシップを取ってくる。

 

 しかしながら……悪くはない。両親と別れて以降ポッカリと空いた穴が、それで塞がれていくかのように。

 

 そんな日常も何週間か過ぎ去り、いよいよ今日……

 

「皆集まってくれ。いよいよ来週の土日には予選を含めた県大会が始まる。私達3年は今年が最後の大会となる。今までは個人戦にしか出れなかったものの、星条くん達が入部してくれたおかげで参加資格も満たせた。まずはお礼を言いたい」

 

「そんな事は良いですよ部長。それに俺だって、先輩方の最後になるかもしれない大会に付き添えるとあれば光栄ですし」

 

「そうっすよ。まぁ私は星条くんが行くところにはどこにでもついて行きたいっすし、最終的に加治木部長のお供を星条くんがするのなら、私もついて行くっすよ」

 

「わ、私はあまり力にならないかもしれないですけど……そ、それでも頑張ります‼︎」

 

「ありがとう。思いはどうあれ、私達に付き合ってもらった事を……私は誇らしく思うよ」

 

「それはそれとしてだ。星条くん……」

 

「ん? 何ですか部長?」

 

「私は君が入部した時から何回も繰り返しいっている事なのだが……私が部長ではないと何回言ったら気が済むんだ⁉︎」

 

「えっ? いや、どうみたって部長でしょ? 今の立ち位置は、俺から見てもそう値する所だと感じますし?」

 

「わはは、星条くん、私が部長だよ?」

 

「いや、浦原先輩じゃなくて加治木先輩が部長ですって。良い加減現実を見て下さいよ先輩」

 

「君が1番現実を見るべきだが?」

 

「まぁまぁ、そんな軽めの漫才じみた事はどうでも良いとして。今回の県大会についてですよね?」

 

(((あっ、話を逸らした)))

 

「……あぁ。そうだ。とりあえず団体戦では誰が何番目に出てやるのかを決めたい。とりあえず私の考えなのだが……」

 

 そうやって決まっていく人選だが、俺はというと……

 

「へぇ〜、俺は仮に最終戦行った時の大将ですか」

 

「あぁ。まぁ出たい時に私の代わりに出ても勿論構わないし、そこの許可も取ってあるからな。それに……」

 

「君がこの鶴賀学園の生徒だと知った時の他の者の反応も見てみたい事だしな」

 

「いやぁ……部長も案外悪いお方ですねぇ〜」

 

「そうでもないぞ。これまで4年間素性が分からなかった選手が、まさか今年高校1年生になっていたというのを隠し通していた君ほどでもないさ」

 

「えぇ〜? そうですか?」

 

「そうだよ。実際君だと知ったときは驚きを隠せなかったからな」

 

「……まぁそうやって今までの関係が全部他人行儀になるんじゃないかって思ってたから隠してたんですがね。まっ、そもそもあの放送日本でしかやっていなかった様なので、一応各国で流すのならば俺の正体は上手く隠す様にも言いましたが、実際にその場にいた人達やあの放送を見た人にはバレたでしょう」

 

「それでも……俺の正体を知ってからも先輩方は変わらずに接してくれましたし。だから感謝なら俺だってしてるんですよ」

 

「そうか。それだったら私の事を部長とかって言うのもやめてもらいたいんだが……」

 

「いや、そもそも……まぁ良いです。ともかくとして、俺が入ったからには最低でも全国狙わせて頂きますよ」

 

「あぁ、頼りにしているよ星条くん」

 

 それからはまた卓を囲って牌を打っていく。取り敢えず予選に出る前に今よりも強くしとかないとな。

 

 その活動も今日は終わりを告げ、今は東横と並んで帰り道を歩いていた。それも恋人繋ぎしながらな。

 

「ふふっ、今日も承悟くんカッコよかったすよ♡」

 

「俺はいつもの通りに打っただけなんだがな……でもまっ、東横に褒められるのは嬉しいけどな」

 

 東横に笑みを浮かべながら俺はそう答える。それに対して東横も、俺の腕に身体ごと密着して応えた。

 

「そういえば承悟くん、承悟くんはお姉ちゃんの事をいつ名前で読んでくれるんすか?」

 

「……えっ?」

 

「だって、お姉ちゃんだけ承悟くんの事を下の名前で呼ぶのはフェアじゃないと思うだ。だからお姉ちゃの事も……下の名前で呼んで?」

 

 っと、また上目遣いしながらそう言ってくるもんだから……俺は断れない。

 

(そもそも断るつもりもないし……)

 

「……確かにそうだよな。もう俺達付き合ってるし……俺も姉ちゃんの事名前で呼ばないとな?」

 

「そうっすよ。だからお姉ちゃんの事……今から名前で呼んでみて?」

 

「あ、あぁ……呼ぶぞ。……も、桃子」

 

「はい♡ 良くできました。そのご褒美として……承悟くん、目を閉じて下さいっす」

 

 俺は、東横……いや、桃子が何をするかを何となく理解して目を閉じた。それから数秒後……俺の唇に柔らかくて温かい感触のものが押し付けられた。

 

「はい、もう目を開けて大丈夫っすよ」

 

 目を開くと、少し頬を赤く染めながら笑みを浮かべる桃子がいた。

 

「……かわいい」

 

「えっ? どうしたっすか?」

 

「いや……俺そんな桃子の、お姉ちゃんの様子を見たらなんか歯止めが効かなくなってきてるみたいでさ……だから」

 

「ふふっ、分かったっす。じゃあ続きは承悟くんのおうちで……良いっすね?」

 

「あぁ。じゃあ早く帰るか。お姉ちゃん、俺の背に乗ってくれ。お姉ちゃんの事おんぶして走って帰るから」

 

「だ、大丈夫っすか?」

 

「心配する事ないさ。伊達に身体鍛えちゃいねぇからな。さっ、乗ってくれ」

 

「分かった。それじゃあ、お願いするっすよ」

 

 桃子を背中に乗せ、桃子の両手が俺の肩をしっかり掴んだのを確認すると、あまり負担にならないくらいの速度でその帰り道を駆けて行った。

 

(にしても……)

 

 何が……とは言わないが、背中に当たっているこの感触って……いや、何を今更な事考えているのやら。

 

 と、取り敢えず俺は頭の中で煩悩退散という単語を繰り返しながら駆けて行った事は想像にたやすい事だろう。

 

 

 

 

 

 

side 桃子

 

 

 

 

(あぁ……これが承悟くんの背中♡)

 

 私は承悟くんの身体の大きさを改めて肌で感じていた。私の身体が余裕ですっぽりと入る大きさだと思うっす。

 

(でもこれだけ身体が大きいのに、私に甘えてくるあの姿……これが正にギャップ萌えってやつっすね)

 

 そう思っている今でも、彼は頼もしい足取りで帰路を走っている。それも私に出来るだけ負担をかけまいとしながら……

 

(ふふっ♡ 本当に承悟くんは優しい)

 

 そう思った私は、承悟くんを背後から抱きしめる様な形で私の身体を背中に預ける。

 

「ふぁっ⁉︎」

 

 そうしていると、承悟くんから可愛い反応が……

 

(もっとそんな可愛い反応が見たいなぁ♡)

 

 私はそれから承悟くんの背中から様々な悪戯を仕掛けては、承悟くんの反応を楽しんだ。後で怒られるたのは想像に容易いっすけど……でもこの時間が、承悟くんと一緒にいられるありふれたこの時間が……私は好き。

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 


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