この平行世界の爆裂娘に祝福を!   作:大夏由貴

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遅れ過ぎィ!!
とりあえず本当に、本当に申し訳ありません。
今回はあちこち視点が変わります。
それと時間軸的には召喚初日→召喚初日の夜→次の日の夜って感じになります。時間動き過ぎな件について。
そしてややこしいとは思いますが、この話の次の日、つまり大人めぐみんが召喚されてから二日目から運命の3日間が始まります。ごめんねめんどくさくて!
最後の視点は特に短いです←ここで私の気力は燃え尽きた。
一応続きは書きます。いつ投稿出来るかは分かりませんが。


最後に一言。

就職先がブラックすぎる。


この始まりの日に終止符を!

私の名はエリス。この世界で女神をやっている者です。

 

それは魔王が討伐されて早くも半年の時が流れ、今日も今日とてこの世界を見守ろうと思い、盗賊クリスとして活動を開始しようと思っていたある日の事-

 

 

 

「・・・という訳で、共に平行世界の道を作ってくれませんか?」

「本当にカズマ君達は一体何してんのさああぁぁぁあああ!!!!」

 

 

 

-別世界の私に、犯罪の片棒を担いでくれと頼まれました。

 

なんでも平行世界のカズマさん達が転生者の残した神器を使い、此方の世界のめぐみんさんを召喚してしまったという話でした。

 

もう既に昼頃。此方のカズマさん達がパニックを起こし始めても可笑しくありません。

 

「というかそっちの私も私だよ!どうしてそんな神器を放っておいたのさ!」

「その点は本当にすみません・・・。地上に残された神器の中では比較的安全だったので、回収は後回しでも良いと思って・・・。」

 

申し訳なさそうに謝る向こうの私。まあそれもそうだ。幾ら望んだ使い魔を呼べるといっても、それは主人の実力次第。生半可な魔力ではロクな使い魔など呼べない。アレはそういう神器なのだから。

 

しかし困りました。異世界に飛んだならまだギリギリ規定に引っかからずに呼べる可能性がありましたが、よりにもよって平行世界。完全にアウトです。

異世界なら多少人と触れ合ったり会話をしたり、場合によっては技術を教えたりしても問題ないのですが、平行世界は少しの情報も行き来してはならない。それはその平行世界の未来を大きく変えてしまうから。それはつまり平行世界の意義をなくす事に他ならない。

違う可能性を辿ったから平行世界なのだ。その行き来した情報によって同じ可能性を辿ったら平行世界の意味がない。そういう考えが浸透し、平行世界の行き来は天界規定により禁止されています。

 

・・・だが飛ばされたのがよりにもよって私の知り合い。それも魔王を倒し、この世界を救った・・・救った?・・・ま、まあ兎も角、魔王を倒した人物の妻である。もしこのまま向こうの私に手を貸さず、めぐみんさんが帰ってこなかったら、その人物が天界に対してカチコミでもしかねない。

なにせ死後の世界をテレポート先に登録する人だ。その上女神である先輩まで付いている。正直何をしでかすか分かったものじゃない。

 

「・・・ああぁぁぁあああもおおぉぉぉおお!!!!分かったよ!!けどやるなら徹底的にだよ!!少しでもバレる可能性があったらすぐに中止するからね!!」

「すみません!本当にありがとうございます!」

 

悩みに悩んだ末に、私は共犯者になる選択をした。

そもそもの話、このまま放っておいてもそう遠くない内にカズマさんが私に相談しにくるのが目に見えている。そうなったら結局何だかんだあの人達に協力する事になるのだろう。だったら最初から手を貸した方が余計な手間もかからない。

そうと決まれば早く準備を進めた方がいい。焦ってヘマをしてはいけないが、長引けば長引く程天界の人達にバレる可能性が高い。

 

「それじゃあとりあえずどういう手順で進めるかを決めよっか。まずは・・・。」

「あっ。その前にそちらのカズマさん達に今の状況を伝えてもらってもいいでしょうか?」

「っと、そうだね。多分しばらく経ったらやってくるとは思うけど、早く伝えたら余計な被害も出ないだろうし。」

「・・・?やってくる・・・?」

「あー、気にしないで。こっちの話。」

 

この反応からすると、どうやら向こうの世界はまだ此方程状況が進んでいないようだ。まあわざわざ罪状を増やす理由も無いので伝えるつもりも無いが。

しかし向こうの私の言う通り、先にカズマさん達に情報提供をしておいた方がいいだろう。そうすれば街中を大騒ぎさせる事も無いだろうし。

そう思い、一度向こうの私に断りを入れてから私はクリスとして地上に降り立った。

 

 

 

もう既に手遅れになっているとも知らずに。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

地上に降りて、早速アクセルの街にあるカズマさん達の屋敷にやってきた私を迎えたのは・・・

 

 

 

 

 

「ダメだ!警察や守衛の者達に聞いたが見ていないと言っていた!」

「こっちもダメ!アルカンレティアでも見かけなかったって!」

「クソッ!そっちもか!俺もギルドに行ったがハズレだった!」

「こ、紅魔の里にもいませんでした!ああ・・・や、やっぱりめぐみん、誘拐されちゃったんでしょうか・・・!?」

「馬鹿!滅多な事言うなよ!畜生、どこ行ったんだアイツ!!バニルの奴に聞いても急にめぐみんの居場所が見通せなくなったとか言うし!」

 

 

 

 

 

・・・とってもカオスな光景でした。

 

反射的に扉を閉めてしまった私は悪くない筈。

 

「・・・遅かったかー・・・。」

 

思わず諦観の台詞が零れる。今の状況を見る限り、もう街中どころかアルカンレティア、紅魔の里にまでめぐみんさんの失踪は知れ渡っているだろう。もしかしたら王都もかもしれない。

だがしかし、なってしまったものは仕方ない。早くカズマさん達にこの事を知らせて事態の沈静化を図るとでも・・・

 

「クソッ、次だ!ゆんゆん、別荘までテレポートを頼む!」

「は、はい!カズマさん、離れないで下さいね!」

 

 

・・・ん?別荘?

 

 

「え、まさか!?ち、ちょっと待っ・・・!」

「『テレポート!』」

 

慌てて扉を開け、引き止めようとした瞬間にカズマさんとゆんゆんさんがテレポートで転移する。

・・・しまったああぁぁああ!!よりにもよって一番面倒なところに飛ばれたあああ!!

 

「あ!クリスじゃない!丁度良かったわ!今ね、大変な事が起こっているの!」

「知ってるよもおおおおお!!だから伝えに来たのに何でカズマ君テレポートしちゃうかな!」

「何!?おいクリス!まさかめぐみんの失踪について何か知っているのか!?」

「ごめん、後で説明するから!カズマ君、別荘に飛んだんだよね!?ちょっと行ってくる!」

 

騒ぐ二人を置いて急いで街の外に向かう。行き先があそこならテレポート屋に行っても時間がかかる。だから一回天界に戻ってあそこの近くに降り立つ必要がある。

 

ああ、何でカズマさん達が絡むと毎度こんなに慌ただしくなるのでしょうか・・・。

 

そんな事を思いながら、私は急いで天界に戻った。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「つ、着いた・・・。カズマ君、早まってなければいいけど・・・。」

 

十数分かけてカズマさんの別荘に到着したが、やはりテレポートに比べたら少し出遅れる。カズマさんは恐らくもう既に『彼等』の所に居るだろう。

 

変なトラブル起こしてなければいいなーと思いながら私は別荘の扉を開けた。

 

 

 

 

 

「オラァ!!お前らが何かしたんじゃねえのか!?今のところ一番怪しいのはお前らなんだよ!めぐみんに色々恨み持ってそうで誘拐なんてしそうなの!正直に答えないとまた爆裂魔法叩き込まれる日々を送らせるぞ!言っておくがまだ我が家にはマナタイトが山ほどあるんだからな!!」

「だから知らねえって言ってんだろ!!誰がそんな恐ろしい事するか!!お前ウチの姫様なんてあの日々が完全にトラウマになってんだからな!?今でも偶に『こうして一庶民として過ごすのも悪くないわね・・・あんな地獄の毎日に比べたら素晴らしいとしか言えないわ・・・』なんて事黄昏ながら呟くんだぞ!?」

「そもそもあの頭のおかしい小娘にそんな真似したらお前らが何するか分かったもんじゃないだろうが!もうウチはお前ら冒険者や王都の騎士達の総攻撃に耐えれない位までバラけてんだからな!」

 

 

 

 

 

そこには予想した通り、カズマさんとかつて魔王軍に所属していた魔物達が言い争いをしていた。

 

「・・・どうやら今度はギリギリセーフだったみたいだね。」

 

この光景を見てセーフと思える辺り、私も大分カズマさん達に毒されてきたと思う。

何故カズマさん達の別荘に魔王軍の魔物達が居るのか、それは単純明解。

 

 

 

そう。何を隠そうカズマさん達の別荘とはあの魔王城なのだ。

 

 

 

事の発端はカズマさんが魔王を倒して2ヶ月程経った頃に、めぐみんさんの1日1爆裂が魔王城に撃ち込まれている事がカズマさんに知られた時でした。

何でも例の最高級マナタイトの山を貰ったお返しに魔王城を制圧して渡そうとしたとの事です。

初めの時こそ激怒したカズマさんでしたが、その頃には既にめぐみんさんと結構良い雰囲気だったのでめぐみんさんが

 

『カズマに迷惑を掛けたのは本当に悪いと思っています。ですがあれほど素敵なプレゼントを貰ったのに中途半端なお返しでは私の気が収まらなくて・・・。私が出来る限りでの最高の贈り物を渡したかったんです。ダメ、ですか・・・?』

 

と、上目遣いで言って一瞬で決着がつきました。

その後、魔王城の制圧にカズマさんも手を貸し、二人掛かりで魔王軍にプレッシャーを掛け、その結果、めぐみんさんの爆裂魔法とカズマさんによる交渉と言う名の脅しによって魔王軍は泣く泣く城を明け渡す事になりました。

最低条件として城の一部を使わせてくれと懇願する元魔王軍はなんだか少し憐れに感じました。

まあ何にせよ間に合って良かった。もしこれでまた何かトラブルが続けばどうなっていたか・・・

 

「ああもうメンドくせえ!とりあえずおたくの姫さんに会わせろ!目の前で爆裂魔法の光を直接見せりゃあ正直に答えてくれるだろうよ!」

「ようしカズマ君ちょっと落ち着こうか!というか落ち着いて下さいお願いしますから!」

 

本当に間に合って良かった!!

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「・・・それでな?そこでウォルバクに爆裂魔法を叩きつけて決着がついた訳だ。」

「成る程・・・こっちではそんな事があったのですね。」

 

此方の世界に来てからの初めての夜、私はカズマ達と一緒に夕食をとっている間に此方の世界で起きた事を詳しく聞いていた。

しかし驚きました。まさか此方の私が邪神などという素敵な人物と浅からぬ関係にあったとは。

それにしても冒険の内容は色々違えど、皆はそれ程変わっている訳ではないようですね。所々私達が経験した出来事もありますし。

そうして此方のカズマ達が経験した出来事を聞き終わった時、カズマがふと思い出したように聞いてきました。

 

「そうだ、そういや大人めぐみんの世界ってどんな感じなんだ?」

「・・・?どんな感じ、とは?」

「いや、向こうとこっちの世界の差違に随分と驚いていたけど、俺達そっちの世界の事全然知らないなと思って。」

「ふむ・・・。」

 

 

さて、どうしたものか。

 

 

話を聞く限り、どうやら此方のカズマ達はまだ魔王を倒していないようです。正直どこまで話していいのか悩む所です。

 

そもそも魔王を倒しに行く切欠がアクアの暴走ですから、今この場で話したら魔王城に行く事すら無くなるかもしれません。

それ即ち此方の私がカズマから大量の最高級マナタイトをプレゼントしてもらえない可能性が出る訳で。

つまり連続爆裂魔法が使えなくなるかもしれなくて。

もっと言えば結婚する可能性が低くなる訳で。

 

・・・うん、魔王攻略の話はしないでおこう。

 

となれば未来の話はぼかしつつ、カズマの言う差違を中心的に話すとしましょうかね。

 

「そうですねぇ・・・向こうの世界では最初の荒稼ぎはキャベツ狩りではなく、宝島でした。」

「宝島?なんだそりゃ?」

「玄武という名の十年に一度現れるという超弩級の大亀です。あれほど巨大な生物も存在しないでしょう。何せデストロイヤーと同等レベルですからね。」

「・・・アレと同等レベルって考えたくないな・・・。」

 

カズマが露骨に嫌そうな顔をする。まあ確かにそんなサイズのモンスターと戦うと聞いたら私だってそんな顔をするだろう。

 

「まあデストロイヤーと違い、人を襲ったという話は聞きませんね。それでその玄武は普段は地中深くに潜っているのでその甲羅には希少な鉱石が沢山引っ付いているんです。なのでその背中にある大量の鉱石を求めて冒険者達がこぞって集まるんです。」

「成る程、その鉱石を売り払うなり加工するなりして冒険者達は懐や装備を潤しているって訳か。」

「だがそれならキャベツ狩りよりも余程儲かるのではないか?キャベツ達は襲ってくるがそっちではただ採掘してるだけなのだろう?」

 

ダクネスが少し残念そんな顔をして聞いてくる。『そっちの私は袋叩きにされなくて可哀想・・・』という想いがハッキリ伝わって少し悲しくなった。

 

「いえ、そうは問屋が卸しません。玄武自体は敵対行動をとる事はありませんが、その背中には他の鉱石に紛れて鉱石モドキというモンスターが引っ付いているので、間違えて鉱石モドキを叩いてしまうとそいつらが襲ってきます。近くの冒険者達を巻き込んで。」

「なんて傍迷惑な・・・。」

「ま、私が近くに居ればその鉱石モドキとやらが暴れる前に華麗に倒して助けてあげたに決まっているでしょうけどね!」

「へー。・・・それで大人めぐみん、実際のところは?」

「・・・ええっと、私はその時ダクネスと一緒に掘っていたので直接は見てないんですけど、後でカズマに聞いたところアクアはお金持ちになるため、ウィズは赤字を取り戻すために周りは気にせず兎に角がむしゃらに掘り続けたみたいです。」

「おいこの自称なんとかさんよ。お前は向こうの世界でも自称なんとかさんだったらしいぞ?」

「嘘よ!そんなの嘘に決まっているじゃない!大人めぐみんったらカズマに騙されているんだわ!純情な大人めぐみんを騙すなんてとんだクズね!ほら謝って!大人めぐみんに嘘をついた事と私をコケにした事を謝って!」

「てんめえいい加減にしろよこのクソビッチが!!自分の非を認めないどころか俺に擦り付けるってどういう了見だコラ!!」

 

取っ組み合いを始めたカズマとアクアを見つつ、あの頃の事を思い出す。

 

正直なところ彼が宝島に向かって爆裂魔法を打ち込めと言ってきた時は彼の正気を疑いました。今なら最高級マナタイトを幾つか持っていれば宝島だろうと倒せる自信はあるが、あの時の私はまだ未熟も未熟。圧倒的に火力が足りないのだ。

私があの時彼の言うことを聞いたのは宝島が人を襲わないという事実を知っていた事に他ならない。もしそうではなかったら絶対に拒否していた。間違いなく。ですがそのお陰で報酬も増えたし、宝島も満足そうにしていたので良かったと思います。

 

随分と危ない橋を渡ったなあと物思いに耽っているとカズマ達の方は決着がついたようだ。多様なスキルと策を駆使して見事カズマが勝ったようだ。アクアが泣かされているという非常に見慣れた光景がそこにある。まあダクネスを盾に使わなかったらそりゃあカズマが勝ちますよね。

 

「あとはそうですねぇ・・・紅魔族ローブの有無でしょうか。」

「紅魔族ローブ?なんですかそれは?」

「向こうの紅魔族は此方と違い、魔力の自然放出が非常に下手なんです。ですから放っておいたら体が溜まった魔力に耐えきれず、『ボンッ』ってなります。」

「「「怖っ!?」」」

「それを防ぐ為に体内の魔力を自然と吸い出し、放出する機能を付けたローブを向こうの紅魔族は皆持っています。」

「それが紅魔族ローブということか。」

「はい。私もいつも着ているのですが、ある日私の紅魔族ローブが使い物にならない事件が起こったので向こうのカズマ達と一緒に紅魔の里に行く事になりました。」

「へえ、一体何があったんだ?」

「・・・まあ、その、色々と。」

 

流石にあの出来事まで言う気にはならない。別に誰にも知られたくないという程ではないが、だからといって知ってほしいという訳ではないのだ。

だがそんな私の様子を見てカズマが若干不審そうにして聞いてくる。

 

「どうしたんだよ。急に歯切れが悪くなったぞ?」

「いえ、その、少し恥ずかしい事があったので。」

「・・・ほほーう。」

 

あ、カズマが何か企んだような顔をした。

 

と、そこでカズマが何やら他のメンバーを集めて話をし始めた。

 

 

 

 

 

「・・・おい、お前ら。明日ウィズの店にもっかい行って仲良くなる水晶持ってくるぞ。」

「え?それってあの魔力を注いだら黒歴史が投影されるアレ?」

「おう。お前らも大人めぐみんの詳しい過去、知りたくないか?」

「い、いや待て!流石にそれは不味くないか?アレを故意に使わせるのは少し気が引けるというか・・・。」

「大丈夫だ。流石にコレ以上はヤバいと思ったらすぐに止めさせる。」

「いやそういう問題では無くてな!?めぐみんもいいのか!?このままではまた恥ずかしい過去が公開されるのだぞ!?」

「いえ、あの時は少し取り乱してしまいましたが、今では皆既に私の恥ずかしい過去を知っていますから正直それ程抵抗はありませんね。それより向こうの私がどのような黒歴史を構築したのかが気になります。」

「いいのかそんな大雑把で!?」

 

 

 

 

・・・会話は聞き取れないがろくでもない話をしているのは分かった。

 

それからもカズマ達と話を続けていく。夜はまだまだ終わらない。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「・・・さて、それでは教えてもらいましょうか。その・・・カズマを落とすテクニックを。」

 

時間は深夜。もう既に他の皆は眠っているてあろう時間帯に、私は目の前の女性にそう切り出した。

 

彼女の名前は『めぐみん』。何と平行世界であの人と結ばれた道を辿った私自身であるという。

何かもう別世界の自分ってだけで私の紅魔族の琴線にガッツリ触れている。その上身長は伸び、髪は見事な長髪、大人びた雰囲気を醸し出し、さりとて少女らしさが完全に無くなった訳でなく、丁度良い感じに両方の魅力が合わさったその姿は私が心底羨ましく、そして嬉しく思う程完成されていた。

・・・唯一残念なのはやはりその慎ましい胸部だろうか。流石に多少は成長し、キチンと女性と認識出来る程の膨らみは出来ているのだが、やはり他のメンバーと比べたら残念だと言う他ない。どうしてアクアもダクネスもウィズもゆんゆんもあんな無駄に大きいのでしょう。

というか私がこんなスタイルなのは環境が原因に決まっています。私だってもう少しキチンとまともな食生活が出来ていれば皆が羨む抜群のプロポーションが手に入った筈なんです。決して遺伝のせいではないですとも。

 

そして何故彼女と私がこんな密会の真似事なんてしているのかは、今朝彼女があの人と一緒に出掛けた事が切欠だ。

 

昨日に引き続き今日もあの人にベッタリくっついていた未来の私・・・通称『大人めぐみん』。

いくら未来の自分自身といえど、自分が好意を抱いている男といつまでも一緒にいるのを見ると流石に危機感が沸いてくる。そもそも彼女はあの人と実際に結婚まで漕ぎ着けたのだ。あの人が彼女に惚れたって可笑しくない。

そういう訳で彼女への警戒を強めつつ二人を引き離す、ないし監視の為に一緒についていくつもりだったが・・・。

 

 

 

『あ、それでは今晩どうやって私がカズマを落としたのか教えましょうか?きっと貴女の役にも立つと思うのですが。』

『是非ともお願いします。』

 

 

 

とまあ、気がついたら彼女と私に結束の力が働きました。

まあそもそも?彼女が滞在するのは3日だけの話らしいですし?仮にあの人が彼女に惹かれたとしてもそれは未来の私に惹かれたも同然ですから寧ろ私のアドバンテージが増えただけの事ですから別に警戒する必要性もありませんからね?

決して私がチョロい訳ではありませんとも。ええ。

 

そんな事を考えていると彼女が口を開く。

 

「ええ。私もこういう話は願ってもいないチャンスですからね。じっくり語ろうじゃないですか。」

「・・・?願ってもいないチャンス?どういうことですか?」

「例え平行世界の自分の事だとしても、彼の一番は『めぐみん』であって欲しいですから。」

 

彼女の発言に少し疑問が出てくる。

あの人の一番?事実彼女と平行世界のあの人は結婚しているのだからそれは彼女が一番という事ではないのか?

そんな疑問が顔に出ていたのか、彼女が付け足すように言う。

 

「っとああ、今の私が言った一番というのは順位的な意味ではなく、順番的な意味です。」

「・・・ええっと、つまり・・・カズマが一番好きなのは貴女ですけど、他の出来事で他の女性に何かしら遅れをとった・・・という事でしょうか?」

「流石は私ですね。まさしくその通りです。」

 

どうやら正解のようだ。しかしどういう事だろう。一体何の遅れをとったというのだろうか。

 

考えられるのは・・・アプローチだろうか?

 

「結論から言えばダクネスにカズマのファーストキスを奪われました。」

「詳しく。」

 

あの変態何をした!!

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「・・・とまあ、こういった出来事が起きた訳です。まさかダクネスがそこまで仕掛けてくるとは完全に予想外でした。」

 

彼女から話を聞き終え、私は頭を抱えた。

彼女の言う通りだ。ダクネスがあの人に好意を抱いているのは感づいていたし、実際に真面目な状況になったら少し位機会を与えてあげようと私が考えるのも予想出来たが、まさかダクネスがそこまでしてくるとは!!

 

これは本気で彼女に感謝しなければいけませんね。確かに多少はサービスしてやるべきだろうが流石にそれは看過出来ない。

 

どうしましょうか。そんな話を聞いたらもうとっとと一線を越えた方がいいような気もします。いやだけど流石に3日も経たずにあの人の部屋に行って『あのお姉さんの事はもう気にしてないので抱いて下さい』なんて事言うのはどっちに対しても失礼でしょうし。

・・・いえ、失礼なのはお姉さんの方だけですね。あの人は普通に襲いそうです。

 

「後はそうですね・・・私が紅魔の里でカズマと一線を越えかけた時の話でもしましょうか。」

「是非!是非ともお願いします!!」

 

まあその辺の対策は追々考えましょう。今はもっと情報を得る為にも彼女の話をもっと聞くべきだ。

 

この後、彼女から滅茶苦茶有意義な話を聞いた。




爆焔がアニメ化しないかなーと思う今日この頃。
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