Fate/betrayal   作:まーぼう

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第60話

 ここに居合わせたのはただの偶然だった。

 ライダーを失った僕は行く当ても無く街をさ迷い、お爺さまと他のマスターとに怯えて過ごしていた。

 手持ちの金もそれほどあるわけでもないし、ホテルを利用することもできない。結局この真冬に野宿する他なかった。

 そして公園で少しでも風を避けようと、そして身を隠そうと茂みの中で寝ていた時のことだ。

 深夜だというのに人の話し声がして目が覚めた。

 茂みからこっそり覗いてみると、衛宮と遠坂が誰かと話していた。サーヴァントを普通に連れているところを見ると、相手もマスターなのだろう。

 奴らがどういう目的で接触したのかは分からない。だけど少し話してすぐに戦い始めた。自分のすぐ後ろにいきなり結界ができたのにはビビった、いやビビってないけど、あいつらは僕には気付いてないらしい。結界のせいで逃げることもできないので、そのまま隠れて様子を見ることにした。

 

 ていうかバカだなあいつら。初めから戦うつもりだったんなら姿を見せる前に狙撃でもすれば良かっただろうに。アーチャーってそういうクラスだろ?

 話し合いが目的だっていうならほとんど会話もしないウチに戦闘を始めた意味が分からないし、遠坂って自分で思ってるほど頭良くないよな、絶対。

 

 それでも戦いは終始遠坂たちが押しているように見えた。

 4対4、のはずなのに、少年マンガみたいにワザワザ1対1を四ヶ所でやり合ってたよ。

 相手側に乗せられた形だったけど、これは遠坂たちに有利に働いたっぽい。遠坂だけは苦戦してたけど、サーヴァント相手にどうにか渡り合ってるんだから、やっぱり遠坂の実力は相当なものなんだろう。

 キャスター側の切り札らしい結界の効果も終わりが近付き、戦いの佳境が訪れた。

 セイバーと戦っていた男の姿が掻き消え、入れ替わるようにキャスターが現れた。キャスターがセイバーの背中に短剣を突き立てると、その左手に模様のようなアザが現れた。

 僕は目を疑ったよ。でもそれは間違いなく令呪だった。キャスターの命令にセイバーが従わされていたんだから。信じがたいけど、あの短剣には令呪を奪い取る力があるらしい。

 その後、間を置かずに遠坂とアーチャーも倒れて形勢は一気に逆転。衛宮だけが残され、何やってんだ早く逃げろバカと思っていたらキャスターが攻撃を受けた。

 結界をぶち破って乱入して来たのは、あの雪乃とかいう女の黄金のサーヴァント。僕のライダーを殺しやがったあいつだった。

 ムカつく奴だ。僕がこんな惨めな目に会っているのはあいつのせいだ。あいつさえ居なけりゃ野宿なんてする必要なかった。

 でも、今の僕はあの金ぴかを気にしている余裕はなかった。

 

 キャスターは金ぴかに肘から先を吹き飛ばされた。その腕はクルクルと飛んで僕から数メートルのところに落ちていた。ーー持っていた短剣ごと。

 

 状況を確認する。

 キャスターの腕は魔力の光になって消え去り、短剣だけが残されている。

 大股で走れば三歩で手が届く距離。

 衛宮たちは例の金ぴかに注目している。僕に気が付いている奴も、この剣に注意を向けている奴もいない。

 

 ゴクリと喉を鳴らす。

 

 普通に歩けば短剣を拾うまでに約二秒。そこから一番近い相手は倒れている遠坂とキャスターのマスター。走れば多分三秒ほど。

 合わせて約五秒間、誰かに気付かれない保障は無い。ついでにこの短剣の効果も知れたものではない。

 キャスターはセイバーに使うことで令呪を奪った。だけどマスターに対して使った場合、同じ効果が得られるかは不明だ。そもそもキャスターでなければ使えないアイテムの可能性だってある。

 

 戦闘はいつの間にか停滞していた。僕を投げ飛ばした雪乃とかいう女が現れて、金ぴかに何かをわめき立てている。

 この場の全員の注目がその二人に向いている。

 

 上手くいく保障は無い。

 上手くいかなかったら、きっと死ぬ。だけど。

 

 僕の誘いを断った衛宮。

 僕を見下した遠坂。

 産まれてこのかた僕を見ることもなかったお爺さま。

 それらの顔が、脳裏に浮かんでは消える。

 

 いつの間にか荒くなっていた息を無理矢理抑える。

 金ぴかとそれ以外との間に、また緊張が高まっている。もうすぐ戦闘が再開されるはずだ。

 ゆっくり、気配を殺し、物音を立てないように茂みから這い出る。

 ジリジリと、匍匐前進で少しずつ短剣に近付く。

 真冬だというのに汗が吹き出る。その不快感を無視して短剣に手を伸ばす。届いた。

 それと同時に衝撃音が耳を打つ。

 僕は短剣を握って立ち上がり、無我夢中で駆け出した。

 

 

 

 

「慎二……お前、どうして……!?」

 

 脈絡なく現れた慎二に思わず呟く。それが聞こえていたかは不明だが、どちらにせよまともなリアクションが返ってくるようには見えなかった。

 慎二は血走った眼で自分の左手を、そこに浮かんだ六つの令呪を見て狂気じみた笑いを上げている。

 やがて痙攣のような笑いが治まると、大仰な仕種と共にわざとらしく語りかけてきた。

 

「やあ衛宮、遠坂も。奇遇だな、こんなところで」

「何やってんだよ、慎二……なんでこんなところにいる?」

「たまたまだよ。お前らが苦戦してるみたいだから笑ってやろうかと思ってね。どうだ?土下座してお願いすれば助けてやってもいいぜ?」

 

 慎二は小馬鹿にするように笑う。それを動けぬままの遠坂が一喝した。

 

「バカ言ってないで逃げなさい!あんたにどうこうできる状況じゃないわよ!」

「ああ?」

 

 それが面白くなかったのか、慎二は遠坂の襟首を掴んで引き起こす。

 

「遠坂、お前さぁ、立場わかってもの言ってんの?」

「あんたこそ身の程をわきまえなさい。サーヴァントを失った時点で自分の実力は思い知ったでしょう?せっかく拾った命を無駄にするんじゃないわよ」

「ハッ!お前こそわきまえろよ。今サーヴァントを持ってないのは誰だ?逃げるならお前たちの方なんじゃないのか?」

 

 慎二はあくまで余裕を崩さない。薄ら笑いを張り付け遠坂の胸ぐらを掴んだまま、俺の方へと視線を向ける。

 

「衛宮、本当ならお前も殺してやる予定なんだけどさぁ、友達のよしみでそれは後回しにしてやるよ。お前と遠坂に誰が一番上なのか教えてやらなきゃいけないしね。だからこの場は……」

 

 慎二はギラリと雪ノ下を睨みつけると、その顔を怒りに染めて叫んだ。

 

「令呪を持って命ずる!アーチャー!キャスター!あの金ぴかを殺せぇっ!」

 

 パキンッ!と、ガラスが砕けるような音と共に、慎二の令呪の一画が消失する。同時に呪いで動きを封じられていたはずのアーチャーと、片腕を失った激痛で悶絶していたキャスターが弾けるように立ち上がった。

 アーチャーが双剣を投げつけ、キャスターが黒い炎弾を放つ。

 一連のやり取りの間、黙って様子を眺めていたギルガメッシュは、サーヴァント二人の攻撃に挟みこまれーーそれらを眉一つ動かさぬまま、出現させた盾で防ぎ切った。

 

「はぁ?」

 

 慎二が呆けたような声をあげる。

 ギルガメッシュは鼻だけで小さくため息を吐くと、慎二に向けて魔方陣を生み出した。

 

「慎二、避けろ!」

「へーーわぁっ!?」

 

 俺の叫びにとっさに身をよじったのが幸いしたか、ギルガメッシュの攻撃は慎二に直撃することはなかった。代わりに、と言うべきかは分からないが、慎二の持っていたキャスターの宝具を打ち砕く。もしかすると始めからそちらを狙ったのかもしれないが。

 慎二は宝具を砕かれた衝撃に、遠坂を抱えたまま尻餅を着いた。そのまま後退りながら罵声を飛ばす。

 

「な……何やってんだ役立たず!二人がかりのクセに僕を危険に晒すな!さっさとそいつを倒せ!」

 

 慎二の叫びにアーチャーたちが再び攻撃を仕掛けた。

 キャスターの魔術がギルガメッシュを包み込み、蒼い輝きが周囲の空間ごと凍てつかせる。すぐそばの雪ノ下を巻き込んで。

 

「嘘……時間凍結!?」

 

 遠坂が目を見開き、思わずといった風に呟きを漏らす。俺には理解できないが相当強力な魔術らしい。

 動きの止まったギルガメッシュに、間髪入れずアーチャーが仕掛ける。

 アーチャーが両腕を振るい、二対の双剣が夜闇を舞う。計四本の刃が左右から弧を描いてギルガメッシュを襲い、同時にアーチャー本人も双剣を構えて突撃する。

 刃の一つ一つ、その全てが必殺。たとえキャスターの魔術がなくとも、この死の嵐から逃れる術など無かっただろう。

 動きを封じられ、圧倒的な暴力に曝された黄金のサーヴァントは、

 

 

 

「ーーーーくだらん」

 

 

 

 たった一言と共に、それら全てを蹴散らした。

 ギルガメッシュの周囲に無数の魔方陣が浮かび上がり、吐き出された光弾が凍てついた空間と迫りくる刃とを破砕したのだ。接近していたアーチャー本人もその衝撃に弾かれ、強力な魔術を破られたキャスターも逆流した魔力にやられて地に伏した。

 俺はこの段階になってギルガメッシュの能力をようやく理解した。武器だ。

 剣、槍、斧、鎌。

 奴はありとあらゆる種類の武器を、あの魔方陣から投射している。しかもそれらの全てが宝具級の力を持っている。

 こんなもの、対抗できるはずがない。

 

「な……なんだよそれ!?」

 

 デタラメすぎるギルガメッシュの力に慎二が悲鳴を上げる。無理もないが。

 ギルガメッシュがチロリと目を向けると、慎二はそれだけで声も上げられなくなっていた。ギルガメッシュは特に気にするでもなく、緩慢に慎二へと指を向ける。

 

「雪乃の命令ゆえ人間を殺さぬようにと気を遣っていたが……そろそろ面倒になってきたな」

 

 そう呟いたギルガメッシュからは、腹を立てたとか、イラついているとか、そういった『怒り』に属する感情は一切見受けられない。

 感じられるのは『飽き』。こいつは、退屈だからというだけの理由で慎二を殺そうとしている。

 ギルガメッシュの周りに十を越える数の魔方陣が現れる。狙いが生身の人間であることを考えたらオーバーキルもいいところだ。このままでは奴と慎二の間にいる俺も巻き添えを食うだろう。

 ギルガメッシュは俺を見ていない。視界には入っているはずだが、存在として認識されてない。良くてオブジェか何かだと思われてる程度だろう。

 だから俺は、横に跳ぶだけでこの危機から脱っせられる。だけど。

 

 チラリと視線を後ろに向ける。

 目に入ったのは、怯えて泣き出しそうな慎二の顔。そして慎二に抱き抱えられたまま、気丈にギルガメッシュを睨みつける遠坂。

 それを見て覚悟を決める。

 

(俺が逃げたら、遠坂が死ぬ……!)

 

 ギルガメッシュは他人の巻き添えや周囲の被害といったものを、一切考慮していない。このまま慎二を攻撃すれば遠坂を確実に巻き込むが、そんなこと気にもかけないだろう。

 つまり、俺が二人を守るしかない。

 できるのか、という疑問は脳から除外する。やるしかないのだから悩む意味がない。

 ならば手段は?

 俺にできることは多くない。この場で使えそうな手札など実質二つしかない。

 一つは強化。幼いころから繰り返し鍛錬を続け、けれどちっとも上達しない魔術。

 成功率は低く、時間がかかり、効力も小さい。遠坂に見てもらうようになってからもそれは変わらない。

 ランサーの襲撃はこれのお陰でどうにかしのげたけど、正直命を預けて使うような気にはなれない。

 ならばもう一つだがーー

 この魔術はあまり使ったことがない。

 親父の見よう見まねで習得し、これを見せることでようやく渋る親父から魔術を習えるようになった。

 だけど親父はこの魔術を「無駄な才能」と呼んだ。そんな才能を伸ばしても仕方がないと、代わりに教えてくれたのが強化だった。

 俺も親父に従った。俺にとって、親父を疑うなんてあり得なかったから。以来、これは使ってない。

 

 普通に考えれば強化に頼るべきだ。

 たとえ弱くても、長年積み上げてきたものは決してゼロではないのだから。だけど。

 

 脳裏に焼き付いた赤い外套。

 鍛え抜かれたその背に、どこか確信めいたものを感じる。

 

 ギルガメッシュが展開した魔方陣の一つが輝きを増す。攻撃がくる前兆だ。

 俺は思考をショートカットして魔術回路をフル稼働させる。

 

 

 創造の理念を鑑定し、

 基本となる骨子を想定し、

 構成された材質を複製し、

 制作に及ぶ技術を模倣し、

 成長に至る経験に共感し、

 蓄積された年月を再現し、

 あらゆる工程を凌駕し尽くし――――

 ここに、幻想を結び剣と成す――――!

 

 

投影開始(トレースオン)!」

 

 

 衝撃に腕が痺れる。

 とっさに使った投影魔術は、英雄王の一撃に遠く及ばなかった。

 奴の射ち出した剣に、それをコピーした俺の剣を叩きつけたは良いものの、コピーはあっさりと砕け散り、衝撃に俺自身も弾き飛ばされる。

 できたことは、奴の攻撃の軌道をほんのわずかに逸らす程度。それでも、

 

 

(できた……!)

 

 

 そう、それでもできたのだ。

 兎にも角にも、奴の攻撃から遠坂を守ることに成功した。

 俺が手応えを感じていると、不意に凄まじい悪寒が襲う。

 

「……その能力はなんだ、雑種」

 

 ギルガメッシュが視線を俺に向けている。攻撃を防がれたためだろうか、その表情には不快さがありありと浮かんでいた。

 ギルガメッシュは更に四つの魔方陣から攻撃を射ち出す。今度は俺に向かって。

 

「うおおおっ!」

 

 もっと迅く!

 もっと強く!

 

 視認、解析、把握、複製。

 それらの工程を省略して一足跳びに投影を完成させる。

 創造した武器を迫りくる英雄王の宝具に叩きつけ、砕けるのも構わず次の幻想を造り出す。

 今度はさっきよりも衝撃が少ない。体勢を崩すことなくしのぎ切った。

 

「貴様……!図に乗るな、雑種!」

 

 英雄王が激昂し、更に数十の魔方陣を産み出す。マズイ、いくらなんでも捌き切れない!

 

「バゼット!」

 

 俺が絶望を覚えるとほぼ同時、背後から声が上がった。

 叫びの主は気を失っていたはずの比企谷だった。いつの間にか意識を取り戻していたらしい。

 もっともその姿は地べたに這いつくばったままだった。左腕以外の四肢が全て砕けているのだから無理もないが。

 比企谷の声を受けたバゼットが、銀色の球体を取り出す。

 

後より出でて先に断つもの(アンサラー)!」

 

 バゼットの詠唱と共に、球体に魔力が満ちる。

 掲げた拳の先で浮遊するその『剣』は、因果を歪め紫電を迸らせる。

 

斬り抉る戦神の小剣(フラガラック)!」

 

 放たれた刃は瞬きすらも 許さぬ迅さでギルガメッシュへと向かいーー

 

 

 

「邪魔だ!」

 

 

 

 英雄王の一喝によってあっさり掻き消された。

 

「バカな!?」

 

 驚愕するバゼットに、ギルガメッシュは斉射を開始した。

 慌てて身を躱わすバゼットを無視して、ギルガメッシュの攻撃は地面を切り刻みながら俺へと向かってくる。狙いはあくまでも俺らしい。

 

 逃げるのは不可能。ならば迎え撃つのみ!

 

 俺は迷いを捨てて三度宝具を投影する。

 英雄王の宝具の群れが俺を呑み込む。

 俺は精神を極限まで研ぎ澄まし、高速で投影を繰り返しながら自分に当たる武器だけを叩き落としていく。

 

「うわぁぁぁぁっ!?」

 

 背後から慎二の悲鳴が聞こえた。巻き込まれたらしいが、さすがに気にしている余裕はない。

 無限にも思える時間。しかし実際には、おそらく数秒にも満たなかったであろうその状況に変化が起きた。わずかだが攻撃の密度が薄れた。

 キャスターの魔術に巻き込まれて意識を失っていた雪ノ下雪乃。彼女が息を吹き返し、あろうことかギルガメッシュに組みかかっていた。ギルガメッシュは苛立たしげに雪ノ下を殴り倒す。ヤロウ!女の子の顔を!

 雪ノ下は鼻血を流しながら尚もギルガメッシュに掴みかかる。ギルガメッシュは煩そうにしながら、ついに攻撃を中止した。

 同時に俺は、気力を使い果たして膝を着く。顔だけはどうにか持ち上げギルガメッシュを睨みつけるが、しばらくは立ち上がれそうもない。

 俺はせめて遠坂の無事を確認しようと顔を後ろに向けた。

 

 遠坂は無事だった。

 まだ呪いが消えてないらしく、慎二に抱きすくめられたままだが、怪我などは無いらしい。

 慎二は遠坂を抱えたまましりもちを着いていた。

 二人は強ばった表情で同じ方を見ている。

 視線を追うと、そこには力なく落ちた左手。助けを求めているようにも見えるが、おそらく逆だろう。遠坂たちの体勢と元の位置を考えると、突き飛ばされた形に見える。

 その、二人を突き飛ばした比企谷は、うつ伏せに倒れたままピクリとも動かない。

 それはそうだろう。身体にあんな大穴が空いていては動けるはずもない。

 

「お……おい……?」

 

 比企谷の身体の真ん中に、英雄王の流れ弾であろう、一本の槍が突き刺さっていた。

 いや、刺さっていたという表現は正確ではないかもしれない。なにしろその槍を中心に、比企谷の身体の大半が消し飛んでいたのだから。

 比企谷は腹から胸にかけてのほとんどを失っていた。脇腹の組織がわずかに残ってかろうじて上下が繋がっている状態だ。

 どう見ても致命傷だった。しかしまだ息があるらしく、ゴボリと血の塊を吐き出す。

 

「おい!しっかりしろ!?」

 

 思わず声をかけるが、どう考えても助かるわけがない。ましてや返事など望むべくもないだろう。

 

 ギルガメッシュは腕組みし、黙ってこちらの様子を見ている。奴のマスターである雪ノ下が、俺の叫びに反応してこちらを向いた。

 彼女の顔が引き吊る。

 

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

 

 夜の公園に、少女の悲痛な叫びが響き渡った。


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