アイ・ライク・トブ【外伝更新中】   作:takaMe234

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誤字修正の方々に、この場を借りて感謝を。

※オリジナル要素やねつ造要素ありまくりです。
 原作などで見なかったり聞いた覚えがないものは恐らく該当します。
 原作ネタバレ、及びあちこち改変しておりますので閲覧にはご注意ください。
 
 アイ・ライク・トブを既に閲覧済みであることを前提として書いております。
 また、アイダホさんの設定も変動しておりますのでご留意ください。

※息抜きとスランプ抜けをお祈りして。

※分岐部分、『ジルクニフからの信頼度がちょっと足りなかった』『スメイロトが斜め上に頑張ってしまった結果』『遠ざけるには丁度いい位置があの国』

※第1話地点、原作開始から3年位前。ジルクニフが20歳ちょい手前。スメイロトが17歳位。カルカ様が21歳前後。ケラルトが22歳。レメディオスは24歳。

※原作開始時にして最新話時年齢。ジルクニフが23歳ちょい手前。スメイロトが20歳位。カルカ様が24歳前後。ケラルトが25歳。レメディオスは27歳。

※ケラルトさんは強気で有能だからきっとあそこが弱い。カルカ様は興味を持ったようです。

※番外席次を嗾けた(と思ってる)強硬派は最高執行機関が派遣した制圧部隊により現在拘束中ですが、勝手に満足げな顔をしてます。成功を確信してるようですね(フラグ)

※スメイロト(■■)が女絡みで一番ダメな点は、女に与える事は出来ても女の愛し方を分からない事。

※前世の家族も、現世の家族も家族愛どころか人の愛し方を教えなかったし、前世でのダメージが大きすぎて現世でその機会があっても無意識に目を逸らしてた。

※聖王国側で言えばカルカが、法国側で言えばフィオナが真摯に彼を愛してくれる可能性が高いのだが、機会があっても本人に意思が無いと意味が無い例。

※前作アイダホ君が漸く異性愛について自覚出来たのはツアレが死去してから。あのルートの場合この面倒臭い男はそれだけ時間と経験が必要だった。

※「女にはできるんだ。愛していると言うとき本気で言える。だが男は振り返って初めて人を愛する」とはパガン・ミンの言葉だが、スメイロト及び繋がりのある女達の関係も当て嵌まる。

※前回のベットの上でのスマブラでケラルトさん覚醒。「夫を喰らう。親友にして正室も喰らう。両方を共に甘いと感じ―――快楽に変える度量こそが側室には肝要」

※カルカも独占欲ではかなりのものだが、ケラルトも欲しいものは両方とも手に入れてしまえばいいの理屈なので女の業の深さでは大概。

※今更、本当に今更であるが国内が安定した現在、王族(ケラルトの言う俗物枠)はスメイロトを脅威視し始めている。勿論上辺の地位や権限の問題ではない。
 二人の妻が彼に傍目から見てもご執心なのを見て現代日本でいう道鏡みたいな扱いと言える。
 何せ権威のトップのカルカと、実務のトップであるケラルトに寵愛され、彼女らに幾らでも吹き込める立場に居るのだから。帝国と未だ繋がってたとすればどうなるか。
 もっとも、スメイロトには野心は微塵もなく帝国とも実質縁切り状態なので、王族の不安は全くを持って無駄骨であるのだが。

※【今と言わずこの後と言わず、女に勝る禍いはない】  ■■「古代ギリシャのソフォクレスの言葉かぁ。ま、俺には関係ねぇな……つか、大学のレポート面倒クセッ」


セイ王国で理想のヒモ生活()  『王配の愛人ソツジュ・ミィ・ティリアン』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「番外席次よ、本当に共闘はせぬのか?」

「しょうがないじゃない。 あっちが突っぱねたんだから」

 

周囲の席次達のうろたえた様な視線が集まる中、老婆と番外席次は話を続けていた。

 

「王配があのような要求を受け入れるわけが無かろうに!」

「……」

 

既にスメイロトと愛人達の姿はない。

あのデカ物の足元で何かをしている様だが。

 

「何故にあのような物言いをしたのじゃ。神官長殿達があのような要求を許す筈もなし。お主の独断であろう」

「独断と言えば独断だけど、そういってくれって言われたからねぇ?」

「ぬ」

 

番外席次の含みのある物言いを聞き、老婆……カイレは目を見開いた。

番外席次は気づいたのか?と言わんばかりににんまりと笑う。

 

(やりおったか、あ奴ら……!! なんと、愚かな!!)

 

スメイロトと言う神人相当の存在に対し、一定数の強硬派が強引にでも法国へと引き入れるべしと主張していたのは知っている。

かと言って彼らの行動はあくまで、過激な言動止まりであり。

実際に行動する程行き過ぎる事はないだろうと思っていたら、スメイロトとの関係を破綻させかねないこの暴挙である。

 

(よもや、番外席次をけしかけるとは!)

 

露見すれば一般的な処罰では済まない重大事だ。

既にあの有様の第一次席次とそれを治療した者達から報告が行き、今頃神官長達は激怒しているだろう。

本来であれば第一席次の昏倒と強引に割り込んで来た番外席次が来た時に最高執行機関に報告をしたかったが。

「このまま行きなさい。全部責任は私が取るから」と圧力を増した番外席次の威圧に負けてここまで来てしまった。

 

(否、一番の問題は……アンティリーネがこの様な愚劣でしかない思惑に乗った事じゃ)

 

問題はそこである。

そもそも、彼女が連中の言葉に耳を貸さねば事態は動かなかった。

カイレの知る彼女の気性なら、例え直談判したとしても不興を買ってあえなく叩き出されるのがオチだ。

どれだけ人類の為、護国の為と言い繕おうとも彼らの行動は口先だけに過ぎずアンティリーネにとって不愉快の範疇だ。

 

「安心してカイレ。彼が窮地に陥ったらちゃんと救援に入るから」

「何故じゃ。お主ほどの者がなぜこのような真似を……?」

 

険しい顔で、カイレは問い詰めた。

 

「少なくとも儂の知るそなたは任務に関しては手を抜くことも、法国への不利益を承知で動くこともなかった」

 

例え普段が我儘で気紛れな気質であっても、彼女の本質は護国の将である。

魔神を超える上位悪魔の襲撃の阻止という、極めて重大な任務でわざわざ要らぬ騒ぎを起こす事などありえなかった。

 

「しかし、今回はあの愚者共の口先に乗った……何故に?」

「ま、大丈夫よカイレ。今は、彼の手並みを拝見と行こうじゃないの」

 

彼女は前を見たまま、カイレの問いをはぐらかした。

 

(一体、何を考えているのかこの娘は……)

 

どうやら、答えるつもりはないようである。

カイレは静かに嘆息し、己が着用している神々の秘宝に思いを巡らす。

いざとなれば、これを使ってでもスメイロトを助けるほかないと。

 

ただし、タイミングは考えねばならない。

魔将もそうだが、スメイロトに対して何か考えている番外席次が早期介入を許すかが微妙だからだ。

 

(全く、何たることか……)

 

カイレは再び、嘆息を深々と吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「準備はよろしいか?」

「はっしんじゅんびー、よろしー」

 

ゆっくりと、その巨体が地面から地響きと共に立ち上がる。

 

「きよさん、だいちにぃーたつぅー」

 

外観は、一言で言えば細長い楕円形(長卵形)。

高さは、15m程。色は茶色。

超巨大な、手足のある芋だった。

 

「スメイロト様!」

「なんだ、ジュンノ?」

 

少し離れた位置に居る、漆黒聖典の装備で身を包んだジュンノが声をかけてきた。

 

「その、ご自分でゆかれるのですか?」

「ああ、仕方ないだろ。番外席次の要求を呑むつもりは、それこそ死んでからでなきゃないからな」

 

死んでから、という言葉。

ラクレマの頬が引き攣り、ジュンノの瞳が揺れ口をパクパクさせ、フィオナの目尻にブワリと涙が浮かぶ。

フォーレに至っては失神しかけて、フィオナが慌てて支えていた。

 

「………あ、その。死ぬ気はないよ。勝ち筋はある。その為の決戦個体だ」

 

決戦個体。

それは超巨大な芋である。

しかし、ただでかいだけの芋でもない。

見た目からは信じられないが一応【魔樹】の分類に属する。

この世界に来てから『何故か出来てしまった』イレギュラーな創造物であるが故、本当にそうなのかはスメイロトとしても不明だ。

特にソツジュに魔力注入と世話係を任せてからは、微弱ながら神威を帯び始めたのは実に謎である。

そして念のために近隣に配置していたLv20以下の雑兵達100体以上を全て決戦個体に飲み込ませた。

これで僅かばかりであるが、魔力が増幅し攻撃力が増したとは言える。

 

何故か、ドライアド達やアルラウネ達も決戦個体への同化を望み、強い言葉で止めさせたが。

 

(いや、兵も喜んで飲まれていったか)

 

創造主に殉じてこそ、己が存在意義を満たせる。

程度の差こそあれ、スメイロトの配下の価値観はそれで統一されている。

産まれて漸く戦力に数えられたLv10に至るかどうか程度の雑兵も。

今や側近として、長として辣腕を振るうアルラウネの初代とドライアドの初代も。

 

スメイロトが一言命じれば喜んで決戦個体に取り込まれ、増強するための要素に転じるだろう。

 

そう、自分の一言で彼女達は迷わず命を捧げるのだ。

そこに命を捧げさせた雑兵達も、そう願った側近達も何も変わりはない。

 

「………はぁ」

 

必要だからそうしたし、それに後悔はない。

だが、同時に気分がいい事でもなかった。

 

「では、いってくる。君らも手筈通り頼むぞ。……ソツジュ、いってくれ」

 

くぼみの中央にスメイロトが胡坐を掻いて座り、そこにチョコンとソツジュが腰掛ける。

二人で行動している時によくやる行動だが、今回は意味合いが違う。

 

「えんげーじぃ」

 

少女の呟きと共に、スメイロトの意識がフロー状態になる。

 

「お……これが、繋がるって感じか」

「どうー? すめいろとさまー」

 

これは、抱きかかえてるソツジュのタレントによるもの。

 

『降神を行えるタレント』

 

神と人を媒介するもの。

ある意味巫女らしいタレントである。

法国のタレントを読めるタレント持ちが具体的な内容を探ろうとしたが、あまりにも曖昧で詳細は不明だったようだが。

使い道をどうにも探れない以上、彼女はシンプルに巫女姫としての使用を意図されていたのがスメイロトの下に来る前の話だ。

 

そして、決戦個体に彼女が内なる膨大なMPを頻繁に譲渡して成長を促進する過程で、このタレントの使い道を彼女が理解したという事だ。

 

即ち、意識のアクセスだ。

あくまで感覚の問題であるが、これを用いる事でソツジュのMPを外付けで追加出来る上にスメイロトの意思で決戦個体を『運用』可能だという事だ。

勿論、決戦個体単体でも意思はあるし戦闘スキルはあるから戦闘は可能だ。

だが、現段階では所謂シンプルなタンク役の状態なので、あの魔将相手に単体で優位に戦いを進める事は難しいだろう。

その不利を埋めるための、ソツジュを介しての決戦個体との同調である。

 

「お、うん。魔法も問題は無さそうだな。ソツジュ、魔力の方の接続は問題ないか?」

「………ぅ、ん、だいじょーぶ。つながったぁ……」

 

ちょっと、艶のある声音でソツジュは答えた。

 

「後は戦闘時用の、決戦個体との完全同調だがそれは待ってくれよ。先に指示を出しておく……お前達、聞こえるか?」

「アルジサマ」

 

親衛隊隊長。

戦士長。

密偵の長。

ドルイドの長。

野伏の長。

森林衛視長。

ファーマスィストの長。

シャーマンの長。

彼女らが統率する部下達。

 

決戦個体の前に並ぶ百体近くの森の精霊達。

アルラウネとドライアドが一斉に片膝を、あるいは両ひざを突いて首を垂れる。

 

「俺の我が儘で面倒にしてしまった。苦労を掛けてしまう事になる。すまんなお前達」

 

創造主からの謝罪の言葉に、彼女たちは必死に否定をしたかった。

僕達からすれば、法国との約定を一方的に歪め。

あまつさえ彼女らの主に不遜で傲慢な要求を押し付けて来たあの阿婆擦れこそに問題がある。

創造主に重過ぎる所があるNPC達の中では、スメイロトが作り出した者達は主以外への配慮がそれなりに出来る存在だ。

 

その上で、彼女らはあの番外席次なる女に対して明確な敵意を抱いていた。

 

あれが余計な事をしなければ、彼女らの主が危険な橋を渡る羽目にならずに済んだのだから。

彼女らの負の感情を感じたのか、スメイロトは宥めるように苦笑する。

 

「まぁ、そう怒りなさんな。無事に作戦を終えて勝てばいいだけの話だ」

 

意識を繋げている為同調したのか、決戦個体はその長い腕をゆらゆらと動かした。

 

「私たちの合わせ技を、あの高慢ちきな女に見せつけてやればいい」

 

作戦はシンプルだ。

別段難しい事ではない。

 

「コイツと私とで、あの魔将を食い止める。最大戦力で前半はタンク役を務め敵の意識を集中させる」

 

「ドルイドとシャーマンは戦闘の隠蔽と聖王国側の感知の遅延を行え。奴を処置し終えるまで誤魔化せればいい」

 

「「ハッ」」

 

「親衛隊、戦士隊、野伏、森林衛視は攻撃開始後に包囲を開始。包囲後に合図を待て。私がどうなろうと、合図より前に仕掛ける事は許さん」

 

「「「「ハッ」」」」

 

「ファーマスィスト、お前達は私の嫁達と準備を済ませて待機だ。彼女の承諾は既に得てる。せっかくだから例の手段を試す……わかるな?」

 

「ハッ」

 

「私からの指示は以上だ、万が一番外席次が行動した場合は……阻害はしない様に。今は戦場だ、私情は捨てろ」

 

「……ハッ」

 

「よし、総員かかれっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソツジュは後ろから自分を抱きしめている男の熱を恍惚とした気持ちで受け止めていた。

表向きは何時ものどこか焦点の合わない目つきと胡乱な表情のままであるが。

 

(ああ、わがしゅよ……)

 

ソツジュ・ミィ・ティリアンにとって、スメイロトは信仰の対象であり自分の価値の全てだ。

 

彼女にとっては自分を異端児として扱い、一族の立身の為にクインティア家へ売り込んだ家族と称す輩達も。

自分を姫巫女と言う名のマジックアイテムに改造する事も検討していた法国も。

久しくどうでもいいと思っている。

奴らが死のうが生きようが滅びようがどうでもいい。

彼女にとって人類護持等知った事ではないのだ。

 

彼女にとって唯一の執着はスメイロトだけだ。

 

少女がスメイロトに唯一の執着を抱いた理由はシンプルである。

 

彼女と言う、現状では人類唯一の託神の巫女において。

彼の内包する神性こそが、仕えるべき神だったからだ。

神なき国で唯一現存する現人神に仕え心身全てを奉じ奉る巫女。

信仰を独占し、神なき信仰を抱くしかない法国の者達を嘲る聖職者。

 

それが、ソツジュ・ミィ・ティリアンだった。

 

彼女にとって神敵撃滅は、スメイロトに言われるまでもなく必須だ。

彼の神に歯向かう悪魔に対し、神罰代行を成し遂げる。

 

見事果たせれば、神は己が信徒に対し寵愛を与えてくれるだろう。

今までの子ども扱いの件、ソツジュは知らず知らずの内に不満を溜めていた。

節穴しか居ない世話役に対し初潮を錯覚させて、あの愛人計画に参加させたのは事実であり。

参加者で彼女が最年少で二年近くたっても殆ど幼女の様な体が女らしくなっていないのも事実だ。

あの糞生意気でこまっしゃくれなハイネですら多少は凹凸が出来て、その上で神からの寵愛を受け自分よりも先に女になったのは酷く不愉快な事実だった。

 

だが、だがそれでも。これを完璧にこなせば彼女の神は彼女を巫女として。

何よりも女として認めてくれる筈だ。

 

 

 

尤も、神職者を気取っている割には自分のエゴが信仰と横並びになっている辺り、ソツジュの精神性が幼稚なのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かんぜんに、しずめるよー?」

「ああ、頼む」

 

ソツジュの小さな体から、膨大な魔力が噴き出しスメイロトへと流れ込む。

 

「うおっ?」

 

風呂で頭まで浸かった状態で息を限界まで吐くと、体が一気に沈むのと似た感じ。

意識が深く沈んだかと思った瞬間、意識が急激に広がる。

 

(……まるで、初めてユグドラシルにログインした時みたいだ)

 

これは所謂VRだなとスメイロトは思った。

私室でヴァーチャル空間にダイブしていた時に似ていると。

 

意識は決戦個体の外を見ていた。

彼の視点は決戦個体の持つ『目』で見ているのだろう。

 

(そうなると、今やこれが俺のアヴァターか?)

 

かつての愛らしいともキモいとも評された、ナザリックの『課金王』アイダホ・オイーモの姿ではない。

もし、自分がかつてのアヴァターの体でこの世界に降りて居たらどうなっていただろうか?

 

「わがしゅよ」

 

するりと薄布に覆われた両腕が彼の肩に乗せられた。

 

何故気が付かなかったのか? と言いたくなるレベルで彼女はそこに居た。

 

180cm手前のスメイロトの膝の上に乗っていたのは、水色の長い髪の女性だった。

 

「え、あれ?」

 

所謂、対面座位だった。

彼女の衣装は下着をつけてない、スケスケの魔力を帯びた絹の貫頭衣だけ。

至近距離の為、肌色から胸の辺りの淡い蕾の色や下腹部の更に下に見える微かな茂みまではっきりと見えてしまっている。

法国の最秘奥の為にスメイロトにはあずかり知らぬことだったが。

その衣装は本来であればソツジュが着せられていたかもしれない、巫女姫の儀式衣装そのものだった。

 

「え、ソツジュ……?」

「はい、わたしです」

 

それは二年前に自分の傍に来てからも、殆ど身体的成長の見られなかった幼げな少女ではなかった。

 

 

顔立ちは丁度18歳ぐらいで大人びていた。

何時もはぼんやりしてる面持ちは、発情したジュンノの様に妖艶であり。

すらりとしたフィオナよりも背丈が長く、足も彼女と同じく長かった。

何よりも目を引いたのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

眼下でたぷりと揺れる、ラクレマよりも二回りは豊かな乳房の谷間……。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで、スメイロトはスンっとなった。

 

あまりにも現実と離れすぎたボディの設定を見て、意識が一瞬で醒めたのだ。

もし今のソツジュをハイネが見たら『ありえねーw』と腹を抱えて爆笑しただろう。

 

 

 

(いやいやいやいやいや、流石に盛り過ぎだろ?)

 

 

 

つい、そう思ってしまった。

 

 

思念してしまった。

この空間を形成し、思念を接続しているのはソツジュである。

つまり、思念はあっさりと彼女に届く。

 

 

そして直後彼が見たのは。

 

 

ぷくーっと頬を膨らませ、プルプルと全身を慄かせ。

涙目で掴みかかって来るソツジュだった。

 

 

 

 

 

『ちょ、怒るな怒るな暴れるな! 揺れる、揺れる操縦ミスる!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔将は久し振りの高揚を楽しんでいた。

 

 

ここの人間達は惰弱である。

かつての支配地で少数ながら存在した連中よりも更に弱い。

 

それは悪魔として、非常に都合がいい事この上ない。

 

悪魔としては強敵など望まない。対等なぞもってのほか。

相手が弱く嬲るに適しているのであれば悪魔としてそれ以上はない。

 

『まずは、あの都市を供物にしよう』

 

姿を消させた使い魔達に街道を行き来する人間達の話を聞きとらせた所、どうやら大きな祭りがあるようだ。

この国の近隣の住民が大勢集まりつつあるらしい。

 

『実に、実に好都合だ』

 

魔将の大きな口が嗜虐に歪む。

手勢を殲滅され、片身を敢え無く滅ぼされ、城を落され。

惨めに逃げ回る無様は、魔将の自尊心を深く傷つけていた。

このたまりにたまったものを発散させるには実に好都合。

 

『そういえば、あの神殿らしきものに居た女達だが……まずはあいつ等で楽しませて貰うとするか』

 

本音で言えば、今すぐにでもあのふざけた山羊仮面に応報を与えたい。

己が受けた恥辱を億倍で返したいが今はまだその時ではない。

 

今は、力をつける時であり。

人間どもの阿鼻叫喚で己の心を癒す時である。

まずは、あの街の支配者らしい女達にこの憤りをぶつけて晴らさせてもらう。

 

『二人の足を両手で掴んで、打ち合わせてみようか?』

 

頬深くに裂けるような口端が更に吊り上がる。

 

ああ、きっと素晴らしい音が聴けるだろう。

肉と肉が弾け合い、絶叫が木霊するに違いない。

 

『よし、決めた。まずはあの神殿から』

 

そこまで呟いた瞬間、横合いからの飛翔音を捉えて瞬時に身を引く。

 

『ぬっ!?』

 

目の前を、巨大なジャガイモが高速で掠め飛んでいく。

続けざまに飛んでくるジャガイモを魔剣で弾き飛ばして向き直る。

 

『なんだ、貴様は魔樹……か!?』

 

『とんでもねぇ、あたしゃただの芋だよ』

 

丘の向こう側から現れたのは。

 

『半端仕様の下位互換悪魔野郎をぶっ倒しに来たぜ。覚悟しろ』

 

でかい、芋だった。

 

 

 

 

 

 

 

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