ガンダム00  マイスター始めてみました   作:雑炊

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今回はトレミークルーへの説明と、ヤツの再登場。&アムロのリベンジ回です。


それでは本編をどうぞ。


十四話―――至って真面目にリベンジ・of・『あげぁ』

「ヌグォォォォォォ……」

 

何とかかんとか合流地点まで到達した後、俺たちはそのまま実働部隊の母艦である“プトレマイオス”へと転がり込む事になった。

まあ、その原因は皆さんも分かっていると思うけど、俺。

 

何せ刹那の代わりにエクシア動かしちゃってるし、肝心の刹那はいまだに夢の中。

そしてザフキエルはまだ調整が済んでいないらしく、その動きは超緩慢。

三兄妹のスローネも、それぞれで量は違うが結構エネルギーを使ってしまっている。

特にドライなんかステルスフィールドを使った後だから、何時エネルギーが切れてもおかしくは無い。

 

と、言うわけで俺は今現在――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、重てぇぇぇぇ……」

 

「…いや、仮にも女の子に向かって“重い”つーのは無いんじゃねえか?」

 

「だったら、片手でこの子を抱えてエクシアのコックピットから此処まで降りて来い。きっとどれだけ大変だったか解る筈だ」

 

「……成程。いや、悪かった」

 

「気にしていない」

 

――――刹那を“片手”で抱えて、プトレマイオスの医務室まで運んでいる最中。

因みに片手の理由は、もう片方の空いた手で携帯端末を弄って師匠に今回の件の報告をしているから。

音声でやると、こんな艦内では音を拾われてしまう可能性があるので、些細な事から“『O-01=アムロ・レイ』という事実”が洩れてしまう場合がある。

その為、メールを使って遣り取りしているのだが、これまた時間が掛かる事掛かる事。

結果全てを報告し終えるのに、8分掛かってしまった。

因みに刹那は報告を始めて3分くらい経った所で医務室に付いたので、医療ポッドにぶち込んで放置してきた。

へ?着替えさせたのかって?

そんな事やったらあたしゃ単なる変態になってしまいます。

キチンと様子を見に来てくれたユリさんにお任せしましたよ。

 

ピピッピ、ピピピ、ピピッピ、ピ、ピピ………ピ

 

「……よし。報告完了。お待たせしてしまってすみません。何分中間管理職なもので…」

 

「いえ、其処まで待ってないから大丈夫よ。……とにかく、これだけは教えてくれない?あなた達は…いえ、あのガンダムは、一体何なのか」

 

「分かりました。順を追って説明致しましょう………と行きたい所なのはやまやまなのですが、そ・の・前に……」

 

そう言って、俺はミハエルの後ろにそっと近寄るそして……

 

「フンッ!」

 

キン

 

「おでゅばぁぁぁぁぁあぁ!!??!!??」

 

奇声を上げながら、ミハエルが倒れこむ。

え?何したかって?…効果音から察してください。

女の人にはあの痛みは解らんとです……

 

「アホ。何で友好関係結ぼうとしてる所で相手を威嚇する。パーにする気か?」

 

「……!!……!………!?!?!…!!!」

 

ミハエルは悶えながらも俺に何か訴えているが、声が聞こえないのでガン無視する。

まあ、自業自得なので仕方ない。

事前に変な事したら酷い目に遭わせるとは言ってあったし。

 

「……さて、え~と…何について話せば………っと、あのガンダムと、彼らの事でしたね?」

 

「へ!?…え、ええ。その通りよ」

 

…うーん…やっぱり酷すぎたかな?

何名かは股間を軽く押さえて、ミハエルに同情の視線を送ってるし、スメラギさんとネーナはドン引きしてるし…ま、今はどうでも良いか。

 

「それでは説明しましょう。我々が今回使用していたあの三機は、“ガンダムスローネ”。擬似太陽炉…GNドライブ[τ]を搭載した、所謂“新型機”です」

 

「…では次に、擬似太陽炉について説明を貰えるかしら?」

 

「GNドライブ[τ]は、エネルギー切れこそ在るものの、基本性能自体はオリジナルの太陽炉とそう変わりません。寧ろ、大量生産できる此方の方が使い勝手は良いかも。ただ、オリジナルのように、人体に影響が無い様に考慮してない為、通常時でも過剰に吸ったりすれば、遺伝子異常……というよりかは、細胞異常を引き起こす可能性があります。なので、安全性で言えば、そちらのオリジナルの方が良いです。耐久限界も、オリジナルより低いですし」

 

「新型機、という言葉については」

 

「私の上司の言葉ですが、あの三機は現段階で計画の進行スピードを憂いたヴェーダが、計画の進行スピードを少しでも上げるために、もう一つの実働部隊として用意した“チームトリニティ”の専用機として開発された機体なんだそうで……一応そちらの5体のガンダムのデータを使っているから、新型機も同然だそうです」

 

そう説明し終わると、実働部隊の面々は考え事をするかのように黙った。

…って、あ。いつの間にかミハエル復活しとる。

一応大人しくしてるから…大丈夫、かな?

まあ、大丈夫じゃなかったらまた黙らせるだけだけど(邪笑

 

少しの沈黙が、ブリーフィングルームを包む。

その内、ティエリアが、ややあって口を開いた。

 

「つまり…我々と共に行動する、と?」

 

ん?…成程。確かにそう取られても仕方ないか。

これはキチンと訂正しとかないとな。情報の齟齬は余計な混乱を生むだけだし。

 

「ああ、それh「バーカ、そんな事すっかっ!!あんたらがヤワイ介入しかしねぇから、俺らにお鉢が回ってきたんじゃねぇかっ!!」…………」

 

……………ハイやらかしたー。

 

「………どういう意味かな?」

 

「言った通りの意味だ。あてになんねぇのよ。あぁ?不完全な改造人間君?」

 

「何ぃっ!?」

 

「おっ、やっ「ミハエル」っ!んだよO-01」

 

「うんちょっと黙ろうか。必殺“ピンポイント廬山昇竜波”」

 

ゴォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!キンッキンッグシャア

 

アッァァァァァァァァァァァアァァァー!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プトレマイオス ブリッジ

 

「……な、なんか、すごい連中っすね。特にあのO-01ってやつ。真面目なシーンなのにこれじゃコントだ」

 

ブリーフィングルームに設置されたカメラから様子をうかがっていたリヒティは、盛大に顔をひきつらせる。

まあ、やってきていきなり喧嘩を吹っ掛けてきたり、纏め役の彼が喧嘩を吹っかけた“アホ”を、漫画のような技で(しかもピンポイントに急所攻撃をして)沈めれば、当然の反応とも言えなくはないが。

 

「でも、結構カッコ良くない?」

 

そんな中呟いたクリスティナの言葉を聞いたラッセは驚く。

 

「ん?お前ってそういう奴が好みだったのか?」

 

「え゙?マジ!?」

 

「そう言うことじゃなくて!!あ、いやでも、あの技もなかなか……って、ちっがーう!!!」

 

俄かに騒ぎ始めるラッセとクリスティナ。

その3人から離れたところでフェルトは物思いにふけっていた。

 

「…こんなガンダム、パパやママに聞かされてなかった……」

 

スローネを見ながらフェルトは両親から聞かされていたガンダムのことを思い出す。

フェルトの両親達が乗っていた第二世代機は言わば第三世代機のテストベッド。

フェルトは幼い頃の、しかもうろ覚えではあるが父から両世代の機体の話は聞いていた。

しかし、その中にあの4機のガンダムに類するような機体の話は一切無い。

 

最初こそオールラウンダーなサキエルの発展型かとも思ったが、それもあり得ない。

あまりにも形状や設計思想が違うというのが、外観をよく見れば丸分かりだった。

ただ端的に武装を変更する事でオールマイティな対応を可能とする事を目指したのがサキエルならば、スローネはコアとなるフレームに武装を含めた専用の外装を取り付ける事で、その装備に最も適した領域だけに対応が出来る事を目的としているように見えるからだ。

簡単に言ってみれば、サキエルは器用貧乏で、スローネは一つの分野のしか出来ないといった所か。(厳密には違うが)

 

一瞬だが、サキエルのプロトタイプから別の視点で発展していった機体かとも思った。

が、肝心なそのプロトタイプも、モドキな機体が一応開発されたらしいが、なぜか彼らの手に渡ることなく破棄されたという。

なんでも、とあるパイロットに試験運用をやらせたらしいのだが、その時に問題が発生して開発が中止されたそうだ。

と、いうか、パイロットが散々にダメ出ししたらしい。

曰く、「武器がネタでしかない」、「突出した部分が無い」、「つーかこの機体の居る意味は?援護用?援護用なの?馬鹿なの?死ぬの?」etcetc…

まあ、その結果としてサキエルはそのプロトモドキとアストレアのデータをごっちゃにして作成されたらしいが…

 

(でも、だとしたらこの機体は一体……)

 

考えられるとしたら……そう思い、フェルトはスローネ三機によく似たトリコロールの機体―――ザフキエルを思い出す。

 

「あの機体は、かなりOガンダムに似ていた」

 

誰にとも無く、フェルトは口の中だけでそう呟いた。

再びザフキエルを見る。

色はとにかく、ザフキエルは自分の覚えている限りでは、顔やビームサーベル以外の各パーツ配置、そして基本兵装が限りなくOガンダムに似ていた。

 

――――――つまり、あの三機とザフキエルは、Oガンダムから発展した機体?

 

フェルトはスローネアインを見つめる。

スローネアインの赤い瞳は美しくもあったが、どこか残忍な印象を感じる。

次にザフキエルを見る。

こちらの瞳はGN粒子のように緑色で、美しいというよりかは綺麗という感じで、同時にどこか温かみを感じるような印象があった。

フェルトは出来る事なら両親がスローネの開発に関わっていない事、そしてもし関わっていたとしても、ザフキエルにしか関わっていない事を祈らずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…申し訳ありません。うちのミハエルという名のゴミ・アホ・ボケ・カス・アンポンタン・スカポンタン・タコ・クソガキ・恥部・礼儀知らずが本当に、本当に、本・当・に・失礼を…」

 

「…い、いえいえ…あんまりこっちは気にしてないから大丈夫よ。ね?ティエリア?……とりあえずこれだけは聞かせてほしいのだけれど……あなたたちがこうやって来たということは、つまり私達はこれでお払い箱って事?」

 

「あ、いえ、そういう訳ではありません。おそらく、“一人では無理な仕事でも、手分けしてやれば意外と早く終わる”という法則ではないでしょうか…?」

 

「…なあ、それって、“手分けしてやっている連中の仲が悪かったら、お互いにお互いを邪魔してもっと作業が進まなくなる”って、事も考えられねえか?」

 

「ごもっともです。だからこそ友好関係を結びたかったのにこの野郎……!!これが最後の金的だ!!!!」

 

「あ、待って。それ以上やっちゃうと、そのミハエルって人、下手したら二度と戻ってこられない場所に旅立つか、新しい世界に目覚めちゃうかもしれないから止めてあげて」

 

「……………チッ」

 

ロックオンの言葉に再び怒りの炎を燃え滾らせた直後に、アレルヤによって怒りを鎮められ、一寸心の整理が二進も三進も行かなくなってしまい、とりあえず舌打ちを一つして、無理矢理心の平静を取る。

……よし、落ち着いた。

 

「……とりあえず、我々の目的は先程も申し上げた通り、我々の目的も其方側と同じ紛争根絶です……まあ、同じ組織なのに目的が違うとかなったら大変ですが」

 

「…分かった。ただ、僕からも個人的に質問がある。ヴェーダのデータバンクにあの機体…特に、あのザフキエルがないのは何故だ?」

 

そう、ティエリアが疑問を投げかけてきた。

…さて、如何しようかな?

 

チラ、とヨハンを見る。

向こうも俺の視線に気付いたようで、少し考えた後、首を横に振った。

…つまり話したらダメ、という事だ。

それを見た俺は少し首を縦に動かした後……

 

「それはこちらにも……何分、私も突然乗れと言われましたので……大方、どっかの馬鹿が消したか、データベースにのっけるのを忘れたのでは?」

 

と、盛大に一寸考えればばれる様な嘘を口にした。

後ろでヨハンが珍しく“ガクッ”とコケ掛けるが、どうやら気合で何とかしたようだ。

……こけてしまえば良かったのに。面白いから。

 

「知らない?そんな筈はない。嘘をついているんじゃないのか?」

 

ホラ来たよ。あそこでコケてくれれば笑って冗談ですよと言って誤魔化す話をもっと練れたのに。

……とは言っても、どうするか。

とりあえず差し当たり無い言葉で…切り抜けてみようか?

 

「そう言われましても……第一、中間管理職に其処まで詳しい情報の開示を求められても困ります。無茶振りにも程がある」

 

「…貴様「よせよティエリア」ロックオン・ストラトス!しかし!」

 

おお、此処でまさかの助け舟!!

さすがロックオン兄さん。カッコええわー。

 

「どうやら本当に知らないみたいだし、其処まで問い詰めるような事でもねえだろう?…第一、捕まって逃げ場が無いからって、突然寝始めるような奴が知らないって言ってんだから、本当に知らねえんだろ」

 

…え、ちょ、あのー……

 

「…そ、それは褒めてるのかね?それとも貶してるのかね?」

 

「さて、どっちだろうな…」

 

「……こっちの目を見て話してくれないか…?」

 

「……努力する」

 

「…いや努力とか……そこまで?」

 

「………悪い」

 

「Oh……」orz

 

そんな感じに少しブルーになっていると、突然通信機が震え始めた。

…あ、そういえば、“どうせシリアスになるだろうから”ってマナーモードにしといたんだっけ?

そんな事を考えながら通信を繋げると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『行き成りだけど、そこの青い髪のアホに波動拳ブッパして見たいんだが』

 

「カエレ!!」\(゜∀゜)/

         (  )

          く|

 

「「「「「「!?」」」」」」(沈んでいるミハエル以外の全員)

 

やっぱり師匠だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもって場面は一気に変わって只今とある暗礁宙域である。

飛び過ぎ?気にするな。作者曰く文字数の問題だそうな。

 

…………作者って、なんだ?最近なんかメタな思考が多いなぁ。

 

取り敢えずあの後何がどうなったのかを掻い摘んで説明すると、

 

師匠から連絡来る→俺対応する→師匠「ちょっとフェレシュテに喧嘩売って来いよ」→俺「OK」→師匠「あ、それとGNマント強化したいから、とっ外してこっち送って」щ(゚д゚щ)カモーン→俺「OK」→俺達「んじゃ、お邪魔しました~」

 

って感じである。因みに結局刹那は起きて来なかった。ユリも刹那の方に付きっ切りだったらしい。

…若干、一抹の寂しさを感じた事は内緒だ。変な意味は無いぞ。

 

さて、そんな事は放って置いて、早速お仕事開始である。

通信を入れるのは、目の前にある大型のアステロイド。それに偽装したCBのサポート組織“フェレシュテ”の保有施設の一つである。

 

ピピッという音とともに、通信が繋がった……のはいいんだけど、画面の向こうに居る人の様子が何かおかしい。何かorzとは行かなくとも、それに近い体制になって崩れ落ちている……白髪?の女性が見えた。事前に貰った情報によると、彼女の名前は“シャル・アクスティカ”。本名を“シャル・ヴィルゴ”といい、元第2世代のガンダム、“プルトーネ”のテストパイロットだったらしい。

今は当時の起動実験中に起きた事故によって大怪我を負い、同時にGN粒子の悪性効果による遺伝子異常の影響でMSには乗れなくなっている……らしい。

らしいというのは、俺がその事を資料でしか見た事が無いからで、実際は如何なのか良く知らないからだ。おそらくヴェーダからの情報なので間違いは無いと思うが……もっと詳しい資料щ(゚д゚щ)カモーン。

 

『…O-01?』

 

「おっと、すまん。考え事をしてしまっていた……よし。では、お仕事と行こう」

 

そう言ってからモニターに向き直る。と、同時に俺は口を開いた。

 

「お取り込み中に行き成り失礼。事前にヴェーダからの指令が届いたと存じます。と、いう訳であなた方が保管している太陽炉……そいつを引き渡して貰います」

 

『そんなっ!?太陽炉を失ったら、俺達のガンダムはどうやって起動すればいいんだ!!』

 

「事前に説明がいっていたと言った筈ですが?心配しなくてもフェレシュテは解散と決定しています。今後は他の部署にでも各自散って、其処で頑張ってください」

 

成るべくいつもよりも、若干嫌味な感じで喋る。

無論、これは俺自身の正体を隠す為の師匠の考えた策の一つだ。

基本的に俺は“O-01”という人物として行動する時、初対面の相手と喋る時は敢えてなるべく喋り方を一貫させない様にしている。

こうする事によって、相手に此方がどの様な人物であるかを悟らせ難くしているのだ。

……実際に効果があるのかは、不明だが。

 

と、その時。

 

「……!?」

 

突然背筋に悪寒を感じて、反射的に機体を捻る。

直後、今さっきまでザフキエルの胸部があった部分を、ピンク色の閃光が通り抜けた。

それを見て、若干鳥肌が立つ。

後一瞬でも避けるのが遅れていたら……想像するだに恐ろしい。

そんな感じで、上手く避けれた事にホッとするのもそこそこに、ビームが飛んできた方向を見る。

無数に浮かんでいるアステロイド。その内の一つの岩塊の後ろから、トリコロールに塗装されたOガンダムに良く似ている機体が姿を表した。

その機体の名は――――型式番号GNY-004ガンダムプルトーネ。

 

「出てきたな、フォン・スパーク!!」

 

瞬間、俺は叫んだ。

いつもと違い、GNABCマントは、無い。

その為ビームに対しての防御面が心許無い。

 

同時に以前の実質的負けの事もある。

 

ハッキリ言って勝てる気はしないが、それでもやらねばならない。

 

「トリニティ各機はこの場で待機!!奴は私が相手をする!!手は出すな!!」

 

『なっ!?O-01!?』

 

「ハッキリ言わせて貰うが、奴は私でも勝てるかどうか分からん!」

 

言いながらビームライフルを数発発射しながらプルトーネに突っ込む。

向こうもそれを避けながら、一気に此方へと向かってくる。

お互いに最大出力で突っ込んでいたからか、お互いの機体が接触するまでに、そう時間は掛からなかった。

相手が間合いに入った瞬間に、ビームライフルを鉈の様に振り下ろす。

しかし、それは向こうが此方と同じ様にして振り下ろしたビームライフルによって止められた。

一瞬の膠着。

先に動いたのはプルトーネ。

此方のどてっぱらに蹴りを入れて離れるとすぐさまビームライフルで追撃をかけてきた。

それを此方もライフルでビームを放って相殺し、反撃する。

それを向こうも避けてから、再びライフルで応戦してきた。

其処からは撃っては避けて反撃し、それを避けてはまた反撃………と、延々と同じ事が繰り返される。

以前と同じようなパターンだ。

それをいい加減に鬱陶しく思ったのか、向こうはライフルを投げ捨てるとビームサーベルに武器を持ち替えて此方に迫ってきた。

ならばと此方もビームサーベルをライフルと持ち替えて相手に突っ込む。

次の瞬間、切り結んだ。

両者の出力はどうやらほぼ拮抗しているようで、そのまま先程のような膠着状態に再度陥る。

咄嗟に肩のもう一本のビームサーベルを展開した。

ビームの刃がプルトーネの頭部に迫る。

が、驚くべき事に相手はそれを機体の体と頭部の位置を少しずらす事によって紙一重で回避した。

その技量に内心舌を巻くと共に舌打ちする。若干これで仕留められる自身はあったのだ。

それを今の様な方法で反射的に回避されたのならば、舌打ちの一つくらいは誰でも出よう。

反射的に、先程のお返しと言わんばかりに相手に蹴りを打ち込む。

すると相手はそれを見越していたのか、それを左腕のシールドで防御。反動を利用しつつ半歩下がってから、再び此方目掛けてサーベルを振り下ろしてきた。

それを右足を軸にして“転換”の要領を用いた回転運動を行いながら回避し、そのまま360度回転。

裏拳の要領を用い、シールドで殴りつける。

今度は上手く入った。

プルトーネの体勢が崩れる。

其処を逃さずサーベルを切っ先からコクピットに突き入れようと――――

 

「っ!?」

 

―――した所で、咄嗟に向こうが展開したのであろうGNフィールドに阻まれた。張られたフィールドは以外にも強固なようで、此方のビーム刃を減退させ、拡散させて一切のダメージを向こうに通しては居ない。

流石はヴァーチェ及びナドレのプロトタイプとなったガンダムである。

見た目ではそう堅そうではないというのに、大した防御力だ。

…だが、こっちもそう簡単に負けてはいられない。

瞬間的にスラスターとモニター以外の出力を20~25%の範囲までカット。その分余ったエネルギーを全てサーベルへと出力する。

それらの作業が終わると同時に、ビームサーベルの柄からまるで花火の如く桜色のビーム粒子が迸る。

同時に、向こうのフィールドが段々とぶれ始めた。どうやら過負荷によってフィールド発生器に何らかの問題が生じているらしい。

このままフィールドにビームを干渉させ続ければ、いずれは発生器がイカれてフィールドが維持できなくなり、こっちのビーム刃に貫かれる事になるだろう。

だが、過負荷によって今にもぶっ壊れそうなのは、此方のサーベルも同じである。

コクピットには警報(アラート)が鳴り響き、ビームサーベルが今にも限界を迎えそうな事を如実に語っていた。

向こうが先か、此方が先か――――――――今やそれだけが、この勝負の勝者を決める重要なファクターとなっていた。

 

と、次の瞬間。

 

「っ!!チィィっ!!」

 

ザフキエルの手の中で、ビームサーベルが決して小さくは無い爆発を起こして限界を迎えた。

いつもならば良く持ったほうだと賞賛の一つでも掛ける所だが、今回はそうも行かない。

咄嗟にカットしていた全出力を元に戻し、反射的にもう一つのサーベルを抜いて構える。

と、其処へと爆煙を切り裂いて、狙ったかのようにビームサーベルが振り下ろされた。

振り下ろされたサーベルは、運よく此方が予め構えておいたサーベルにぶち当たり、動きを止める。

同時にその後ろからプルトーネが姿を現した。

その姿に先程との変化は見受けられない…と思ったが、良く見ると体の所々からアーク放電が見える。

どうやら、此方のサーベルが限界を迎えたのと同時に向こうのフィールド発生器も限界を向かえたようだ。

それが原因かどうかは知らないが、振り下ろされたその腕からはさっきほどの力は感じない。

出力系のどこかが故障でもしたらしい。

 

ピピピッピピピッピピピッ

 

「…?」

 

(…っと、通信?こんな時に?相手は……え?目の前?)

 

ハッとして通信を開く。

案の定相手は目の前の機体のパイロット……フォン・スパークだった。

黄金のクッションが敷かれている黒いヘルメットの紫色のバイザーの向こうに、悪魔のような男の顔が見える。

ぶっちゃけ意外とホラーだ。

真面目な表情ならば2枚目なのだろうが、その狂った様な笑顔はかの有名な“オリジナル笑顔”に匹敵するインパクトがある。

 

「何の用だ?ハッキリ言って、今お前と語り合うだけの余裕は無いのだが?」

 

本当である。実際、今受け答えできたのも偶然といっても過言ではないほど、今の俺にあまり余裕は無かった。

向こうはそんな俺の心境を知ってか知らずか、こんな事を問いかけてくる。

 

『あげゃげゃげゃげゃっ!………テメェ、前に俺の戦いを覗き見してたOガンダムのパイロットだな!!あん時とは若干スタイルを変えてるらしいが、節々で同じ様な動きをしてるぜ?』

 

(…っ!!よもやあの時の機体がOガンダムだということもバレている!?……いや、当然か。あそこまで動けば流石に節々が見えてバレる、か。)

 

だとしても、そんな微細な部分から其処まで見破れるとは、恐るべき男である。

貰った情報では元テロリストで戦闘能力が高く、野獣のような性格だと書かれていたが、こいつは野獣なんてもんではない。

操縦技術は高く、尚且つ獣のようにごり押ししようとするのではなく、節々でトリッキーな動きを絡めて相手の裏を斯いたり、自身の乗る機体の性能を最大限引き出して敵を確実に仕留めようとする。

洞察力も半端な物ではない。いくら隠し事をしようとしても、ほんの些細な事から鍵穴を見出して、その隠し事を看破する。そんなイメージすら感じられる。

 

(…野獣って言うよりか、表情通りに悪魔だなコイツは。こんな事やってないで、検事か弁護士か警察か…少なくともそういった所に就職してたら、確実に大活躍してただろうな。)

 

我が事ながら戦闘中だというのに暢気な事を考えているもんだと自嘲する。

と、そんな場合ではない。

 

「偶然同じ様な戦闘スタイルとは考えないのかね?」

 

『ねえな。第一そう返したって事は、当たってます、と自分で言ってるようなもんだぜ?』

 

「……」

 

こりゃもう何言っても駄目だな。そう考えた俺は、素直に白状する事にした。…ま、何時までもこんな問答繰り返してたら終わるもんも終わらないしね。

 

「…正解だ。確かに以前、私は君と接触……いや、戦った事がある……Oガンダムでな」

 

『へぇ…意外と素直に認めんじゃねーか』

 

「いや何、クソ真面目な性分で…なっ!」

 

言いながら、シールドの裏に隠してあったビームガンを発射する。

まあ、ビームガンといっても、いつもの手持ち式の奴ではなくシールド自体に予め組み込まれているタイプの物なので、威力は若干手持ち式の物よりも劣る。

…それでもガンダムの装甲に傷をつけるのには十分だ!

 

『チィッ!!』

 

「んなっ!?」

 

しかしそれでも奴は避けて見せた。もう機体は碌に動こう筈が無いというのに。

そしてそのままサーベルを展開して此方に切りかかってくる。

ならばと此方も反撃しようと、ビームサーベルを抜こ―――――

 

ビー!ビー!ビー!「うっ!?こんな時にか!?」

 

――――うとした所で、最早毎度御馴染みとなってしまったあの音が鳴り響いた。

鳴るなとは言わないから、せめて空気を呼んでくれ!!そう心の中で叫んでも事態は好転しない。

 

運命とは非情である。

 

そう考えている内に、相手は此方の直ぐ其処まで迫ってきていた。

既にサーベルを振り下ろすモーションまで入ってきている。

 

(…ああ。ここまで、か?)

 

一瞬、一瞬だけ、目の前の運命を受け入れそうになる…が、流石にそれは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「癪、だぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

気が付いたら、母艦の中に居た。

何が起きているのかまったく分からなかったが、取り敢えず一言。

 

「……見知った天井すぎ「言ワセネェヨ!!」……見知った天井「言ワセネェヨ!!」……見知った「言ワセネェヨ!!」……見知「言ワセネェヨ!!」……m「言ワセネェヨ!!」……………」

 

…あまりの鬱陶しさに声の出処へと顔を向ける。

それは丁度俺の顔の真っ隣に居たらしく、顔を向けると相棒が居た。

どうやら寝かせられているらしい。

起き上がって身体をチェックする。

……メットが外された形跡、そして脱がされた形跡は、無い。

 

ズキンッ

 

「っだ!?」

 

…と思ったら、脇腹から激痛。

よく見てみると絆創膏が貼られていた。

その淵から若干赤い物が滲んでいる。

どうやら、何か刺さっていたか何かで切ったらしい。

が、耐えられない様な痛みではない。

立ち上がって、周囲を確認する。

 

「いつもの格納庫だ「言ワセネェヨ!!ッテ、アー……」…ざまぁ」

 

腕を出して頭…ならぬ胴体の天頂部に手を当てて落ち込む相棒。

実にざまぁ。

そう思いながら後ろを振り返ると…

 

「…うわっ!?こりゃまた酷い…」

 

そこに、あった。

危うくマッチング不備というとんでもないトラブルで乗り手を殺しかけた機体が…其処に。

しかしその姿は正に無惨としか言いようがなかった。

左腕は根元からゴッソリと無くなり、胴体の左側は焼け焦げて真っ黒。

左脚も一番外側の装甲が若干斬られており、其処は真っ黒になりその周りは熔けている。

胸部にも若干傷がある事から、おそらくそのダメージがコクピットまで届いてしまったのだろう。

そう考えるとこの脇腹の傷も話がつく。

 

「……さて、如何するかな?」

 

思わず呟く。おそらく破損箇所はスローネのパーツを使えばあっさりと修復可能だろう。

…若干、見た目は悪くなりそうだが。

と、そんな事よりもやらなければならない事がある事に、俺は気付いた。

 

「…あ、あいつらの飯、作ってやらんと…」

 

そういえばパフェも作るとかいっておいて、結局いろんなゴタゴタで作ってやれていない。…お詫びの意味も込めて、大き目のやつを作ってやらないとダメかな?

 

 

 

 

 

 

 

ドンガラガッシャ~ン!!!

 

オイネーナナニヤッテンダヨ!!!ミハニイガイキナリホウチョウフリマワスカライケナインデショ!!!オマエライイカゲンニシナイカ!!!コノママデハカユドコロカワレワレノショクジモアヤウイゾ!!??ソレトネーナ、コメヲセンザイヲツカッテアラウンジャナイ!!エ!?デモ、ココニハチャントアラウッテ…?ソウイウイミデハナイ!!!

 

ピー!!!!

 

オワッ!?アニキ、ナベガフイタ!!ナニヤットルノダバカモノ!!ハヤクヒヲトメロ!!!ヨハンニイ!!フライパンカラヒガー!!!ナニィィィ!!!!????

 

 

 

 

 

 

「……………………………………」(滝汗

 

…まず、冷蔵庫を見る為にではなく、あの事態を収集する為に一刻も早くキッチンへと行かねば。

……あいつら、一体何やっとんのじゃ!?

 

「ハロ急げ!!このままだと今日の夕飯は洗剤の味がする粥と、なんだか良く分からない焦げきったダークマターになるぞ!!!て、いてててて……ええい、この程度で怯んでいられるかぁ!!」

 

「ウワ、ヤッベェ!!!!アムロ、脇ノ赤イノガ広ガッテキテルゾ!?大丈夫カ!?」

 

「この程度で怯めねえと言ってんだろうが…って、いっったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

そう言いながら、痛みに耐えつつ相棒と共に駆け出す。

そんな状況の中、俺の頭の中には、こんな言葉が浮かんできていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――…負けた、か。どんな理由があろうとも、負けは、負け、か。

 

 

 

 

 

 

“アムロ・レイ”になって、初めての完敗。

それが、何故だか今の俺には苦く、それでいて何故か若干清々しい物に感じられた。

…いや、メッチャ悔しいけどね?

 




如何でしたでしょうか?

どうも、雑炊です。

はい、アムロ敗北回です。結局、トラブルの所為であったとはいえ、勝てませんでした。
あの後の展開は、次回で簡単に説明しますが概ね原作の『OOF』一巻の展開とほぼ同じです。
唯一違うのは、首爆破の後、戦闘した時にコッソリとネーナがザフキエルを回収した程度です。
序でに左腕もちゃっかり回収されています。ビームライフルも然り。

実は書き直す前は、アムロは勝ちもしないし負けもしない、所謂相打ちの後に首爆破、という流れだったのですが、結局アムロには負けて貰いました。まあ、以前師匠とほぼ同等の強さを持つ相手に、相打ちって如何よ?と、考えた為結局こうなりましたが……如何でしたかね?

で、書き直す原因となったトレミークルーとの接触&説明シーン。
実はこれだけで一話分丸々使ってしまっていました…
具体的には1万字くらい。
で、しかもミハエルがこれ以上に酷い目にあっているというね……流石にそこまで彼を虐めたらいろんな所から怒られそうな気がしたので、結局これぐらいソフトにしました。
ソフトにしたんです。
ソフトにしたったらしたんです。
此処、超大事な事なので3回言いました。

で、いよいよ次回から急展開です。
そしていよいよあのイベントが…?

それではまた次回!
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