ガンダム00  マイスター始めてみました   作:雑炊

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はい、八話です。
今回は後始末メインなので、お話はあんまり進んでおらず、いつもより若干短いです。
ご了承ください。

それでは本編をどうぞ


八話―――モラリアの後始末(相棒の秘密もあるよ)

 

「…………」

 

ド初っぱから無言でごめんなさいね。

ちょっと考え事してたわ。

と、言うのも、先程の赤いイナクトのパイロットが言っていた、あの名前についてだ。

確か…

 

「エイジ・ヴェージェフ!エイジ・ヴェージェフ!」

 

ハロがそう言って、教えてくれた。

そうそう、“エイジ・ヴェージェフ”だっけ。

妙にその名前が頭に残っている。

確かに俺は師匠に拾われる以前の記憶がすっからかんだから、もしかしたらそれが俺の“昔の名前”なのかもしれないけど……

 

「…なんかおかしいんだよな……」

 

そう、おかしいのだ。

もし俺が本当にその人物だったとしたら、何故ソラン・イブラヒム―――刹那・F・セイエイは、初対面の時にあそこまで無反応だったのだろうか?

本人が忘れているという事もあるかもしれないが、それにしたって昔会った事があるとしたらもうちょっと何らかのリアクションを起こしても良いのだと思うが……

…それに、その名前を聞いても俺の頭には何の波紋も起こらないという点も気になる。

本当に聞き覚えが無いかのように。

果たしてそれは単なる人違いだという証明なのか?…それとも……?

 

「ポイント到着!ポイント到着!」

 

ふと、そんなハロの言葉で現実に引き戻された。

眼下を見下ろすと、青、緑、オレンジ、紫、赤のカラフルなパイロットスーツを着た、5人の男女が見える。

どうやら青いパイロットスーツの人物が、緑のパイロットスーツの人物に頬を叩かれてから、お叱りを受けているらしい。

……まあ、大体誰か分かるのが悲しい所だが。

 

「ハロ、降りるぞ」

 

「了解、了解」

 

そう言ってから、俺はOガンダムを近くの茂みに隠してからGN粒子を用いた偏光特殊ステルスによって、Oガンダムが被っているGNマントの見た目を近くの茂みの木々にそっくりにしてから、ハロを持ってヘルメットを被ったまま機体から降りてその一団の近くへと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、軍事演習上近くの狭い峡谷の中を抜けて司令部を襲撃し、ものの5分足らずで無条件降伏信号を司令部から空へと打ち上げさせた俺達は、大西洋のとある孤島に全員集まり今回ミッション中に問題行動を起こしたお嬢さんにカミナリを落としていた。

 

パァン!

 

「っつ…」

 

「…さて、刹那…叩いた後で悪いと思うし、さっきもミッション中に一応叱ったし質問もしたが、ここでもう一度お前に質問させてもらう……なぜ敵に姿をさらした?」

 

数秒間の沈黙。

だが、未だ刹那は顔を下に逸らしたまま黙っている。

 

「理由ぐらい言えって。な」

 

「…………」

 

それでも刹那は喋らない。

俺は表情を一層厳しくし、脅すように問いかける。

 

「強情だな……お仕置きが足りないか?」

 

それでも黙ったまま。ああ、もうこれだから思春期のお子様は扱いに困る!

業を煮やした俺がもう一度叩こうとすると、不意に横から銃を構える音がした。

ティエリアだ。

コイツもどうやら俺と同じ様に業を煮やしたらしい。

が、それはあまりにも拙過ぎる!

早計にも程があるぞ!

 

「言いたくないなら言わなくていい。君は危険な存在だ」

 

「やめろティエリア!」

 

慌ててティエリアの銃を押さえ込む。

 

「彼の愚かな振る舞いを許せば、我々にまで危険が及ぶ。以前のユリ・花園(ファーイェン)ような事態に陥る可能性も無くはない」

 

それを聞いたユリが、顔を暗くする。

まあ、確かにあの時は危なかった。

もしあの時正体不明の機体が来てくれなかったらと思うと…ぞっとする。

が、それとこれとは話が別だ。

 

と、そんな事をフッと考えたその時だった。

 

ガサッ

 

「あ、ヤベっ(ボソッ」

 

そんな音と声が近くの茂みから聞こえた。

咄嗟に全員で銃を抜き、その方向に向ける。

そこに居たのは…

 

 

 

 

 

 

 

「ぬおぉぉ!?いきなり銃口を向けるな!?決して私は怪しい物ではない!そしてそこの緑色の男!一日に二回も同じ人に銃口向けるとはどういう了見だ!?…って紫色の優男は引き金にかけた指に力を込めるな!?怖い!怖いから!?」

 

黒い線が縦に入った、西瓜のようなカラーリングのハロを両手で盾にしながら慌てている怪しさ満点の白いパイロットスーツを着た人物と、

 

「盾ニスルノ止メロ!盾ニスルノ止メロ!放セ!放セ~!」

 

そいつの手から必死に逃げ出そうとしている、西瓜のようなカラーリングのハロが居た。

 

「…………テラカオス」

 

「刹那。そんな言葉何処で覚えてきた?別に怒ったりしないからお父さんに包み隠さず話しなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で?つまりお前さんは、今日俺たちをコッソリと援護してくれてた、“あのガンダム”のマイスター…だと?」

 

「あ~…嘘は言ってはいないから、いい加減その親の敵を見るような目とか、警戒心剥き出しの目は止めて欲しいのだが……」

 

「悪いが、こっちも立場上ホイホイとそんな言葉を信用する訳にはいかないんでね……何か証拠になるような物でもあれば良いが…」

 

あの後、とりあえずその場にコイツを正座させて、銃口を向けたまま俺メインでこの正体不明のガンダムマイスターに尋問をしている。

今分かっている事は、

 

・ボイスチェンジャーで声を変えている。

 

・正体をバラすと、計画が根本から破錠しかねない為、ヘルメットは脱げない。ボイスチェンジャーもOFFできない。

 

・監視者も自分と愛機のガンダムの存在は一切知らない。むしろ知られた場合、自分に知った人間の抹殺許可がヴェーダから直々に下りる。

 

・現状自分を知っているのは、今此処に居るマイスター全員と、彼の上司。そして王(ワン)留美(リューミン)のみ。

 

という4点だ。アッサリとペラペラ話す辺り敵ではないのかもしれんが、そうやって油断させるという手もあるにはあるのだから警戒しておくに越した事は無い。

 

「他には?」

 

「禁則事項で『スチャ』待て待て待て!!!本当に禁則事項なのだ!!なんだったらヴェーダに直接聞いてみてくれれば良い!!!それでも駄目だったなら、ええいもういっそ煮るのも焼くのも好きにするが良い!!!!!」

 

そう言ってその場で腕を組んで胡坐でどっしりと座り込む白いパイロットスーツの人物……ああもう長いから、不審者でいいか。「酷い!!」うっせえ!!地の文に入るな!人の思考に入ってくるな!

兎に角不審者がそうしてから、俺達は一度コイツから距離を取り、円陣を汲むようにして話し合う事にした。

 

「……どう思う?」

 

(チャーハン食べたい)

 

「だから不審者黙りやがれ!!話し合いに入ってくるな!!」

 

「何も言ってないのだが!?」

 

喧しい!!だったら何故↑のような思考が俺の耳に入る!?

ええい!とにかくあの不審者は無視だ無視!!

 

「と、兎に角話を戻そう。嘘は言ってる様には見えないけど……ユリ。以前君を助けてくれた人は、あんな声だった?」

 

おお!アレルヤナイスだ。そう、アイコンタクトで伝えると向こうは苦笑を返してくれた。まあ、そうなるわな。うん。

 

「…んー……いや、もっと若かったな。どっちかというと、刹那くらいの少年の様な感じだった……だがボイスチェンジャーを使っているとなると、その限りではないかも……しかし…あ~、なんとも言えないな…ティエリア。お前はどう思う?」

 

まあ、確かにな。あの時俺もチラッと聞いたが、あの『ライフカード』とかいう意味不明な叫び声は明らかに刹那くらいの子供の声だった。

それは間違いないだろう。

だが、ユリも言った通りボイスチェンジャー使用で声を変更している…と、なるとますます確定はし難くなる。

取り敢えず、今はまだ結論を出すべきじゃねえな。ティエリアの意見も聞くべきか。

 

「…あんなマイスターの存在は、ヴェーダからは教えて貰ってはいない。しかし、ヴェーダの名前まで出したという事は、僕個人の意見として、信頼性は高いと思われる。…彼が此処から逃げ出す為に嘘をついている訳ではない事前提の話だが……刹那・F・セイエイ。期待はしていないが、念の為君の意見も参考程度に聞かせてもらおう」

 

言いながらティエリアが刹那を見る。

…って、オイオイティエリア。期待はしてないって…そりゃあまりにも酷すぎねえか?

 

「お腹がへった」

 

前言撤回。ティエリア。お前が正しかった。

 

「よし黙っていろ」「悪いが珍しくティエリアの意見に賛成だ」

 

「冗談だ。空腹なのは本当だが」

 

「冗談って言えるの?それ……」

 

そんな突然の刹那のボケに、俺を含めて刹那を除いた全員…あのティエリアまでもが、一気に脱力してしまう。

いや、何というか刹那は、以前の鋭い抜き身のナイフの様な雰囲気とは違い確実に柔らかくなった。

のは確かに良いものの、最近はこういったシリアスな状況下で天然ボケをかます事が多くなってきたっていうのが…まあ、頭痛の種とまではいかないが問題っちゃ問題にはなっちまってる。

実際にリラックスは出来るが、若干KYになっているような感が否めないんだよなぁ……

本当に、一体何が原因なんだか。

 

「で、刹那。真面目な意味でのお前の意見は?」

 

「……信用は、出来ると思う」

 

(…ほう。意外な言葉が出てきたな。)

 

意外な刹那の言葉に、思わず驚いて目を見開く。

それはティエリアも同じだった様で、殆ど俺と同じリアクションをしていた。

 

「その根拠は?」

 

「助けてくれた事は事実だ。それに、何かを企んでいるのなら、今でもそこで暢気に寝てなどいられない筈だからな」

 

意外な事に、刹那のやつは結構ちゃんと考えて物を言っていた。

計画発動当初と比べると、本当に随分と成長したもんだ…………って、ん?

 

 

寝ている?誰が?

 

 

刹那の言葉に驚いて、俺たちが振り返ると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「zzz……zzzz………zzzzzzz…うぇへへ…休みだ…休みだ……自由だ…ひゃっはー…………zzzzz」

 

……そこには胡坐を掻いて腕を組んだまま、器用にヘルメット被りっぱなしの頭を前後に動かして船を漕ぎながら寝息を立てている不審者が、西瓜柄のハロを抱えて座っていた。

 

(…ってぇ!)

 

「起きろこの馬鹿!」

 

ガスッ!

 

思わず怒り半分呆れ半分で、不審者の頭を引っ(ぱた)いてしまう。

引っ叩かれた方は、引っ叩かれた方で、「何だ!?敵襲か!?竹槍は?竹槍は何処だ!?非常食は!?」などと置きぬけに喚きつつアタフタしている。……竹槍?

 

「尋問中に寝てんじゃねえよ…ったく…とりあえず、お前さんの事を俺達は信用するって事で意見は纏まった」

 

「おお、そうか。スマンな」

 

先程の雰囲気とは打って変わって落ち着いた感じで話す不審者。

どうやら自分の言う事がやっと信じてもらえた事で、ホッとしたらしい。

…こうやって見ると、何処かティーンエイジャーのような感じもするな、こいつ…

ただ、落ち着いた状態のこいつと話していると、自分と同年代かそれ以上の人間と話しているように錯覚することもあるから……なんだかなぁ…?

なんというか、この不審者、雰囲気がチグハグなのだ。

それが更にこいつの怪しさを倍増させている訳なのだが……

 

「? どうかしたかね?」

 

「…いや、なんでもない」

 

「?」

 

……絶対気付いてないんだろうなぁ、こいつ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事を目の前の男が考えているとは露知らず、やっと尋問から解放された俺は当初の目的を果たす為に、ティエリア・アーデに頼んでトレミーの艦長兼戦術予報士の“スメラギ・李・ノリエガ”へと通信を繋げてもらった。

今、彼女を含めた実働部隊―――プトレマイオス(通称トレミー)のメンバーは、今回のミッションのオペレーティングの為に王留美が用意した別荘に居るらしい。

最初は渋っていたティエリアも、『頭を下げる→土下座→地面に頭を擦る→ボソッと「ヴェーダ」と呟く』というコンボの前には流石に耐え切れなかったようで(凄く不本意そうではあったものの)快く貸してくれた。

 

ピピピピ・ピピピピ・ピピピピ・・ピピ

 

程無くして、通信端末にものっそい美人さんの顔が映る。

…なんだかすごく眠そうなのは何故だろう?

 

……ああ、時差か。

 

『はい』

 

「あ、始めまして。私今回トレミーのミッションのバックアップに当たらせて頂いた、“O-01”といいます。以後、どうぞよろしくお願いします」

 

『あ、ど、どうも。ご丁寧にありがとうございます』

 

とりあえず人付き合いで大切なのは挨拶である。

特に初対面での挨拶でその人の第一印象が決まってしまうので、なるべくこういった組織の中では礼儀正しくしといた方が良いのだ。

……何?そんな事言うんだったら、ヘルメット取れだと?

取れるんだったらもうとっくのとうに取っとるわい!

さて今何回『と』って言ったでしょう?

 

………………………………………………………いかんな。

 

精神的な疲れと正座をしていた事による足の痺れと、ずっと演技をしていた事によってフラストレーションが溜まり過ぎて、頭の中がパーになりかけている様だ。

さっさと用事を終わらせて、さっさと家に帰って、ゆっくり休もう。

 

『…えっと、私も自己紹介した方が良いのかしら?』

 

「そちらの御判断に任せます」

 

『……それでは通信を傍受されている可能性も考えて、此方は自己紹介しないという事で…ごめんなさいね?そっちにだけ名乗らせちゃって』

 

「いえ、お気になさらず。とりあえず、今回私がそちらへと連絡している理由を掻い摘んで説明いたします。というのも私の上司から今回、もしも実働部隊に会うようであればこのデータを渡しておいてくれ、と言われておりまして」

 

そう言いながら、俺はハロを呼ぶ。

ついさっきまで楽しそうにオレンジハロと遊んでいたのを邪魔されたのが不服だったのか、若干後ろを向きながら此方へと跳ねてきた。

 

「ナンダ?ナンダ?」

 

「ハロ、データを出してくれ。ああ、それと初対面の人だからちゃんと挨拶して置くように」

 

「ME☆N☆DO☆KU☆SE」(・ω・)

 

「コラ」(#・д・)

 

そう言いながら、少し小突く。

するとブーブー文句を言いながらも口からコードを出してくれた。

それを端末に接続して向こうのパソコンにデータを転送する。

データの中身は俺も良くは知らないが、おそらく師匠の事だから……碌でもない事が書いてあるに違いない。

 

『…なんだか』

 

「はい?」

 

「ナンダ?ナンダ?」

 

と、不意にスメラギさんから声が掛かる。

何だろうと二人揃って首を傾げるとこんな事を彼女は仰ってくれた。

 

『いえ…なんだか貴方のハロって、私達の知るハロよりも何処か感情豊かな気がして…ね』

 

そんな事をスメラギさんが俺のハロを見ながら言ったので、一瞬だがその言葉の意味が分からず怪訝に思う。

が、ふと同じように相棒を見た瞬間にその言葉の意味が分かった。

本来、ソレスタルビーイングで運用されている“ハロ”は必要最小限の人員で活動を行うために、回避運動などMSのサブパイロットから専属の小型ロボットによるメンテナンス活動など、あらゆる面をこなす独立型万能マルチAIとして存在する。

元々は2196年に太陽炉の製造に当たっていた木星探査船“エウロパ”で太陽炉の開発に携わったとあるイノベイド(どうも聞く所によれば師匠と同じタイプの奴だったらしい)の手によりハンドメイドで製作され、その1台がGNドライヴと共に地球に送られた結果、それを発見したCBのメンバーがコピーしたものだ。

しかし、おそらくその当時はそこまで多種多様なシステムは搭載はしていなかっただろう。

 

閑話休題

 

で、この“ハロ”は、勿論人間とコミュニケーションを取る為に、会話機能が搭載されている。

……といっても、人間のように感情といった物はきちんとプログラムはされていないのだが。

(例外として、一部の物にはイノベイドのパーソナルデータが入力されている為、それらに関してはきちんと人間と同じ様に感情もあれば、自身の本来の姿を映すためのホログラム機能も搭載されていたりする)

 

おそらくその為だろう。

スメラギさんが、俺のハロを見た瞬間に少し驚いたのは。

 

補足すると、俺のハロが此処まで表情豊かなのにはキチンと理由がある。

以前も言ったと思うが、俺のハロは師匠と俺の手によって大幅な魔改造とも呼ぶべき処理が施されている。

その際に師匠は何を思ったのか、本来であれば手に入るはずも無いレベルの丸い形をした超超超高性能スパコン―――小型のヴェーダのとも言うべき、オーバーテクノロジーの塊を持ってきやがったのだ。

師匠曰く、“もう一つのヴェーダ”を作る際の副産物として出来上がった物らしいのだが……組み込んだ後で思い出したように調べてみた結果、本物と比べても容量が100ギガバイトくらい低いだけで、十分にヴェーダの代わりが出来るレベルの物品だった。

 

ハッキリ言って、これには流石の師匠もリアルに腰を抜かした。

 

どうやらこのミニマムヴェーダ自体は師匠が他のイノベイドに“完璧なヴェーダのコピー”を作らせた際に失敗作として提出された物だったらしく、このときに調べるまで師匠は『どうせ他のスパコンと変わらない物品』としか認識していなかったらしい。

というか、ちゃんとこれが何なのか解っていたら絶対こんな物俺に渡したりしないで自分で使うよな、この人。

 

閑話休題

 

とまあ、そんなチート臭い……というか、チートそのものなスパコンを搭載している結果としてコイツは空き容量を殆ど無駄な機能に使っていたりする。

例えば大量のゲーム(ジャンル問わず)。

例えば膨大な映画やアニメやドラマやバラエティ番組のデータ(無論ジャンル問わず)。

例えば俺が取り付けたカメラ機能、及びヴェーダにアクセスした際に記録した地球上に一市民として存在しているイノベイドたちから送られてくるデータによる、様々な人や動植物の日常の映像。

etc,etc,etc…………

 

そんな物を大量に保存し、暇な時には延々とそれらを見続けていた結果。

驚くべき事に、コイツ(俺のハロ)は人間となんら変わりない【心】を学習し、獲得するまでに至ったのである。

 

因みに、知能は人間の3歳児程度らしい。

 

しかももっと驚くべき事に、コイツはいまだに自分で自分を改良しているらしい。

その根拠はつい先日、暇潰しにこいつをメンテしたときにふとそのスパコンの容量を見てみたら、なんと10メガバイトほど容量が増えていたのだ。

一瞬目の錯覚かと思ったが、何度見返してみてもその10メガバイトは存在し続けている。

流石におかしいと思って相棒を問い質した所、なんとコイツは勝手に自分の中のスパコンの容量を増やす為に色々と自分で細工していたらしい。

3歳児程度の知能でここまで出来るか?とも一瞬思ったが、よくよく聞いてみると明らかに弁明の内容の所々によーく聞き慣れた言葉の使い回しが見て取れた。

一体誰の使い回しかというと……まあ、もう解ってるだろうとは思うが、やっぱり師匠だった。(唐辛子爆弾で脅した所あっさりと白状した)

どうやら相棒が自分の力で進化しようとしているのを面白がって、色々と助言したらしい。

 

閑話休題

 

とりあえず、スメラギさんには間違ってもこんな事言えないので、適当に「自分と師匠で弄くった結果こうなりました」と言っておく事にした。

…それでも彼女は納得したようには見えなかったけど。当たり前か。

 

とにもかくにも、暫らくするとデータが全て転送された事を告げるメッセージが画面上に映し出される。

これで本日の俺の仕事は終了だ。

なんとも長い一日だったものだ(汗

 

……が、それもこれまで。

 

とりあえず師匠から渡された計画のプロットを見る限り、当分は俺にお鉢は回って来ない筈だったのでその分家でゆっくりできる……筈だ。何事もなければ。

 

「これでデータの受け渡しは終了。同時に私に課せられたミッションとそちらの今回のミッションは終了となります。お疲れ様です。夜分遅くに申し訳ありませんでした」

 

『ん~まだ“夜分遅く”という言葉にはちょっと語弊のある時間帯なんだけど……まあいいわ。そちらもお疲れ様。協力を感謝します』

 

「いえいえ、大した事はしていませんよ」

 

そう言ってから、「それでは」と言いながら頭を下げて、通信を切った。

そして後ろを向いてから、そのまま自分の機体のほうへと歩きだ――――

 

「おいちょっと待て」

 

――――せなかった。

内心で舌打ちしながらも、今声を掛けてきた青年―――ロックオン・ストラトスの方へと振り返る。

 

「何か?」

 

「あ、いや、何かって言うかな……もう帰るのか?」

 

「ああ。元々私の仕事は今の一軒だけだったのでな。そも、仕事が終わったら私はさっさと自宅に帰る主義だ」

 

「……そうか……いや、呼び止めて悪かった。それだけ聞ければ十分だ」

 

「何、特に気にしてはおらんよ」

 

そう言って踵を返そうとして……ふと立ち止まる。

 

(…そうだ、面白い事を思いついた。)

 

それを実行すべく、刹那の方へと振り返る。

向こうは突然俺が自分を向いたので、何事かと怪訝な顔をしている。

そんな彼女に、俺はこう言ってやった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アムロ・レイから伝言だ。『何か大ポカやったみたいだから、これから3日間、何か特別な事でもない限りは、お前のゴハンはおにぎりだけだ。異論も反論も認めん』だそうだ」

 

【せつなは めのまえが まっくらに なった !!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スメラギ・李・ノリエガは……いや、彼女と共にその場に居たトレミーのメンバーは、今、もしかしたらソレスタルビーイングが計画を発動してから嘗て無いほどに困惑していた。

理由は、謎のマイスター―――O-01から送られてきたデータの内容だった。

その内容はただ簡潔にこうとだけ書いてあった。

 

 

『何かマイスター達の息が合っていないというか仲が悪そうなので、日本にあるアジトで親睦会でもやろうと思いますイヤッホウ。日程は大体今から3日後。参加者はトレミーのマイスター全員(強制)と、参加希望者。及び現地のエージェントと関係者のみでやろうと思います。遅刻しないように。因みに場所は添付ファイルの中に、地図で書いてあります。

 

P.S:一応これはヴェーダからの提案です。

 

更に追伸:刹那・F・セイエイへのオシオキは、おそらくこれを届けた人間がサラッと終わらせていると思うので、あまり追求してあげないで下さい

 

更に更に追伸:泥酔許可』

 

 

……どういう事?

 

おそらく今此処にいるトレミークルーの全員が、そう思っていた。

ただ、約一名、桃色の髪を持つ少女だけは“現地のエージェント”が一体誰だかわかってしまい、密かに合掌して祈りを捧げた。

 

「…どういうことっすかね?これ?」

 

まず最初に声を出したのは、プトレマイオスの操舵士“リヒテンダール・ツエーリ”―――通称リヒティだ。

普段、陽気で調子のいい性格をしている彼も、このデータには流石に唖然としているらしい。

 

「どういう事って…こういう事じゃ、ないの?」

 

彼の疑問の声に返答したのは、プトレマイオスの戦況オペレーターの一人である“クリスティナ・シエラ”。

かく言う彼女もイマイチ文面の内容を理解できてはいないらしく、リヒティに対する返答も語尾が疑問形になっている。

 

「罠という可能性は無いのか?」

 

プトレマイオスの砲撃士でもあり、予備マイスターとしても登録されている“ラッセ・アイオン”が罠である可能性を指摘した。

が、

 

「それは……無いと思う」

 

というフェルトの言葉によって、その可能性は即座に否定された。

それを聞いたスメラギが、ハッキリと否定の言葉をあらわしたフェルトに驚きつつも、彼女に怪訝そうな声で疑問を漏らす。

 

「…フェルト、何故そう言いきれるの?確かに地図までご丁寧に付けてきてくれているし、住所もしっかり…と言うか、電話番号まで書いてあるわね…うわ、メールアドレスまで…まあ、いいわ。それはともかく、此処まで書いてあってもそこまで信頼性のある情報ではないと思うけど…」

 

彼女がそう言った瞬間、フェルトはこう言った。

 

「……だって……」

 

「だって……何?フェルト」

 

少し口篭ったフェルトに、クリスが答えを促す。

そのまま少し口篭っていたフェルトだったが、その内ややあってこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だって…その場所…少し前に私が刹那とユリと一緒に潜伏してた所なんだもの…」

 

そのエージェントの連絡先も分かるよ、と言って、携帯端末を取り出すフェルト。

暫らくしてからその一室から、驚愕の叫びが大音量で王留美の別荘全体に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブエックショイ!!!!!!!………う~?何なんだ今日は?何か俺、今日こんな感じの事ばっかりじゃない?」

 

「気ニスンナ!気ニスンナ!」

 

その頃、何も知らないアムロ(生贄)は、Oガンダムに乗ってなんとも暢気に日本海上空を自宅に向かって飛んでいた。

…そこに自分を苦労の渦に叩き込まんとする悪魔が待っている事も知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフフフフ………アムロ。僕がこんな面白い事に、君を放っておくと思っていたのかい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄緑の悪魔は笑う。

白い子羊の哀れな行く末を思って。

 




如何でしたでしょうか?
どうも雑炊です。

今回はモラリアの後話と、ハロの秘密。
そして次回の馬鹿騒ぎの下準備を描写してみました。
なので戦闘描写は一切ありません。

そしてトレミークルー(おそらく)初登場!(フェルト以外)
おやっさんとモノレ先生は、所用で只今席を外しておりましたが、次回にはちゃんと確実に登場すると思いますよ!
口調が合っているか、激しく心配です……





それではまた次回!
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