これはもしもカル渚が〇〇だったらという物語です。

いつかこんなオリジナルのBLを書きたいと思っていたのをカル渚にやってもらいました。
設定とか色々ずるいです。

全くの他人同士のカルマと渚。ともに大学生の彼らは桜の下で再会した。


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もしもの時間

 

 ああ、憂鬱だ。憂鬱だ。

 なんで春は花見をするって決まってるんだろう。そんなに桜が綺麗かね〜。綺麗なのは分かるけど別にそんな集まるほどか?結局みんな花より団子なんくせに。花見なんて名ばかり。あー帰りたい。サボりてー。自主休講で良いかな。

 

 「ここにいたか赤羽。今日はいつもの倍くらいに憂鬱な顔だな」

 

 「そりゃあね。浅野くんといたら退屈で退屈で」

 

 よくもまあこの広い食堂で俺を見つけるよね。そんで話しかけるとか変わってるよこいつ。メニューはオススメの花見丼か。これ、こんなんだったんだ。

 

 「お前は花見に行かないのか?今日は一般人もうちの大学に入れる。お前の友達も来ているんじゃないのか?」

 

 「なにそれ皮肉?浅野くんにしてはレベルが低い皮肉だね」

 

 「なら俺と行くか?」

 

 口に物入れてる時に話すなよ。頭いいくせにこういうとこは小学生。

 

 「てかさ〜。なんでうちの大学は桜があんの?小学校じゃないんだしさ。ただでさえ人が多いのに桜のせいでテーマパーク状態だよ」

 

 「お前はどちらかというと、そういうのを好むタイプに見えるがな?」

 

 「別にそういう場所は嫌いじゃないけど、俺は人混みが嫌なんだよね。そもそもインドア派だし」

 

 「そろそろ講義だから行く。お前も来るか?」

 

 また早食いしてる。俺探す暇あるなら最初から飯食っとけよ。

 

 「なんの講義?」

 

 「物理数論だ。ちなみに今日はマッハ20で動く生物を殺す方法を考えると言っていた。面白そうだろ?」

 

 「マッハ20って、そんな生き物殺せるわけないじゃん。どんな暗殺者でも無理でしょ」

 

 「それを考え──」

 

 「浅野くん。時間平気?」

 

 親切な俺は腕時計を見せてあげた。

 

 「……も、もっと早く言えよ赤羽!」

 

 「単位落とさないようにね〜!」

 

 はぁ、暇になった。桜でも見に行こうか。いや、静かなところが良い。資料館に行こう。

 

 

 * * * * * *

 

 

 やっぱりここには誰もいない。学生ですらいないとか少し心配になる。でも俺も資料館に入るわけじゃないけど。

 日当たり良いし、風も適度に当たる。ここのベンチの良さを知ってる奴がいなくて良かった。

 

 ──ふと、何気なく風が吹いて来た方をみた。わずかに香る春の匂い。すぐそこの資料館の前に、水色の花が咲いていた。

 誰にも気がつかれないように小さなその身を縮めて、資料館に入ろうか迷っている水色髪の少年は多分、高校生。

 

 「ねー!なにしてるのー!」

 

 俺が声をかけると彼はその場でびくりと跳ねて、俺の方を向いた。警戒するノラ猫のようにこっちを見ている。

 俺も彼を見続ける。すると彼の方から寄って来た。彼は風と共に歩いて寄って来る。

 俺の髪を抜ける風。気のせいだろうか、春の匂いが濃くなっていた。

 

 「あ、あの、その僕は、怪しい人とかじゃなくて」

 

 彼は意外にも知らない人間と普通に話せるタイプだった。

 言葉と言葉の間はあるし、目線は下だしでスムーズではないけども。

 彼と同じ目線になりたくて、学校の先生になった気分で俺は彼に高さを合わせた。そしてその顔を覗き込むように話しかける。

 

 「高校生?資料館に入りたいの?」

 

 「え……あ、はい。そうです。資料館に入りたいです」

 

 「なら俺が案内してやるよ。でも偉いね。高校…1年生?なのに勉強熱心なんだ」

 

 「あの。僕、大学生です。一応3年なんですけど……見えないですよね」

 

 初めて彼が俺の目を見た。確かに俺と同い年には見えない幼い、若い顔だった。

 というよりも、同じ性別とは思えないほど彼が魅力的だった。

 

 「……ごめん。なんていうか若いね。でも3年ってことは俺と一緒じゃん。てかその敬語が余計に年下っぽく見えるんだよ」

 

 「でも──」

 

 「俺は赤羽業。三城(さんじょう)大学3年。学部は教育。君は?」

 

 「ぼ、僕は来葉(らいは)大学。3年の法学部。よ、よろしく」

 

 「あのさ、水色頭くん。名前言ってないよ」

 

 「みずいろあたま?あっ!ごめんなさい。潮田です」

 

 「潮田くんか。下の名前は?」

 

 「なぎ……さ」

 

 「なぎさ?渚?」

 

 彼は──渚はこくりと頷いた。

 名前を聞いた時にどうして苗字だけを言ったのか彼のその仕草とこの名前でなんとなく察しがついた。

 

 「うん。赤羽くんはカルマって名前かっこいいね!」

 

 「別に俺は名前なんてどうでも良いけど」

 

 「そう…なんだ」

 

 「けど、名前と顔が合ってる渚くんは羨ましいかな」

 

 特に深い意味は無い。ただ、彼を見てなんとなくそう思った。

 水色の髪。白い肌。幼い顔。彼は渚だ。

 

 「それって、どういう意味?」

 

 「ねえ渚くん!桜、見に行かない?」

 

 「桜はもう入り口の方で見て来たよ」

 

 「資料館の裏にカフェがあってさ、実はそこから桜が見えるんだよね」

 

 「赤羽くんはお花見が好きなの?」

 

 「──うん。好きだよ」

 

 「じゃ、じゃあちょっとだけなら」

 

 * * * * * *

 

 「コーヒー。砂糖いるよね?」

 

 「うん。ありがとう」

 

 普段人のために何かしたりはしないけど、渚のためならコーヒー何杯でも運んであげたい。

 よく分からないけど、そう思える笑顔で渚は俺を迎えた。

 

 「別に遠慮しないでココアとか頼んで良かったのに」

 

 「でも奢ってもらってるから。申し訳ないし」

 

 「そんなことないよ。むしろ俺の方こそここ入りたかったんだ。独りだと寂しいからさ」

 

 浅野くんと来るのはなんか違うし。

 

 「ここ、素敵だね。建物だけじゃなくて椅子とかも木で出来てる。落ち着く雰囲気だね」

 

 「でしょ?クラシック分かる?音楽の」

 

 「今流れてるのは、バッハの、プレリュードだっけ?」

 

 「すごい!知ってるの?」

 

 「う、うん。高校の時にクラシックが好きな人がいて」

 

 「へ〜!いいな〜。俺の周りさ〜教養のないやつばかりで退屈だよ。でもなんか分かんないけど渚くんとは楽しく話せる」

 

 「そ、そっか。嬉しいな。僕も赤羽くんとは話していて楽しいよ」

 

 「渚くん。桜あっちの方にあるから来て」

 

 「でも、ここからでも見えるよ」

 

 「もっと真下で見ようよ」

 

 「う、うん」

 

 我慢して、苦いコーヒーを飲んだのはきっと、格好をつけたかったからだ。

 どうして格好をつけたかったのか、どうして渚になら優しくできるのか、俺はもう分かっていた。そういう自覚があった。

 

 

 * * * * * *

 

 

 「それにしても、こんなところに1本だけあるんて不思議だね」

 

 「噂では間違えて植えたらしいよ」

 

 「他の木の枝とか草も生えっぱなしで手入れされてないのかな。なんだか可哀想」

 

 「ここまで手が回らないのかもしれないけどね」

 

 ──突風が吹いた。それは茂みを揺らして桜の花びらをいくつもさらう、空中をかける音のある強い風。

 その風は俺と渚くんの間に割って入った。前にいる渚くんに近づけない。元から俺と渚くんの間を遮るものは何もないのにそう感じた。

 風が抜けて、元に戻っても渚くんの背中に近づけない。声をかけても声を通さない透明の壁が目の前にある気がした。

 俺と渚くんの間には今、壁がある。

 その壁はきっと俺が作ったものだ。俺の理性が作ったもの。

 もう話すのをやめて、ここで引き返すべきなんだ。桜も見たんだから。きっとさっきの風はそういう意味なんだ。

 もしもこの壁を超えて、渚くんの背中に近づいて、彼に触れたら俺は、俺は……彼を泣かせてしまう。

 

 「僕、分かってるよ。分かってて赤羽くん──カルマくんについて来た。僕もカルマくんと同じ気持ちなんだ。だから、好きにしていいよ」

 

 「な!何言って!?別にそんなつもりでここに来たわけじゃ!」

 

 「人の視線から隠してくれる草木がある。そして上には満開の桜。この場所は僕たちのためにある──カルマくんはそう思ってないの?」

 

 渚くんは探偵のように証拠の1つ1つを指差して俺を見た。俺はその顔から目をそらさずにはいられなかった。

 

 「渚くん。いつから俺の気持ちに気がついて」

 

 「……ついさっきかな。遅すぎたよね。気がつくチャンスはいくらでもあったのに」

 

 「そんなことないよ。だってそもそもさっき会ったばかりで」

 

 「あぁ。そ、そうだったね。ごめん」

 

 水色の頭が俺の胸に触れる。背中には渚くんの両手が回っていた。

 わずかに働いた俺の理性がその体を抱きしめるのを躊躇した。でも俺の手は渚くんの背中にもう触れていた。

 

 「渚くん。そんなに抱きつかれたら俺、途中でやめられないよ?」

 

 「大丈夫だよ。それで良いんだ」

 

 例えNOと拒まれても俺の心は止まらなかっただろう。理性のブレーキなんてとうに外れてる。

 目の前の可愛い彼を俺で包みたい。俺のものにしたい。

 

 水色の髪は春の匂い。さらさらで肌さわりも良い。

 一度、ハグを解いて目を見つめあった。言葉のいらない確認をした。

 渚くんのワイシャツのボタンを外す。彼は今、どんな顔をしているだろう。

 (あら)わになった小さな胸の突起は花開く前の、蕾のよう。ちょうど桜と同じ色をしている。

 それを指の腹で撫でると渚くんは苦しそうな声で鳴いた。でも気持ちがいいのを俺も彼もきっと分かってる。

 だからそこをつまんだり、爪を引っ掛けたり、弾いたりと彼のいろんな鳴き声を聞きたくて触り続けた。

 

 耳からは甘い香りがした。乳首を触ってあげながら舌で撫でて、歯を立てる。

 もう渚くんは俺のもの。この鳴き声も俺のもの。苦しそうな顔も俺だけが見てる。

 

 白い頬を押さえて唇をもらう。すぐに舌を入れて、そこにあるはずの舌を探していた。渚くんも求めて来たので俺と彼はすぐに絡まった。

 粘液と空気がぶつかる音が口元でリズムを生む。

 彼が欲しくてたまらない。渚くんを俺で染めたい。

 そんな思いは秒速過ぎ去って、渚くんを俺でめちゃくちゃにしたい。俺が犯したい。という欲望に変わった。

 

 「あっ そこ だめ」

 

 さっきから勃っていた渚くんのソレを衣類の上から右手で掴む。

 ズボンはいらない。パンツも邪魔だ。俺の手は彼の衣類の入り口からどんどん進んで、彼のソレにやっと直接触れた。

 その時渚くんはまた、言葉にならない声を出していた。

 見た目はこんなにも可愛いのにここだけは成人した男性だった。固くて、弾力がある。

 少し下に手を伸ばすと2つの果実に触れた。

 それは今にもその中にある種を出したくて出したくてたまらないと言った感じに、膨らんでいた。

 果実と枝に俺は右手で触れる。果実は優しくもんで、枝は力を入れて上下にさする。

 

 「渚くん 出したい?」

 

 いじめたくなって、つい聞いた。

 

 「よご れる から あっ 話す時はそこ 触らない で」

 

 もちろんわざと乳首を左手でいじった。乳首を軽く押しただけで渚くんは俺の言うことを聞いてしまうロボットになる。

 

 「苦しいでしょ? しごいてあげるから痛かったら言って」

 

 返事をするのも精一杯な渚くんは首を縦に振った。

 同じ男だから、どのくらいの速さで、どれくらいの力でソレを上下にこすれば気持ちいいか分かる。

 それにこの顔を見てればイク時も分かる。玉も膨らんでる。先っぽからは粘液が出続けている。

 もうすぐ射精する。

 

 「あっっ!」 

 

 それと同時に渚くんは射精した。腰を震わせて、少しでも多く出そうとしてる。

 荒い息使いでとても辛そうに俺の足に向けて射精し続けていた。

 脈動する渚くんのペニスをゆっくりと、残っているの搾り出すように動かすと白いゼリー状のものが俺の手の中で出ていた。

 思わず笑ってしまった。

 

 「渚くん見た目によらずすごい量だね。もしかして一人で抜いてないの?」

 

 俺にもたれている渚くんはずっと下を向いて、呼吸を整えてる。

 首で返事をできないくらい疲れたのかな? 少しやりすぎたと反省して彼を抱っこしてその場に座る。

 渚くんの息はとても熱かった。

 頭を撫でて、背中をさする。これじゃあ幼稚園の先生だ。

 

 「続きしたい?」

 

 さすがに断られると思ったが、渚くんは俺の耳元で、したいと言った。

 

 「じゃあ俺の寮まで案内するよ」 

 

 服を整えて俺は渚くんをおんぶした。そして誰にも見られないように知っているルートで寮まで彼を運んだ。

 花見のおかげで人のいる場所は限られていたこともあり、誰にも出会わなかった。

 花見ありがとう。

 こればかりは桜と花見に心の中で感謝をした。

 

 * * * * * *

 

 ──翌日

 

 ああ、だるい。だるい。

 なにこの疲労感? 二日酔い的な。体がだるい。飲みすぎたならぬ、やりすぎた。

 てか渚くんがあんなに上手なんて想像つかないし。肉食ったけど、無理、元気でない。

 だ〜るいしもういいや、せっかく来たけど帰って、いいや、ここで寝よう。

 

 「よう赤羽。今日はなんだか疲れた顔してるな。昨日運動でもしたのか?」

 

 また、見つかった。今日は本当に来なくて良いのに。

 

 「あ〜浅野くんか。次どうせ暇でしょ?花見に行こうよ」

 

 「……ど、どうした?昼に悪いものでも食ったか?医学部の友人を呼んでやろうか!?」

 

 マジで呼ぼうとするな。スマホしまえ。

 

 「はぁ?俺は真面目に言ってんだけど〜」

 

 「赤羽お前、桜嫌いじゃなかったのか」

 

 「桜は──好きだよ。水色の桜が好き」

 

 「水色?そんなのあるわけないだろ。あったとしても中国だな」

 

 「不可能と言われた青い薔薇だって出来たんだよ。いつか水色の花びらが(なび)く春が来るよ」

 

 「赤羽。やっぱり大学病院に行こう。お前の頭はおかしい」

 

 

 「浅野くんは自分の頭がいつもおかしいことに気がついてる?」

 

 「あ、あのなぁ……」

 

  終わり

 

 ーおまけの時間ー

 

 

 きっと彼は僕のことなんか、もう忘れているんだろうな。でも僕は覚えてる。同じ高校だったこと、同じクラスだったことを。

 特別仲が良かったわけではないけど、僕は赤羽くんと高校1年の時にクラスメイトだった。

 

 勉強も運動も難なくこなす彼を良く思う人はあんまりいなかった。でも僕はそんな彼がカッコよく思えた。

 簡単になんでもやってのける。それってすごいかっこいいじゃないか。

 ──憧れていた。僕にとってはヒーローだった。でもそれがやがて、別の感情に変わっていた。

 僕はその感情を知っていた。だから彼に何も告げず高校を卒業した。

 

 カルマくん。僕はね、名前を言い忘れたわけじゃないんだよ。カルマくんが知ってると思ったんだ。

 だからね、わざと言わなかったんだよ。

 本当は「渚くん」って、呼んでくれるんじゃないかって、実は僕のことを知らないフリをしているんじゃないかって……僕、バカだよね。僕のことなんて知ってるわけないのに。覚えているわけないのに。

 

  でも「水色頭くん」ってあの時と同じように呼んでくれたのは嬉しかった。僕は結構、その呼ばれ方好きだったんだ。だからずっとこのままにしてるんだよ。

 水色って君の赤い髪の隣で一番似合う色だと思うんだ。青空と輝く太陽。僕たちはそんな関係だと思うから。

 

 

 ーおわりー

 

 


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