オトモ視点のハンターさんとネコ嬢の恋愛

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『僕の恩人への不満』

あぁ、ようやく来たかニャ。久し振りニャ。

 

ニャ?なんで今日はわざわざ遠いベルナ村に呼んだのか?だニャ?

 

……僕はオトモとして長く旦那さんのところにいたニャ。これまで不満もなかったニャ。少し遠慮がちなところがあるくらいでそこは旦那のいいところだと思ってるニャ。

 

…うん、言うとおりニャ。良いハンターさんに恵まれたニャ。みんなでまた一緒に狩りに行けるといいニャ。

 

あ、それで何の話だったかニャ。ここに呼んだ理由だったかニャ。あぁ、話逸らしてごめんニャ。

 

うん、どこから話そうか迷うニャ。結論から言うとついに旦那に不満が出来た、ってところだニャ。

 

いやいや!別にオトモを辞めたいとかっていう相談じゃないニャ!ただこの不満は身から出た錆、というか、事の発端はむしろ僕というか…。

 

え?じゃあ仕方ないことニャ?それを言われると返す言葉もないニャ。まあ色々あったんだニャ。

 

……気になるから詳しく聞かせろニャ?まあ詳しく説明してもいいけど、結構長くなっちゃうニャ、それでもいいかニャ?

 

え?御託はいいから早くしろニャ?わかったニャ。

 

えぇとあれはいつだったかニャ……。

 

 

 

確か二週間ほど前だったニャ。僕の旦那さん、つまり雇わせてもらってるハンターさんは名実ともにハンター協会から“G級ハンター”として認められたらニャ。

 

もちろん旦那さんがG級に上がったときの村はすごかったニャ。お祭り騒ぎ、みんな狂ったようにハシャいでニャ。真面目そうな龍歴院の研究者さんも、鍛冶屋さんも、お祝いの為に来てた筆頭ハンターさんたちも、みんな酔っ払って騒いでたニャ。

 

村の看板娘ちゃんなんかは『これでベルナ村はもっと活気付いて、観光客がいっぱい来て、村が発展して、私の生活はもっと豊かに…』なんて言って興奮して力説してたニャ。一番騒いでないのが旦那さんなくらいだったニャ。

 

旦那さんは酔うとすぐ吐いて寝てしまうニャ。あのときも乾杯の音頭をとって呑んだと思ったら三十分もしないうちに寝ちまいそうになってたニャ。

 

旦那さんはさすがにみんなの前で寝るわけにはいかないって言って自分の部屋に戻ろうとしてたニャ。まあ結構鎧着てないと誰かわからないって言われるくらい陰が薄いハンターさんだからニャ。あのお祭り騒ぎのなかで一人自室に戻っても誰も気にしてなかったニャ。『主役なのにドロンするなんて!』って後でみんなに怒られてたニャ。

 

 

 

と、ここまで話したけど、どうだったニャ?

 

……言うとおりニャ、まだ全然本題に入ってないニャ。まだ旦那さんの失態と自慢を話しただけニャ。

 

ニャ?そのときに僕は何してたか、だニャ?

もちろん、ずっと旦那さんの横にいたニャ。僕は飲めないからマタタビを出されてたけど、酔った旦那さんのお世話しなきゃならないからマタタビもいらなかったニャ。オトモの嗜みニャ。

 

ほかの人間は旦那さんが消えても探さなかったのか?うんニャ、みんな探そうとしてたニャ。でもあるもの見つけてみんなそっとしておこうとしてたらしいニャ。僕は後からそのことを聞いたニャ。酔った旦那に付いて行ったからニャ。ニャハハ。

 

で、そのみんなが見たことがこれから話す続きニャ。まだまだかかるニャ。

 

 

 

僕が旦那さんを介抱しながら自室に着いてすぐ、旦那さんはトイレにダッシュしたニャ。狩りのときによく見るくらい速いやつニャ。僕はその間に水を用意して、軽く寝る準備をしておいたニャ。トイレからは旦那さんの呻き声が聞こえてきてたニャ。

 

その時ニャ。急に誰か部屋に入ろうとする声が聞こえたニャ。誰かと思って行ってみたら僕を旦那さんに斡旋してくれたネコ嬢さんがいたニャ。ネコ嬢さんは本名がカティちゃんっていうニャ。カティちゃんは右手に酔いさましの薬と左手にお酒を持ってたニャ。まあ竜人だからニャ。呑める年齢らしいニャ。顔が少し赤かったのはお酒のせいだと思うニャ。ニャハハ。

 

僕はそのときピン!ときたニャ。おそらくカティちゃんは旦那さんのお世話をしに来てくれた、のは目に見えてたニャ。問題は薬ニャ。あれは村長の持ってる酔い覚ましニャ。おそらく酔ってドロンした旦那さんを見て村長さんたちが気を回してカティちゃんを寄越したニャ。

 

ここだけの話、旦那さんとカティちゃんは両思いニャ。お互い気づいてないみたいだけどニャ。旦那さんは前に手作り料理をご馳走になったときにカティちゃんにベタぼれしたみたいニャ。本人は隠してるつもりらしいけどニャ。カティちゃんは昔、旅行からベルナ村に帰るときにモンスターに襲われたらしいニャ。そのときに助けてくれたのが旦那さんだったらしいくてニャ。まるで物語のお話ニャ。

 

まあ僕は気の利くオトモニャ。カティちゃんに『ここはまかせたニャ。』って言ってクールに去った……と見せかけてこっそり覗いてたニャ。クールなオトモなんていなかったニャ。ニャハハ。

 

旦那さんは戻ってきて驚いてたみたいニャ。まあいると思ってたのと違う人物だったからニャ。もちろん二人とも顔真っ赤ニャ。お酒のせい、ということにしておくけどニャ。旦那さんはあたふたしながらカティちゃんを座布団に座らせてたニャ。カティちゃんはクスクス笑いながら座ったニャ。

 

二人の話は僕の耳をもってすればバッチリ聞こえたニャ。自分の酔いやすさを説明して、そのための介抱をしに来たことをカティちゃんが説明したら旦那さんの顔はさらに真っ赤になったニャ。カティちゃんも真っ赤ニャ。そうしたら二人とも黙っちゃったニャ。若いニャ。甘酸っぱい空間だったニャ。それに比べて集会所ではまだバカ騒ぎしてたニャ。

 

二人ともしばらく話してたみたいだけど、すぐに旦那さんの限界がきたニャ。寝る旨を伝えたらカティちゃんが勇気を出したみたいニャ。旦那さんの頭を掴んで自分の膝に押し付けて、頭を撫でたニャ。旦那さんはそうとう眠かったのと、膝が気持ちよかったのですぐに眠りに落ちたみたいニャ。

 

僕はそれを見届けてバカ騒ぎのところに戻ったニャ。みんなに事情を説明したら納得してくれたニャ。反応は様々だったけどニャ。ニャハハ。

 

 

 

はぁー、結構話したニャ。後少しニャ。

 

ニャ…、ごめんニャ。まだ不満のはなしをしてなかったニャ。でもここまで話せばなんとなくわかるかニャ?

 

 

 

 

それからというと二人は顔を合わせると顔を真っ赤にするだけニャ。みんなにからかわれたのもあるだろうけど、あのあと何があったのかを旦那さんに聞いても答えてくれなかったニャ。はぐらかしてくるニャ。でも部屋の匂いから想像すると、コトは起きてなかったみたいニャ。二人ともただ膝枕して、されただけなのにまるで恋人みたいな雰囲気になってるニャ。

 

 

 

ニャー……、そうなのニャ。あの二人、それから進もうとしないのニャ。確かに竜人と人間の恋は珍しいことだけど例がないわけじゃないニャ。旦那さんが勇気をだして告白すればいいニャ。指輪とかも絶対買えるニャ。全然お金使ってないんだから、そういうときに使うべきニャ。 

 

ここまで話せばわかるかニャ?そうニャ!旦那さんは奥手すぎるのニャ!確かにもしかしたらフられるかもしれないっていう気持ちもわかるニャ!でも普通好意がない相手に女の人が膝枕するはずないニャ!!なんでそれがわからないニャ!

 

フニャ、ちょっと興奮しすぎたニャ…。まあどうにかしてあの二人をくっつけてやりたいのニャ…。

 

ニャ?ここまでしてあげる理由かニャ?

もちろん、オトモだっていう理由もあるニャ。そう言えば言ってなかったけど、僕の今の住居は旦那さんに全てお金出してもらったのニャ。ほかにも色々な備品も全て旦那さんのお金ニャ。そんな旦那さんになにかお返しがしたくて、恋のキューピットになることにしたのニャ。

 

……そう言えばカティちゃんはああ見えて結構積極的ニャ。僕が聞いたときも即答で好きだって言ってたニャ。ニャー…、旦那さんに見習わせたいニャ。爪の垢を煎じて飲ませるニャ。

 

 

 

ニャ、結構時間たったニャ、忙しいのに僕の不満を聞いてくれてありがとうニャ。まだベルナ村にいるなら観光していくといいニャ。絶対好きになるニャ。

 

あと、どうにかする方法考えついたら言ってくれると嬉しいニャ。僕の友達だからこうやって頼んでるニャ。お願いニャ。

 

それじゃ、次会うときを楽しみにしておくニャ!


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