旅の合間のほんの一コマ。
直接的な性的描写はありませんがほんのり艶表現有。 苦手な方はお控えください。
西へとひた走るジープのステアリングを慣れた手つきでさばきながら、八回はちらと助手席へ視線を投げる。
後部座席の大騒ぎコンビは先程からぱたりとその動きを止め、そこそこのいびきが聞こえてきていた。
視線を投げられた当の本人は、あえて無視を決め込んだのか腕組みをしたまま俯き加減で瞑目している。
心地よい陽射しと、軽やかに頬を撫でる風に金色の髪がはらりと舞い上がると、白磁のように白い頸がちらりと覗かせる。
八戒は口角をほんの僅かに釣り上げた。
髪を書き上げないと人目にはつかない、髪の生え際にうっすらと鬱血した跡がその存在を主張していた。[そろそろ・・・消えかかってますね]
内心で呟くと、片手をそっと伸ばし、その跡に指で触れようとした瞬間、それまで閉じていた紫暗の眸が八戒のそれとぶつかった。
[何しやがる]
低い静かな声音だが、はっきりと耳に届くもので、八戒はその微笑みを深くした。
[今夜はそこそこの大きい街につけるはずですよ。ちゃんとした宿に泊まりましょうね]
つーと肌を撫でられ、ほんの僅かに身体が震えたのが八戒には分かった。
紫暗の眸がぎりっと音を立てる様に眇められる。
[貴様・・・]
怒気をあらわにしたところで、ただの照れ隠しとしか受け取れない程に己が彼へ溺れているのだと自覚していた。
[あまり飲み過ぎてはいけませんよ、飲むなとは言いません。ほどよく酔った貴方は艶っぽさが増しますから]
何でもない事の様にさらりと口にする八戒にハリセンの制裁を振り下ろそうと咄嗟に動いた右腕を素早く捉えると、その指と指を絡ませる。
咄嗟に引き戻そうとしたが、びくりと硬直し動きを止めた三蔵に八戒はさらに笑みを深くした。
絡ませた指で三蔵の指間を器用にあいぶし、情欲を一瞬にして煽ったのだ。
快感を教えられた身体はあっさりと陥落してしまう。
そんな淫らな自分を気位の高いこの最高僧は嫌悪していることなど分かっている。
それでも心がなくてはこうまで彼を支配することはできなかっただろう。
故に思うのだ。
彼に求められたい、と。
彼を乱れさせたい、自分なしでは夜を過ごせないほど。
征服欲、独占欲?そんな甘優しいものではないのだ。
あられもない姿を、甘やかで艶めいた声を、熱く絡みつく身体を、知るのはこの世でただ1人。
[今のうちに寝ておいてくださいね]
案に寝かせないと告げ、絡ませた手をあっさりと解放した。
最後に優しく金糸の髪をすく様に人撫ですると何事もなかった様に穏やかな表情で運転を続ける。
そっぽを向いた恋人の首筋がほんのり薄紅に染まっているのを横目にしながら、今夜は一体どんな風に乱れさせようかと密かに喜ぶ自分に苦笑するのだった。
完。
数年ぶりに書いて見たもののリハビリにしてもだいぶアレです 汗
精進しますm(_ _)m
三蔵への愛のみで突っ走ってますが長編書きたい!←おい!