俺ガイルクロスプロローグ&設定集   作:まーぼう
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とあるボッチの孤軍奮闘

 

 拡大された視界の中、ツンツン頭の少年が、白いティーカップを思わせるシスター服を纏った少女に噛みつかれていた。

 少年は頭に取り付いた少女を振りほどこうと暴れながら、オーバーな身振りで何事かを叫んでいる。

 きっとまた「不幸だ~!」とでも言っているのだろう。本当、爆発すればいいと思う。

 

「それはともかく本日も異常無し、と。今日の定時報告終わりっ」

 

『幻想殺し』の少年、上条当麻。彼の監視兼護衛が俺の任務だ。

 もっとも護衛などと言ったところで、件の上条当麻は大抵の厄介事なら自力でどうにかしてしまうし、彼一人でどうにもならない時は誰かしらが助けに入るような人間だ。

 ぶっちゃけ俺に出る幕は無く、ただ見てるだけの日々が続いていた。

 

 ま!だからこそこの任務に志願したんだけどね!

 ただ監視して一日二回の定時報告を入れるだけで給料貰えるとかマジサイコー。

 しかもこの学園都市は他と比べて十年は科学が進んでいる。

 つまりゲームがもう凄いんですよマジで。学園都市の内と外でネットワークが断絶されてるのはネックなんだろうけど、俺は基本ソロプレイだから関係無いし。いやー、ホントここ来て良かった。

 

 俺は帰り支度を済ませ、心の中で素材集めの計画を立てながら夜の街を見下ろす。

 ふと、拡大効果の残った視界に何かが引っ掛かった。

 夜の闇に紛れるかのような黒塗りのボックスカー。それに押し込まれようとしている二人の少女。

 やれやれだぜ、と、某スタンド使いの主人公のようなセリフがこぼれそうになる。

 俺と同じ側に属する人間にはこの学園都市を、というより科学そのものを厭悪する者も少なくないが、俺はわりかしこの街を気に入っている。しかし、やはりこういう部分はいただけない。

 この街には歪みがある。

 いや、人の集まるところなら多かれ少なかれそういうところはあるものだが、この街の歪みは表面がきらびやかな分、より醜悪に見える。

 あの少女達が何をしたのかはわからない。が、もう助からないだろう。

 あの黒いボックスカーはこの街の意志だ。この街で生きている以上、上層部に邪魔だと判断されたら死ぬしかない。

 それを無視できるヒーローは彼女達に気付いてないし、彼に彼女らのことを伝える者もいない。

 俺と似たような立場の連中なら動けないこともないだろうが、上から許可をもらって潜り込んでいる以上、余計な真似をすれば軋轢になる可能性が高い。それ以前にこういう任務を任される人間は、余計なトラブルを嫌う。無論、俺もだ。

 

 けどまぁ……見ちまった以上は見殺しにするのも気分悪いし?

 こういうのをほっとくのはウチの教義に反するんだよね。

 うん、だからまあ、仕方なくだ。面倒だけどやらにゃいかん。

 それにそもそも、ボッチの俺が組織なんかに所属してるのも、この教義が気に入ったからだし?

 

 なんとなく、周りを見渡す。

 ここはただの廃ビルだ。人なんか居ない。それでもこのセリフを聞かれたら自殺しなきゃならん。

 

 ……誰も見てないよな?言う?言っとく?やっべ、不謹慎だけどテンション上がってきた。

 

 俺は愛用の武器、無銘の日本刀を握り直し、20階建ての屋上の端に足をかける。そして、

 

「我等が教義はただ一つ。救われぬ者に救いの手を!」

 

 天草清教ではお決まりのその言葉を唱え、夜の闇へと飛び出した。

 




 とある魔術の禁書目録とのクロス。タイトルはテキトー。
 禁書とのクロスだと能力者にするのが普通なんでしょうが、そこをあえて外すのがまーぼう流。て言うか俺のクロス設定って大抵そんな感じです。
 ただ自分の中のヒッキーって「八幡だけに使える唯一無二の能力の使い手」より「誰にでも出来る事を組み合わせて誰も思い着かない事をする」タイプのイメージなんですよね。その意味で能力者よりも魔術師向きかな、と。
 もっとも、単に天草清教の教義って八幡にピッタリだなー、と思っただけなんですが。





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