「隼人、どうかしたのか?」
どこか沈んだ様子の友人に声をかける。
葉山隼人は一年の時に同じクラスだった男子で、八十稲葉から帰って来た俺の事もちゃんと覚えてくれていた相手だ。
「……悠か。実は昨日寝てなくてな」
「何かあったのか?」
隼人は少し駿遵した後、重々しく口を開いた。
「……実はな、知り合いが行方不明になったんだ」
「行方不明!?」
最近そんなニュースが多いのは知っていたが、こんな身近で聞く事になるなんて……!
「ああ。それで友達に心当たりを聞いたり、自分でも色々探してみたんだけど、手掛かりさえ見つからなくてね」
「そうか……。良かったら俺も手伝おうか?」
「助かるよ。猫の手でも借りたいところなんだ」
俺は隼人から行方不明者の名前と特徴を聞いて、久しぶりの調査に乗り出した。
調査と言っても俺に出来るのは聞き込みくらいだ。
話の中で目立つと思ったのは二つの噂。
一つは彼女の周囲にちらつく目の腐った男の話。
もう一つは鏡にまつわる怪談、というより都市伝説だった。
普通に考えれば調べるべきは一つ目の噂だろう。しかし俺は今回の事件に、どこか八十稲葉での事件に似た臭いを感じていた。
普通の事件であれば隼人がなんとかするだろう。しかしそうでなかった場合、多分誰にもどうにも出来ない。だけどもしかしたら、ペルソナ能力のある俺ならば何かが出来るかもしれない。
そう考えて俺は、鏡の怪談について調べる事にした。
「彼女が最後に目撃されたのはここ、のはず……」
階段の踊り場の大鏡。怪談のネタにはうってつけのロケーションだ。
……マヨナカテレビの例を考えれば、ここから鏡の中に迷い込んだ、なんて事も有り得るわけだが……。
「何やってんだ?」
唐突に上から声が降ってきた。
見上げると、一人の男子生徒が階段を降りてくるところだった。
「お前、確か鳴神だったな?今年から編入してきた」
陰になって見えなかった顔が夕焼けに照らされる。それを見て俺は驚いた。目が腐ってるーー!
「なぁ、お前雪ノ下のこと嗅ぎ回ってんだって?どんな話が出てきた?教えてくれよ」
こいつ!?
やっぱり一つ目の噂が当たりだったようだ。
俺は警戒を強めて身構える。
「……どうして俺を知っている?」
「何でも何も同じクラスだろうが」
「……えっ?」
同じクラス!?こんなやつ居たっけ!?
「……気付いてなかったのか。ああ、別に気にしなくていいぜ。人に認識されないのはいつものことだ」
「いや、なんかごめん……」
「だからいいって。それより話聞かせろよ。何で雪ノ下を調べてた?こんなところで何をしてる?」
そうだった。今はそんな話だった。ここはーー
「何の話だ。誰だ、雪ノ下って」
「とぼけんなよ。お前は葉山並に目立つからな。隠し事には向かねえぞ?」
そいつはさらに詰め寄って来る。
「なあおい、お前雪ノ下に何やった?一体何企んでやがる?」
いや、ちょっと待て。なんか流れがおかしくないか!?
「待ってくれ。お前本当に何の話してる?」
「案外察しの悪いヤロウだな。最近の行方不明事件、てめえが一枚噛んでんじゃねえのかって言ってんだよ!」
言葉と同時に男が飛び掛かってくる。
俺は当然抵抗したが、勢いを殺し切ることは出来ずーー後ろの鏡の中に、二人まとめて転げ落ちた。
P4とのクロス。
ゲームED後、と言うかマヨナカアリーナより後の話で、悠が八十稲葉から帰った先が総武校だったという設定。なので悠もヒッキーも三年になってます。
P4は妄想を働かせ易いので色々企画とかも考えてました。まあ問題が多すぎて実行に移せませんでしたが。
例えばコミュ毎に作家さん募集してコミュイベント書いてもらおうとか。ちなみに悠視点なのでヒッキーも攻略される側。ぜひ「俺に、そういうの期待すんな……」とか言わせて欲しかった。
でも纏めきる自信がなかった上に、肝心の事件についてはまるっきり何も思い付かないんですよね。P4Uを遊べば何か思い付くかもしれませんが。
一応考えてたことは、ヒッキーのアルカナは隠者かな、と。
戦闘メンバーは奉仕部の三人と悠以外は決まってませんが、とりあえずラビリスは出したい。後完全に個人的な趣味ですが、材木座と葉山は入れたいな。ナビは小町か戸塚か。
八幡のペルソナは、日本神話でまとめるならアマツミカボシにしたい。そうなると葉山はオオクニヌシか。ギリシャ神話系ならメディアで(笑)