過去に告白の返事に語られたのは何だったのか…
でもきっと…
──── (ふわっ) ────
鼻を付いた優しい香りに意識が浮上する。
そっと目を開ければ目の前に懐かしい景色が広がった。
一瞬過去の夢を見てるのかと思ったが直ぐに自分でここに足を運び思い出に耽るうちに眠ってしまったのだと思い出す。
昔、私はこの美しい桜の花が咲く季節に1つ下の女の子に告白をされた。
その時は誰かと付き合う気にもなれず、そっと断った
あの子は笑顔でありがとうございます!と言ってスッキリした表情をしてたっけ…
あれから数年の年月が経って大人になり、ふとその日を思い出した私は丁度色々ストレスが溜まっていた事もあり、懐かしい場所──── 休みの日の学校へと来ていた。
「ここは変わらないなぁ」
ふっと笑みを零して小さく呟く。
過去の思い出に浸りながら桜の木を見上げる。
休日な事もあり中には入れないが目当ての場所には来れたから良い。
そっと幹を撫で帰ろうと踵を返…
そうとした。
でも何かが、いや誰か、に背後から抱き締められ踵を返すのを止められた。
「先輩、ここにいたんですね」
優しい声、私の大好きな声、大好きな体温。
きっと振り向けば私の予想した優しい笑顔で私を見つめてるのだ。
大好きな大好きなあの子。
あの日、確かに断った。
でもあの日の話はそれで終わらなかった。
私は断った後にこう言ったのだ。
「ごめんなさいね、今は付き合えないの。でも〇年後、私から貴女へ同じ言葉を言わせて頂戴。理由は何時か話すわ…その時に貴女が私の隣にまだ居てくれたら。この桜の咲く季節に…」と。
背後から抱き締められたまま、思い出に耽っていると「いつまで思い出に浸るんですか…?」と少し拗ねた様な声が聞こえた。
このまま放置していては本格的に拗ねて暫く口を聞いてくれなくなるな、と勘付き腕の中で振り向くとぎゅうっと優しく抱き締めた。
「ごめんなさいね、過去のあの日の貴女がとても可愛らしかったからつい没頭してしまったの」
そう微笑みながら答えると薄らと顔を赤らめつつも口を尖らせ
「過去に浸る程なら今の私は可愛くないんですか?」
と返された。
「あら、そんな事は全くないわ。寧ろ…そうね…あの時よりもとても魅力的になり過ぎてこれ以上素敵になってしまったらどうしましょう…と困っている位かしら?」
あら…胸元に顔を隠してしまったわ…
少し思った事を素直に言い過ぎた様だ。
それでも反論しない所を見ると嫌では無かった様子
可愛いなぁと思いながら優しく頭を撫でていると落ち着いたのかそっと胸元から顔を上げた。
まだ少し顔が赤いが気付かない振りをしておこう。
今のこの子の表情はとても可愛いからそれを口に出せばまた胸元に隠れてしまうだろう。
見詰めつつそう考えていると、
「先輩……先輩だってあの日よりもずっとずっと魅力的であの日よりももっと好きな気持ちが溢れるのと不安を覚える程になる位素敵になりましたよ…」
まさかそんな事を言われるとは思わず、今度は私が赤面してしまった。
それを隠すように私はあの子の目元をそっと手で覆うと唇を合わせた。
初投稿作品です
優しい感じになるような文を目指して書き上げました
その感じが伝わるといいなぁ…なんて