外伝クトゥロニカ神話『4つの愛』 作:カロライナ
森を抜けた先に小さな開けた空間に出た。装甲車はまだ止まっていない。
壁には鉄のような金属でできた扉が存在し、ドール達を中へと招き入れる。
姿を見せない探索者達を不安げに想いつつも、飛鳥の閃きに乗じて嫌な予感を振り払うかのように地下へと歩み始めるのであった。
4人が入口の階段を降りると、その先も扉も次々と開いていく。先には4人の足跡が続いているのが目に入った。心を躍らせながら4人は歩みを進める。
一行の足がようやく止まったのは、外観が広大な地下都市と呼ぶべき空間についてからであった。
ドーム状の地下空洞には無数の建物が所狭しと並び、巨大な蜂の巣を思わせる。十分な広さと高い天井を持つために、シェルターに閉鎖感はない。まだ何処からか電気を供給しているのか、地下だというのに明かりが内部を明るく照らしていた。
「とうちゃーく!! 星乃さーん!! 来ましたよー!!」
飛鳥が出来る限り大きな声かつボイスエフェクトを使って、星乃の名を呼ぶ。その声はドーム全体に響き渡り、木霊となって反響する。だが木霊以外の、返答は何一つなかった。
「・・・クリスティーナ・・・・?」
「赤大さーん。」
2人も木霊しない程度に2人の人間の名を呼ぶが、返事は無い。
「縫々ーっ!!!」
ぬいぬいは、修羅の名前を二つつなぎ合わせて叫ぶ。木霊が反響するが、返事は無い。
行動判定
ロジーナ→9【成功】
ぬいぬい→3【失敗】
飛鳥→9【成功】
纏→9【成功】
ロジーナ、飛鳥、纏の3人は薄々感づいていたことではあったものの、ここが巨大シェルターで自分たちが目指していた終着点であり、人類の避難所だったことを思いだした。かつての最終戦争の様相を考えると、この施設を作った国は比較的『人道的』であったと思えてくる。
しかし、1万前後の人口を収納出来たであろう地下シェルターに人の気配が全くない。それどころか途中、はぐれてしまった人間達にも出会えず、狂気が心を蝕んでいく。
狂気判定
ロジーナ→9【成功】
ぬいぬい→7【成功】
飛鳥→3【失敗】
ロジーナ+1
纏→9【成功】
記憶の欠片【全員入手】
シェルター(特殊)
「あ、案外、奥の方でサプライズの準備をしているかもしれないよね。」
「・・・・そう・・・・・そうだと思う・・・・。」
「て、手の込み過ぎたサプライズですよね、ほ、本当に。」
「ぬいは生きている生きている生きている生きている・・・・。」
不安を振り払うかのような声で纏が、周囲を忙しなく見渡す。ロジーナは目を伏せながらも、ふらつく足取りで街に向けて一歩踏み出す。飛鳥は泣きそうになりながらも、ロジーナの腕にしがみ付くように歩き、ぬいぬいは何処か壊れたラジオのように呟きながら歩みを進めていた。
並ぶ建物は1つ1つが金属めいたタイルで覆われ、頑丈極まりない扉と、金属の雨戸のシャッターで閉じられた窓が付いている。堅固ながらも陰鬱な建物の群れは、眺めながら歩みを進めるドール達に得体のしれない不安感と同時に懐かしさを感じさせた。
4人は墓石のように建ち並ぶ建物の間を突き進む。建物の扉は強固に閉ざされ、簡単に中に入ることが出来ないようになっていた。時折、明らかな争いが残る建物や弾痕や血痕痕が残る通りが目に入った。
「・・・・・暴動・・・・・?」
「暴動で誰も居なくなるなんてことがあるんですか?」
「電力も生きているなら、外よりもここの方がずっと生きやすい筈だよ。暴動だとしたら誰かしら残っているんじゃないかなぁ。」
「ですよね・・・。」
3人は弾痕や血痕をしゃがみ込み、触れ確認する。血痕は付着してからかなりの日数が経っているのか、血液は既に凝固し床にこびり付いているだけであった。
行動判定
ロジーナ→9【成功】
ぬいぬい→10【成功】
飛鳥→6【成功】
纏→6【成功】
4人は奥へと歩みを進める。
しばらく歩いていると、やはり生存者とおぼしき人間とは会えなかったものの、それぞれが「シャッターをこじ開けてでも中に入りたい」と思えるような建物が4件見つけることができた。
ロジーナの歩みを止めたのは、何処か豪邸を連想させるかのような巨大な家。
この家も、他の家と同様にシャッターが下ろされ厳重な管理がされていたが、それでもこの中にロジーナが求めている物がある。そんな気がしたのだ。標識には『熊野』と掛かっている。少なくともロジーナが知らない名前だ。だが知っているような気がする。理由はわからない。
ぬいぬいは商店に挿まれた一件の家。二階建てになっており、1回は雑貨屋となっていたのか、寂れた看板が地面に落ちている。2階に上がるには外付けされた階段を登らなくては入ることが出来ず、階段でも銃撃戦があったのか柵に銃痕が残っているのを確認することが出来た。
飛鳥はシスターが教会として使っていた建物の前で佇んでいた。そこは教会と神社、寺などを全て織り交ぜた施設になっており、僅かな石畳の上にその建物が建っている様子がうかがえた。本殿に入るためには、何やらカードキーのような物が必要であり、他の扉の様に力任せでこじ開けることは困難に見える。
石畳には血痕とは、また違った緑黒っぽい液体が付着しているのが目に入る。既に乾ききっており、それがいったい何なのか飛鳥には特定することは出来なかったが、脳裏では決して良いものではないと警報を鳴らしていた。
最後に纏は『警察署』と書かれた建物の前で歩みを止めた。この建物は他の建物とは異なりシャッターは降ろされておらず、入り口なども開け放たれたままであり、侵入するのは難しくないと誰が見ても思うような外観をしていた。
【後書き】
今回も小説の裏話になります。この小説を書き始めた時や中断してしまった時のドールと探索者の数は計6人しか居ませんでした。
しかし8人まで増やしたのは、クトゥルフの方で新しいサプリを買ったためですね。
あれからサプリの数がかなり増えたんですよ。
一覧として、1920sIC、ダークエイジ、キーパーコンパニオン、比叡山炎上などを買いました。