シャドウサーヴァントから始まる人理救済   作:ドリーム

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待たせたなぁ?ええ?ああそうだよ萎えてたよ。
だが、数千年の波紋の歴史とか、巨人でできた壁の歴史を紐解いてあとついでにインド異聞帯も乗り越えて帰ってきたゼェ!!
ゑ?1700万ダウンロード記念ピックアップ?なんですかそれ。知りませんね。

…はい。おまたせいたしました。学生最後の一年ということでやることが多く、これからもこんな感じだと思いますが、最後まで駆け抜けたいと思っています。
たまにでもいいのでチラ見でもいいので読んでいただければ幸いです。
それでは第六特異点突入前夜。開始です。



第六特異点か…そろそろ終わりですかね?「残念だったな…全部で7つだ」デッスヨネー

体が軋む。

いや、より正確に言うなら腕だ。いま隣で相変わらず神秘的…というか神秘そのものの彼女がいるのが、無意識に反応しておるのだろうか。

…まあ、彼女(ステンノ)がやってくるのはなんとなく分かっていた。

俺の体は今や3/2が彼女の妹であるメドゥーサなのだから。

 

「ねえ勇者様?いつまで黙ってるのかしら?女神が直々に来てあげたのだからもう少し何かあってもいいのではなくて?」

「そうは言ってももうだいぶスリープになりかけてるせいか意識がプツっていきそうなんですよハイ」

 

実際彼女が来る数分前には寝ようとしてたしな。

——ステンノは相変わらず魔性の笑みともいうべきこの世の全てを魅了してしまうような表情を浮かべ、その小さい体をこちらに預けてくる。

その黄金とも言っていい瞳は、あの日出会った彼女(メドゥーサ)を思い出させる。さすが姉妹とも言うべきか。

やれやれ…やりづらい。

 

「言った通りだったでしょう?『その眼は大事にしておきなさい』って」

「あの時から…知ってたんですね。この眼のこと」

 

あの『形を失った島』で、魔術王が作り出した世界で自覚するまで俺自身も気づかなかった、メドゥーサが俺に与えていた権能『石化の魔眼』。

そういえば、あそこに行き着くまで、何度も意識がない時があった。前は思い出せなかったが、今はぼんやりと…だが確実に起こったであろう事実を脳裏に浮かべられる。

 

自動的とも言うべきか、この眼は俺を何度も助けてくれた。

霊基を受け取る以前に、俺はすでに譲り受けていたのだ。彼女が、ただ己が安息と姉妹の幸せのみを願って使っていた力を。

 

そう考えると胸が苦しくなる。

眼球が熱くなり、喉を締め付けるような息苦しさに襲われる。

わかった途端これだ。

こんなにも脆く弱い。

()()()もこうやって泣きじゃくっていた。命を俺のために使ってくれた彼女の、俺を優しく抱いたあの腕の温もりが未だに感じられる。

そう思うと自然と涙は引っ込んだ。

 

「あら?もう少し拗れるかと思ったけど思いのほか立ち直ったようね」

「趣味悪いですよお姉さん」

「誰もあなたのお姉さんにはならないわ」

 

さすが女神、いや、さすがお姉様とも言うべきか。

心のどこかでまだ立ち直りきれてない俺をあっさり見抜いていたのだ。

 

ステンノはゆっくりと立ち上がり、座り込んでいる俺の頭を優しく触れ、ゆっくりと視線を合わせる。

 

「…ほんと、醜い顔。悲しさと嬉しさと…まだ立上れると思い込んでる。そんな思いがぐちゃぐちゃに入り混じって…醜いわ」

「言ってくれますね〜…女神様ならもう少し優しくしてもいいんじゃないですかね?」

「うふふふ…嫌よ」

 

ズバズバ言ってくる彼女の甘い声に対し、俺もまた軽口で答えるが、それもまたズバッと

変え切りさえ辛い。まじやばい。

 

俺が地味のズーンとなってると、彼女はそのままスタスタ歩いて行き、出口に向かっていく。

プシュっと扉が開き、小柄な体が真っ暗な廊下に消えていく。

 

「…何しに来たんだ…?」

「そうそう言い忘れてたわ」

「!?!?!???」

 

いきなり後ろからぬっと再び現れる女神様に俺はさっきはギリギリ隠せていた素があっさり出てきた声にもならない悲鳴を出す。

俺は寝床の上をゴロゴロ転がりそのまま寝床から落ちると床に背中を叩きつけた。

 

「いってぇ!!…な、なんですか…?」

「あなたは今や体のほとんどはあの愚妹となっているわ。そしてその眼はおそらく()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ステンノは倒れ込んだ俺の胴体にヒールを脱ぎ、裸足になって軽く踏みつけながら言ってくる。

 

「…簡単に死ぬことは許されないわ。無茶をしなさい。努力を怠ってはいけないわ。死線をくぐり抜け、あなたの目標に止まらず走り抜けなさい…()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

————わかってる。そんなことはとっくに決めています。

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

〜シュミレータールーム〜

 

「フォォォォォォォォォ!!!!立体移動ンギモッヂィィィィィィ!!!!!」

「いいなぁいいなぁ!僕もそれやりたいなぁ!!」

「悪いなぐだ男。これ、1人用なんだ」

「えぇぇぇ…じゃあいいもんね。僕は親指噛んで大きくなる練習しよ」

「お前の場合ほんとになりそうだからやめてくんない?あとカルデアが軽く消える」

『や、ヤメロォ!アニムスフィアの奇跡が消えるぅぅ!!!』

「所長の悲痛の叫び!…だが僕は謝らない」

『ZAP!ZAP!ZAP!!!』

「ガンド撒き散らさないで俺にも当たる」

「なんてこった!友が死んでしまった!!」

「このひとでなし!」

「まあ次のくず男はうまくやるでしょう」

「勝手に殺すな。パラノイアすんな。あとジャンヌズども、てめぇら後で便器にノーパン状態で縛り付けんぞ」

「「なにそれこわい」」

 

「君たち訓練中じゃなかったのかね」

「たるんでますよ(もごもご)…人理の一大事なんですからもっと真剣に(もごもご)訓練に取り組まねば!!」

「じゃあその前にそのエミヤ印ドーナツをヨコセ」

「エクス…!!」

「たかがドーナツで聖剣ブッパしようとすんなッ!!」

「先輩!どうぞタオルです!あとエミヤさんと一緒に作った砂糖漬けレモンもどうぞ!!」

「やだうちの後輩立派スギィ!!かわいいなぁもうマシュは〜」

「せ、先輩!こんな人目があるところで…」

「おういちゃつくんじゃねえよクソッタレども」

 

ステンノが現れた夜が明け、訓練に励んでいると、第六特異点が確認、発見され、俺たちは次なる戦いへの準備に勤しむこととなった。

今度の時代は…

 

 

 

 

場所はかの聖地。時代はあのアーサー伝説が終わった直後である。

 

 

 

…嫌な予感がするなぁ。具体的に言うとアルトリアさんが

「この特異点は私が必ず赴かねばならない…なぜかそう思うんです」

とかなんとかフラグビンビンなこと言ってやがりますってことが。

 

…特異点難易度はEX。

規格外と判断された第六特異点。

絡むであろうアーサー王伝説。

しかし場所はあの聖地。

 

だが、俺は死を恐れてはいない。

死んではいけないと誓ったのだ。

この体が愛した女神が与えた奇跡である限り。

 

無様だろうと虫のごときしぶとさでいつものように意地汚く生にしがみつくのだ。

 

『———アラキ?』

「————うぇ?なんです所長?」

『大丈夫?なんかすごく怖い顔してたわよ?』

「あー…いや今までの特異点はどれも常識じゃ測れなかったけど、今回はそれよりもっとヤバいのかなって思うと…」

『怖い?』

「いやぁ…

 

 

 

 

ワクワクしてきました」

 

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

準備を済ませ、1日を再び終える。

そして再び訓練と第六特異点での出撃サーヴァントとの打ち合わせ。メディア先生のイアソンでもわかる魔術講習。右腕の検査。エミヤ印の食事。種火回収。その他諸々。

…やるべきことを順調に済ませ、気づけば明日には特異点へのレイシフトが迫っていた。

 

「やあ!なにやら思いつめた顔だね少年!」

「おう変態全裸じゃねえか。なにしてるんです?」

「変態とは心外だね。そこは天才全裸と言ってくれたまえ」

「どっちにしろ全裸じゃねえかバーロー」

 

そんな出発前夜、廊下で風呂上がりなのかなんなのか知らんが肌をほんのり赤く染めながらさっぱりとした感じ(つまり全裸)で歩く変態ことダ・ヴィンチちゃんと遭遇。

見た目が美人だが惑わされてはならない。

目の前でとても程よいたわわが揺れているが、中身がアレなのだと思うと一瞬でピンク色の考えが消え失せる。

 

「服くらい着たらどうなんです?ロマンが見たらまた大きなため息吐きますよ」

「まあまあ。これは私の習慣みたいなものだ」

「つまり風呂上がりは全裸と。やっぱ天才は未来に生きてんな。尊敬しないよ」

「してくれないのかい?」

「するわけねえだろ」

 

とりあえず、俺もシャワー浴びたばっかでタオルを首から下げていたのでそれを羽織らせる。

最初はキョトンとしていた可愛らしいオッサンは、なんか知らんが「フーン」と(やけにムカつく)にやけ顔を見せながら礼を言ってくる。

礼を言うくらいなら服着て廊下に出て欲しいデスネ。

 

「本当にくるんすか?ダ・ヴィンチちゃんってぶっちゃけ後方担当でしょ?」

 

それは第六特異点のことだ。なんと今回はこの天才が同行するとのこと。しかもマスター指名は俺と来た。

俺このひと制御できっかなぁ…全裸だし(関係ねえけど)

 

「なぁに。まぁかせて。これでも戦えるようにいくつか秘策があるのさ」

「これ見よがしのあの左手とか?」

「レオナルドパンチは世界を制するパンチさ!まさに芸術だね」

「俺の知ってる芸術と違う」

 

「まあまあ」と悟りを開いた変態は俺を手で制していると、気づけば工房にたどり着いていた。

礼を言いながら(礼を言うくらいなら以下略)タオルを俺に返すと、ダ・ヴィンチちゃんは扉を開けて工房に入っていく。

と思ったら、彼女(オッサン)は急に振り返り、俺の顔を両手で掴み自身の胸元に抱き寄せた。

柔らかくてすべすべとした肌をダイレクトに顔面に受けたことで、流石に冷めたものが湧きあがってくる。なんかしてやられた感じで悔しいんですけど?

 

「君とぐだ男くんはほんとに仲良しだね。君がいない間も彼は君と似たような表情をしてたよ」

「……あー…」

「私たちは結局君たちのサポートしかできない。不甲斐ない大人たちだ。だからせめて戦いから離れたこの時だけは…そんな思いつめた顔をしないでくれ」

 

ダ・ヴィンチはゆっくりと俺を離すと、「元気でただろ?」とでも言わんばかりの笑みで俺を見つめてくる。

…むぅ…なんか勝てない相手っていうのはこういうズルイ大人のことかもしれない。

 

「いやぁ!少しはほぐれた表情になったね。ちなみにぐだ男くんにもやってあげたんだが、その時は清姫が大暴走しちゃってね」

「なにそれ世紀末」

 

「それじゃあおやすみ」と言い、今度こそダ・ヴィンチは工房に消えていった。

…はあ…案外顔に出やすかったりするのだろうか。

決して“死を恐れてない”と言ったことは嘘ではない。

だが、無意識に気負いすぎたのかもしれない。

いつも通りでいいんだ。要は勝って生き残ればいいんだから。

 

————さ、もう寝よう。せっかくもらった温もりが消えないうちに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、絶世の美女の濡れた体を拭いたタオルなんだ。有効に使ってくれたまえ☆」

「おう台無しだよこの野郎」

 

こんな天才もうやだ。

 

 

 




感想指摘待ってます!

ちなみに作者は久々に課金して爆死したのでしばらくは魔法のカードが見れません。
ヤメロォ!魅力的な七色の石を見せつけるなぁ!!WRYYYYYY!!!
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