シャドウサーヴァントから始まる人理救済   作:ドリーム

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お久しぶりです。
お待たせしました。いえ…お待たせしすぎたのかもしれません。ゑ?待ってない?嘘だ!待ってるって言ってたもん!確かに言ってたもん!言ってたんだ。誰がなんて言おうと言われたんだ。「ついてこれるか?」って言われたんだ!(言われてない)
はい、申し訳ございました。気づけば社会人になり、HFは無事全編放映され、fgoではついに怖い蜘蛛さんが出現し、異性の神の使徒が全員カルデアでどの面フレンズし、始まりのろくにんにゾッとしながら、デュエリストに目覚め、ソリティアしながら、月姫リメイクを買い、ドラクエ12を待ちつつ、モルガン陛下を宝具レベル5にし、ヘリオスがゲートから出てくる幻覚を見ながら、愉悦ってこんな味なのか(違う)しながらワインを飲んでおります。
正直次話も全然書けてません。正直もう覚えてる方がいらっしゃるかわかりませんが、これからも細々と続けて参ります。
よろしくお願いします。

感想ください(承認欲求モンスター)



あらやだこの聖剣ア゛ッッッッ(溜め)ツ゛イ゛わぁ〜「いい目玉焼きが作れるな」違うそうじゃない

 

————ふと、思うことがある。

 

変わらない街並み。変わらない道。変わらない友人。変わらない思い出。

変わらないで埋め尽くされた日常。

退屈だと思ったことはあるが、不幸だと思ったことはそうなかった。

 

だが、ここ(カルデア)に来てからは打って変わって驚きの毎日を送っている。

見たことない風景。ありえない大地。変な仲間。想像もしなかった旅路。

「変わらない」は、いつのまにか「未知」になっていた。

 

…でもいつのまにか、その「未知」が「変わらない」になっていて、

 

「変わらない」だったものが、

 

————思い出せなくなっていった。

 

表現のできない恐怖がある。

 

確信のできない未来を思う。

 

言葉にできない悲鳴を上げる。

 

確かにそこに自分はいた。

 

確証はある。証拠もある。

 

でも、でもだ…

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

全てを否定された時、

 

 

 

 

 

自分自身を思い出せるだろうか…

 

 

 

 

—《F/GO》ー

 

 

 

 

 

「ま、間に合わないッッッ!!!!」

 

展開される宝具。太陽の聖剣。その名に恥じない火力が視界一面に現れる。

ゴウゴウと音を立てながら走る俺たちに余裕で火炎は追いつき、あっという間に飲み込んでいった。

 

思わず目を閉じ、腕をまえに交差させる。しかしそんな悪あがきにもならないものが通じるわけもなく…

 

 

「…………」

 

…来ない。

圧倒的な熱が。不可避の炎が。全身を消失させる太陽がやってこない。

いや、正確には。

それは俺たちの前で止まっていた。

 

 

「!…君は!」

 

炎の前で、その身には不釣り合いな()を構え、あの宝具を押し留める少女がいた。

そういえば、思い返せばこうハッキリと彼女の戦う姿をみたのはいつ振りだろうか。

少し見ない間に、その顔にはまだ拭えない戦いへの恐怖はあれど、成長した彼女が居た。

 

「マシュ!!!」

「話は後です!今はこれを押し飛ばします!宝具仮想展開!!『ロード・カルデアス』ッッッ!!!!!」

 

凄まじい光と共に、炎は消え去り、代わりに遠くで驚愕の表情を浮かべる騎士が1人。

そう、言わずもがなガウェインである。

 

「…その盾は…まさか…!!」

「…マシュの盾について何か知ってるのか…?」

 

まさかマシュに宿った英霊ってのは円卓の関係者…?

いや、今はそんなことどうだっていい!

 

「今がチャンスだ!撤退するぞ!」

 

しかしそうは問屋が下さんと言わんばかりに騎士たちが俺たちを囲ってくる。

参ったな。このままじゃあガウェインに追いつかれる。

だが!

 

「そのまま走り抜ける!」

 

「血迷ったか!」

「我ら粛清騎士!」

「さっきまでは不意打ちだったが、真正面からこの数の差で負けるわけがない!」

 

「数の差でしかもの言えねぇ阿保に構ってられるか!それに俺はいつだって真面目だ!」

 

馬鹿野郎お前!俺は勝つぞお前!

ジャンヌ達も俺に続いて迷わず走りこみ、騎士達はそんな俺たちを叩き潰そうと自分たちの武器を持ち出すが…

 

————————ッッ!!!

 

()()が響く。

どこからともなく響くその音に騎士達は一瞬気を取られるが、すぐさまこちらに向き直る。

 

その瞬間、騎士が1人弾け飛び、その巨体を地面に倒した。

それに続き、ほかの騎士も一斉に吹き飛んだ。

 

射出されたであろう弾丸は、騎士の頭を貫いた後も飛び続け、俺の顔の真横を通り過ぎる。

突き抜ける弾丸はそのままガウェインにぶつかるが、その恐るべき反射神経か。

弾丸を軽く手で弾き、こちらに迫るが…

 

すでに俺たちははるか遠く。

 

無事聖剣の射程から脱出したのだった。

 

「……逃げられるとは…」

 

 

 

 

ー《F/GO》ー

 

 

 

「クレイジィビィィィィットッッッッロォォォォォリィン!もっと激しィィくゥゥゥゥ!!!」

「ひと段落ついた途端プラ/シドさん処刑BGMとはたまげたなぁ」

「いやぁ照れますな」

「褒めてないよ」

「まだまだ満足できねえぜ」

「ぼくたち!」

「チームサティスファk「それ以上はいけない」言うじゃねえかジャンヌ。その話乗った」

「牛○さん!まずいですよ!」

「もう何がなんだか…」

「理解できたら君も今日からチームサ○ィスファ○ションさ」

「現地のベディヴィエールさんを虐めないであげてください」

「最近のマシュちゃんは優しいや」

「ホロリ」

「ゑ?ポロリ?」

「白ゴリラは黙ってろ」

「あっはい」

 

無事(?)ガウェインの射程から逃れ、荒野を滑走中の俺たちチームカルデア&難民諸君。

しかしこのダ・ヴィンチ…どこからこんな上等な車を…このリハクの目をもってしt(ry

 

「しかし、よくあのタイミングで入ってこれたな。お前たちもチキチキ!聖抜会場にいたのか?」

「そんなキテレツな催しは知らないけど、僕たちもあそこでスタンばってたよ」

「そしたらくず男さんたちが戦闘を開始したので私たちも加勢を…という流れです」

「そうか…いやぁ助かったぜマシュちゃん!」

「は、はい!」

「僕は?…ちょいちょい、その猫みたいな顔で誤魔化さないで」

 

知らんな(ねこですよろしくおねがいします)

いやしかし、マシュちゃんの宝具がなければ普通に焼却!されてたからな。うん。命があるって素晴らしい。

…そういえばこの場には数名のサーヴァントが見当たらない。どういうことだ。無垢の増股アーチャーに、はらぺこビーム型騎士王セイバーがいない。ランサーニキもいない。代わりに知らないけどローブの男…………男か?この人?

 

「あー、ちなみにこの人は…?」

「ああ。その人はベディ。さっきまでルキウス名乗ってたベディだよ」

「おう、よくわからないけどいじめるな」

「へへ」

 

褒めてないんだが?へへって笑うんじゃないよ。

 

「も、申し訳ありません…かつての同胞にバレてはことだったので…改めまして…」

 

そう言って彼…彼?まあ声からして男だし彼だな(納得)

羽織っていたローブを取りその顔をこちらに見せてくれる。

 

「私はベディヴィエール…円卓の騎士です」

 

ヤダァ!完全にあっちの身内じゃなぁい(大○丸)

 

 

 

ベディヴィエール——

円卓の騎士にして聖剣を湖に還し、主君であるアーサー王の最後を見送った忠誠の騎士。

なんでも通常の騎士の3倍強いらしい。情けないやつ!(違うそうじゃない)

 

本来円卓の騎士ならガウェインと同じく俺たちとは敵対するはず…しかし姿を隠してまで俺たちの味方をしているところを見ると…色々ありそうだな。

 

「まあいいか(?)オッスオッス人類最後のマスターにしてそこの凶人!無様!浮気者!のぐだ男とコンビ組んでる荒木様だゼ☆」

「それは違うよ」(無限泡影)

「それはどうかな?」(神の宣告)

「おい、ライフ払えよ」(レッド・リブート)

 

はっはっは今更何を言おうとお前が何人もの幼女、淑女、熟女、オカマ、ホモを勘違いさせた事実は消えんのだよぐだ男くぅん?

恨むのならその無駄に整った顔に産まれたことを恨むんだな!(-LP4000)

 

「さ、さっきから彼らは何をやっているのでしょうかマシュ殿」

「いつものことですよベディヴィエールさん」

「ええ。いつものことよ。あ、後で私も混ぜなさい」

「何故急に腕に謎の機械を取り付けるのですか!?」

 

デュ◯ルディ◯ク知らんのか?現代の必需品だぜ?(大嘘)

 

「話進めない?君たち」

 

ウッス。ダ・ヴィンチに従うぜ!決してふざけすぎて自重したわけではないんだぜ?(冷や汗)

 

……………ほんとだぜ?

 

「ハイハイ」

「ハイハイ」

「ハイハイ」

「ハーイ」ヘーデルハウス

 

いやそうはならんやろ

 

なんてやってたら難民の方々がおそおそと聞いてきた。

 

内容としては「ナゼェタスケテクレタンディス!アンダラァボウラギドゥンダロ!?」らしい。

うんごめん。謝るからそんな冷たい目で見ないでマシュちゃんや。心がHBの鉛筆の芯みたいに折れてまう。

要は「見返りなく自分達を助ける理由がわからない。ぶっちゃけ信用できんわお前ら」ということ。

全く持って正論である。正論で殴られるのも随分久しぶりだ。

 

ふっ…悪くない(????)

 

「なんとなく…かな。あのままは…納得出来なかった」

「先輩…」

 

相変わらずイケメンは言うことが違うぜ。

 

「きよひー的には今の何点?」

『一億ぱーせんとです!!』

「わあお!ジャンヌも月までぶっ飛ぶこの衝撃!」

「飛びましょうか?」

「やめときなさい白アホ」

「月は出ているか」

「サテライト聖女!?」

 

やってみな、(俺の意識が)飛ぶぞ。

ていうかてきとうに呼びかけたらモニター越しに普通にいるきよひーぇ…

 

『72人体制でますたぁを見守ってます♡』

「増殖する…清姫!」

 

まだ増えるのか。魔神も怖くねえなこりゃあ(慢心)

 

「ヒェ…」

 

ん?ぐだ男、どうしたんだ?震えてるじゃないか(暗黒微笑)

 

まあこのガックガクに震えてるやつは放っておこう。なぁにマシュちゃんのマシュマロで包めばバッチグーよ。「くず男さん最低です」心が読める…ニュータイプかな?

 

「そこかぁァァ!!!!」

「うっさいわよ白いの」

「あうあうあ」(^p^)

 

まあなんやかんや難民たちとの交渉はダ・ヴィンチとベディさんがやってくれた。

なんでもこの先の山に山の翁なる村を治める存在がいるらしく(一体何某サッバーハなんだ…)、少しでも協力者を集うため、そしてそのために難民を守るという建前を得ることで難民たち、しいては山の勢力への信用を勝ち取る作戦で行くことになった。

見返りというのは時には互いに信用を作れる。また一つ知り、汚い大人になったわけだなHAHAHAHA

 

「ほかに言い方ないかな君は〜」

 

謝るから、そのゴツい指で脇腹をツンツンするな。痛い。かなりぃ…ん?

 

「くず男?なんかメガネがビビーって鳴ってるよ?壊した?」

 

壊してないやい。

突然メガネ式レーダーに反応が来た。これは…後ろか?なんか随分強い反応がはえーよホセって感じで迫ってるではないか。

 

すると管制室も後ろの反応に気づいたのか空中に急にロマンの顔が出てきた。

 

よお…10年ぶりだな(大袈裟)

 

『大変だ!後ろから強力な霊基反応が迫ってる!このままだと追いつかれる!』

「ドクター!それはつまり…」

『間違いない!円卓の騎士の誰かだ!』

 

俺たちはすぐさま背後を振り返る。

 

…うん。まだ視界には小さいが荒野の隅から土煙が上がってる。こっちは難民ひきづってるからスピードで負けたかぁ…

 

「ダ・ヴィンチちゃんさんよぉ…望遠鏡的なの持ってない?」

 

変態はほいっと言いながら本当に持ってた望遠鏡を投げつけてきた。

それをアクロバティックにキャッチし「する必要は?」ないです。とにかく土煙が立つ場所を見てみると、そこにはさっき聖地前で見た騎士たちがうじゃうじゃっと馬に乗って追いかけてきた。

うじゃうじゃと言ったが腐っても騎士。隊列は取れてる。ああいう集団は連携が高くてイイゾォコレェ!よくねえよ(情緒不安定)

そして先頭には…うんイケメンだなぁ!

 

「何か見えたかい?」

「見えたぜダ・ヴィンチ。イケメンだ。殺ろう」

「違う、そうじゃない」

 

何も違わないぞぐだ男。イケメン死すべし。慈悲はない。

 

「そーそー…ベディさんよ、あれ誰だかわかるかい?」

 

そう言いながら望遠鏡をベディさんに渡す。

慣れない手つきで望遠鏡を扱うが、相手が誰か分かったのか、辛い表情で望遠鏡を返してきた。

 

「あれは…円卓最強とも言われた騎士。主君であるアーサー王すら一目おいた湖の騎士…サー・ランスロット」

 

…え?太陽バフ太郎の次は最強伊達男に追いかけ回されなきゃいけないの?

随分とハードステージだなぁ!バランスが取れてねえんじゃねえの?バランス取れよなぁ(真島さん)

 

「っていうか確かランスロットっていうと…」

「NTR…?」

「NTRだ!」

「NTRだって!?」

 

やかましいわお前ら…ん?

 

「今NTRって言った?」

「あんたまで何言ってんのよ」

 

邪ンヌに籏で頭を叩かれながら突っ込まれるが、確かランスロットといえばアーサー王の妻ギネヴィアを自慢のアロンダイト(隠語)でそれはそれはご立派ぁ!と言った感じにNTRし、あれやこれやとあった末に円卓の何人かをヌッコロした…っていうやらかし大臣ならぬやらかし騎士くんだった気がする。

 

「なるほど。騎士くんならしょうがないですね」

「いや、プリンセスでコネクトな方の人じゃないと僕は思うよジャンヌ」

「先輩、プリンセスでコネクトとは…?」

「ギャルゲー風味のソー◯・アー◯・オン◯イン」

 

お前は何を言っているんだ。

 

『君たち危機感を本当に持ってくれ!ベディヴィエール卿の言うことが本当なら相手は円卓最強だ!追いつかれたら終わりだ!』

 

やめてくれロマン。その正論は俺たちに効く(クリティカル)

 

『癪だけどロマニの言う通りよ!早くしないと追いつかれるわ!』

「所長が珍しく強気だぁ!じゃあ一流魔術師兼カルデア最高責任者として何かいい案があるんですねぇ!?」

『は?ないわよそんなの』

「無策ジャマイカ!!」

 

もっとこう……あるだろ!

なんてわやわやしてたら明らかに馬の足音が聞こえて来る!ふと思ったんだけどあんなガッチガチに重たそうな連中抱えながらあのスピードおかしくない?

 

「あれほどのスピード…ダート適正A以上と見た!」

 

あ、ダート適正高い方でしたかぁ!いやぁ参っちゃうね!競馬場行けよチクショウ。

 

「…さて問題です。このままだと間違いなく追いつかれますが、どうすればいいでしょうか?」

 

ぐだ男が意見を集う。正直今から全力で走れば撒くことができるとは思う。

だが難民を見捨てることはできない。かわいそーだと思うがそれ以上に見捨てることでこっちの善人ズどものメンタルに響くのだ。これから先の作戦にも支障が出る。

 

誰かが奴らを足止めをする。犠牲にならなければならない。どうやら何も溢さず目についたもの全て抱えて走り抜けることはできないようだ。

 

「…くず男」

「わかってるよ。口には出さんさ…だが現実ここでノロノロ動いててもやられるし、かと言ってあの軍勢相手にそこそこ足止めできるやつなんて…」

 

それこそいない。

現実は残酷らしい。捕まってしまえばそれはもうあっさりヌッコロされるだろう。

できることといえば目の前で「やーいやーいNTRンスロットぉ〜」と煽るくらいのものだ。

 

「所長ぉ〜…もし捕まったとしたら最後になんて言う?」

『NTRンスロットぉって煽るくらいしかできないわね…』

「お前100点だ。カルデアメンバー向いてるよ」

『私元々フィニス・カルデア所長なんだけど!?』

 

どうやら今宵のハルペー(所長入り)はネタに飢えているようでござる。

 

…さて、そろそろそこでゴソゴソしてる変態に目を向けるかね。

 

「やる気かダ・ヴィンチ」

「え?うん。今この状況を切り抜けるには私が行くしかないしさ☆」

 

いつもの調子で変態はウィンクすると、どこからともなく小型の車を地面に置くと、そのまま乗り込んだ。

 

「ダ・ヴィンチちゃん!一体何を…!」

「何って突撃だよ。私の溜め込んだリソースを使えば大爆発程度は起こせるからね」

 

マシュは何を言ってるのかわからないと言う顔をしながらダ・ヴィンチを止めようとする。

ぐだ男も一瞬止めようと足を動かす…が、一歩動いたところで止まる。代わりに口から悔しそうに声を出す。

 

「行くの?」

「行くとも。元々私はサーヴァントだ。私たちにとって最重要なのはマスターである君たち2人とマシュが生きてこの特異点を攻略すること」

 

そのためのちょっとした犠牲になるに過ぎない。

変態はそう言い俺の肩に手を乗せる。ゴツゴツしてて痛いな。

 

…こりゃ止まらんな。

 

「一応この特異点では俺がマスターなんだが?」

「HAHAHA、相談なしで決めたのは悪いと思ってるよ。でも君ならわかってくれるだろ?」

 

———君は割り切れるだろ?

 

耳元で変態は何かを言う。

その言葉を理解し、飲み込み、何か言い返そうかと思ったが…そんな暇も与えてもらえないらしい。

 

これが最善だ。サーヴァントの本当の意味での使い道とも言える。今を生きる俺たちとこいつらでは価値が違う。

驕りではなく、事実として。

 

 

 

だが、仲間であるのもまた事実なのだ。

仮初の生だとしても、今ここで俺たちのために命を散らそうとしている奴に、文句言って別れるよりは…

 

「よし、派手に逝ってこい」

「ああ!芸術的爆発を見せてあげよう!これは君だけのお家芸じゃないのさ☆」

 

こうして軽快に送ってやる方が気分がいい。

案外人でなしだろうな。

でもまだ死ねないんだ。

人の気持ちを理解するのは苦手だし好きじゃないが、

仲間の気持ちを無碍にするのはもっと嫌なんだ。

人でなしには変わらないが。

 

「くず男さん…そんな…」

「マシュ…!

 

ダ・ヴィンチちゃん!先に行く!」

 

そう言い切った隣の親友を見る。

こいつは強いけど心は普通だ。

きっとこんなこと言いたくないだろうし、信用できないと言った難民相手に「納得できない」なんてこと言う奴だ。今まさに納得できない状況だろう。

…それでも行かなければならない。俺たちが死ねば、それこそ全て終わるのだから。

「ありがとう」でも「ごめん」でもなく「先へ行く」とは、こいつらしい言い方だ。

 

「…!ああ!すぐに追いつくとも!」

 

小型の車は俺たちから一つ離れ逆走していく。

 

そして…

 

 

 

 

—————————ッッッッ!!!!!!

 

 

 

 

仲間(天才)が作ったこの時間を無駄にはできない。

仲間(親友)の悔しさを無かったことにはできない。

 

「ジャンヌ共!抱えられるだけ抱えろ!女子供優先だ!」

「はい!」

「…ふん」

 

難民が負担になってるならこっちで抱える。

男共には悪いが全力疾走してもらおう。

 

 

さぁて!全力で生き残りますかねぇ!

 

 




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