整備工作兵が提督になるまで   作:らーらん

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僕だけがいない警備府

 

「ねぇ、宍戸くん! 部屋から出てきてよ! ほら、村雨のちょっと良いおパンツだよ!? 普段なら頭から被って離さない濃度98%のおパンツ! 因みに残りの2%は僕の手だよっ!」

 

「時雨姉さん、流石にそれ私でも引くわよ? あと、宍戸さんを貶めるのはやめなさいッ」

 

「ご、ごめん……」

 

 ……宍戸さんは、朝から具合が悪いと言って、今日の作戦立案書と書類をドアの下から放り投げて、そのまま自分の部屋に閉じこもってる。彼にとっては休日だけれど、なんだかんだでみんなとお話したり、仕事の手伝いとか、風邪を引いても助言をしたりして回ってるような人だから週7日働いていたようなものだった。

 

 いままでこんな事は無かったし、病気だったとしても私達ぐらいは部屋に入れてくれる。

 時雨姉さん、白露姉さん、そして一番心配している春雨と一緒に起こしに来ても、返事が悪い。

 

 昨日、連隊長さんのところに行って、白露姉さんたちが宍戸さんが作ったソースを悪く言ったのが原因で、駐屯地を飛び出したと聞いたのだけれど……それが原因で、彼がこのように部屋から出てこなくなるのありえない。だって、どれだけ貶されても、一分後にはヘラヘラしてる人だもの。

 

 だから私は……んんっ、まずは宍戸さんをなんとかしないと。

 確かに昨日からしょんぼりとしていたのは事実だけど、絶対に時雨姉さんたちの言葉が理由じゃないことは、長い付き合いでわかる。

 

「宍戸くん、今回は白露たちが悪いから! 出てきてくれたら、なんでも好きなお願い聞いてあげるから! お願い出てきてぇ!」 

 

「もうソースのことで気持ち悪いとか言わないから! ほら、昨日当選番号見たんだけど、僕三等で三十万円だって! これでみんなと一緒に遊びに行こう!? ね!?」

 

「お兄さん……姉さんたちを縛り上げれば、出てきてくれますかぁ……? お兄さんを侮辱した人は、誰であろうとこの世に必要ありませんもんね……!?」

 

「「ひ、ひぃ!!!」」

 

「…………」

 

 それでも、宍戸さんは出てこない。

 私達の思い過ごしであってほしい。

 ただヘッドホンでも付けながら、寝てて気づかなかった~……みたいに、平然とした顔で部屋から出てきてほしい。

 きっと昨日はあんなふうに抜け出してそのまま警備府に帰ってきて、そのまま寝てしまったからちょっと出てきにくいだけかも知れない。

 

 でも、もし彼が本当に私達の事で気分が病んでるんだったら……私は、彼になにができるんだろう?

 

 どれほどかっこ悪くても、私は……。

 

 でも、本当に、嫌われていたら……?

 

 嫌われる……イヤだ。

 

 嫌だ、イヤだ、イヤだ。

 

 私は……どうすれば……?

 

 

 

 ーーーーーーー

 

 

 

 秋の空には微々たる酸性雨と、人心を淀ませる暗雲が立ち込めている。

 司令官が不在の時は通常、司令官代理として司令官職を兼任できる者、そして階級序列的にその任を自動で継承される者、または司令官が指定した者に限られるが、その全てを満たす者は、この長崎警備府では一人しかいない。それがプリンツ・オイゲン参謀長である。

 

 執務室。

 

「ふ~んふふ~ん! ……あーあ、天候が悪いと艦娘は気分悪くなっちゃうんだよねー。ね? 村雨!」

 

「そうですね……」

 

「まぁ艦娘だけじゃないけどねー……シシードって雨になるとお腹痛くなるタイプだっけ? っていうか、村雨ダイジョウブ? なんか凄く落ち込んでるけど……」

 

「うん……っ」

 

 秘書艦席で俯く村雨の心情は正に、心ここに在らざれば視れども見えず。

 それでも淡々と仕事をこなす姿は素晴らしいと思ったベリングハム少佐は、空気を紛らわすために消えかかった会話を再着火させた。

 

「しかし残念です。CPT.SHISHIDOがこの場にいないなんて、私はどうしたらいいのでしょうか?」

 

「あの、なんでBellinghamがここに……?」

 

「遊びに来てくれたんだけどシシードがいなくて暇だから、ついでに仕事も手伝ってもらってるの! 執務室に上げちゃったけど、いいかな?」

 

「Meは大丈夫……だと思う、Prinz? 大丈夫だよね?」

 

「手伝ってくれてるんだから、もちろん大丈夫だよ! それと、私はオイゲンね?」

 

「ハァ……しょんぼりCPT.SHIHSIDOの尻に、MAGNUMぶちかましたいデース……ッ!」

 

 呟かれた言葉を一瞬理解できなかったが、三人がその言葉を聞き返すことはなかった。

 

 村雨、オイゲン、ベリングハム少佐の他には、ガンビア・ベイも執務に従事していた。ガンビア・ベイは戦闘を好まないが、ここ最近、宍戸司令官による第一艦隊との訓練方針で着々と自信を付けている。

 お世辞にも強力な空母と揶揄されるほどの性能は持ち合わせていないが、自信と、戦闘に出る恐怖を克服したと思う彼女の意を汲んだ司令官が、必要な自信と恐怖に打ち勝つ方法を精鋭の第一艦隊から伝授させる事に特化させた訓練は実となり、仲間との交流も増えた。

 

 日本語を勉強するために執務仕事を手伝っているらしいのだが、外国人の比率が高い部屋でそれは効率が悪いのではないかと、村雨は密かに思っていた。

 

「まぁいいでしょう。聞けば、卵を食べたと言うではありませんか。ちゃんと火が通ってなかったのではないでしょうか? もしそうなら、CAPTAINはSalmonellaにかかっている可能性もある……つまり……軍医が必要ということですね。私も一応Medicとしての経験はあるので、彼のもとに馳せ参じるとしましょうか……♂」

 

「駄目! いっちゃだめ! 今回は精神的なのかもしれないんだから!」

 

「離してくださいCDR.Eugen!! 私の愛を邪魔するのですか!? 私なら精神面でもケアが可能な万能軍医となれますよ!? SHISHIDO! SHISHIDO! 俺のTATSUKI♂♂♂!!!」

 

 英国生まれのアメリカ紳士が明日の方向へと飛んでいったと確信したガンビア・ベイは、気にする様子もなく整備工作班に渡す書類を村雨から受け取った。

 

「これをお願いします……」

 

「Understood!」

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 出撃所。

 

 整工班が仕事の合間に、ほんの一瞬だけでもその姿に見とれてしまう。

 それはどれほど嫉妬をされようと、女性として素晴らしい体型と美貌を持つガンビア・ベイの姿だった。白人というだけではなく、全体的に童顔で、保護欲が沸き立てられるあどけない表情の数々は、本国でも虜にしていった事に、彼女本人は気づいていない。

 

「これが資料、です」

 

「ありがとうガンビア・ベイ。今日は君の休暇だろう? 君も休まなくてもいいのかな?」

 

「いいえ、Gambier Bayも、なにか手伝える事があれば……で、でも難しい戦闘はあまり……無理かも」

 

「ハハハ、それは司令官次第だが、君の意見を無視するような事はしないと思うよ。執務室に戻るのかな? もし良ければ、こちらの書類も渡してきてほしいんだが……」

 

「Y-yes of course!」

 

 ガンビア・ベイはその書類を持ち、執務室へと駆けていく。

 しかし出入りする道は生憎の雨であり、可愛らしく「雨無理ー!」と叫びながら建物内に入っていく様は、整工班の一時の心の癒やしとなった。もちろん、彼女が癒やしを与えたのは整工班だけでなく、戦いから帰ってきた艦娘にも同様だった。

 

「相変わらず可愛いねぇ……ゴクゴクゴクゴクゴクぷはぁ~!」

 

「隼鷹、飲みすぎないでよ? ぶっ倒れでもしたら私が担がなきゃいけないんだから」

 

 出撃所のベンチに、タオルで自分の顔を拭きながら、ガンビア・ベイを見つめていた第一艦隊旗艦の飛鷹と隼鷹の二人は、一時の休息を味わっていた。

 

「だってこの雨だし、最近酒保の補充なかったじゃん。結構堪えてたんだよねぇ~……ゴクゴク、ぷはぁ~!」

 

「まぁいいわっ、次で最後だし。その後はゆっくりできる……あ、第五艦隊もお疲れ様」

 

「はい、第一艦隊のみなさんも、お疲れ様、です……」

 

 涼月率いる神風ファイブは第5艦隊である。

 妖艶な雰囲気を醸し出しながら、後ろで悶々としている整工班の男性たちの性欲を沸き立たせている彼女だが、これでも駆逐艦である。一回り小さい神風型を率いている軽巡のような立ち位置にも思えるが、すべて駆逐艦で揃えた編成のため、水雷戦隊ではないが、そう勘違いされることが多い。それを何処かもどかしいと、神風は感じている。

 

 彼女を含めて五人の和服少女は艦隊の戦力としては申し分ないものの、白露姉妹や、初霜の第四艦隊と比べれば練度も性能もイマイチ劣る事実も、序列的な劣等感を感じるはずだが……神風達が最も前線に出される機会が多いため、虎視眈々とその練度を上げ、艦隊全体の戦力の均一化が図られているが、彼女たちはそれに気づいていない。

 

「勝利してきた!? いいわね、私の訓練が実となったのね! 間宮もそろそろ前線に出てみたら? 勝つって気持ちがいいわよ!」

 

「わ、私はあまり前線に出れるタイプではないというか……この前の演習でも、少しやらかしちゃいましたから……」

 

 唐突に入ってきた足柄の自賛は共に来た間宮をも困惑させ、艦隊全員が苦笑いを浮かべている。

 しかしそんな所も嫌悪感を感じさせない可愛さを持つ足柄ーーというのがみんなの本心であり、何故結婚できないのかと更に頭を傾げさせる要因となるばかりだった。

 

「そんなことよりも、食堂で新しいスイーツを作ったんですけど……もし良ければ作戦が終わり次第、皆さんに味見してもらいたいのですけど……」

 

「「「わーい!」」」

 

 艦娘だけでなく、その場にいた全員が腕を上げて喜んだ。

 

 

 

 ーーーーーー

 

 

 

 食堂は間宮特製のクッキーが焼かれたとしてごった返すかと思われたが、それは仕事を終えた者へのご褒美であり、今日仕事がない者には必然的に優先権が与えられる。

 

「間宮さんの新作クッキー! やったー! ……あ、いやその……コホンっ! あ、ありがたく頂戴しますっ!」

 

「フフフッ、別にいいんだぞ三日月。私も嬉しい。甘味は最高だぁ……」

 

 食堂には菊月と三日月が相席して糖分の塊を味わっている。

 

 前に、甘い物を食べて可愛くなれるのは女の子の特権である、と足柄に述べられたことがある二人は、それを思い出しながら「食べて可愛くなるとはどういうことだろう?」という話題へと突入していく。

 

 足柄の真意は、甘い物に限らず、菊月や三日月のような見目麗しい女の子が美味しく何かを食べている姿は見る者を癒やすという意味だったが……。

 

「食べることを極めれば……丸くなり、可愛くなる……ということなのだろう」

 

「なに……!?」

 

 後ろから唐突に現れた若葉の言葉に驚く菊月。そして若葉に同行していた子日が同じくクッキーを片手に同席してくる。

 

「若葉、どういうことだ……?」

 

「簡単な事だ。要するに、太れば可愛くなる、そう言いたいのだろう」

 

「ど、どういう事ですか? 太れば可愛くなるって、男性の方はみんなそういうのが好みってことなんですか!? み、三日月も太れば、司令官も私を……いやいや! 大きくなるのは胸だけにしてほしいです!」

 

「あははっ! そんな都合よくいかないよ~! 大抵は~お腹だもんね~! それに、人って球状のものが可愛く見える心理があるから、太るのも案外いいかもしれないよ~?」

 

 子日が言った言葉を鵜呑みにしようとしていた三日月がクッキーをあと百枚ほど頼もうと立ち上がったが、菊月と若葉の牽制で座り直す。しかし立ち上がったり、座ったりする三日月は何かの天啓を得たように身体の関節を曲げ始めた。

 

「三日月の身体を球状にすればきっと三日月も可愛くなれるはずっ!」

 

「それ多分違うと思う~……」

 

「まぁいい……若葉、お前が初霜達といないのは、珍しいな」

 

「あぁ、実は部屋の模様替え、そして整理を初霜と初春がしたいらしくてな……そこで、第21駆逐隊、第四艦隊はやりたい派とやりたくない派に別れたんだ」

 

「なるほど……」

 

「でも、整理されるものの中には、若葉さんたちの物も含まれているんですよね? 任せちゃってもいいんですか? もしも取っておきたいものを捨てられたらと思うと……」

 

「予め捨てないでほしいものは分けてある。それに初霜はそういう所はしっかりしている、大丈夫だ」

 

「子日も特にないしね~! んん~おいしい~このクッキー!」

 

「とは言っても、定期的に初霜が部屋を掃除しているから、今日は大掃除と言ったところなんだ」

 

「「へぇ~」」

 

「この~日なんの日、今日~は何の日? お掃除の日だよぉ!」

 

「子日じゃないだと!?」

 

 

 

 ーーーーーーー

 

 

 

 警備府の廊下。

 行き来する士官は参謀部から整工班まで様々だが、比較的行き来の激しい場所を通らねばゴミ捨て場にたどり着けない自分たちの部屋の立地を憎む初霜と初春がいたが、道行く士官たちには愛想よく笑顔を振りまく初霜は、どう見ても童顔で身体的に幼さが残る体型だが、立派な大人な女性としての魅力を兼ね備えている。

 初霜自身は恋愛に興味がない様子だが、何時しか落としてみせようと思う男も少なくない。

 

『よ! 初霜ちゃん日曜日に俺とデートいかなーい!?』

 

「ごめんなさいっ! その日は訓練したいからっ!」

 

『初春ちゃんに初霜ちゃん! 俺と一緒に街に出ない? すごい面白いゲーセン見つけたんだけど!』

 

「すまんのう、初霜はあまりそういうのは好きじゃないんじゃ……無論、妾もなっ」

 

『宍戸司令官しらん? ちょっとエロエロな用事あるんだけど』

 

「「しらんわ」」

 

 ことごとく誘いを避ける初霜と初春だが、流石に持っている荷物の量と歩行距離が長ければ苛立ちも増えてくる。間宮特製のお菓子ができていることをまだ知らない二人だが、早く終わらせようと黙々とダンボール箱を運ぶ。

 

「あぁもう! なんで子日こんなにゴミが多いのよ!? 隠れてお菓子を食べるのは百歩譲っていいとしてもゴミぐらい捨ててほしいわ……」

 

「まぁその事は帰ってきた時に注意するとして……と、あまり急ぐと人にぶつかるぞえ?」

 

「心配ないわ! こ、これぐらいの荷物……!」

 

 初霜は、自分の目線以上に積んだダンボール箱のゴミにある、僅かな穴を頼りに運んでいたが、それが不用心であることは初春の目にも明らかであったが、往復する手間を考えてのことだったので黙認された。なので、ある程度は初春が誘導していたのだが、流石に曲がり角から来る人影を予測する事はできなかった。

 

「「きゃ!!」」

 

 衝突したが、倒れたのは初霜の方だけであった。

 初霜は転換が早く、すぐさま露わとなったパンツをスカートで隠したが、彼女の眼の前に居るのは艦娘だったので、少なくても男性に見られるほどの恥ずかしさはなかった。

 

 手を差し伸べてきた艦娘は、何処かで見たことのある艦娘だったが、なんとなく思い出せないでいた。しかし、この警備府の所属でないことは確かであった。その事に戸惑いながら、その一個艦隊編成の艦娘たちの……緑髪の艦娘の手を掴んだ。

 

「ごめんごめん! 大丈夫だった?」

 

「えぇ……その、あなたたちって、この警備府の所属じゃないわよね……?」

 

「うん! チーッス! 今日からここの艦隊でお世話になる鈴谷だよっ! こっちはクマのん、こっちは親潮でー、あとバリーでしょ? それから綾波と、ゴーヤ。よろしくねん!」

 

「鈴谷……あぁ! 宍戸提督の艦隊にいた……」

 

「ほう……これがのう……」

 

 初霜と初春は、自分たちのゴミ捨てもそっちのけで、鈴谷たちをマジマジ見る。

 これがあの鴨川要港部の前線艦隊として活躍した、攻撃型軽空母の鈴谷と熊野……そしてそれを支えた要港部のみなさん、というイメージで、現実の彼女たちを一緒に照らし合わせながら、徐々に現実感を帯びていく。

 

「失礼ですが、宍戸さんが何処にいらっしゃるのかご存知かしら? 挨拶にいかないといけないので……」

 

「司令……元気かなぁ……ふふふっ」

 

 それぞれの思惑を抱えた元部下である6人が、斎藤長官の人事により彼のもとに集結したという知らせはまだ彼のもとには届いていない。

 

「え、でも新しい艦娘が着任するなんて提督は一言も……」

 

「サプライズでっち! 宍戸大佐はゴーヤ達と会うのを楽しみにしてるから、サプライズにしたいって親潮と鈴谷と熊野が直接海軍大臣さんにお願いしたでち!」

 

「サプライズついでに、宍戸さんに男色への啓蒙をしたいと思っていたのですが、来る前にとりあげられちゃって残念ですぅ……」

 

「当たり前でしょ……まぁそれはともかく、今日は休日だと聞いているから、ここには居ないんじゃない?」

 

「えっと、宍戸提督なら部屋に……」

 

「よし、じゃあそこにいっちゃおー! 宍戸っち、絶対みんなの前でかっこつけてたでしょ!? 実はね? 宍戸っちって、鈴谷たちがいないと、夜泣いちゃうんだよ~? それに、鈴谷の事が好きすぎて~一緒にいないと何にもヤル気が起きないんだよねぇ~! ふひひっ!」

 

「鈴谷さん! 司令の悪口を言わないでください! 張り倒しますよ!?」

 

「親潮さん、それは乱暴な気が……って、あれは……?」

 

 鈴谷と親潮、そしてその他の艦娘が注目したのは、腕を組みながら項垂れる宍戸司令官の姿だった。

 

「え、ちょ、やだっ! 急に来ちゃう感じっ? もう宍戸っちってば、鈴谷に会いたいからってセンサーでも付けちゃってるの……っ? も、もう、しょうがないんだからぁ~あははっ! 鈴谷のこと好きすぎぃ~!」

 

「ゴーヤさん綾波さん夕張さん!? 親潮のお化粧大丈夫ですよね!? ちゃんと可愛く成れてますか!? 今度こそ落とせますか!?」

 

「「「お、落とせる落とせる……って、あれ?」」」

 

 鈴谷たちは大きく目を見開きながら髪の毛のチェックをしたり、顔の化粧のチェックなどを再確認したのだが……宍戸司令官は至近距離の艦娘にも目を触れず、腕を組んで俯いたままの状態で、彼女たちの目の前にあった男性用トイレへと足を踏み入れた。

 

 


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