そう、あれはファミリーと会話に華を咲かせていた時だった。
「それでですね〜?イタぁーリアのピッツァ!はとても美味しくてぇ〜日本のあれも美味しいのですけどぉ〜、故郷も味が〜〜」
「へぇ〜そうなんですか〜」
「日本のアレは美味しいけど、手作り感がないのよね。母なる味を噛みしめるには、母なる人々による、母なるレシピ、そして母なる素材によって作られる事で本当の美味しさが楽しめるのよ」
「へぇ〜なるほど、へぇ〜」
「そうなんですっ。あ、でも日本のアレも美味しくて、リットリオは好きですっ」
「リベも大好きー!」
「へぇ〜それはどうも、へぇ〜なるほど〜」
「ポーラも白ワインを飲んでピッツァを食べるのはとぉーっても好きでーす!」
「へぇ〜なるほどなるほど!へぇ〜へぇ〜へぇ〜!満へぇ。あとポーラさんのは没収ですね」
なに昼間っから飲んでるんだ、酒保だって無制限にワインを備蓄できるわけじゃないんだぞ?自分で作ったワインだったら別にいいけど……いや、それ全然良くないから。結構重いタイプの犯罪だから。
アブねぇ、イタリアンファミリーのおっとりした雰囲気からなるピザ……じゃなくて、ピッツァ!の話題に流されて色々と緩くなってきやがる。
今の俺なら、小学生時代に手に持っていたマシュマロを奪い取ったクソザコナメクジを許せるかもしれない。
あ、思い出したらやっぱり許せねぇわ。もしも会うことがあるとしたら、助走からの顔面ドロップキック確定だな。
『た、大変ですぅ〜!!』
「おぉ、どうしたんですか!?そんなに走ると危ないですよ!?」
ザラさんがその胸部装甲をこれでもかってぐらいに揺らしながら全力疾走してきた。後から遅れるようにして、経理少尉や憲兵達も一緒に出てきた。
「そ、それどころじゃないんです!ハァ……ハァ……!」
「大丈夫〜Zara〜?」
「息切れしてるみたいなんで代わりに野郎共が説明してくれませんか?」
「ハッ!たった今深海棲艦の群れを発見し、安芸灘と瀬戸内方面から迫っている様子ッ!!」
「直ちに防衛体制の準備を初めて下さいッ!!」
「「「な、なんだってー!?」」」
ー執務室。
「あーどうしようどうしよう!!」
「落ち着いて下さいよ荒木提督。防衛戦は幾度か経験済みでしょう?自分は初体験ですが」
「……〜〜!」
「ん?どうかしましたかザラさん?」
「い、いいえ!なんでもないです……」
今の会話で、頬を赤らめるような内容は含まれていただろうか?いや、ない。
と思ったやつが殆どだろう。だが俺は知っている……ザラさんがネットで同人誌タイトル『海軍実録〜漢達の攻防戦♂〜』を興味津々な感じで見ていた事を。
それから導き出される答えは一つ……彼女は俺たちの会話から、その磨き上げた想像力(腐)で、鎮守府泊地の存亡をかけた海戦が始まろうとしている最中にまさかの801とは……ザラさんはムッツリ質ですねぇ!
「えぇ〜と……サラたちはどうすればよいのでしょうか?」
「えぇっと!こ、こういう時どうするんだっけ?」
提督は慌ただしく、浮かび上がるのかもわからない打開策を考えているようだが、敵艦が鎮守府に向かって接近している時の対処なんて出撃しかねぇだろ。
こういう時、鎮守府全体が協力してやらなければならない事は大まかにーーまず敵艦情報を手に入れてそれと並行して出撃準備、状況を見て作戦を立てる、皆に編成と作戦内容を伝えて出撃させる。
もし敵の進行スピードが早かったり、直ぐそこまで迫ってたら出撃を最優先する形を取る。
「これはもうsortieするしかないでしょ!Lets go!」
「待ちなさいよメリケン、敵艦隊はまだそこまで迫ってないわ。少し様子を見てそこから作戦を練るのが得策よ」
「ジャーマンシップは臆病風に吹かれたようね!最強戦艦ことこのMeが、戦艦たる由縁を教えてあげるわ!」
「脳味噌分けないと少しは落ち着いていられないのかしらァ!?」
深海棲艦はまだ遠くにいるし、別にスクランブル発進の必要はない。だが、きちんとした計画なんてこの外国艦連中に必要なのか疑問に思う。これが順序でありルールなんだから仕方がないけど。
安芸灘方面から約20隻と瀬戸内から約20隻。エリート艦がいるらしく、結構早いスピードでこっちに来てる。合計40隻は、かなり数だ。しかもいっぺんに来てるとなれば最早大規模作戦レベルだ。
呉の前を陣取る俺たちは一早く索敵できたが、今頃はあっちの方も敵艦隊に気づいてるはず。既に呉には最新の情報を入れた為、呉鎮守府も出撃準備は出来てると思う。
鎮守府自体を防衛するために数名ほど艦娘を残す必要があるんだけど……呉の進行ルート的に防衛組は必要ないだろう。
「直ちに第一艦隊として旗艦アイオワ、アクィラ、リベッチオ、ウォースパイト、リットリオとローマを……第二艦隊では旗艦ビスマルク、U-511、ガングート、サラトガ、グラーフ、ポーラを編成し、それぞれに安芸灘と瀬戸内方面への出撃を補佐官として進言しますッ!」
「え、それじゃあ柱島の戦力殆どガラ空きじゃ……って言うかもう少し作戦考えてからでも……」
「そうよそうよ!しかもよりにもよってこのアメリカニッヒに賛成するの!?」
「即出撃って点では賛成ですけど作戦があるんですって!なので提督、ご決断を!」
「んん〜……確かに何時までもクヨクヨしてられないか。じゃあ宍戸少佐が言ってくれた通りの編成で直ちに出撃されタシ!作戦は追って伝える!」
「「「ハッ!!!」」」
こんな柱島鎮守府の艦娘でも、軍人特有のお固い敬礼はできる模様。
とても立派な敬礼をして即座に執務室を後にし、残された提督とザラさんと俺で司令塔となる準備を行う。提督には整備工作班にスクランブル出撃を行う事を伝えるように指示して、ザラさんには無線やマップの準備を行わせて、俺もその他に必要な事を自分でやる。
提督と秘書艦に平気で指示している俺は最早この鎮守府の統率者と言われてもいいと思う。
憲兵兼警備兵達、経理科の連中、整備工作班も築いた交流関係のお陰で最早この鎮守府は俺の手中にある……この鎮守府を使って、日本海軍にクーデターを起こすッ!みたいな展開結構見たことあるけど、大抵は中世か魔法の世界の話になる。
通信機器が出て、プロジェクターからのマップも表示完了。マッピングはFPSゲームほどリアルタイムには映してくれないし、少しズレてたりして精度は今ひとつ覚束ない所もあるけど、大抵は大丈夫だ。交戦すんのは艦娘だし。
……これで司令塔の準備は整った。まずは第一艦隊第二艦隊に分けた奴らをそれぞれ安芸灘と瀬戸内方面に行かせて、敵艦を発見して空母がいるとしたら航空戦力をできるだけ削る。そして後退しながら呉艦隊と合流する形でクロスファイアー。
速攻で攻撃して、民間エリアに近づかないように誘導する事で迅速かつ最小限の被害で留める。
という作戦を取りたいのだが、これが映画みたいに上手く行かないんだよ。指揮官が試されるのは、部下の精練度を含んだ常日頃からの準備と、指揮のタイミング、そして的確な司令を出してなるべく混乱を起こさないようにする能力だ。
無謀な作戦でも、これらが揃ってれば大体うまく行くって事を習った。
本当は凄く無謀な作戦で、柱島艦隊を崖っぷちの状況まで追い込んだ方が本領を発揮するとは思うけど、そんな独裁者みたいな事はしない。俺が提督の立場だったらどうするかを、今できる最善の策で切り抜いていく。
「まずは情報を最優先して索敵から初めさせ、整備工作班には予め艦載機が無くなるので補充の準備をする事を指示してくださいザラさんと提督。自分は佐伯湾泊地にも援軍要請を送ってみます」
「はい!」
「わ、分かった……」
「あとザラさん、両艦隊には砲雷撃戦が始まる前に必ず撤退するように念を押して下さい」
「分かりました!」
『第一艦隊、Enemyの反応をCaptureしたわ!作戦通りAirforceを使うわね!』
当たり前だが命令無視はしないらしい。
ビスマルク率いる第二艦隊も同じく敵艦隊を発見し、空母が二隻いるからか若干優勢を誇っているらしい。20隻に対してこれって事は敵航空戦力は大したことが無いのか?
早急な結論だがその情報を佐伯湾泊地にも伝えて、既に伝わっているかもしれないが呉第二鎮守府にも援軍要請を出そう。
「こちら柱島泊地、現在約20隻以上の敵連合艦隊が安芸灘、瀬戸内から来ているのでーー」
『あ、あぁ。し、知ってる……あぁ、すぐに援軍を、うっ、で、出そう……』
「……?ご助力感謝します?」
『あ、あぁ……お、おおぉおぉぉお!そのバキュームゥ腰浮いちゃうゥ!腰浮いちゃうゥゥ!!』
「…………」
彼は仕事を満喫している様子だ。
よし、気持ち切り替えてマップを見よう。俺の指示通り、順調なまでに後退しながら艦隊かなりいいタイミングで呉艦隊と合流を果たせそうだ。
突然横からの強襲はどんな戦いにでも役に立つはず。
「両艦隊、呉艦隊を確認できたようです!」
「じゃあ宍戸少佐の作戦通りに砲雷撃戦開始……でいいのかな?」
「はい。念のため再出撃及び補給の準備をするようにと整備工作班にお伝え下さい。自分は大本営に送る本作戦内容の説明文等を予めしておきますので」
「う、うん、分かった……始めていいよ!」
『『『Gooootoheeeell!!』』』
しかし流石は呉の艦隊、柱島に負けずとも劣らぬ練度で敵を蹴散らしていく様は正に精鋭。横から攻撃してるからか敵艦隊の減り方が凄い。チート使ったシミュレーションゲー厶みたいだ。
砲雷撃の末に敵艦が壊滅状態なり、それらは全部瀬戸海へと逃げていったらしい。海軍側の被害は小破数隻とかなりいい感じに撃退できた。
「け、結構あっさり終わったね……」
「寧ろこれぐらい早く撃退を可能としなければ駄目です。今回は特に他鎮守府への援軍を頼んだお陰で、大艦隊の速攻撃破が可能となった訳ですが、いつもこれほど円滑に事が進むとは限りません」
つまり、俺様の対処がマジ神ってるから崇メロン的意味だ。大本営にレポート送って〜書類整理して〜それからそれから部屋に帰って寝る!今日のプランはこれで決まりだな。
「だよね……うん……」
「あ、て、提督!宍戸さん!大変です!伊予灘から凄くいっぱい敵が来ているみたいなんです!」
「「え?」」
……終わりちゃうん?
『こちら佐伯湾泊地!無力ながら我々の艦隊は撃破された!約25隻ほどの艦隊がそちらに迫ってるぞ!!その約半数はエリートだ!!』
「え、えぇ!?ど、どうしようどうしよう!?」
「ど、どうしましょう……!」
『Huh?なにが起こってるの!?』
……ヤヴァイ、予想してなかった。
佐伯湾の援軍が妙に遅れていたと思ったらそのせい?まだ距離はあるけど確実にこちらに迫ってると……そして強いって事か。
どうする?地域に被害が及ぶ可能性があっても、準備時間を取って艦隊を一度戻して補給と艤装の修理をした方がいいか?それともこのまま向かわせるか……佐伯湾艦隊を撃退したエリート艦隊は相当強い。足止めをする意味もあまり意味を成さないだろう……しかも考える時間はない……どうすればいいんだ?
「し、宍戸少佐!ど、どうすれば!」
「宍戸さん!どうすればいいんですか!」
「え、あ、ど、どうしましょうかね……」
「そ、それじゃあ困るよ!ザラや僕だって君に掛けてたんだから!ね?ザラ!」
「そうですそうです!!今更丸投げなんて酷いです!」
なんだこれ、まるで俺が悪いみたいに……いや、確かに指揮を取ったのは俺だけど。
そして罵倒とも思える艦娘達のセリフ耳に入る。
『そうよそうよ!それともMe達を指揮しておいて弄んでたって言うの!?』
『まったく度し難い人ね!』
『最低ー!』
『少佐のくせに偉そうにするからよ……』
「し、宍戸少佐、ど、どうするつもりだい!?」
……大人げないとは思うけど、少しちょっとヤケクソになった。
「……じゃあそのエリートなんちゃらに柱島艦隊の総力を突っ込ませろよォオラァ!!はよせいやザラ公テメェヨォ!!?」
「あ、は、はいぃぃぃ!!」
「さっき倒した残党は呉第一に任せて、机下でフ○ラさせてたせいで作戦に間に合わんかったクソチ○カス呉第二チ○チン鎮守府に、さっさと追いつかねぇとブッ殺すって大佐から直々に言ってやれヨォコラァ!!」
「は、はひいィィィ!!!」
「オラ聞こえたか柱島艦隊の皆さんヨォォ!?さっさと向かって倒さねぇとテメェ等が帰ってきてから一人ずつ尻が富士リンゴみてェになるまで魚雷使ってケツバットするぞコラァァァ!!」
『『『S,SIR YES SIRrrr!!!』』』
ハァ……ハァ……これぐらい許せ、指揮官は時に心を鬼にして部下と接しなければならないのだ。
話し終わった後でポケットからピピピ音が鳴り、ボルテージの上がったテンションのまま通話ボタンを押す。
「あぁん!?もしもしィ!?」
『あ、宍戸くん?僕やっぱりスパナよりケーキの方がいいなっ!』
「クタバレェ!!」
なんでこんな時に電話入れてくるんだ時雨ェ!?テメェもケツバットの餌食になりてぇのか!?
クソこのままじゃ埒が明かねぇ!!俺が直々に指揮して敵艦隊ブッ潰すッ!!
「今夜はパーティーだぜぇ〜!?素敵なパーティーぶっかますぜ〜!?ホラ直接海戦の指揮するからマイク貸せぇ!!今日の俺様はァとことんバトルジャンキータイムだぜェイヤッッハァァー!!!」
『おおお!柱島泊地は凄く強いかも!秋津洲達が居たときより倍強くなってるかも!』
『いやあれは強くなってると言うよりかは、戦闘スタイルが変わっているな……』
『たとえばどんな風にですかぁ?』
『そうだな……戦略シミュレーションゲームにおけるAIがプレイヤーに変わった感じだな。あの様子であれば呉第二鎮守府の援軍は必要ないだろうが、一応作戦は継続させておこう』
『はいっ!あ、お二人共お茶のおかわりはどうですかぁ?』
『頂こう』
『秋津洲頂くかも!』
ー柱島、食堂。
「本当に……本当に申し訳ありませんでした」
「い、いやもう土下座はいいから!大丈夫だから!みんなもそう思うよね!?」
「WOW!これがニポーンのDOGEZA!素晴らしいわ!写メ写メ……」
撮るな。と言いたいが、流石に暴走し過ぎたのは弁護できない。食堂にて精一杯の謝罪を日本の伝統文化であるDOGEZAで誠意を表す。
このJapanese DOGEZAにアイオワさんみたいに写メを撮るものもいれば、ビスマルクさんやグラーフさんみたいにもう結構だと慈悲を見せる者もいる。
作戦は、柱島だけでエリート艦隊を倒すと言う誉れ高き快挙を成し遂げた。近隣地域への被害は最小限に留められたのも、何時もながら柱島の迅速な行動あってのことだと大本営の荒木大将から直々に褒め言葉を貰った。
書類処理がまだ残っているこの頃、俺は作戦時の非礼を詫びるために、こうして身体を張り、その意を示す。
「本当に申し訳ありませんでした」
「いいのいいの!それにシシードが最後に指揮をしてくれたからこそ私達は勝てたのよ?」
「ビスマルクの言う通りだ。私はむしろ、貴様の指揮力を提督に分けてやりたいと思ったぐらいだぞ」
「が、ガックシ……」
「ガングートさん……ビスマルクさん……!」
あれ程の失態を犯してしまった俺に、これほど慈悲深くなれるものだろうか?いや、普通の鎮守府だったら悪即斬、俺は死んでいたかもしれない。
俺は海戦指揮でうまくエリート艦隊を撃破した功績を荒木提督に評価してもらい、海軍大学校提督育成プログラムの生徒が華麗な指揮力にて最高の結果を出したと、期待以上且つ予想外な成果で一躍このプログラム自体が脚光を浴びるようになった。
指揮能力の高い将校を育成するプログラム、海軍大学校の生徒以上に優秀なエリート育成、日本海軍の将来を担うべき者達……このプログラムを提案し、設立した荒木大将は海軍内部での評判が更に高まったと言われている。ついでに柱島の株もかなり上がったとかなんとか提督から聞いた。
そして、数ヶ月に及ぶ柱島での補佐官仕事は満了し、その後また別の鎮守府で提督の傍らで指揮官のなんたるかを学ぶ。
柱島の荒木提督よりかは余程提督としての心構えや、管理と放任の差、部下の使い方など最もらしい事を勉強できたが、柱島の方が色々な事を学んだ気がする……柱島でやった実務は勿論のこと、防衛戦での活躍が認められて、俺はその名を人並みに轟かせている。
しかし俺は本当の自分と向き合わなければいけない。巷で騒がれている過去の栄光や成功は、俺にとっては同時に失態である事に。
結果的には良かったが、これは運による勝利なのだ。寛容な仲間、慈悲深き提督に出会えたからこそ、俺はこうして今でも提督としての教育を受けられるのだ。
ラッキーだったと高をくくらず、寧ろ今後はこれ以上の成果を上げれるように尽力するべきだと、俺は常日頃からその意を仕事へ費やしている。
海軍大学校の論文、そして並行して多分書かされる事になる卒業論文も含めて色々と模索しながら、俺が最後に辿り着いた鎮守府で提督としてイロハを学び続けている。
そう、舞鶴所属時の俺の提督だった蘇我少将の元で。
「なるほど、それがあの瀬戸内海防衛戦の真実だったのか……しかし、それはまた凄い事をしたね。あれ以来、柱島の株は大いに上がったらしいのだが……いやぁ、元上司としてはかなり鼻が高いよ!」
「すいません」
「いや、褒めているんだが……」
「提督に宍戸さん、お茶のおかわりはいかがですかっ?」
「あぁいただくよ、ありがとう古鷹」
「すいません」
「し、宍戸さん、大丈夫ですか?」
「すいません」
「ハッハッハ!素直に謝れるのは若い内か、老いを知ったときだけだよ。ハッハッハ!」
「はいすいません」
下手したら元上司と言うことで、提督の顔に泥を塗りかねなかった俺は、執務を手伝いながら謝り続けた。