整備工作兵が提督になるまで   作:らーらん

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最初の大きな戦闘

 

 なんて言ってる場合じゃねぇだろ!?

 

 また大規模な数の深海棲艦!?なんで俺の所ばっかり来るんだよォ!?

 いや、大丈夫だ。俺は大規模艦隊と戦った経験のある、言わば強くてニューゲーム派提督なんだ……って、敵も開始ハードモードじゃねぇか。

 

 俺たちは艦娘の海軍要塞では最弱の要港部であり、物量にまかせて勝利を刻む鎮守府の艦隊とは違って、少数で敵を撃退する必要がある。

 まだ正確な数は分からないが、予想だと合計30隻以上かもしれない。俺たちだけでこの状況をなんとかするなんて、無理ゲーにも程がある。

 

 敵前逃亡も銃殺刑、少数艦隊での玉砕は必須……この日本軍において、人道の二文字は存在しないのかァ……!

 

 というのは、全て昔の話である。

 

 俺たちの主な役目をざっくり説明すると、小さな深海棲艦は自分達で撃退、そして大きな艦隊が来れば鎮守府から応援を呼ぶ。

 さっき村雨ちゃんが可愛い声でやったように、俺たちを管轄する立場にある横須賀鎮守府へすぐ大規模艦隊見ユの電報を入れるのが規則である。

 これが連動して空軍基地、陸軍のレスキュー隊まで行って、最終的には番組放送とかで避難要請や警報を発令し、国民に必要な情報を与えるんだ。

 

 ……今日はもう上がっていい予定だったのに、深海棲艦がどこからとも無く現れたせいで、ここは今執務室と言うなの緊急会議へと変態を遂げる。

 

 俺が執務室にあるパソコンを使って、村雨ちゃんの隣でX動画sを見て変態的な優越感に浸ろうとした計画も、深海棲艦様のお陰でこのザマである。

 非番だった鈴熊、上がろうとしていた夕張、そして経理科や軍医部など各種のリーダーを取り揃えての作戦樹立を図る俺……理不尽だけど、国民を守る使命を背負う俺たちの一挙手一投足が、平穏に暮らす人々の命と安全を守ってるんだから仕方がない。

 

「作戦はどうなさいますか、宍戸司令官?」

 

「経理部の自分が言うのもなんですが、もう少し敵艦隊の情報を待ってもいいのではないでしょうか?」

 

「いや、経理部の言うとおりだ。本来それが海軍のマニュアルなんだよな……でも、早く動く準備は整えておいた方がいい」

 

 実際の進行方向が予想と違ってたり、敵艦隊規模が小さかったりすると、折角立てた作戦が最悪パーになるからな。

 一応作戦中に作戦内容を変えたりもできるけど、じっくり立てたプランの場合は大きな混乱を招いたりするので基本的には禁じ手である。陸ではプランEまで作るのが鉄則らしいけど海軍では違うからな。

 現在進行中なのに、企画内容をコロコロ変えるお偉いさんとか……想像しただけで暗殺したくなる。

 

「深海棲艦が、来たゾ」

 

「なにクレヨンし○ちゃんのタイトルコールみたいに言ってんだお前。つーか余裕すぎだろォお前!?大規模艦隊来てんだぞこっちにッ!?」

 

「ふーんそうなんだー、僕はもう定時だから、作戦に参加しなくてもいいんだよねっ!」

 

「シグレチャンデナクチャダメシグレチャンデナクチャダメシグレチャンデナクチャダメシグレチャンシグレチャンシグレチャンッ」

 

「ごめんごめんって!冗談だから!それ凄く気持ち悪いから!それにリラックスしてないとできることもできないでしょ!」

 

 みんな平然と冷静を装ってるけど、当然ながら緊張もしている。ジョークを言うことで、みんなの肝を解そうとしたんだろう、俺のストレスゲージと引き換えに。

 

「ん〜でもさぁ、鈴谷達は作戦なんて考えなくてもいーんじゃない?もうこっちに来てるってジョーホーはおっきな鎮守府に渡してるンしょ?」

 

「鈴谷の言うとおりだ。でもある程度行動を固めておかないといざって時に柔軟に動けなくなるからな」

 

 と言うなの、俺はできる男ですアピールだ。新人なのにこんな非常事態を巧みに指揮してるなんて、うわぁ〜今からでもこの有能君を将軍にしたい!って思わせたい気持ちは誰にでもある。その行動力があるかどうかの話なんだが。

 軍人としてなんたる心構えかァ!?と言われかねないけどさ……正直、軍人になった理由聞かれて、この大海原と日本国民を守る事です!なんてガチで思ってる奴が一人でも居たらスゲーと思うぞ。

 とりあえず、定年まで仕事頑張れるようなやつを採用してるからな。

 

「銚子要港部より通達!敵の艦隊総数は34隻らしいです!横須賀方面……つまり、こちらに向かっているらしいです!」

 

「ありがとう村雨ちゃん。よしッ、お前ら逃げる準備はいいな!」

 

「「「司令官!?」」」

 

「なに馬鹿なこと言ってるんだい君は!?敵前逃亡だよそれッ!?昔だったら銃殺刑だよ!?」

 

「それ陸軍の話だし……だってあんなバカデカイ艦隊相手に何ができるんだよ?俺たちの戦力は指で数えられるんだぞ?まるで、ソビエト相手にしてる気分だぜ」

 

「相手にしたことないくせに……」

 

 うるさい、そんなに言うんだったらテメェが変わりに指揮しろ。俺は逃げるぞ。

 

「頼むから作戦考えて〜!も、もしも、いい作戦を立ててくれたら……す、鈴谷の胸、揉ませてあげるからさ……」

 

「鈴谷君……俺を誰だと思ってるんだい?その手に何回も何回も何ッッッ回も騙されてきたこの司令官さんが、そんな安直なハニートラップには引っかかるとでも思っていたのかね?恥を知りなさい!」

 

 鈴谷、俺はお前の甲板ニーソに釣られた事がある。その時の騙された感、今でも昨日の事のように覚えてるぞ。

 それに、今の俺様はこの鴨川要港部の司令官様だぞ?JCは雌の顔を作り、JKは無意識にスカートを上げ、JDは出会って30秒で股を開く、そんな神人間司令官様サマsummerだ。メス豚をはべらせるなんてちょちょいのちょいやで?おぞましい脅迫をされない限りは動かんぜよ。

 

「じゃあ作戦立てなかったら、日本中のゲイに宍戸司令官の名前とかお電話番号をポスターで晒して、『僕のお尻を可愛がってくれるケツアナ精○フロート製造員募集中!』って書いて肉体及び社会的制裁を受けてもらうからっ」

 

「では君たち、今から言う作戦を頭に入れてくれ」

 

「はぁっ!?鈴谷の時と比べて切り替え早すぎでしょ!?」

 

 

 

 ー執務室。

 

 逃げるなんて冗談だったんのに、時雨本気にしちゃうんだもん。つーかお前も笑えない冗談言ってただろうがァ、何が非番だから参加しねぇだ殺すぞ。

 

「じゃあ鈴谷艦隊と春雨艦隊、頼んだぞ!」

 

『ウィーっす!』

『はい!いってきます!』

 

「聞こえますか蘇我提督?これより鴨川両艦隊は戦闘海域に入ります」

 

『了解だ。期待してるぞ』

 

 横須賀は第三、第四鎮守府を筆頭に大洗や銚子との連携して、他の所でバトってる第一艦隊が来るまでに阻止、或いは撃破するのが目的である。

 作戦は俺が考えたものじゃないけど、戦術的な指南ならできる。後は鈴谷たちの武運を祈るしかない。

 

 まだ艦隊は近くにいるので、俺自身で注意事項を説いておく。

 

「聞こえる艦隊のみんな?ちゃんと迂回して、クロスファイアー陣形が決まるようにしてな!」

 

『聞こえてるって!何回同じこと言うのバカなの!?』

 

「大事な事なので二百回言いましたァってェヤツだよォ!あと撤退と攻撃を二つの艦隊で交互にするの、ゼェェッタイに!忘れないでね!難しいかもしれないけど、これはとぉ〜っても重要な戦い方だからな!?」

 

『何時も練習してたヒットアンドアウェイ戦法ってヤツでしょ?説明するときに僕のほうがうまかったよね?』

 

『あー確かにシグシグの説明の仕方の方がアタマに入ったかもー!教えるのうまいよね!』

 

「チッ……さっきからチャチャ入れやがってテメェ……」

 

 日頃からの訓練鍛錬は戦場では結果となる。二つの艦隊を別の方向から使ったヒットアンドアウェイ戦法……俺が艦隊に練習させてた戦術の一つだけど、流石に大きな艦隊だと難しいか?

 人が相手だったら心理を突く、バケモノ相手だったら戦術で補う。後は気合と、隙あらばこちらの被害が最小限になるように仕向ければいいだけだ。

 

 要は早く他の要港部が来てくればいいんだけど、敵艦隊と交戦中?とか言ってるから、ダメ?らしいんだよね。肝心な時に駄目になるとか陰謀を感じざるを得ない。

 

「あっ、宍戸さん!鈴谷さんの艦隊が敵艦隊を察知したらしいです!」

 

「え、もう!?」

 

「はい!敵は連合艦隊編成の機動部隊が二個艦隊で、合計24隻らしいです!」

 

 村雨ちゃんが教えてくれた通りであれば24隻は固まってるのか?……見つけるの早ェぇ……それにすぐ見つかったって事は、すげー近いってことだ。そして後の一個連合艦隊は、予想だけど大洗方面へ向かったって事でいいのか?

 

 大洗の通信を受け、その予想が当たっていた事が確定する。

 

『こちら大洗要港部の結城!こっちにいるのって、そっちに向かった連合艦隊から分立して来ている様子なんだ!予想外の強さに手こずっているゾ!!なんてハードモードだコリャ!?』

 

「そうなんだぁァ!?そっちは十隻程度なのにこっちは24隻居てるんですよ結城司令官!?さっさと倒して俺の艦隊と血祭りキリングタイム入りましょうヨォ!?」

 

『お、宍戸じゃんか!お前のそっちの提督だったんだな!ヤッホォォーゥ!』

 

 あそこの管轄は結城だったのか……じゃあ大洗要港部は役に立たない。

 よし、鈴谷の艦隊は既に艦載機同士のジャブと言うなの開幕航空攻撃が済んだみたいだし、そろそろ近づいて砲雷撃戦準備辺りか。

 

 海軍大学校で学んだ艦隊同士の主な海戦の流れは、艦隊が敵を察知して、近づいて行きながらドカドカ撃ちまくる。

 近づけば近づくほど命中率も上がるし、攻撃手段も増える。仕上げの高火力最終兵器酸素魚雷を撃てる段階まで来ると、ある程度は勝敗が決まっている。なので接近は諸刃の剣であり、危険が伴う。

 だから艦船本体にダメージを受けることなく一方的な攻撃を可能とする空母を重宝するのだが、艦載機がない空母は海に浮かぶただの浮遊物なので、艦載機の残りには気をつけたほうがいい。今のうちに整備工作班へ補充の準備を勧めておくか。

 

「ど、どうしましょう!?守りが固くて近づけないみたいなんです!」

 

「焦らない焦らない。まずは俺様が考えた超必殺技、遠距離鶴翼包囲殲滅クロスファイアー陣形でーー」

 

「あ、す、鈴谷さんが小破!陽炎が小破です!」

 

「な、なにィッ!?」

 

「敵は輪形陣で、こちらの集中砲火から空母を防御しているとの事です!」

 

「クッ……」

 

 なるほど、鈴谷艦隊には6人しかいないのに対して深海棲艦は24隻ですか。だから数合わせるために鎮守府の本隊を待つのがセオリーなんだよな。いや、既に近海付近にいるとは露知らず交戦を許可したのが誤りなのかも知れない。

 俺たちが撤退したらこの地域そのものが損害を受ける可能性を常に懸念するべきであり、海軍が定めた通りの行動だが、そのせいで艦隊が危険に見舞われている。

 

 やっぱり俺が最初に提案した『逃げるが勝ち』が最善の作戦だったのかな?

 ほら、だから言ったじゃん。会議をする時、最初辺りにで出てくる案が一番いいって。

 

 鈴谷と熊野は既に艦載機を多数損失し、小破した艦娘も出してる。弾薬と燃料はまだ全然有り余ってるはずだけど、輪形陣に対して鶴翼の陣と言う現在できる最善を尽くしている今、俺がやれることはただ祈るのみ、か。

 

 フッ……まるで将棋だな。

 

「た、大変です!!綾波が小破!続いて不知火は中破だそうです!!」

 

 ……あ〜でもこれってそういう事か。これは正に、ヤバイパターンだ。

 

「撤退」

 

「えっ?」

 

「じゃあ全軍撤退ィ!!そんなヤバイの相手にしてられっかよォ!?撤退撤退ィ!あ、でも真っ直ぐ南に向かって撤退してェ!」

 

「は、はい!」

 

 村雨ちゃんが艦隊へと命令を入れると、時雨から「じゃあ今までの作戦云々は何だったの!?」と返ってきたらしい。

 知るかッ。ゲームみたいにうまく行かなかったんだから、こうするしかないじゃん!!

 

 ただし、逃げるのはこの要港部じゃなく、要港部を通り過ぎて南の海域へ戦略的撤退をさせる。そうする事で、俺たちの本質的な役目である『深海棲艦を陸に近づけない』が実現できる。

 それにこちらに逃げてきても、戦闘員の居ない要港部へと敵を誘導するだけなので、海軍が定めたマニュアルには従ってる。

 そして現在ガチで助けが必要なので、他の鎮守府や要港部へ連絡して要請、及び正確な現在地を貰う。何で遅れてんだ?と聞いたら東京付近の敵に手こずっているらしい。

 

「あっ、春雨の艦隊が合流したようです!側面をうまく取れたので、砲雷撃戦を開始しますとの事です!」

 

「よし!よくやった春雨ちゃん!これはボーナス案件だぞォ!」

 

『ありがとうございますっ!』

 

 春雨ちゃんの艦隊を計画的に遅らせながら合流させる事で、より効率的な側面砲撃を行える……が、第一艦隊が既に負傷しているため、結果として思った以上の打撃は与えられずに、仲良く一緒に撤退する事となった。

 数自体は減らせたらしいが、艤装の消耗も結構激しい。次の作を練らなければ……ん?今、春雨ちゃんの声が、頭の中に直接……?

 

「ど、どどどどどどうすれば!!」

 

「こういう場合は全力で逃げるしかないよ村雨ちゃん!ノット自体はそこまで早くないんでしょ?だったらドンドンドンドン南下して!」

 

「み、南の方に何があるんですか!?」

 

 それはね……お、通信が入った。

 

『こちら横須賀第一鎮守府。宿毛湾泊地及び鴨川要港部への援護を行う』

 

「こちら鴨川了解!ありがとうございます!!!」

 

「し、宍戸さん?ね、姉さんたちは……」

 

「助かった……」

 

「え、えっ?」

 

 村雨ちゃんは混乱している様子だけど、横須賀第一鎮守府の艦隊の居場所は、俺たちの海域の南部辺りと言う情報だけ貰っていたので、そこへ向かわせたってこと。

 運良くうちらの艦隊が壊滅状態になる前に横須賀艦隊に合流できた。これぞ、他力本願……いや悪い意味じゃないから、元々他力本願って仏教用語だから。

 でもまぁ、これならドサクサに紛れて、俺たちの艦隊だけを出来るだけ安全に逃がすことができる。

 

「村雨ちゃん、横須賀艦隊と合流したと思うから、横須賀艦隊を支援するように言って。そしてできれば、交戦のドサクサに紛れて逃げてくるように」

 

「分かりまし……って、えっ!?に、にげるんですかぁ!?」

 

 村雨ちゃんは驚きの積み重ねで、目がすごい大きく見開いている。

 いや、だってそうでしょ?俺の目的は部下を名誉の下で死なせる事じゃない。確かに功績を積むのは大事だが、仲間を死なせて得る功績ほど苦痛なものは無い。

 

 え、じゃあ横須賀第一鎮守府の人たちがどうなってもいいのかって?いや、別にそういう訳じゃないけど、会ったことないし。

 

「し、宍戸さんっ!大変です!!」

 

「ど、どうしたの!?また何かやばいこと!?」

 

「て、敵艦隊が壊滅しましたぁ!!我々の勝利です!!」

 

「え、も、もう!?」

 

『『『よっしゃああああああ!!!』』』

 

 今のセリフが漏れていたのか、整備工作班が狂喜乱舞する。だから展開早すぎ。

 流石は横須賀第一艦隊、通称『もうこいつらだけでいいんじゃね?』艦隊である。

 確か元帥が指揮しているんだよな?やべーそんな人と通信してたのか!しかも宿毛湾泊地とか言ってたからそんな所にまで援軍出すとか、マジ日本海軍のジャンヌ・ダルク……いや、男の人だからサラディンか。

 

「や、やりましたね宍戸さんっ!!」

 

「うん!おれうれちい!村雨ちゃんおっぱいハグしてぇ〜!」

 

「まだ仕事が残ってるんですからっ、ダメですよっ?ふふふっ」

 

「つーことは、終わったら出来るってこと?今から楽しみ〜!」

 

「だ、ダメですダメです!もう……っ」

 

 は?自分の発言に責任を取れ。まぁ、その可愛い照れ顔に免じて許してあげるか。

 俺たちの艦隊も、深海棲艦に遭遇する前に撤退するように仕向け、整備工作班へその旨を知らせる。

 

 ハァ……それにしても、横須賀第三、第四鎮守府にも救援要請出してたのに、大洗と同じようにクソ遅いせいでピンチになったじゃんか……本当に何やってんだ?

 

『こ、こちら第四鎮守府!救援を求ム!!』

 

『こちら第三鎮守府にも援軍を!』

 

 ……は?

 俺たちの半分もいない深海棲艦の数に圧倒されてるの?まさかエリート艦がいるとか?俺がいたときはもっと強かったはずだぞ。

 まぁいいや。圧倒的な強さを誇る我らが横須賀第一艦隊様が、また深海棲艦を蹴散らしてくれるんだろ?チートが後ろにいるとこうも強気で居られるのか……改めて、士気の重要性が理解できた。

 

「ど、どうしたんですかっ?」

 

「蘇我提督の第四鎮守府の一行がピンチなんだってさ。10隻程度だと思うのにへばってやがんの!ハハハ!」

 

「えっ、援軍は出さないんですか?」

 

「そんなの出すわけないない。俺たちの艦隊クソダメージ受けてんじゃん!後は横須賀第一鎮守府の人たちがなんとかしてくれるって」

 

「で、でも……」

 

「仕事終わりにして、報告書かいて、終わり!余程偉い人に命令されない限り、俺はこのまま艦隊機能不全を装って、今日の仕事を切り上げるね」

 

『こちら第一鎮守府。すまないが第四鎮守府への援軍要請は鴨川要港部に任せてもいいだろうか?』

 

「元帥様のお言葉とあらば喜んで!……聞こえるかテメェ等ァ!!仕事ァまだまだ続くぞォッ!!」

 

「え、ええぇ!?」

 

「村雨ちゃん、今から言う艦娘は第一艦隊として再編成してそのまま救援へ向かわせて!旗艦は暴力艦である時雨にするから!」

 

『『『えぇーーー!』』』

 

 整備工作班と艦娘達から不満の声が聞こえた。

 いやさ……元帥様のご命令とあらば、聞かぬわけには行きませぬのでなァ?助けてもらった艦隊ではあるものの、第四第三鎮守府を助ければとびきりイイ功績を残せる事はまず間違いない。

 辛ければ即撤退、できるのであれば深海棲艦を蹂躙する。

 

 負傷していない艦娘で編成した艦隊は、傷んだ艤装に目を瞑れば新品同然だぁ!それに、すぐに救援に向かわせるなんて、おれってあたまいいなー!

 

 (※装備の新調、疲労状態などを考慮しない上司は最低です。良い子は絶対に真似をしないでください)

 

 これで俺の出世間違いなし!ドンドンドンドン出世して上に行く俺は、正に現代の豊臣秀吉よォ!ハッハッハ!!!

 

 ……ん?艦隊の無線が直接俺の所に……誰からだろ?

 

 『帰ッタラハリ倒ス、シグレヨリ』

 

 

 

 ……あ、やばい、逃げなきゃ。

 

 

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