「ねぇ、知ってる?あそこの池、毎日蛇と蛙がいるんだって。それであの池に何か物を落としたら、二度と返ってこないんだって」
そんな風に嘘か誠か分からぬ噂をされている池をぼーっと見てた。どちらかと言えば蛇と蛙の方だが。
私はこの蛇と蛙が神様の使いだと信じ、毎日拝んでいる。実は蛇と蛙は神様だったり霊獣だったり、そういう一説はある。しかし困ることがある。
「見て、あの娘、また拝んでる…気持ち悪ーい、フフッ」
まぁ傍から見れば爬虫類に拝む電波ちゃんに見えるだろう。それでもいい。いつか良い事が起きる、そう信じてるから毎日拝めるのだ。
噂をされてる池、とはいえそこまで大きく噂されてるわけではない。ほんの小さくだ。そもそもこの池、学校の敷地内にある池なのだから。
大きくもなく小さくもなく中くらいの、深くもないとっても平凡な池だ。
珍しいことは蛇と蛙が毎日いること、たったそれだけの事だが女子高生はなんだかんだそういう事も盛り上げたがるのだ。私には理解し難いが。
しかし、そんな中1人だけ私のことを理解して…いや理解はしていないが受け入れてはくれる友達がいる。そうたとえ私の周りで"カエルが降って"きても。
カエルが降ってくるなど極めてありえない。私も小さな頃は思っていた。しかしある日降ってきてしまったのだ、カエルが。恐ろしいな奇跡というものは、人類の理解できる範疇を軽々と超えてくるのだから。
それも奇跡は自分で起こしたくて起こせるものではないから厄介でもあるのだ。
ある日その友達がいなくなった。先生に問うてもなんにも答えない、口を閉じたままだ。親が問うても一貫として無言だ。しかし先生の口は固くても今どきの女子高生の口は軽い、噂はたちまち私の耳にも入る。
「彼女さ、蛇と蛙の写真を撮ろうとした時に池に落ちたらしいよ」
「しかもまだ見つかってないんだって」
そんなことはあるのか?大して深くもない池なのに?見つかってない?
その時私に出来たことは?そもそも私はなにをしていた?いやそんなこと分かるはずないだろう、とにかくその池に、その池に確かめに行こう。
私は息を切らしていた。いつぶりだろうこんなに全力で走ったのは、人のために全力を出したのは。蛇と蛙は相も変わらずその場にいた。
池に手を入れてみる、すぐ底をついた。やはり見つからないのは無理がある。そもそもこれぐらいなら自分で…いや頭を打ったなら…そんなことを考えていた時、
「お前!そこで何をしている!」
先生の声だ、目尻を上げてこちらへ走ってくる。
「お前だったのか!まぁ犯人は現場に戻ってくると言うしな!」
何を言ってるのか私は微塵も理解出来なかった。先生はまだ何かやいやいと大声で怒鳴り散らしているが全く何も入ってこない。
「クスクス…」
笑い声がする。ふと校舎を見た、数人がこちらを見ながらニヤニヤしている。なるほど、私は犯人に仕立て上げられた訳だ。
「とにかくお前を警察に突き出すからな!」
こんな時に奇跡は起きない、不便な能力だ、大切な人もなくし、挙句自分もなくしそうだ。なら元々なくても良かったな。
「後ろへ一歩下がれ」
ふと何処からか声がした。その事を理解し反応する前に体がもう一歩下がっていた。踵に石が当たる、つまりこれはつまづいたのだな。そうして池に背中から倒れる形で飛び込む。この薄暗い景色、私はいなくなってしまう、そう確信せざる得なかった。
「私は必要とされなかった。さよならこの能力、この世界、そして、さよならかみさま。あなた達がいる意味は無くなったわ」
彼女はその池から見つかることは無かった。同時に蛇と蛙は消え去っていた。その日、カエルが降った。
またまた読みにくいものを執筆したと思います。
わかる人にはわかるネタを詰めたりしてるので、わかる人はあぁーとなってくれれば幸いです。
私がこれを執筆している時は、つまりアナザーストーリー。別の世界を描きたかったのです。