出身地がアズカバンの牢獄だったり吸魂鬼に育てられたり守護霊が吸魂鬼の形をしていたり両親がお辞儀様越え認定されそうなテロリストだったりしますが、いたって普通の魔法使いの女の子。
生まれつき吸魂鬼のアニマーガスだったりオブスキュリアルとか闇の深い要素があるものの、いたって普通の魔法使いの女の子が、変身術フェラベルトを駆使して変身ヒーローを目指すお話。

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いきぬきー
我ながら超頭の悪そうなものが書けた。
満足


ハリー・ポッターとアズカバンの少女/マスクドライダー

「アズカバァァァァアアンッッッ!!」

 

皆さん初めまして。わたしはアンバー。ただのアンバー10歳です。たったいま組み分け帽子に元気良く“アズカバン”と宣言された普通の魔法使いの女の子です。

 

出身地がアズカバンの牢獄だったり吸魂鬼に育てられたり守護霊が吸魂鬼の形をしていたり両親がお辞儀様越え認定されそうなテロリストだったりしますが、いたって普通の魔法使いの女の子なんです。

生まれつき吸魂鬼のアニメーガスだったりオブスキュリアルとか闇の深い要素がありますが、いたって普通の魔法使いの女の子なんです。

 

アズカバンにホグワーツからの手紙が届いた時、我が事の様に喜んでくれた義母さん(吸魂鬼)ごめんなさい。

身体の一部を杖の素材としてプレゼントまでしてくれたのに、早々に帰郷する事になりそうです。あ、ごめんなさいついでに、義母さんと呼んでますけど吸魂鬼に性別はあるんでしょうか。わたし、気になります。

 

 

「あの、アズカバンの寮ってどこですか」

 

 

所在無げに立っているのもアレなので、近くのマグゴナガル先生に尋ねてみる。にゃんこ先生だ。本物のにゃんこ先生だ。アズカバンで聞いていた通りでちょっと感動する。これでも変身術の達人を目指すものである、変身後どうなるかなんとなくわかるのだ。

しかしマグゴナガル先生も酷く困惑している。そりゃそうだ。誰だってそーなる。わたしだってそーなってる。

ねーよ、寮なんて。

マグゴナガル先生はしばし逡巡した後、ため息をついて、何かを覚悟したような声で告げた。

 

 

「あー…ミス・アンバーは私の寮で預かる事にします。よろしいですね、校長」

 

「そうじゃな。ではマグゴナガル先生にお任せしよう。以降、ミス・アンバーはグリフィンドールの生徒として扱うものとする」

 

半ば怒気を含んだ声を校長に突き刺すも、どこ吹く風といった様子の校長であったが。

 

まあそういう事になった。マグゴナガル先生には頭が下がる思いである。こんな放射性廃棄物質の様な生徒を受け入れてくれるとか聖女かな?

ミネルバ、結婚しよう。

 

問題があるとすればグリフィンドールの生徒からすっごい視線を感じることか。主に恐怖やら畏怖やら、これ完全に敵を見る眼ですよね。

境遇や血筋的にスリザリンの方がよかったんじゃ…あ、ダメだ。スリザリンは死神犬かヌンドゥでも見てるような視線してる。

 

 

闇の帝王より桁単位で多く人殺してる奴らの娘はちょっとお近づきなりたくないです…といった視線である。子に罪はないんやで。

 

ついでなので、わたしの実の両親について説明しておこう。

私がこんな目に遭っているのも全てこの両親の仕業なのだ。

まずはわたしの母、キラ・G・キンブリッジ。

テロリストである。闇の帝王に立ち向かった元闇払いの職員であるものの、超が着くほどの過激思考で不死鳥の騎士団にも危険視された。

具体的には魔法省の職員がが服従呪文にかけられている可能性があるとして、魔法省を都市区画ごと爆破した。

キルレートで言えば名前を言ってはいけないあの人を軽く超える。

闇の帝王曰く、「血筋も腕もいいが、キの字。早々にアズカバンに入って正直ホッとした」とのこと。

 

次に父であるジンロン・ケリィトゥグ・フロンタル。彼はホグワーツ在学中、“ダンブルドアの再来”と呼ばれるほどの魔法使いだった。現在の父のあだ名は“グリンデルバルドの悪夢”である。あだ名が全てを物語っていると思う。

 

両親ともに吸魂鬼のキスを受け入れて既に故人であるが、そんな2人のサラブレッドたるわたしがどんな目で見られるかは火を見るよりも明らかだよね。

もぅマジむり。四面楚歌。

 

 

そんなこんなで入学から数日。相変わらずわたしはボッチである。誇り高き孤高といっても良いかもしれない。

授業の成績も散々だった。

ハリー・ポッターが飛行訓練で見事な飛びっぷりを魅せる中、わたしは箒にガチの逃走をされ、闇の魔術に対する防衛術では先生がわたしを見るなり土下座し始めて授業にならず、魔法薬学では組んだウィーズリー君がわたしと目が合うなり過呼吸を起こしてぶっ倒れた。

スネイプ教授に報告したら、「さ、左様ですか」と減点もされず何故か敬語だったのが印象深かった。

 

そんなこんなで憂鬱な日々を過ごしていたわたしだが、ある日唐突に転機が訪れる。

 

変身術(フェラベルト)との出会いと女子トイレトロール事件である。

 

この事件を機に、わたしはヒーローとなる。

 

 

ーーーー

 

わたしの専攻は変身術だ。アズカバンにいた頃から、変身術だけはあの手この手を使って磨き続けてきた。ホグワーツに入学してからは尚更だ。変身術の授業では点数を荒稼ぎし、マグゴナガル先生も私に一目置いてくださっている。来年には禁書庫に入ることも夢ではないと言ってくれた。校長が許可を出すかはわからないが。どちらにせよ、今年から忍び込むのだけどね。

 

私は、変身術が好きだ。一度だけ見たヒーローの勇姿が忘れられなかったのだ。

日本から来たあの旅人に、自身の身を顧みず巨悪に立ち向かう変身ヒーローに、わたしは憧れた。

ホグワーツの知識があれば、ルーン学、変身術、呪文学を用いれば、変身ベルトを作れるかもしれない。あのヒーローのように。わたしをアズカバンから救ってくれたあの旅人のように。

ゆくゆくはホグワーツで研究室を持ち、思う存分変身アイテムを作るのがわたしの夢なのだ。

 

わたしはアズカバン育ちだ。そんなわたしを囚人達の何人かは可愛がってくれた。

とあるアニメーガスの男は、外に出られないわたしを哀れに思ったのだろうか、ホグワーツの事をたくさん聞かせてくれた。

あらゆる隠し通路の場所や、友人と行った悪戯の数々を、眩しいものを見るように語りきかせてくれた。

その中でも、特に興味を引いたのが、ホグワーツの各地にある隠し部屋の話だ。なんでも、必要なものがなんでも揃う、通称あったりなかったり部屋なのだとか。

ちなみに、その男は友人である人狼のためにその部屋を探したそうだが、ついぞ見つけられなかったようで、研究成果と一緒に探した場所を記したメモを禁書庫に隠してあるらしい。

ちなみにそのアニメーガスの男の従姉だという死喰い人も研究資料を禁書庫に隠したらしく、私に禁書庫がどのような造りになっているかを教えてくれた。

 

ともかく、わたしは目的の部屋を必要の部屋と呼称し、男のメモを頼りに必要の部屋を探す事にした。

必要の部屋があれば独学でも研究を始められるかもしれない。授業でわからないことがあれば質問をし、必要の部屋で知識を貪欲に吸収すればあるいは。

 

 

果たして、あっさりと必要の部屋は見つかった。

ホグワーツに従事するしもべ妖精が教えてくれたのだ。

 

必要の部屋で、わたしは喜び勇んで自らの研究を始めた。

講義が終わってすぐ、変身術を駆使して寮を抜け出し、毎日のように研究に没頭した。

 

しかし。

 

一年生で得られる知識でも、禁書や必要の部屋があればなんとかなるか、と思ったわたしが浅はかであった。

禁書ぶっちゃけ、読めん。何書いてあるのかさっぱり理解できない。一部理解できたと思ったらダミーの答えだったり、マジで読ませる気あるのかを疑う。

死喰い人の女の話では、禁書庫の深層は生きて帰れるか不安なレベルらしいので、変身術を用いて忍び込み浅層を軽く探索するだけに留めておいたというのに、これでは先が思いやられるというものだ。

死喰い人の女の研究資料はかなり深層にあるので、今年は見送ろう。

 

 

そんなこんなで、悪戦苦闘しながらも試作品が完成したのは、ハロウィンの頃であった。

我ながら超頑張ったと思う。試作品ゆえ、出力が足りず、一回変身すれば使い物にならなくなってしまうものであるが、変身(フェラベルト)の呪文に反応して、自らの肉体をより強く変幻させるものである。

 

何かエネルギー源になるものはないだろうかと試作品を片手に必要の部屋から出ると、妙な騒めきがわたしを出迎える。

ホグワーツにおいてわたしはいないもの扱いなので、わたしが原因であるとは思えない…はて何事だろうかと皆が集まっている所を覗くと。

 

ホグワーツにトロールが現れた。

 

という声が聞こえたのである。

 

なにそれこわい。あかんやん逃げやな、と避難誘導の列に入ろうとするも、そこは流石のぼっちの私。

列には入れず、涙目になりながらおろおろする事しかできない。

 

そんなわたしの視界の端に、2人の男の子が列を離れて走っていくのが見えた。

 

 

とても血気迫る表情で廊下を走り抜けていく。

 

何を馬鹿な事をしているのだろうと、わたしは思った。トロールはとてもじゃないが一年生が相手できるようなものじゃない。

 

そして、それはわたしも同じだ。わたしが追いかけて止めようとしたところで、わたしのようなつまはじき者の言うことを聞いてくれるだろうか。

もしそれでトロールに出会いわたしまで巻き込まれてしまったら。

 

たまったものではない。

 

(やりたいからやる。それだけだよ…大丈夫!)

 

ふと、かつてわたしを助けてくれた男の言葉と。

サムズアップが脳裏をよぎる。

 

気付けばわたしは、2人の後を追いかけていた。

 

決して、列に入れなくて居たたまれなくなったわけではないことをここに明記しておく。




続くか不明。
多分いないだろうけど、続かなくても泣かないように

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