うたわれるもの 別離と再会と出会いと   作:大城晃

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5月21日 暁投稿文に追いつくまで連続投稿します。8時から二時間おきに六話分を連続で投稿します。

連続投稿分6/6


以降の投稿は各週の火曜日、木曜日、土曜日になります。火曜と木曜が18時、土曜が12時に投稿するようにします。

今後ともよろしくお願いします。


初依頼~モズヌ団再び~

初依頼~モズヌ団再び~

 

 

 キウルが合流したからと言って、特に自分達の生活に変化は無かった。キウルはすぐに皆になじみ、特に問題なく過ごしている。自分と話しているとハクさんは何故そんなにネコネさんと仲がいいんですかと言いながら死んだ魚のような目をしている事があるが概ね元気だ。その言葉から察せるようにネコネとの関係に進展は無いようだが。

 

 そんな風に一週間ほど過ごした後のある夜の事、ウコンが話があると言って訪ねてきた。皆を集めてくれという話だから依頼関連だろうと思いつつ皆に声を掛け、詰め所に向かう。詰め所内に皆が集まり、全員が腰を下ろしたのを確認するとウコンが口を開いた。

 

「集まってもらって悪かったな」

 

「今日は急にどうしたですか?兄さま」

 

「なに、そろそろオメェさんらに、隠密として動いてもらおうかなと思ってな」

 

 ウコンがそう言うと全員が静かに息をのむのが分かった。右近衛大将たるオシュトルが表だって動けないような案件。自然と気も引き締まる。だが何故だろうか、自分がひしひしと感じるこの予感は…、オシュトルの時ならともかく、今(ウコンとなっている時)はいくら真面目な雰囲気でも注意が必要だと。…主にからかわれたりする方面にな。

 

「まぁ、そう構えるな。初めての依頼だからな、なるべく簡単そうなのを選んできたからよ。じゃあ順に読み上げて行くぜ。どれを受けるかはオメェ等が好きに決めるといい。え~と、まずは…」

 

 皆はそう言うウコンを固唾を飲むように見守っているが、なんだか妙な予感がするんだが…。

 

「一つ目は、大広場にある厠の掃除。二つ目はそこでくみ取ったブツの運搬。三つ目は、肥溜に貯められたソレの撹拌作業。四つ目はソレの…」

 

「「「「…………」」」」

 

「…えっと、ちょっと待ってください兄上」

 

「なんでぇ?」

 

「いや字は伏せていますが内容が偏り過ぎです。全部あればっかりじゃないですか!?」

 

 さっきの妙な予感はこれだったか。まぁ、都の民の為になる仕事だってのは分かる。感謝もされるだろうし、民と仲好くなるのも早いだろうさ。そういう下積みが大事だってのも分かるが皆が納得するかねぇ。

 

「あ~そうは言われてもな」

 

「他には何があるのかな?」

 

「え~便秘で困っているウシ(ベルコ)のハナァコの……」

 

「兄さま…」

 

「そうは言うがな。これでもなるべく楽で割の良いのを選んできたんだぜ」

 

「ウコン、ふざけてないで、次の候補をお願い」

 

 ウコンの口から出てくるふざけているとしか思えない仕事の内容にクオンが据わった目をしながらそう言う。まぁ、クオンの言う事ももっともだが、ウコン自身はふざけているつもりなどないのだろう。正直自分達は実績やら何やらは何もない状態だ。そんな奴らに仕事を頼むかと考えるとな…少なくとも自分なら頼まない。ま、隠密(・・)の仕事かと言われると違うがな。

 

「クオン、多分だがウコンは本気で言ってるんだと思うぞ?」

 

「…ふざけているとしか思えないんだけど?」

 

 自分がそう言うとクオンを含め皆は不思議そうな視線を自分に向けてくる。ウコンはアンちゃんは分かってくれるかと言う期待というか若干救われたような視線だ。いや、分かるが自分も納得はしたくないぞ。

 

「自分達には碌な実績も、信頼もない。そんな集団にだれが重要な仕事を任せるんだ?それにウコンが持ってきた仕事だって、誰かがやらにゃあ疫病の原因なんかになったりもする」

 

「まぁそれはそうかな…」

 

「だからこその今回の仕事ってわけだろ。だが流石に偏り過ぎだと言うのは認めるがな。で、ウコンどうするんだ?流石にそれじゃあ皆も納得しがたいと思うが」

 

 腑には落ちないが納得はしたのか皆も自分の言葉に従ってくれるようだ。クオンやネコネあたりはまだ不服そうだがとりあえずウコンの次の言葉を待つ事にしたらしい。ま、多分本命はこのふざけたのの後だからそんなにカッカするなって。ウコンは帳簿をぱらぱらとめくるとクオンに差し出す。

 

「キョロリ狩り?」

 

「おう。この先の山まで行って、野生のキョロリって鳥を捕まえてくる依頼だな」

 

「ふ~ん良いんじゃない。それでキョロリっていうのはどんな鳥なのかな?」

 

 あの依頼に混じっている物だろ?どうせ碌なのではないと思うんだがなぁ。例えばヒトの手に負えないような猛獣だったり、ガウンジみたいな。ガウンジってのはウズールッシャの奥地に生息するって言われる、巨大な牙をもった恐竜みたいな獣で、並の兵なら百人掛かりでも全滅しかねない災害みたいな奴だな。

 

「辺境に生息している鳥でな。ヒトの丈の五倍はある巨鳥で、躯は岩みてぇに硬く、爪は大地を引き裂き、くちばしはいかなる鎧をも貫き通す。ちなみに凶暴な肉食な」

 

「「「「「………」」」」」

 

 皆絶句してるな。確かになんとかならん事は無いだろうが危険すぎる。自分とクオンがいれば何とかなると(という淡い期待)を持って一応入れてたんだろうが却下だな。危険が高すぎる、というか予想通り過ぎて苦笑いしか出てこんぞ。

 

「あとはこれだ、マタリィ釣りあたりか」

 

「…それで、そのマタリィと言うのは、ヒトの何倍あるのかな?」

 

「いや、そんなおおきかねぇぞ。きわめて普通の魚だしな」

 

「…で、何があるのかな?」

 

「いんや、味は絶品で極めて高値で取引されるが普通の魚だぞ」

 

 ウコンはそう言うがそんなうまい話があるわけがない。そうだな、とんでもない秘境に生息しているだとか、年に数匹しか水揚げされない珍しい魚だとかそんなところだろ。

 

「あの、ですが兄上、マタリィと言ったら確か凍るように冷たい北の海にしか生息していない魚だったはずですが…。しかもあの辺りはいつも海が荒れていて、岩礁だらけで、熟練の船乗りでも命を落とす事があるとか」

 

「却下かな」

 

「おいおい、せっかく臭くない話を選んでやってるってのに、つれねぇなぁ」

 

 ウコンはそれからも何件か仕事を上げて行くが、フムロン(一匹でヒトを千人は殺せるという毒を持つ生き物。心臓の病の特攻薬になる)の捕獲などどれも危険過ぎて自分とクオンだけならばともかく皆を連れてとなると難しい依頼ばかりだった。

 

「もっと安全なのはないのですか…」

 

「あのなぁ、楽して儲かるような美味い話なんて、そうそう転がってるもんじゃねぇぞ」

 

「極端すぎるって言ってるかな…」

 

「あのなぁ、さっきアンちゃんも言ってたが、掃除やゴミ拾いだって誰かがやらなきゃ、疫病の原因になったりなんかする大切な仕事だぞ。いいじゃねぇか、最初は糞の片付けでよ。ウンが良くて、幸先が良いってな」

 

 良い事を言ってる風に締めたが、お前の親父ギャグにネコネがなんか病んだ風な視線を向けてるが良いのか?クオンの目線も絶対零度だ。そろそろ“隠密”としての仕事の話をしてくれると助かるんだがなウコン。

 

「ウコン…?」

 

「やれやれ、判った判った。んじゃ本題に入るかい」

 

「やっとか、それで?」

 

「ん?アンちゃんが乗ってこないと思ったら感づいてたのかい。ま、今は良い。前に捕まえた賊を覚えているか?」

 

 ウコンはやっと遊ぶのをやめたのか口調を真剣な物へと戻し、そう言ってくる。賊って言うと『モズヌ団』とかいうあれかね?

 

「賊っていうとあの幼女趣味のあれかな?」

 

 クオンが嫌そうな雰囲気を隠そうともせずにそう言う。ウコンが幼女趣味、そう言えば叫んでやがったなぁと呟きながらネコネをみて睨まれていた。ああ、確かにそんなことも口走っていた気がする。あの救いようがない奴を頭にした盗賊団か。自分としては報復も一応とはいえしたし、一騎打ちに応じてきたあの頭目にそこまでの悪感情は持っていない。しかしそいつらがどうしたんだろうか?

 

「そりゃ覚えているがそいつらがどうかしたのか?」

 

 自分の言葉に頷きを返すとウコンは説明を始める。あいつ等は裁きが下った後で脱走してしまったらしい。ほかにも仲間がおり押送中に襲撃されて逃がしてしまったようだ。そしてそいつらが帝都に潜伏していると言う情報があるらしく、探して欲しいと言う事らしい。ちなみに捕縛はしないで欲しいと言う事らしかった。もし自分達に捕まえられると、帝都の軍としては逃げられた手前メンツなんかの問題でまずいらしい。それに加えた情報としては自分達の顔を覚えている奴もいるだろうから危険にさらされる可能性もあるとの事だった。

 と言う事で自分たちへの最初の依頼は賊の探索を含めた、帝都の見回りと言う事で落ち着いた。

 

 

「あの、これからどうするのでしょうか」

 

「こういう場合、相手の身になって考えてみるといいんじゃないかな」

 

「正直、あいつらの考えている事などよく判らんが…、普通に考えればほとぼりが冷めるまで潜伏しているってなるんだろうが、あいつらの事を思い出すと、案外何にも考えずに宿なんかに泊まってパーッと騒いでたりしてな」

 

 ウコンから依頼を受けた後、対応策を考えながら皆と共に白楼閣の廊下を歩く。さっきはずっと大人しくしていたフォウを撫でながら、クオンの意見について考えはするが正直普通に考えれば一つ目の方しかあり得んわな。

 

「流石に二つ目のは…賊でも、もうちょっと考えると思うですよ、ハク兄さま」

 

「きゃっ!」

 

 そんな風に話をしているとルルティエが宿泊客にぶつかりバランスを崩したようなので支えてやる。相手の方を見て見るとさっきまで話題に上っていた人物がいた。

 

「おーっと、悪いなネェちゃん!よそ見してたもんでよ」

 

「いえ…えっと、こ…ちら…こそ…」

 

「頭ぁ、あっちに大浴場があるみたいっすよ」

 

「お、いいじゃん、いいじゃん、湯につかりながらの一杯ってのも最高じゃん!」

 

「久しぶりのシャバですからねぇ。プワーッと行きましょう!プワーッと!」

 

「おうよ、やっぱりシャバはいいじゃんよ、今日はプワーッ…と…?」

 

 賊の頭目モズヌはそこまで仲間と言いあってようやくこちらを認識したようでこちらに視線を向けてきた。正直自分達としては溜息しか出てこないんだが…。

 

 

「「「………」」」

 

「えっと、どうしたのです?兄さま、姉さま、ルルティエさん」

 

「うぉぉ!?お、おめぇ等――!?」

 

 溜息を吐きつつも前に出てモズヌと向き合う位置をとる。正直頭が痛いんだが、相手せにゃならんよな。自分が目配せをするとキウルは先程の賊どもの会話で察してくれたようで、オシュトルのところに向かってくれた。とりあえず自分の役目は足止めもしくは追跡だ。さて、気合い入れるかね。

 

「さて、其方達とまた会う事になるとは、こちらとしては思ってもいなかったのだがな。モズヌと言ったな、先日の一騎打ちは楽しき時間であった。賊の頭目と言えども誇りを持ち、某との一騎打ちに応えたその心根、腐ったものではないと思っていたのだが、某の勘違いであったか?」

 

「ままままままさか、あ、あのクソ鳥…禍日神(ヌグィソムカミ)、…く、来るな…来るな…」

 

 自分はそう話掛けたのだが、賊の視線はルルティエに集中していて聞いていないようだった。どうやらあの時ココポにやられたのがトラウマになっているらしい。

 

「来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 あ、逃げた。はぁこれは一応追うかね。キウルにオシュトルへの連絡は任せているし、すぐにこちらに合流するだろうから、見失わないようにだけせんとな。

 

「はぁ、追うぞ」

 

「…うん、わかったかな」

 

「…はぁ、馬鹿なのです」

 

「…ココポは禍日神じゃ、ありません」

 

 

 賊たちを追いかけて都の中を駆ける。賊たちはココポを禍日神だと言いながら逃げている。先行するのはココポに乗ったルルティエだ。ココポが禍日神だという誤解(あれだけやられたらそう言いたくなるのも判る)を解くために必死に追いかけている。流石に動物の足だ、自分たちではなかなか追いつけない。ココポと一緒に馬も連れてくるべきだったか。それからしばらく追いかけっこは続き、賊たちは古い神社のような場所に逃げ込んだ。

 

「こ、ここまでくれば流石に…」

 

「ま、待ってください」

 

「ホロロロロッ」

 

「ヒィ――!お、追いかけてきやがった!」

 

 そこで立ち止まった賊たちにやっと追いついた。賊たちは自分達がまだ追ってきているとは思っていなかったのか、めちゃくちゃ驚いているというか、ココポにビビっている。

 

「あ、あの、ごめんなさい…この前はココポがご迷惑を…。でも…でもお願いです…。このコの事、そんな風に言わないであげてください…。ココポはとっても良い子なんです。ちょっと大きいだけの、優しい普通のホロロン鳥なんです…ですから…」

 

 賊に追いつきそう言うルルティエに微笑ましい物を感じつつも、やっぱり若干この子もずれてるなと思う。まぁそれだけココポの事が大切なのだろうが、しかし普通…か、優しいについては認めるが、普通かね?

 

「ふ、ふざけんなぁぁぁぁっ!!」

 

「ひゃう…」

 

「そんなバケモノみたいなの、どこがホロロン鳥だ!どう見たって禍日神に取り憑かれてるじゃん!」

 

「そんな…」

 

 ルルティエの必死の説得も虚しくモズヌはそう声を荒げる。にしてもココポに酷い言いようだ。自分の肩でフォウも毛を逆立たせてフォウフォウ鳴いている。

 女性陣は流石に酷いと言いあっているが、流石に普通のホロロン鳥には見えんからなぁ。

 

「これが普通のホロロン鳥に見えるってか!?オメェ等、目が腐ってるんじゃねぇの!?ホロロン鳥ってのはな、もっと小さいじゃん!もっと愛嬌があるじゃん!もっと色鮮やかじゃん!!」

 

「…そうなのか?クオン」

 

「………」

 

「ネコネ?」

 

「……」

 

 モズヌの言葉にそうクオンとネコネに聞くと露骨に目をそらされた。そうか、自分の中でココポがホロロン鳥の変異種だという疑いがまた高まった。

 

「そんななぁ、そんな地味で不細工で巨大なホロロン鳥が、いてたまるかヨォォォ!!」

 

「ホロロォォ、ホロッ!」

 

「うるせぇええぇっ!!この地味地味な、うんこ色鳥!!」

 

「…ココポは…ココポは…地味なんかじゃない!!」

 

「ひっ!!」

 

 モズヌの物言いがよほど腹にすえかねたのかルルティエがそう大きく叫ぶ。モズヌたちは大人しそうな少女のその声量に驚いたようで情けない声を上げていた。正直にいうと自分も驚いた。普段は大声を上げる事のないルルティエがあんな声を出すとは…よほど腹に据えかねたのだろうな。それと、隙だらけだぞ。クオンに目配せすると頷きが返って来たため奴が叫んだタイミングで飛び出す。

 

「な、なんだよ。ほんとの事を言っただけじゃんよ。やっちまうぞ!や、やっちまうぞおめぇ…!!」

 

「見るに堪えぬな」

 

「ほんとにね」

 

 クオンと共に、抵抗しようとしたモズヌと近くにいた賊数人の意識を刈り取る。そこからは呆気なかった。逃げようとする他の賊をクオンが制圧し、ネコネの呪法が賊に直撃する。ココポに乗ったルルティエは一番遠くにいた賊に追いつき賊を吹き飛ばした。制圧し終えると、一応持って来ていた縄で賊どもを縛り地面に放る。それを終えたタイミングで数名の検非違使を連れたオシュトルとキウルの姿が見えたため、奴らが到着するのを待ち賊を引き渡した。

 

 

 

 オシュトルには少し苦い顔をされたが、これで任務達成だな。そう思いながら白楼閣への道を歩く。

 

「ハク兄さまはホントに強かったですね。兄さまが言うとおりかは判らないですが、わたしでも強い事はわかったです」

 

「なんだ、少しは見直したか」

 

「はい、とても頼もしかったのです」

 

 自分とクオンと手を繋ぎ、きらきらした目で自分を見上げながら、ネコネはそんな風に話しかけてきた。ルルティエは落ち着いたのか先ほどとはうって変わっていつも通りの穏やかな微笑みを浮かべながらココポに乗ってついて来てる。キウルは…死んだ魚のような目で自分を見ている。いや、ネコネはそういう対象ではないからそういう目をするな。

 

「ふふ、ウコンの言ってた事は本当なんだから。ハクはすごいんだよ」

 

「はい、兄さまと引き分けたと言う話もあながちウソではなさそうなのです。それに姉さまもお強かったのです」

 

「わたしはその場面は見ていないですが…確かにハクさまもクオンさまもお強いです。ハクさまはウコンさんの部下の方たちにも一回も負けていないようでしたし…えっと、わたしも頼もしく思っています」

 

「ああ、ありがとうなルルティエ」

 

「ありがとう、ネコネ、ルルティエ」

 

 口々にそう言ってくる女性陣に少し気恥ずかしさを感じながら頬をかく。フォウももっと自信もてとでも言うように自分に体を押し付けるようにして来ていた。

 

「…あの、ハクさん。兄上と引き分けたと言うのは?」

 

「ああ、一回だけウコンと模擬戦をする機会があってな。お互いに木刀だったし参考にはならんと思うのだが、そう言って皆が持ち上げてくるんだよ」

 

「いえ、それは凄い事ですよ。兄上はヤマトにこの人ありともうたわれる御仁です。例え木刀での模擬戦だとしても、その兄上と引き分けたと言う事はヤマトでも最上位に近い武人であると言う証明ですから。ハクさん、今度時間がある時で良いので私にも稽古をつけてくれませんか?弓の修練は欠かしていないのですが、接近されてからの戦闘はあまり得意ではありませんので」

 

「ああ、時間がある時なら構わんぞ」

 

「はいっ!ありがとうございます。ハクさん」

 

 ウコンとの模擬戦について聞かれたのでそう答えると、キウルに訓練に付き合ってくれと言われたので、時間がある時なら良いぞと約束した。それを聞いたキウルはさっきのネコネみたいなキラキラした瞳で自分を見てくる。正直居心地が悪いんだが…。そんな風に話していると白楼閣の前に着いた。

 

「ま、今日は疲れただろうし、皆ゆっくり休んでくれ。キウル風呂でも行くか?」

 

「あ、はい。お供します。ハクさん」

 

「ネコネ、ルルティエ、私達も入りに行こうか?」

 

「はいです」「はい、クオンさま」

 

 そう言いつつ女性陣と別れ風呂へと向かった。その後は部屋へと戻り、各々ゆっくりと休むことにしたのだった。


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