翌朝、綱吉は食堂で優雅にコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。
「おはようございます。ご一緒してもよろしいかしら?」
「おはよう。セシリアお嬢様、どうぞおかけください。」
「ふふ ありがとうございます。」
テーブルに影がかかり顔を上げるとセシリアがトレイを持ち微笑みながら相席してもいいか確認をしてきたため、綱吉は立ち上がりトレイを受け取ると椅子を引いてセシリアをエスコートする。
「うわ!うわ!いまのやり取り見た!?」
「絵になるね~~。」
「いたっ痛いです鏡さん。あと布仏さんもこぼれてしまいますので揺らさないでください。」
少し離れた席ではのほほんさん達三人が食事をしており、新聞を読んでいた綱吉の邪魔をしてもいいのかわからずに話しかけずにいたが綱吉とセシリアのやり取りを見て主にナギが興奮し神楽の背中を叩いて騒いでいた。
「篠ノ之さんは欠席ね。念のために病院にでも行ったのかな。でも良かったよ。あのままだとまたセシリーに飛びかかってきそうだし。」
「はぁ あれで少しは懲りてくれればいいのですが・・・ところで綱吉さんは本日の放課後にご予定はございますか?」
「ん?放課後は格納庫とか整備室の見学にでも行こうかと思ってたけど、見学は明日でもいいから予定はずらせるよ。」
「なら私と体術のみのお手合わせをお願いできませんか?本日、道場の使用許可はいただいておりますの。ですが、お手合わせができる相手が見つからず、綱吉さんも同じではございませんこと?私達の相手をするにはこの学園の生徒では力不足ですわ。学園最強と言われている更識先輩ならとも思いましたが・・・まだ接点を持つのは時期尚早かとも思いまして。」
「確かにそうだね。いいよ。じゃあ放課後に道場で。」
「見学にいってもいいかな?」
「いいですわよ。」
綱吉とセシリアは休み時間の合間に放課後の予定を決めていた。その会話の時にはのほほんさん達三人も一緒ではあったが、更識の名前が出た際にのほほんさんが少し動揺したのを二人は見逃してはいなかった。
~~~放課後~~~
「こうして向かい合うのも久しぶりだね。あれから鍛錬はしてた?」
「そうですわね。あの後 綱吉さんは日本に帰られましたから。してたかどうかは動きを見て判断していただけたら嬉しいですわ。」
「セッシーもつーくんもがんばれ~~~~~」
「袴姿のツナくん・・・いい。」
「鏡さんは朝から挙動がおかしすぎです。保健室にお連れした方がよろしいでしょうか。」
「ちょっやめて!正常だから!!これを逃したら死んでも死にきれないよ!」
道場の真ん中で袴姿の二人が向き合い、壁際には大勢の見物客が押し寄せ、入りきらずに二階にあるガラス張りのギャラリーまで人でごった返していた。
「いいよ。セシリー、始めようか。(いま懐かしいセリフが聞こえたなー。ナギさんはもしかして適性があったりするのかな。)」
「はい。胸をお借りしますわ。・・・・なんなら私の胸も貸しましょうか?」
「ナ゛!」
「隙ありですわ!」
お互いに礼をして戦闘態勢に入るが、セシリアが胸を強調しながら精神的な揺さぶりをかける。それを聞いた綱吉は動揺し身体を硬直させてしまう。その隙を見逃さずに一瞬で綱吉の懐に滑り込んだセシリアは、そのまま掌底を綱吉の上半身に叩き込もうとするが
「遅いよ。」
「ッ!」
綱吉に腕を掴まれ、滑り込んだ勢いを利用されてそのまま投げ飛ばされてしまう。
「まだ・・・ですわ!!」
「え?すご」
「身体能力えぐ」
投げ飛ばされたかのように見えたセシリアはその勢いのまま壁を蹴り、再度綱吉に向けて跳躍した。そのまま激しく掌底や蹴りを繰り出すが避けられるか流されてしまい攻撃をあてることはできずにいた。
綱吉はセシリアが攻撃を受け流されてバランスを崩したところで後ろに跳躍し距離をとる。
「あれを捌き切るって・・」
「戦闘民族かな?かな?」
「少し聞きたいんだけど、あれから鍛錬は一人でしてたの?」
「はぁ はぁ ・・・・いいえ。あの後ラル・ミルチさんが突然訪ねてきて修行をしてくださいましたわ。」
「おぅ ラルの修行・・・うん。だったら納得かな。まさか縮地まで修得してるなんてね。」
「全部対応した方には言われたくありませんわ!ですが・・差は縮まってはおりませんのね。貴方に一撃を入れることが私の目標でもありますのに・・はぁ 鍛えなおしですわ。」
「いやいや 俺のはズルみたいなものだから!セシリーはきちんと成長してるよ。」
綱吉は純粋にセシリアの体術が大幅にレベルアップしていることに驚いていたが、理由を聞いて口元を引き攣らせた。落ち込んでいるセシリアを慰めるように肩に手を置いた綱吉だが
「かかりましたわね!」
「ちょっ!セシリー!?」
「ラルさんからは色気も涙も女の武器だと教わりましたわ!」
肩に置かれた手を取ったセシリアは立ち上がる素振りを見せ、重心を移動させた綱吉の動きを利用しながら足をかけてひっくり返そうとしたが。綱吉も身体を反転させて抵抗をしていた。そのまま二人はもみくちゃになりながら倒れ
仰向けになり袴の前部分を開けさせたセシリアに、同じく上半身をはだけさせた綱吉が跨っているという光景が出来上がっていた。
「「「「「きゃ~~~~~~~~~~~~~~!!」」」」」
その光景を見ていた生徒たちの黄色い悲鳴が道場に響きわたった。