Muv-Luv LL -二つの錆びた白銀-   作:ほんだ

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断案の過程

 話し合いが続く執務室で、最早何杯目かなど数えていないが、合成コーヒーがそれぞれのカップに注がれる。

 

 昨夜と同じくターニャに出された最初の一杯目は天然物だったが、いま三人が口にしているのはまったくの別物。合成コーヒーと呼ぶのもおこがましい、もはやただ意識を研ぎ澄ますためだけの黒い薬品としか言いようがないまでに煮詰められた物だ。

 好んで飲みたい物ではないが、いまこの場に必要な物であることは間違いない。

 

 

 

「ではあらためて質問だ、白銀。第五計画の問題点とは、なんだ?」

「いや……問題点どころか、全部ダメでしょう?」

 恒星間移民で救えるのは高々10万人程度。そして地球ではG弾の集中運用の結果引き起こされる「大海崩」。正確な生存者数などは覚えていないが、地球全土で1億と残っていなかったはずだ。

 「ゲーム知識」とはいえ、知っているのであれば説明するまでもなかろう、と武は思う。そして隠すこともなく表情に出てしまう。

 

「馬鹿か貴様。いや馬鹿だったな」

 武の言葉にまったく納得できていないようで、呆れ返ったかのような溜息が聞こえる。身長差から普通にしていても下から睨み付けられるように見えるが、今は間違いなく睨まれている。

 

 

 

「まず恒星間移民は長期的に見れば絶対に必要だ。BETA侵攻が全宇宙規模であることを鑑みるに、人類種の存亡という意味では、地球及び太陽系のみでの生存戦略はどこかで破綻する。これには香月博士も異論はないな?」

「そうですわね。有限な資源を、成功も覚束ない逃亡に消費することには賛成できませんが、もし『あ号標的』を撃破した後、それこそ人類の寿命が30年ほど伸びた暁には、必要なプランだとは考えます」

 

 もちろんバーナード星系だけに拡げた程度では不完全だろう。恒星間移民ではなく、BETAがハイヴを作らない小型の小惑星などでのコロニー建築も想定しなければならない、と夕呼も一定の同意は示す。

 

「ただし、これに関する利点と問題点とは、まあそれぞれにある」

「問題点の方は判りますよ。夕呼先生の言葉じゃないですが、移民船建造に掛ける資源や人材を対BETA戦に使用できないというのは、それだけで大問題ですよ」

「そうだ。純粋に予算の問題だな。人類の生産能力に劇的な向上が見込めない現状、無駄な物を作る余裕はない」

 ターニャは遠まわしに00ユニットも否定する。00ユニットも有れば便利なのだろうが、必須とは言えなくなっている。

 

 

 

「でも利点……ですか。少なくともいくらかの人はバーナードへの移民ができますが……」

 さすがに移民船団のその後などは知りようが無いので、成功したのかさえ武には記憶にはない。

 

「私の持つ『ゲーム知識』としては成功はしている、いや成功するようだ。だがそれはまた別だな」

 どうしても未来知識という点で時制が怪しくなるが、ターニャの知識としてはUL世界線の後には移民自体は成功したはずだ。もちろん、この世界においてもそのまま成功すると予測できるわけではないが、それも一つの利点とはいえる。

 

 

 

「判りやすい利点としては、大型航宙艦建造の施設やノウハウといったものの蓄積だ。正面装備となる再突入型駆逐艦の数を増やせ、という話も理解できるが、余裕のあるうちにこれらは積み上げておかねば必要になった時に数が揃わん」

 ただ消費される資源が10万人を逃がすためだけと考えればコストに見合わないが、それに付帯する他の利益があるのであれば、考慮もできる。

 

「大型航宙艦、ですか?」

「まさか白銀、アンタ地球からハイヴを取り除いたくらいで戦いが終わると思ってないでしょうね?」

「それに大は小を兼ねる、ではないが移民船建造のドッグは軌道上での駆逐艦建造や補修用にも流用できる」

 

 人類が月から撤退した理由は単純だ。当時の兵站限界を超えていたのだ。そして現時点では月面奪回など足がかりもできていない。火星のハイヴになど、観測衛星を届けるのが精一杯で現状ではそれすらも困難である。

 

「あと着陸ユニットの事前迎撃網は、現状では十全に機能していると思われるが、充足しているとは言いがたい」

 対宇宙全周防衛拠点兵器群「シャドウ」による着陸ユニット迎撃は、今までのところ成功している。

 ただ、これは月のハイヴからの投射物に対しているだけだ。現在までは観測されていないとはいえ、火星やそれ以外からの着陸ユニットの防衛にまで対応できるかどうかは未知数である。

 

 宇宙戦力は何かと金食い虫な上に維持が難しいが、水際防衛としてはどうしても必要な物だ。第五の移民計画に関連する技術開発などは、長期的視点で言えば宇宙軍関連の施設開発という面で、明らかに利点と言える。

 

 

 

「では次だ。G弾の大量同時運用に関する問題点を、具体的に指摘できるのかね?」

「いや……バビロン災害で、人類のみならず地球環境の大半が壊れるんですよ?」

「それは貴様の妄想ではないのか? 証明できるのか? 事前知識のない官僚共を納得させられるだけの資料を作れるのか?」

 やれやれ、とターニャにわざとらしく首まで振られる。

 確かに武が第五、それもG弾使用に拒否感があるのはバビロン災害を「知っている」からに過ぎない。物理学者でもない身としては「大海崩」の発生原因など説明しようもない。

 

「まあこの世界ではG弾が使用されたのはつい先日だから、余計に説得しにくいぞ」

「は?」

「そういえば白銀。知らなかったのよね、アンタ」

「ああ、そう……ですよね。この横浜にハイヴがまだ作られてないってことは、そもそも明星作戦も実行されてるはずが無くて……っとあれ?」

 武の知る限り、G弾が使用されたのは横浜ハイヴに対する明星作戦と全世界規模でのバビロン作戦だけである。そしてこの世界においてはいまだそのどちらも実行されていない。

 

 

 

「この世界線においては、先日の2001年10月22日に朝鮮半島の鉄原ハイヴに対する間引き作戦が、初のG弾の実戦使用となる」

 当然、爆心地での恒久的な重力異常や、それに伴う生態系特に植生への影響などの研究は、まったくと言っていいほど進んでいない。また明星作戦とは違い、ハイヴを攻略できたわけではないので調査さえ不可能だ。

 

「ついでと言えば、私がこのように縮んだ?いや若返ったのか? G弾の影響だと推測される」

 爆心地どころか反応境界線からも離れていたはずなのに、ターニャの身体には謎の効果が出ている。一応の検査では若返ったとしか言えないようだが、長期的な影響は予想もできていない。

 

「あ~そのようなお姿なのは、そういう理由?ですか」

「第五次元効果で若返った、など下手に触れ回れん。不老長寿を求めてG元素を飲む輩まで出始めかねんからな」

 さすがに表立ってそれを理由に第五を推進するような権力者はいないと思いたいが、ターニャの事務次官補という立場が無ければ、今頃どこかの研究室で薬漬けにされていてもおかしくはない。

 

「と、まあ。私の若返りはともかく、だ。第五を推進する連中にしてみれば、G弾の効果は肯定すべき点は多い。前線国家においても核のような直接的影響がいまだ理解されていない点で、G弾使用に肯定的な勢力も強い」

 

 第三が上げた成果が少なすぎるのも問題だった。オカルトじみた情報探索計画にこれ以上金と時間を掛けたくない、というのはよく判る。そしてその延長上の計画である第四の中核たる00ユニットの理解しにくさはESP発現体の比ではない。

 

 

 

 

 

 

「ここまでの話を聞くに、デグレチャフ事務次官補は、第五を推進するのですか?」

「まさか。あんな杜撰な計画を推し進めるなど、まったくの資源の浪費だ」

 移民船建造もガワはともかく中身は後に回してほしい、とまで言う。

 先ほどまでの発言は何だったのかと武としては思わないではない。が、話し合いの前提としては必要だったのだ、と考え直す。第五の利点として並べられた物は、それだけを提示されたとしたら納得してしまいそうなのだ。

 

「恒星間移民はともかく、G弾によるハイヴ攻略が可能だとする勢力、その立場はなんとなくですが判った気がします」

 かつての故郷を取り戻すためであれば手段を選ばない、という気持ちは理解できる。

 ただそれでもG弾の威力に幻想を抱き、重力影響の被害を低く見積もりすぎている点には、同意できない。

 

「ふむ。敵を知るという面で言えば、白銀。第五推進派をどう見ている?」

「え~と。先程までは、アメリカの利権を最大化したい自国覇権主義的な集団、といった感じで捉えていましたが……そんな簡単ではないんですよね」

「三流ドラマ張りの単純化されたまったくの先入観だな。正解からは程遠い。今はどうなのだ?」

 

「移民派とG弾派とが違うのはなんとなく判ります。自分たちが助かるために逃げ出したい奴と、BETAに勝てると思ってその後の覇権を握りたい奴の違いですよね?」

「へぇ~白銀、一応アンタ頭付いてるのね。じゃあG弾推進派の中でも違いがあるってのも判るわよね」

「え……G弾推進派の中身、ですか?」

 

 どうも二人からテストされてるようにしか思えないが、ここで切り捨てられるのも釈然としないので頭を動かす。

 ただ武としては以前の世界で目にした光景からG弾への拒否感が強く、どうしてもG弾を使おうとする者たちを理解しようと思えず、その心情が想像しにくい。

 

 

 

「やはりまだ受け入れれんか。良いだろう、簡単に説明してやる。先に白銀の言った通り、第五でも移民推進派とG弾推進派とは、かなり立場も構成員も違う。さらにG弾推進派の中でも実行の時期や使用する規模で、早期実行を目指す者たちと時期を見計らっている連中、逐次投入か集中運用かなどでバラバラだな」

 第五はアメリカが提唱し推し進めている計画だが、推進派には他の国の者もいる。むしろすでに国土をBETAに取り込まれた国家の中には、早期の奪還を企図してのG弾推進派も多い。

 もちろん比率としてはG弾推進派はアメリカの人間が最大だ。そしてBETA大戦後の世界覇権を握ろうと画策する者たちが中核ではあるものの、そのアメリカの中でさえ纏まっているわけではないという。

 

「ぶっちゃければBETAが中ソを完全に潰してくれるまでは積極的に介入しない、ってのがアメリカの中では一定数居るのよ。というかその筆頭みたいなのが、こちらのデグレチャフ事務次官補よ」

「ふん。せっかくあの土木作業機械がコミーどもを食いつぶしてくれているのだ。中ソの連中はどうせ助けたとしても借りだとも考えんぞ? いや貸し借りという原始的な取引さえ理解できんような連中のために、合衆国国民を危険に晒すようなことは出来うる限り避けるのが当然ではないかね?」

 BETAよりも先に社会主義者どもを滅ぼせとばかりにターニャは吐き捨てる。

 完全に防諜対策が為されていると安心しているのか、ターニャの言葉が先程からかなり崩れ始めていた。

 

 

 

「え、いや、今人類が存亡の危機に瀕してるんですよね? なんで力を合わせて立ち向かおうとしないんですかっ!?」

「人類一丸となってか、良い言葉だな。なのになぜ協力しないか? そんなことはコミーどもに聞いてくれ。組織内部での脚の引っぱり合いは奴らの伝統芸能だ」

 元の世界で歴史で習っただろう、と言われると返す言葉もない。大学受験のそれも内部進学者用の物だが、一応は世界史の枠内での知識はある。その数少ない知識でも、100年に満たないソビエトの歴史が分裂と内部粛清の連鎖だったというくらいは知っている。

 

「それともなにかね、ヨシフおじさんよりも、もーおじさんの信奉者になりたいかね? まあある意味正しさは証明されたとは言えよう。半数どころか七割近くの人口を失いながらも、あの国は一応なりとも列強の一角に居座っているのだからな」

 どうやらターニャは本気で共産主義が嫌いなようで、辛辣な言葉を立て続けに吐く。

 

「アタシとしては、どこの政治家も程度はどうあれ無能だとは思いますが……事務次官補が懸念することは判りますわ」

「下手に中ソの介入を許したままにハイヴの攻略など達成したとすると、BETA由来技術の拡散でそれこそ人類が滅ぶ」

 BETAによる損害が大きいこの世界では相互確証破壊が成立しない。そんな情勢下でG弾などが拡散した場合、自国の地位強化の為だけに、今無傷の後方国家群に向けて使用するであろう国がいくつでも想像できる。

 

「理想としては、中国共産党が消滅し、ソビエトが解体されてロシアと周辺国とに分裂。中露を常任理事国から、今の日本・オーストラリアと切り替わりで時限理事国に、むしろできれば安保理から放り出した後、ハイヴ攻略を始めたいくらいだ」

 さすがにそこまでの余裕は今の人類にはないがね、とは言うものの目がまったく笑っていない。出来るのであればその状況を整えたいとターニャが考えているのは、間違いなさそうだ。

 

 

 

 

 

 

「まあコミーどものことは横に置こう。考えるだけでも腹立たしい。話を戻して、第五の問題点だ。香月博士としては、どう考える?」

「第五の問題は、敵を知ることを止めてしまうこと、ですね」

 武と違い、夕呼はあっさりと答える。

 

「判ったかね、白銀? これこそが第五計画の最大の問題だ」

 ディグニファイド12以来、オルタネイティヴ計画の根本的目的はBETAを知ること、これに尽きる。G弾を用いての対BETA戦略などを掲げる第五が特殊なのだ。

 現時点では武とターニャの未来知識とでも言える情報で、何とか対応策が立てられる。だが、それが活用できるのはあと数年程度だ。それ以上に時間をかけてしまい、もし「あ号標的」が人間の対抗脅威度を上方修正し新種のBETAなどを投入しようものなら、人類は対処療法的な防衛戦を強いられ敗北が確定的となる。

 

 

 

「そこで香月博士の協力が必要なのだ。第四の成果としてBETAの戦略・戦術行動を世界に提示する。それと並行しての喀什攻略だな」

「先ほど上げた三点の速やかな情報公開、ですか」

 母艦級などの新種の存在と、箒型戦術情報伝播モデル、そしてなによりBETAは学習するということ。

 

 特に注意しなければならないのは、相手の学習能力である。

 今のところは光線級や兵士級などといったある意味場当たり的な対策しかBETAは取っていない。初歩的な欺瞞戦術なども採用している気配はあるが、ターニャや武の知識からしても「戦術」と言えるほどの行動を取り始めるのはもう少し先のはずだ。

 

「BETAは学習し対処してくる。だが我々が何よりも警戒しなければならないのは、アメリカでなく自国利益を目論んでG弾の使用を推進する連中だ」

 周辺諸国が中途半端にG弾や電磁投射砲などBETA由来技術の兵器を使って、「人類がBETAを排除できる」とBETAに知られそれらに対処されてしまうことこそ、警戒しなければならないとターニャは言う。

 

 実のところ、第四が成功したとしても、アメリカの権勢にはさほど影響がない。それどころかむしろ地位向上も見込める。第四は日本が推進する計画ではあるが、日本の次に計画に出資しているのは、当然と言えば当然だがアメリカである。

 第四が十分に満足できる結果を出したならば、もっとも協力した「良きパートナー」として振る舞うだけなのだ。

 

 それはつまりは第四であれ第五であれ、合衆国主導の元でBETA大戦を終結させるという意味でもある。

 

 

 

「不満そうだな白銀? アメリカ主導のBETA大戦後の世界に納得できないというのであれば、帝国の力を付けておくことだ」

「それは……そうなのでしょうが」

 武としては言葉を濁すしかない。いくつものループでそれなりの年齢を重ねた記憶があるとはいえ、良くて20半ば程度までの記憶だ。それも大半が衛士としての物である。

 正直なところ、そんな政治向きのことは他の誰かががんばってくれと言いたい。

 

「まあ貴様の存在で、少しばかり日本帝国が有利になることは間違いなかろう。香月博士を説得する手間も省けた。XM3用の三次元機動データも取れるだろう。私が予定していたよりは少々計画は前倒しにできるはずだ」

 ターニャとしては「白銀武」の出現が無くとも、現状と似たような工程は考慮していたという。

 BETAの学習と対応とを止めるためにも、まずは喀什の最深部にある大型反応炉、重頭脳級「あ号標的」を破壊する。そのためには喀什に限定した上でG弾の少数投下後、軍団規模の戦術機機甲部隊のみでの侵攻を想定していた。

 

 ただそれは多大な犠牲の上に成り立つもので、成功も覚束ない。

 半導体技術の進歩も遅く、OSの改良はその利点の提示が難しい。第三世代戦術機の登場とその量産とを待たねばならなかったが、いまだに各国ともに満足な数を揃えられていない。

 しかも時間を掛ければ有利なのはBETA側だ。

 

 そして何よりも、BETA支配地域の中心点ともいえる喀什をいきなり攻撃する必要性を各国に納得させて合意させるだけの要因が極めて薄い。

 

 

 

「OSの問題が解決すれば、第一世代機や第二世代機でも十分な戦力となる。第四計画の成果として、喀什への重点攻撃の必要性を宣言することも任せられる」

「やはり事務次官補は00ユニットは完成できない、と?」

「香月博士の能力に疑問があるわけではないよ。先に言ったとおりだ。アレは世界の縛りとでもいうのか? この世界だけでは作れんと思う。そしていまの白銀武には、世界線を超えることは不可能だろう」

 

 AL世界線においても、国家や国連の援助を受けて、時間をかけ続けて研究していたのに成果は上げられなかった。それがEX世界線においてはあっさりと解決しているのだ。

 基本となる概念、発想の問題であれば、このままではけっして解に辿り着かない可能性の方が高い。

 

「もしかすれば、私や白銀の影響を受けて、明日にでもひらめくかもしれん。頭は柔らかく、としか言いようがないな」

「そういえばあっちの夕呼先生、なんかクソゲーやってて思いついたって言ってましたからねぇ。こっちじゃ無理か……」

 

 

 

「それに、だ。00ユニットがあればある程度の問題解消にはなるが、00ユニットだけでBETA大戦が人類勝利の末に終結する、というものでもない」

 00ユニットを用いて収集したい情報は立場によってそれなりに変わってくるであろうが、軍関係者としては直接的に対峙しているBETAの情報、そしてハイヴ攻略に向けての地下構造マップだ。

 

 しかしこれらの情報を手に入れるには、リーディングの為に00ユニットが反応炉、頭脳級に接触する必要がある。

 横浜ハイヴの生きた反応炉が存在しないこの世界では、あらためてハイヴを攻略しなければならないのだ。ハイヴ攻略のための地図が欲しいのに、それを手に入れるのは攻略後となる。00ユニットがたとえ完成したとしても、最初のハイヴ攻略が手探りなのは変わらない。

 

「結局のところは、まずいきなり喀什攻略、ですか」

「現状どこまで信用できるか怪しい限りだけど、ハイヴ地下茎の地図がそれなりにあるのは、白銀、アンタが書きだした喀什のそれくらいなのよ」

「ただし白銀の情報を元に喀什攻略を計画するなら、遅くとも2002年度中には実施すべきだな」

 

 霞のリーディングによる手助けもあって、武本人が思っていた以上に詳細に地図は書き出せた。ただそれは武が通ったルートに関してだけのことであり、また今後ハイヴが拡張することで変化してしまう可能性が高い。

 

 

 

「さて白銀、00ユニット無しでの喀什攻略。経験者としてはどう立案するかね?」

「ですが00ユニットが作れないとなると、XG-70は使えないんですよね。無理ゲーっぽくないですか?」

 ターニャをしてG弾抜きでの喀什攻略は不可能だと判断した。

 無理じゃないかとは言えない。ここで諦めたならば、00ユニット開発が絶望的な現状、第五計画が発動し「バビロン災害」がもたらされる可能性が高い。

 

 冗談紛れに武が口にするが、まったく考え付かない。00ユニットがあってしても、作戦から生還したのは武と霞の唯二人だけだったのだ。

 しばらく考えさせてくれとしか、武は答えようがなかった。

 

 

 

 

 

 

 




第四と第五計画見直しその2~という感じです。でようやく100000字超えました。お付き合いしていただいている皆様、ありがとうございます。

とりあえず七月いっぱいくらいまでは毎週火曜土曜二回更新は出来そうな……何とかしたいなぁくらいで進めます。

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