アーサー・ペンドラゴン。
騎士王とも呼ばれ、選定剣を抜くことで王となった伝説の英雄の一人。それを召喚する為の準備はすでに整った。
これで、後は切嗣が儀式を行うだけ。きっと成功させてくれるだろう。
アイリスフィールには、そんな確信があった。そもそも今回触媒として用意した鞘に、かの騎士王ほど縁深い者はいないだろう。
なのに、これはどう言うことなのだろうか?
目の前に現れたのはとても騎士王には見えない。と言うか人間にすら見えない。白いアリクイのような顔、大きな瞳、背は小さく、やけに長い白のシルクハットをかぶりステッキで床をコンコンとついている。
「………君は、いったい」
切嗣が困惑しながら話しかけるとその生物は切嗣に目を向けた。そして、ステッキをクルクル回しながら持ち上げ切嗣を指す。
「名を訪ねる時は自分から名乗ると教わらなかったのか?」
「………え?」
まあ、確かに常識的な事だとは思うけど、それが召喚されたサーヴァントの台詞なのだろうか?と言うかやっぱりあれ、本当にサーヴァント?
「僕は、君のマスターになるんだろうね。切つ──」
「ヴァカメ!貴様の名など聞いていないわ!」
ええ!?だって貴方今、名を名乗れ的なこと言ってたじゃない!
切嗣を見れば頬がピクピク動いている。珍しい、この人でもこんな顔をするのか。
「私か?私はエクスカリバーだ!」
「…………は?」
「………え?」
いま、この生物は何と言ったのだろう?
エクスカリバー?アーサー王の?
……………この生物が?
「エクスキャリバ~~♪
エクスキャリバ~~♪
フロム ユナイテッド キング♪
アイム ルッキング フォ ヒム♪
アイム ゴイング トゥ キャルフォルニア~~♪」
そして、自称エクスカリバーは杖をクルクル回しすてっぶを踏みながら歌い始めた。
「少し、聞いてもい───」
「エクスキャリバ~~♪
エクスキャリバ~~♪
フロム ユナイテッド キング♪
アイム ルッキング フォ ヒム♪
アイム ゴイング トゥ キャルフォルニア~~♪」
え、二曲目?しかも歌詞変わってないし。あ、切嗣の額に青筋が……
「エクスキャリバ~~♪
エクスキャリバ~~♪
フロム ユナイテッド キング♪
アイム ルッキング フォ ヒム♪
アイム ゴイング トゥ キャルフォルニア~~♪」
「エクスキャリバ~~♪
エクスキャリバ~~♪
フロム ユナイテッド キング♪
アイム ルッキング フォ ヒム♪
アイム ゴイング トゥ キャルフォルニア~~♪」
「エクスキャリバ~~♪
エクスキャリバ~~♪
フロム ユナイテッド キング♪
アイム ルッキング フォ ヒム♪
アイム ゴイング トゥ キャルフォルニア~~♪」
何時まで歌うのかしら?
あ、終わった。取りあえず拍手をしておく。
エクスカリバー?は何処からか取り出した紅茶を飲み、ふぅ、とため息を吐く。
「で?何の話だったかな?」
ダン!と銃声が響き渡りエクスカリバー?がポテリと倒れた。切嗣が撃ったのだ。そんなにあの歌が気に入らなかったのかしら?私は良い歌だと思ったけど……。って、あれ?召喚したサーヴァント殺しちゃったけど、どうなるのかしら?