朱乃「本当に何て事をしてくれたのかしら、ねぇ?」グリグリ
作「痛い痛い痛い痛い痛い!?反省してます!本当に反省してますから土下座で下げた頭を踏み躙らないで!?」(誰も得しない土下座中)
拓「さて、今回もオール俺サイドだな。では第二十話をどうぞ」
拓海side in
あの夜の次の日、事件は起きた。
兵藤が廃教会にカチコミをかけると言い出したのだ。
恐らくは、あのシスターだろう。名前は………アー、アー………
『アーシア、ではなかったか?』
それだシルバー。アーシアとかいうシスター。ソイツと何だかんだで親交が出来た兵藤はソイツを助けるために弱点である『光』の力を持つ堕天使に立ち向かうらしい。
さーすが主人公。やること成すことがぶっ飛んでるねぇ?
『ふっ、それは皮肉か拓海?』
………まあ、違うと言えば嘘になるかね。後先考えずに行動できるってのは主人公の特権みたいなモノだし。俺だとまあ………朱乃姉が絡まなきゃそんな首突っ込まないし……あ、兵藤がグレモリーに頬殴られた。
「………何度言ってもダメなものはダメよ。あのシスターを救助するのは認められないわ」
そう言いつつもカチコミかける気満々じゃねーかグレモリー。魂見ててわかるぞオイ。*1
………まあ、端から観れば火種に成りかねないのは事実なので兵藤と言い合ってるが、今は此処にいない朱乃姉からバラキエルさんに連絡してるからその許可さえあれば即教会に行くだろう。
「……じゃあ、俺を眷属から外してください。それなら」
ん?朱乃姉が来たな……ってことは───
「リアス、お父様からの連絡よ。『その場の裁量は拓海君と君に任せる』……つまり、私達が出張って討伐をしても構わないと言うことね」
「ッ!」
────成る程、じゃあ出陣だな。恐らくグレモリーも俺が聴いてるのは分かるだろうし、後はどう兵藤を焚き付けるか……あ、兵藤をチラッと見た。
「………大事な用事が出来たわ。私と朱乃、そして拓海はこれから少し外に出るわね」
「────ッ、ぶ、部長、まだ話は終わって───」
と、兵藤が詰め寄ろうとするのを遮るように人さし指を兵藤の口に当てた……よく突き指せずにできるな。
「イッセー、貴方にいくつか話しておく事があるわ。まず────」
と言ってグレモリーは二つの事を話した。
一つは『
二つ目は神器と感情の結び付き。そして言外に廃教会を
「………で、正面突破の花形は兵藤達に任せて、俺らは先に行ってアイツらの露払いをするって事か?グレモリー」
「ええ、そうね。小猫と祐斗が付いてるとはいえ、多くの堕天使達が居て集中攻撃されたら危ないでしょうし……」
「フフッ、やっぱりリアスは過保護ね♪」
「良いじゃないの朱乃姉。グレモリーって学校ではもてはやされ過ぎて同学年だとほぼボッチ状態らしいし」
「まあ確かに。私やソーナが居ないと昼休みは自分の机で一人寂しく────」
「二人とも私を今弄るのは止めてくれないかしら!?これ以上は泣くわよ!?」
あ、本当にちょっと泣きかけてる。
「はいはい、分かりましたよ。あ、ちなみに潜影の準備はOKだからさっさと掴まってちょ」
「喋らないで準備出来ないのかしら……さっさと行くわよ!」
「ええ、私もOKよ、拓海君♪」
そう告げて朱乃姉が俺の右腕に抱き付き、グレモリーが俺の服の襟を掴む。
「───んじゃまあ、頼むぜファヴニ。下へ参りま~す。足元に御注意下さ~い、ってね?」
そう軽口を叩いて、俺を含めた三人は影の中に潜っていった。
拓海side out
次回『知り合いを捕獲するようです。(仮)』