拓海「ドンマイ、作者。前回お気に入り百件突破したから元気出せ」
ソロマ「次からは、書いてから予告しようか?」
作「そうします……では!第六話、どうぞ!」
拓海side in
『両腕』と
まあそうだろう。普通だと思っていた小学生の子供があんな異能を持っていたのだ、問い詰めずにはいられないだろう。
いや、でもしかし、やはり怖い。
今までずっと黙っていた事をどう話すか、どうしてこの力を持っていたのか──それを聞かれて拒絶されるのが怖い。
「──で、拓海」
「─ッ!」
「あの腕はどうしたんだ?右と左で色が違っていたようだが?」
「………ッ…」
どうする?正直に言うか?でも転生者と言っても信じてもらえないだろうし──
「──右の方…『
「……そうか。じゃあ何故あるのかは分からないんだな?」
「………うん」
──俺は真実を織り混ぜながら嘘をついた。
まだ俺は『転生者』来谷 拓海──ではなく、『来谷家の長男』来谷 拓海、としてこの世界にいたい。そう考えていると、何処かからか大きな羽音が聴こえてきた。
「───和久殿。お待たせ致した」
「ああ、バラキエルさん。──そちらの方が家の倅の力に詳しい方ですか?」
バラキエルさんの後ろにいる人?は前髪を金髪に染めているちょいワル親父みたいな姿で、バラキエルさん同様に人ではない気配をしていた。
「──ん?こいつが俺に見せたいって言ってた
「ああ、そうだアザゼル。この子が朱璃と朱乃を守ってくれた子だ」
「──ッ!…こいつが、か……」
成る程。このまだ厨二病を患ってそうなオッサンの名前はアザゼルというのか……アザゼル?…ってことは堕天使なのか?オレカのデザインとは違うけど。
「───オイ、坊主」
「いや、坊主じゃなくて禿げてない所の髪を全て剃ってるだけですが?」
「…スマンが、アンタじゃないぞ?ってかそれで良いのかアンタは?貴重な髪の毛を剃っていて──いや、話が逸れたな。そこのガキンチョ、とりあえず出せる力全部出してみろ。どんな神器か見てやるから」
──ああ、そうか。昨日の戦闘で使ったシルバーとファヴニール、そして煌天雷獄の力を見るために来たのか……見せてほしいってか?見せてやるよォ!!
「──シルバー、ファヴニール」
『承知した』
『良いだろう』
俺は二体の名前を呼んで『右腕』、『左腕』を展開する。
蒼い稲妻を纏わせて『
闇の瘴気を纏わせて『
それぞれの腕に展開させてアザゼルに見せる──そうすると、少し驚いたような顔をしていた。
「──ッ…!こいつぁ何だ?『
「あのー、もう一つあるので少し離れてくれませんかね?」
「ハァ!?もう一個あるのか!?」
驚いているアザゼルは放っておき、俺は『両腕』を解除し『煌天雷獄』を発動させて、風を集めて小さな竜巻を造り出す。ついでに雲を集めて雨を降らせるか試しておこう。
「──お、両立できた」
「───オイ、オイオイオイッ…まさかこいつは…!」
「…アザゼル、この力はまさか──」
「ああ…『煌天雷獄』の可能性が高いぜ……ハハッ、トンでもねぇ規格外野郎が生まれて来やがった……」
──まあ特典を貰ってるから規格外なのは違いないけど、でも生まれた家と『
『いや、ボクもこんなになるなんて思ってもいなかったからね!?あとソロえもん言うな!!』
『呼びやすいから良いじゃないか。そうカッカすんなよ』
ソロえもんの説明になってない説明と文句を聞き流して『煌天雷獄』を使って雨を止めると、アザゼルが話し掛けてきた。
「──あー、ガキンチョ。名前聞いてなかったな、なんて名前だ?」
「──拓海。来谷 拓海」
「そうか……じゃあタクミ、ハッキリ言うが…
「得体の知れない神器二つを持ってるだけでもヤバイのに、神滅具でトップクラスの力を持つ『煌天雷獄』まであると来た。悪魔共なら即行で『
「───そうですか…とりあえず、さっさと鍛えて強くなれ─という事ですか?」
「──?ああ、そうだが?」
そうか…正直運動とかしたくない。でも今からしないと後々ヤバくなる──朱乃姉を護れなくなる…なら───
「──父さん、お願いがあります」
「……何だ?」
「───本気か?拓海」
「本気。そもそも俺の家、普通の家じゃないんでしょ?多分陰陽師とかそこら辺の家系──なんだよね?」
「───どうして、それを…」
父さんが目を見開いて俺を見る。そりゃあ小学校に入って三ヶ月の子供から
「図書館で読んだ事があるんだけど、陰陽師って
「───驚いた。あんな神器を持ってやがんのに、頭の回転も速いとはな……で、どうすんだ?タクミの親父さん」
「……」
「……和久殿、気持ちは分かります。私だって朱乃に雷光の力を教えるのは戸惑います…ですが、拓海君自身が教えてくれと言うのです」
「あの様な戦闘を体験して、逃げた方が余程楽なのに、それでも覚悟を決めて戦う術を得ようとしているのです──こうなったのは私にも責任があります、なのでその為には協力は惜しみません──」
「──ッ!!」
「……ただし、自分の子供だからといって手加減はしない。全力で鍛え上げてやる。途中で辞めるのは認めんぞ。それでも良いのか?」
───途中で辞めることが出来ない、だと?
「───上等。むしろ辞めさせないくらいが丁度良い」
「言ったな?男に二言は無いぞ?」
「ああ、撤回する気もない」
俺は元来飽き易い性格だ。それこそ強制的にやらせないと駄目だと自分でも分かってる!だからこそ自分で自分を追い込む!
「───んじゃあ、俺はそろそろ行くぜ。用は済んだからな」
「ああ、連れ出して済まなかったな。アザゼル」
「気にすんな。むしろよく連れてきた。タクミを見てなかったら色々ヤバかったかも知れなかったからな──オイ、タクミ!」
「──ん?」
「暇な時があったら『
「──研究と称して拓海君に変なことをさせるなよ?私は、拓海君に味方するからな?」
「わ、分かってるよバラキエル。ったく、信用ねぇな……──ともかく、俺は帰るぜ。じゃあまたな、タクミ!」
「──ヘイヘイ、暇があったら遊びに行きますよ」
別れ際にそう告げて、アザゼルは帰っていった……面倒そうな相手に目を付けられたものだ。
「さて、帰るぞ拓海。お前が鍛えてくれと頼んだんだ、弱音を吐くなよ?」
「ん、分かってる。じゃーねー朱乃姉。また明日!」
と、そう朱乃姉に告げると…
「───うにゅ…拓海くんバイバイ…」ウトウト
──という可愛い返事を返してくれた。可愛い。
そうして、俺と父さんは姫島家を去ったのであった。
来谷家に帰って早々、父さんがこう告げてきた。
「──拓海、とりあえず腕立て伏せ70回、腹筋70回、その後に家の周りを二十分間走れ。終わったら俺に言ってこい」
───どう聴いても六歳の小学生にやらせるメニューじゃねえ。と、思いながらそのメニューを開始。なんとかメニューをこなして父さんに終えたことを伝えると──
「そうか。じゃあもう一度やってこい」
「───え?」
「ん?だから、今終えたメニューを、もう一度やってこい。と言ってるんだが?」
──ちょっと待って?父さん今なんて言った?もう一度?あの小学生でも到底できない鬼畜メニューを?もう一度!?
「拓海、良いからやってこい。弱音は吐いても良いが、途中で辞めるのは認めん」
「──えっ、でも」
「認めん。良いな?」
「───アッハイ」
──その後、死ぬ気でなんとかメニューを終わらせた俺は、死に体で終わらせたことを父さんに伝えると……
「そうか……今日はもう遅いし、これぐらいにしておくか。だが───」
───つまり…一日で最低でも腕立て伏せ280回、腹筋280回、家の周りを80分も走っても体力を大幅に残せるようになれ、という事か…ハッハッハッ、そうかそうか──
拓海にとってのイレギュラーその8、
『アザゼルに目を付けられる』…拓海がそんなにアザゼルを警戒していないのは、単純にあまり知らないからです。