IS世界に迷い込んだランドたちが、世界の歪みを破壊し、修理するゼーーーット!!!

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“多元世界”

時空振動弾と呼ばれる物により、次元の壁が破壊されたことで出来上がった、あらゆる次元、並行世界が混ざり合った世界。その世界は、“根源的災厄”と呼ばれる存在によって、全次元と全宇宙が滅びの危機に瀕していた

しかし、多元世界に住まう人間たちは諦めなかった。何度も世界の危機を救ってきたスーパーロボット部隊、それは「ZEUTH(ゼウス)」、「ZEXIS(ゼクシス)」、そして「Z-BLUE(ズィー・ブルー)」と名を変え、仲間を増やし、いくつもの並行世界を渡ったりもしながら戦い続けた

時には敗け、時には挫け、時には絶望し……しかし彼ら彼女らは最後まで諦めずに立ち向かい、ついにカオス・コスモスと呼ばれる宇宙で根源的災厄である“御使(みつか)い”の統合体「至高神Z」を撃破、超時空修復を行い、多元世界を超次元世界へと再構築して、宇宙の危機を救った

「天獄戦争」という戦いが終わったことで、「Z-BLUE(ズィー・ブルー)」に属していた人たちはそれぞれの日常へと戻っていった。ある者はグローリー・スターという軍属部隊に復帰し、ある者は天敵の増え続ける借金と悪戦苦闘し、ある者は並行世界の冒険家「ゲートトラベラー」として世界を巡る旅に出た

そして、「ザ・ヒート」と名乗る熱い修理屋の男と彼に寄り添い支える小柄な少女は、ある世界に辿り着く


IS−ザ・ヒート・クラッシャー

「…うぅん……あん?」

 

青臭い雑草の匂いと肌に伝わる草の感触で、男は地面から起き上がって目を覚ます

 

炎のような赤だが、ある程度の長さからオレンジ色に変色している燃える印象を与える髪色。深い緑のタンクトップを着て手袋をはめており、その上からでも分かるほど筋肉質な肉体をしている。顔には僅かに顎ひげが生えていて、男の野性味溢れた風貌、雰囲気と綺麗にマッチしていた

 

ハタから見ればゴロツキような見た目のこの男の名はランド・トラビス。さすらいの修理屋「ビーター・サービス」の2代目を務めており、ソルの心の欠片の1つである「傷だらけの獅子」のスフィア・リアクターでもあった

 

「あ、ダーリン!」

 

周囲の確認をするランドに、1人の背の低い少女が声をかける。ランドの燃えるような赤とは違う、穏やかそうな桜色の短髪。それとは打って変わって露出の多い水着のような服の上からブカブカの作業着を羽織っており、子供のように幼い顔つきをしていた

 

彼女はメール・ビーター。「ビーター・サービス」初代の娘で2代目経営者であり…なんとランドのお嫁さんなのである

 

身長130前後のメールと大柄なランドを見て2人の関係性を知れば、多くの人間がランドを犯罪者扱いする。しかし彼女、子供のような外見に反して、実年齢は18だった。ちなみにランドは29歳である

 

草を踏みしめて立つランドを、メールが不安そうな顔で覗き込む

 

「ダーリン、大丈夫!?」

「あぁ、別に怪我なんかはしてねえぜ」

「よかった!」

 

ランドが腕を回して元気であると見せつけると、メールは嬉しそうに笑った。とりあえず2人の無事を確認すると、ランドは難しそうな顔で状況確認をする

 

「ここはどこだ…?確か俺たち、青の地球のユニオン領の荒野を旅していたはずだよな」

「うん。そしたら、急にガンレオンが吠えだして…」

「そうだ、ガンレオンの中のスフィアが反応したと思ったら光に包まれて、気がついたらここに居たんだったな」

「あたしたち、また時空振動に巻き込まれちゃったの?」

 

メールがランドにそう尋ねる。ランドは以前にもスフィアの力が暴走、または行使した際に時空振動を起こしており、メールはランドに心当たりがないのか気になったのだ。だが、ランドは頭をボリボリ掻いて言う

 

「いや、今回は俺も何が起きたのかは分かんねえな。分かるといえば、ガンレオンがスフィアの力で俺たちごとどこか別の並行世界に跳んだことくらいしかーー」

「ああーーーーー!!!」

 

そこまで聞いて、メールは驚いたように気づく

 

「なんだよ、急にデカい声出すんじゃねえよ!」

「ガンレオン!ダーリン、ガンレオンがどこにも居ないの!!どうしよう!あの中に工具箱とか業務日誌とかダーリン愛しの写真集とか入ってるのに〜!」

「お前そんな物持ってたのかよ!?」

 

取り乱して慌てふためくメールに、ランドは溜め息を吐きながらズボンのポケットに入っていた小柄なスパナを取り出した。いざという時のために幾つかの工具を持ち歩いているランドだが、そのスパナはランドが普段使っている物とは違う…オレンジを中心に黒と銀の配色が混ざった派手な色合いをしていた。その中央には、眩い緑の宝玉が入っていた

 

「メール、これを見ろ」

「…?ダーリン、こんなスパナ持ってたっけ?」

「メール、ガンレオンの中の、「傷だらけの獅子」のスフィアが俺に教えてくれている……ガンレオンは、このスパナだ」

 

一呼吸

 

「えええええええ!!?」

「だから声がデケェって!」

 

たしなめるようにランドは言うが、メールは落ち着かない様子だ

 

「だっ、だってえ!」

「落ち着けってメール。お前の気持ちはよーく分かるが、ここがどこか分からねえ以上、一旦冷静になんなきゃなんねえだろうが」

「う、うん…すー、はー、すー、はー」

 

小さい体を揺らしながら深呼吸を始める。10秒くらい深呼吸をすると、メールはある程度落ち着きを取り戻した

 

「落ち着いたか、メール?」

「ねえ、ダーリン。そのスパナがガンレオンって本当?」

「ああ、直に触っているとガンレオンの意思が流れ込んでくる。理由は分からねえが、次元転移した際にスパナに変わったと見るべきだろうな」

 

そう言い切ったランドの言葉をメールは信じた。なんだかんだ言って、ランドは意味のない嘘はつかない。だからスパナに変わってしまったガンレオンを見て、メールは不思議そうに呟く

 

「そっかぁ。ガンレオン、どうしてスパナにーー」

 

 

 

「見ーーーっつっけたぁ!!!」

 

 

 

そして、そこに奇妙な闖入者が現れた

 

腰まである長い紫色の髪が揺れ、その頭部には機械でできたうさ耳のようなものが生えて、垂れている。エプロンドレスのような服を着たタレ目気味のナイスバディな美女であり…ぶっちゃけていえば、ランドの好みどストライクゾーンな女性であった

 

「な、なんだぁ!?」

 

あわや、浮気とメールがランドにブチ切れるかもしれなかったが、それよりもランドは突然空から降ってきた、「アリスと不思議な国」にでも出てきそうな女性に困惑していた

 

「目標、タ〜ゲットロック〜♪直ちにゲットするなり〜!」

 

そして女性の後ろからマジックハンドが飛び出し、ランドが握っていたスパナ…ガンレオンを奪い取るべく手を伸ばしてきた

 

「ッ!!」

 

相手の狙いがガンレオンと分かったランドは即座に反応し、懐から別のスパナを取り出して、迫るマジックハンド向けて勢いよく振り下ろした。超頑丈な素材で作られたスパナはマジックハンドを真正面からコナゴナに砕いた

 

それを見た女性は一瞬目を丸くして、そして子供のように癇癪を起こす

 

「ムッキー!有象無象の分際で束さんの“物トレールくん53号”を壊しちゃってくれてさー!どんな素材でできてんのそのスパナ?」

「いきなりガンレオンを奪ろうとしてきたドロボーのくせに何言ってんのよ!」

「てめえ、一体何もんだ!!」

 

右手でスパナをクルクル回しながら臨戦態勢に入るランドとは逆に、うさ耳の女性は鬱陶しそうな顔をするだけ

 

「何?私のこと知らないの?ま、いーや、教えたげるよ。私の名前は篠ノ之(しののの)(たばね)。全世界でも超超超〜有名な、ISの開発者だよ〜」

「すっごく偉そう!」

「IS?なんだそりゃ?」

 

ランドは束の言動に違和感を感じた。自分のことを知らないことに疑問を持っている、これは束を知っていることが世界の常識だと言わんばかりの発言である。しかしランドやメールはもちろん、おそらく以前所属していた「Z-BLUE(ズィー・ブルー)」のみんなですら、篠ノ之束を知っているかと聞けば首を振ることだろう。それは大きな矛盾であった

 

(ISってやつが有名なのかこいつが有名なのか分からねえが、こいつが自称有名人でもない限り、俺たちの知らない並行世界に転移した可能性が濃厚だな)

「ISも知らない?現代人らしい見た目だけど、辺鄙な無人島で暮らしてるから世間常識に疎いのかな〜…」

(なるほど、しかも俺たちは無人島にいるみてえだな)

 

緊迫した状況でも冷静に状況確認を怠らないランド。そしてウンウン唸りながら考え込む束はやがて顔を上げると

 

「でもいっか!目標のI()S()がゲットできれば、こんな有象無象に束さんを追いかけられるわけないし!」

 

新しい2本のマジックアームをランドめがけて伸ばした

 

「ガンレオンは渡さねえ!」

 

それをランドは再びスパナを振り下ろして破壊しようとする

 

「スイッチ、オン!」

 

バリバリバリバリ!

 

「があああああ!!」

「ダーリン!!」

 

マジックアームに触れた瞬間、凄まじい電撃がランドに流れ込んでいく。堪えながらも必死に電撃を耐え続けるランドを見て、束が面白そうに笑う

 

「アッハッハッハッ!抵抗しても無駄無駄!常人じゃなくてもショック死間違いなしの100万ボルトなんだよ〜。大人しくISを渡してくれれば、ギリギリ生きてはいるかもね〜♪」

「ちょっと!このままじゃダーリンが死んじゃうじゃない!早く止めなさいよ!」

 

束に電撃を止めるようメールが呼びかけるが、石ころでも見るような冷酷な目を束は向ける

 

「うるさいなぁ。束さんも知らないISコアも持ってるお前らが悪いんだろ、このちんちくりん」

「誰がちんちくりんよ!てか、ISコアなんてものあたしたち持ってないわよ!あんたが奪ろうとしているの、あたしたちの大事なガンレオンじゃない!」

「お前、もう黙ってろよ」

 

そう言って、メールに電撃アームを伸ばそうとする……が、電撃に耐え続けるランドがそれを阻止する

 

「心配…いらねえぜ…メール…!」

「……嘘でしょ?なんでこの電撃を生身で耐え続けられるの?ちーちゃんや束さんでも不可能なのに…お前、本当に人間?」

 

歯をくいしばるランドを束はありえないものを見るような目で見るが、獅子のように鋭い目でランドは返す

 

「この程度の電撃なんざ、今までの戦いやガンレオンが与えてきた痛みに比べれば……屁みたいなもんだ!!」

 

痛みを堪え、立ち上がり、悠然と戦う意思を見せるランド。痛みに耐えて戦う心に呼応して、スパナに変質したガンレオンが光り、ランドとメールを包め始める

 

「なんだ!?」

「え!え!何!?何!?」

 

メールを包んだ光はやがて緑色の小さな球体となり、ランドを包む人型の光に入り込む。そして光が徐々に収まり…光が完全に消えたそこには、オレンジの装甲となりてランドの体に纏う獅子の姿があった

 

爪のようなものが見え隠れする重厚な太い脚部、両肩部についた小型のチェーンソーの刃がある工具、背面に縦に折り畳まれた黒い翼のスラスター。胸部と頭部には獅子の頭があり、マスクがついた口元の上の目が深い緑色に光る

 

そして何より目立つのが、右手に握られている巨大なレンチ。ランドの身長よりも頭3つ分は大きい、「ライアット・ジャレンチ」とランドたちが呼称している物だった

 

「な、なんだこりゃ!?こりゃ、ガンレオンか?」

 

しかし、さらにランドが驚く自体がメールの身に起きていた

 

『ねえねえ、ダーリン…』

「うお!どこからともなくメールの声が!お前どこにいるんだ!?」

『ガンレオンの中…正確に言えば、スフィアの中。私、またスフィアと一体化しちゃったみたい』

「ハァ!?」

 

驚きの連続に、ランドは混乱の極みに至る

 

「何これ、全身装甲(フルスキン)タイプのIS?しかもいっくん以外の男が使えて、もう1人の方もISの中に入っちゃって…束さんの天才頭脳を持ってしても訳わかんないんだけど!」

 

IS開発者の束も、この異常事態には頭を抱えた

 

しかし、そんなランドにさらに追い討ちをかけるようなことがやってきた

 

「こちらα2、ターゲットの篠ノ之博士を確認」

 

ランドともメールとも束とも違う、第3者の女の声が束の耳に届く。舌打ちしながら束は後方の空を見上げ、ランドもそちらを見てみると、深緑の装甲を持つIS、ラファール・リヴァイヴを装備した茶髪の女性が宙に浮いていた。背部の2つのスラスターを使い、ランドたち…正確には束に近づいていた

 

「チッ、面倒くさがって雑に振り切ったのが失敗だったかな」

 

束の口ぶりからするに、どうやら束を追いかけているらしい。それが分かったランドは冷静に束に話しかける

 

「なあ、篠ノ之っつったか?」

「何?今束さん忙しいから話しかけないでくんない?」

「お前さん、あいつらに追われてんのか?」

「…………」

 

無視して取り出したマシンを弄り始めるが、ランドもそれを無視して話しかける

 

「俺があいつらを追っ払ってやる」

「…はぁ?なんで?」

 

心底バカにしたように束は言う

 

「正直、俺たちは今どこにいるのか分からなくてな。お前さんが今後俺たちの邪魔をしないって言うんなら、協力してやってもいいぜ」

「別にいらないし邪魔。あんなの束さんの敵じゃあ…」

「それに」

 

邪険に扱うセリフをぶった切って、足裏のスラスターで浮き上がりながら、ランドは言う

 

「寄ってたかって1人の女を追いかけ回してんのを見逃したんじゃ、男が廃るってもんだ!」

『さっすがダーリン、カッコいい!』

 

その言葉を言い放つと同時に、ラファール・リヴァイヴに向かって空を飛翔した

 

一方、束を懐柔すべく捕獲の任を任されたラファールに搭乗していた女は、迫り来る全身装甲(フルスキン)のISに目がいっていた

 

全身装甲(フルスキン)タイプのIS?わざわざこっちに向かってくるってことは、護衛用のISってことね!」

 

即座に手に持ったライフルで距離を取りながらガンレオン向けて射撃を行う。見た目に反してかなりの速度がある方とはいえ、前面に弾幕を貼ればまず躱せないだろうと踏んだ攻撃を

 

「スパナにゃ、こんな使い方もある!」

 

取り出した2つのスパナを連結させてヌンチャク(ブンマー・スパナ)にすると、それをブーメランめいてラファールめがけてぶん投げた。回転する頑丈なスパナは盾のように弾丸を弾き、そのまま敵めがけて飛んでいく

 

「なっ!?」

 

あまりに非常識な光景に思わず硬直してしまい、そのままブンマー・スパナは衝撃を与えながら、ラファールのシールドエネルギーを削っていく

 

「くうぅ!」

 

しかしそれだけではランドは終わらせず、ブンマー・スパナの軌道に乗ってすでにラファールの目の前まで移動したガンレオンは、戻ってきたスパナを振り下ろす

 

「でや!」

「きゃあああ!」

 

あくまで肩部のスラスターのみを狙っていたため大したダメージにはならなかったが、ラファールは機動力を半分失ったことで地面に叩きつけられる

 

「やっべ、加減ミスった!」

 

土煙が舞う地面を見て、思わずランドは地面に落ちたラファールに近づく。生身には当てないように攻撃したものの、あの高さから落ちたのでは怪我をしたかもしれないという考えから出た行動だった

 

「う、うぅ……あの声、まさか…!」

「おいあんた、大丈夫か?」

 

重厚な足音を鳴らしながらこちらに話しかけてくる、ガンレオンから聞こえる()()()。女は確信した

 

「そ、そんなバカな!なぜ、男がISを!?」

「なんだ?俺がガンレオンに乗ってるのがそんなにおかしいか?」

「当たり前じゃない!ISは女のみが使える特別な力よ!あんたみたいな低俗な男が使っていいシロモノじゃないのよ!」

『何よ!ダーリンをバカにして!』

「落ち着けって、メール」

 

さらに女の子の声が聞こえてきたことに一瞬困惑するが、オペレーターか何かなのだろうと結論づけた

 

「お前さん、悪いことは言わねえ。さっさとどっかに行っちまった方がいいぜ」

「なんですって…!」

「生憎だが、敵を修理して返してやるつもりはねえ。これ以上ぶっ壊されねえうちに逃げた方が身のためだと思うぜ」

 

そう言い切ったランドの言葉に、ラファールの女は怒りに震えた。自分よりも劣っている男が見逃すと言っていた事実が認められず、たまらず暴言を吐き

 

 

 

「ふざけてんじゃないわよ!何が修理よ!あんたみたいな野蛮な男なんか、()()()がお似合いよ!!」

 

 

 

それが、ランド・トラビスと言う名の獅子の尾を踏んだ

 

「アァン!!?」

「!?」

 

さっきまでの温厚そうな声とは打って変わって、皮肉なことに先ほど口にした野蛮といえる怒りに満ちたランドの声音に女は困惑する

 

「……いいぜ。てめえみてえな悪党には容赦しねえ方がよさそうだな」

『ちょっとダーリン、落ち着いてってば!』

 

さっきとはまるで逆の立場のやり取りをするランドとメール

 

ライオンの唸り声みたいに低いランドの声に、女は思わず後ずさるが時すでに遅し。緑の光と共にライアット・ジャレンチを次元力で宙から出現させて、ランドはラファールに躙り寄る

 

「世界一熱い男のこの俺を「ザ・クラッシャー」と呼んだことを後悔させてやるぜ!!」

「な、私、そんなこと一言も…」

「問答無用!」

 

ラファールの前の地面にジャレンチを突き立て、膂力に任せて大地ごと抉り上げ即席の壁をラファールの背後に作り、動けなくなった隙を突いて拳でスラスターを、蹴りでライフルを破壊する

 

「きゃあ!…こ、この………!?」

 

そして女が見たのは、怒りに燃えるガンレオンが巨大なジャレンチを構えている姿

 

「ひっ」

 

緑に輝く4つの目と女の目が合う

 

「ガンレオン!スーパープレスッ!!」

 

最後にライアット・ジャレンチを突き立て、壁面が突き破る勢いでラファール・リヴァイヴを吹き飛ばした

 

幾多もの森の木々を貫通しながら減速していき、そして応援に来ていた新しいラファールがそれをキャッチした。ランドは怒りに震えながらもしっかり手加減をし、さらに搭乗者が助かるように減速させながら捕捉していた敵機向けて吹き飛ばしたのだった。かなり器用だが容赦がないランドらしい手加減だった

 

「ふう…すっきりした!」

 

一通り暴れてご満悦のランドは、自分が倒した相手を見る。女が纏っていたラファールは絶対防御すらも貫通しかねない一撃でシールドエネルギーが完全に0になり、ISの装備が解除されていた。そしてそのまま別のISが彼女を回収し、無線か何かで連絡を取ってから空の彼方へ去って行った

 

「よっしゃ!俺たちの勝ちだ!」

『やったね、ダーリン!』

 

初めてのIS戦に勝利したランドたちであったが、すぐに新しい問題が到来してきた

 

「…つーか、これどうやったら元に戻れんだ?」

『分かんない。戻れ!って念じてみれば?』

「そうだな、物は試しだ…もど「すっごーい!!」どわっ!?」

 

元に戻ろうとしたところで、ガンレオンに束が勢いよく抱きついてきたのだった。しかも、当初の興味がない感じが微塵もしない懐いた犬のように輝いた目でガンレオン、もといランドたちを見ていた。千切れんばかりにうさ耳をブンブン振っている

 

「最初はいっくん以外の有象無象のくせに生意気だと思ったけど、私でも見たことがない超技術が詰まったISにそれを十全以上に使いこなせる技量!ねえねえ、そのおっきな武器どうやって出したの!?拡張領域(バススロット)とは出し方が違うし、見た感じ出てきた時の緑色の光が理由だと束さんは思うんだけど!」

「お、お前、さっきとは態度が全然違うぞ!」

『そーよそーよ!だいたい、あたしのダーリンに勝手に抱きつかないで!』

 

180°変わった束の態度に驚くランドと、ナイスバディな束への妬みも含めて怒るメール。そんな2人の心情を流して、束は2人に問う

 

「大丈夫!もう君たちに危害を加える気はないからさ!あ、そうだ。君たちの名前を教えてよ!」

「あ、あぁ。俺の名前はランド・トラビスだ。そんで…」

『つーん』

 

わざわざ声で出して自分の不機嫌さを表現するメール

 

「ガンレオンの中にいるのはメール・ビーター。俺の女房だ」

『えっへへ〜、女房だなんて、ダーリンったら〜』

 

不機嫌なのも一瞬、女房と言われると一転してランドにデレデレになるメールだった

 

「ねえねえ、ラッくんにメーちゃん!」

「ラ、ラッくん?」

『メーちゃんって、あたしのこと?』

 

急なフレンドリーすぎる呼び名に困惑する暇も与えず、束はランドとメールの2人に言った

 

「私と契約して、IS学園に入ってよ!」

「………は?」

 

長い沈黙を、ランドの疑問が破った




これは、「ザ・ヒート・クラッシャー」がIS世界の歪みを破壊し、修理する熱い物語である!!



ホントはヒビキとスズネ先生を主人公で書こうと思ってたんですけどね、天啓みたいなの受けて書いてしまった

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