色々とツッコミどころ満載です。
読む際は、脱臼するぐらい肩の力を抜いて読むことをおすすめします。
そのフレンズとの出会いは本当に偶然だった。
かばんとサーバルがまだ図書館を目指していた頃、さばくちほーをバスで進んでいた道中、砂の中に埋まっているのをサーバルが見つけたのだった。
「だいじょうぶ!?」
慌てて駆け付けた二人は、頭から埋まっていたそのフレンズを引っ張り出した。
露になったのはまるで灼熱の炎で焦がされたような黒い肌。一見鳥のフレンズかと思いきや、その翼はどこか歪で、羽ばたけるようなものではなかった。
「あ、あの、大丈夫ですか? お怪我は……?」
――ヴィイイイイン…………
生物の物とは思えない音が、その黒いフレンズから鳴り響いた。その音は、どこかバスが起動した時に鳴った音に似ているとかばんは思った。
謎の音と共に黒いフレンズは目を覚ます。顔を覆う板に、横に走る赤色の目を輝かせて。
「――し……てむ、……じょ……ど」
またも生気を感じさせない無機質な、それでいて掠れた声で黒いフレンズは何かを言った。ところどころが途切れて聞き取れなかったので、サーバルはもちろん、かんばんも何を言っているのか理解できなかった。
「あなた、もしかしてトキのフレンズ? それとも、病気なの?」
「――わ、た、し……?」
サーバルが改めて声を掛けると、黒いフレンズは首を傾げた。
「サーバルちゃん。もしかして、この子も僕と同じで記憶がないんじゃ」
「そうなの? ねぇ、あなたもこの間のサンドスターで生まれたフレンズなの?」
「サーバル……サンドスター……フレンズ……データベース検索中……一致する項目は発見できず……わからない……」
黒いフレンズは頭を押さえた。その姿は何かを思い出そうとしているようにも、その逆で何かを思い出したくないようにも見えた。
「……もしよければ、僕らと一緒に来ませんか?」
かばんは黒いフレンズにそう問いかけた。彼女もまた、記憶を失っており、自分が何のフレンズかを確かめるべく図書館を目指していた。
どうやら黒いフレンズもまた、記憶を失っているようだし、同じ境遇にある者としてかばんは彼女を放っておけなかったのだ。
「さんせー! 私はサーバル。サーバルキャットのサーバルだよ!」
「僕は、かばんです」
かばんとサーバルは自己紹介と共に黒いフレンズに手を差し出した。突然のことに驚いたが、黒いフレンズはその手を取って立ち上がった。
「わたし、は、レイヴン……どうか、よろ、しく」
「わーい! これで私たち、友達だね!」
「よろしくお願いします、レイヴンさん!」
*
三人はその後、様々なフレンズたちと出会い、そして別れ、とうとう図書館へと到着した。かばんは博士たちの難題を無事にクリアし、正体がヒトのフレンズだということを知った。だが、流石の博士たちでもレイヴンについては知らなかったようだ。
「でも、もしかしたら図書館に手掛かりがあるかも」
博士たちの協力もあって、それはすぐに見つかった。しかし、事実を知ったかばん、サーバル、博士たちは言葉を失った。なぜなら――
「“かつて世界を滅ぼした力”……!?」
「どういうこと!? 全然わかんないよ……!?」
「レイヴン、あなたは何者なのですか……?」
「世界を滅ぼした力というのはどういうことなのですか……?」
レイヴンはゆっくりと顔を上げた。
「『もういい。言葉など既に意味をなさない』『そしてその本物を、私が殺す』『私は――死神だから』」
レイヴンは自分のすべてを思い出した。だからこそ、データとして残っていたかつての記憶を再生し、自らの在り方を確かめた。
背中のブースターを起動し、ジェット吹かしてどこかへと猛スピードで飛び去る。
「待ってください!」
かばんの制止はブースターの轟音にかき消されてしまった。後に残ったのは、虚しく響き渡るジェットの音だけだった。
*
とある日の夜、レイヴンは一人空を見上げていた。片手を空に伸ばし、輝く星を掴もうとして――その手は空を切った。
自分あるべき姿はすでに思い出されていた。自分がかばんやサーバルたちとは違って、機械から生み出された何かであることも理解していた。
だが、フレンズとして彼女らと過ごした日々は、とても心地よかった。
「私は、何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥……」
破壊することだけしかできない、暴力。
命を奪うことしかできない、武器。
それが宿命だった。それが定めだった。
「かばん……サーバル……」
気が付けば、自分の過去の姿と彼女らと過ごした日々を比べていた。全然違った。彼女らと過ごした日々は楽しかった。暖かかった。とても、安心できた。
何かを壊すことも、命を奪うことも強いられなかった。みんなと仲良く笑って、遊んで、それはそれは楽しい時間を過ごした。
「私、は……」
だから、レイヴンは思った。もう戦う必要なんてないんだ。もう誰かを傷つけなくてもいいんだ。――あの幸せな日々の中で生きたっていいんだ。
だが、彼女には戦うことしかできなかった。なぜなら、ずっとそれを望まれ、そして応えてきたから。そんな自分の在り方を今更どうして変えられるのか。
レイヴンは諦めようとした。そんな時、彼女の通信機が救難信号を捉えた。発信元はかばんたちと一緒にいたラッキービーストだ。その内容は――
「っ!」
――かばんを、サーバルを、みんなを、助けて。
居ても立っても居られなかった。レイヴンはブースターを吹かせ、救難信号が発信された場所へと急行する。
私のことを友達だと言ってくれた。私に、行かないでと言ってくれた。
どうせ私は戦うことしかできない。――なら、せめて、私はみんなを、大切な友達を助けるためにこの力を使いたい!
その時だった。レイヴンの体が白い光に包まれた。黒い肌は純白へと洗われ、背中の紫色の翼は、白い閃光の翼へと変化したのだ。
かつて、人は恐怖していた。だからこそ、祈りを捧げた。
だが、時代と共に祈りは失われ、やがて恐怖だけが残った。
祈りを失った人々が作り出した、恐怖だけを記憶した哀れな兵器。
それがレイヴンだった。
しかし、今、彼女は祈った。
どうか私の大切な友達を守るために、私に
願いは聞き届けられた。
だからこそ、彼女はかつて、人々を恐怖から守り続けた白き戦士へと姿を変えたのだった。
その戦士の名は――
*
セルリアンに飲み込まれたかばんを救うため、サーバルは必死に戦った。自慢の爪で何度も攻撃し、かばんを取り戻そうとした。しかし、セルリアンの体は鋼のように固く、サーバルの行為は無駄に終わった。
けれど、サーバルは諦めなかった。無理だとわかっていても、立ち向かった。なぜなら、大切な友達を助けたいからだ。
セルリアンの足にしがみつき、必死に動きを抑える。
「動き出すぞ! 離れろ!!」
「まだまだー!」
ヒグマの制止も聞かずに、サーバルは必死に食らいつく。
「怖がりだけど優しくて、困ってるこのために色んなこと考えて、頑張り屋で、まだお話しすることも……」
「かばんちゃんを返してよーっ!!!」
サーバルは祈った。そして、来た。
数十発もの弾丸がセルリアンに直撃する。一撃一撃は重く、たった数十発にも関わらず、その衝撃はセルリアンの体を砕いた。
次いで、白い閃光がセルリアンに衝突する。ジェットによって生物には出せない速度で突っ込んできたその一撃はセルリアンの巨体を大きく揺らすことに成功した。
何が起きたのか。衝撃で吹き飛ばされたサーバルが顔を上げると、そこには白い戦士の姿があった。
純白の装甲、青いカメラアイ、両手に握りしめた巨大なライフル……かつて、人々を守るために戦い続けた最強の武器。居場所を失った者たちの楽園を守り続けた最強の兵器。
その名は――
「こちら“ホワイト・グリント”。遅れてごめん。これより、戦闘行動を……ううん、かばんの救出行動を開始するよ!」
最初、サーバルは誰かわからなかった。だが、彼女の声、仕草、そして気配からなんとなくレイヴンだと気づいた。
「――レイヴン、なの?」
「うん。どうしてだか白くなっちゃったけど。それと、どちらかと言うとリンクスの方が正しい」
「お願い、かばんちゃんを助けて!」
「もちろん。私たちの大切な友達だもんね!」
ホワイト・グリントはジェットを吹かし、素早く宙を舞いながらセルリアンと対峙する。両手のライフルでセルリアンの体を削り、翼の先端についていたミサイルで派手に吹っ飛ばす。圧倒的な戦闘力でセルリアンを追い詰めていく。
だが、確実に削れはするものの、これ以上の攻撃はできなかった。これ以上は中に取り込まれたかばんまで危険にさらすことになるからだ。
決め手に欠けていた時、二つの影がセルリアンを攻撃した。野性解放した博士と助手だ。
「やる時はやるですよ」
「この島の長なので」
「我々の群れとしての強さを見せるのです!」
次々と現れるフレンズたち。彼女らは皆、各地のラッキービーストからかばんの危機を知らされ、助けに来たのだ。
かつて、ホワイト・グリントは一人で戦ってきた。味方なんて存在しなかった。――だが、今は違う。
姿かたちは全然違うけれど、私たちはフレンズなんだ。だから、お互いに協力し合って、大切な友達を守るんだ!
フレンズたちが力を合わせたことで、かばんは無事に救出された。そして、ラッキービーストの犠牲により、セルリアンは海の底へと沈んでいった。
戦いは終わった。
海の向こうから、太陽が昇り始めていた。
ホワイト・グリントはバイザーを外し、フレンズとなったことで得た青く透き通った瞳で、眩しそうにそれを眺めた。
*
それからなんやかんあって、かばんがヒトの後を追って旅立つことになった。
大きく姿を変えたラッキービーストと共に、改造されたバスで海の向こうに見える島へ出発したのだった。
「行っちゃたね」
「……本当に良かったのか?」
寂しそうに呟いたサーバルに、ホワイト・グリントは訊ねた。
彼女だって一緒に行きたかったはずだ。なにせ、長い間一緒にいた大切な友達なのだから。……それに、あのラッキービーストが一緒なのだ。少し不安もあることだろう。
「……」
「今ならまだ追いかけられる」
ホワイト・グリントはラッキービーストの位置を正確に把握できる機能をもっていた。だが、それも一定の範囲内での話だ。あまり離れずぎれば、見つけることは困難になる。
「……行こう。私、やっぱりかばんちゃんと一緒にいたいよ」
かばんが残していった帽子を抱きしめ、サーバルは言った。ホワイト・グリントはニヤリと笑みを浮かべて、
「そういうと思って――」
「すでに用意してあるのです」
現れたのは、さっき帰ったはずの博士だった。いや、博士だけでなく、かばんと出会った者たち全員がそこにいた。
海に浮かんでいるのはバス的なものを改造したものだった。バスと違って、ペダルをこぐことによって移動する分速度は劣るものの、ここにいるフレンズたちに加えてたくさんのジャパリまんを載せることができた。
「みんな!」
「どうせお前ならついていくと思ったのです。抜け駆けは許さないのです」
「旅は道ずれ、なのだ!」
「まぁ、追いつけるかどうかはわかんないけどね~」
サーバル以外のフレンズたちはすでにバス的なものに乗っていた。
「サーバルも乗って」
ホワイト・グリントに言われるがまま、サーバルはバス的なものに乗った。
「よし、全員乗ったね。じゃあ、しゅっぱーつ!」
「「「「「おー!!」」」」」
ホワイト・グリントは空を飛んでバス的なものの後ろにつくと、ブースターを起動し、ジェットを吹かしてバス的なものを押した。
凄まじい速度で加速するバス的なものは海上を数ミリ浮かびながら進む。その光景は遠くからでもよく目立っており、マイルカたちが興味を持つのは当然のことだった。
かくして、勢いを落としきれずにぶつかってしまったものの、なんとかかばんと合流したサーバルたち。これからごこくちほーで色んなフレンズたちを出会うことになるのだが、これ以上はやめておこう。それは、まだ語られるべき物語ではない。
to be continued……
練習がてら書きました。
見た感じ、けもフレ×ACがなかったので書きました。
反省はしてます。後悔もしてます。
というか、AC要素もけもフレ要素も少なすぎる、修正が必要だ……
そもそもACはfAとVだけしかやってない、けもフレはアニメしか見てない野郎が書けるわけなかったんや……
だから、誰か連載物で書けくださいお願いします。なんでもはしないけど。