「世界に平和が訪れた。でも、私は嬉しくなかった」
秋月は4年目の妹2人の命日、そして自分自身の誕生日を迎える。
彼女が思う事、そして、その空に――――――

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秋月が抱える記憶との葛藤と、未来は予測できないというのを現してみました。
1400字前後ですが、お楽しみいただけると幸いです。
本文執筆 by aXhoEria

書いてくださった小説にあらすじをつけろと言われまして、着ける作業が大変でした。どうしたら書けるんですかね…
あらすじ by Anature


約束の空に響く声

「今日も異常なし…っと」

 私はぐるっと360度を上空から見渡して、何も襲撃がない事を確認する。

 

「…平和になったね。照月、初月」

 今はいない自分の妹のことを思い出し静かに上空にたたずむ彼女――――――秋月は記憶を思い出し涙を流す。

 自分は庇った。それでも妹は死んだ。それを2度も見て、その挙句艤装を失い、ウィッチに志願した。

 

 それでも妹たちの想いを引き継ぎ、私たちストライクウィッチーズは世界の平和を取り戻した。

 

 どれだけ戦ったのだろう、どれだけ死人を見たのだろう、どれだけ銃声を聞いたのだろう。

 いろいろなことを思い出しているとふと思い出してしまう、妹の声、姿。

 

「…っ!」

 任務中にもかかわらずつい涙が溢れ出す。どれだけのショックを負おうと戦場に赴き続け、英雄と称えられるまでの戦果を叩き出した。それでも嬉しくも何もなかった。

 

 ただ愛する妹たちを守れなかった、彼女が背負い続けた負の記憶。

 終戦後もウィッチとして警備にあたりながら、世界各地へ飛び回り沢山の記憶を話す。

 

 そのたびに思い出す、自分の負の記憶。

 

 ふと何かを思い出すと彼女は東の方角へと飛び進んだ。

 

 

 数時間経った後、そこは今は跡地となり保管されている鎮守府に着く。

 ジェットストライカーに格納されていた花をハンガーシフトで取り出す。

 

「奇遇にも、私の誕生日が2人の命日なのは、運命……かな?いや、運命じゃないよね……」

 今その部屋は、私しか入れない部屋として特別に管理されている。管理人から受け取った鍵を鍵穴に差して回し、3年、いや4年前と全く同じ光景を見る。

 

「ただいま。照月、初月」

 

 声をかけても、その声は返ってこない。何をしても、2人からの返事なんてない。

 

「………どうしてかな、懐かしいかな………毎年来ているから、懐かしくもないのに……なんで……なんで……なんで私より先に散っていったの……」

 

 

 

 

 

 

 

「――――――泣かないで」

「…え?」

 突然聞きなれた声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつだって秋月姉の心の中にいるんだから――――――」

 

 その声はすぐ通り過ぎて行った。

 

 

 

 

 

 何も変わったところはない。

 

「気のせいかな……」

 私はそう考えながら花を3人で写った写真にそっと添えて、私はその鎮守府を後にした。

 

 

 

 

 

 

 基地へ戻ると、いつものようにシャーリーさんが出迎えてくれた。けど…様子が違った。

 

「秋月!ちょっと見せたいものがあるんだけどいいか?」

「は、はい!今行きます!」

 ストライカーを脱いでシャーリーさんのところへ行く。

 

 するといきなり背後から目を隠された。

「ちょ、シャーリーさん!」

「悪いな~たどり着くまで少しの間、見せられないからな~」

 そんなぁ…と思いながらとりあえずシャーリーさんに連れて行かれた。

 

 

 

 

 

 シャーリーさんの足が止まる、日の照りからして、屋外なんだろう。

「………さて、ついたけど一つ質問する。秋月はこれから心の中にとんでもないことが起きるかもしれない。それでも受け入れる?」

「はい!」

「それがこの4年間で私たちが秋月が抱いた罪悪感への罪滅ぼしでも?」

「受け入れます!何があろうと!」

 

 少しの間の沈黙が走る。するとシャーリーさんが告げた。

 

「ならいいだろう、ほら」

 

 

「え……ほんと?」

 

 

「ただいま、そしてごめんね、秋月姉」

「ただいま、本当に申し訳なかったよ、秋月姉さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこには、照月と初月が、本当にあの時の記憶と全く同じ姿でたたずんでいた。そして周りの人たちが叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

「秋月、お誕生日おめでとう!」

 

 

 

 と。

 

 

 

 

 

 

 私はこう叫んだ。

 

 

 

 

「皆さんも…そして照月たちも…本当にありがとうございます!」

 

 

 

 取り戻した約束の空に。

 

 

 

 

fin




ひっさびさに書いたこういう話。



ほんと好きですこういうの。


そして秋月お誕生日おめでとうございます。

前書きで気づいた方もいますが、実はひっそり合作と見せかけた普通に一人で書いた小説です。(アタリマエダケド)


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