女の子のスカートの中――そこには、夢と希望が詰まっている。

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この作品は、十割ノリと思いつきで出来ています。
色々ツッコミどころはあるかもしれませんが、あまり深く考えずにお楽しみください。
また、場合によっては不快になる方もいるかもしれませんので、ご注意いただきますようお願いします。
それでは、どうぞ。


東方故眼福

 

 女の子の上衣の中。男にとってそれは未知の領域である。

 

 女の子のスカートの中。男にとってそれは未知の領域であり、聖域である。

 

 女の子の下着の中。男にとってそれは未知の領域であり、聖域であり、全ての頂点である。

 

 

 要は、まとめるとこうだ。

 

 

 

 

 ――女の子の下着(できればその中)が見たい――

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 爽やかな音とともに押し寄せた風が、服を靡かせ草木を揺らす。もう歩き慣れた道だが、自然や大地を感じられ、ここを通ると心が落ち着いて好きだ。そんな道を歩いている俺といえば、いつも通り、ある建物へと向かっていた。

 

 幻想郷。結界に隔離されたこの地に、俺は住んでいる。中には外の世界から来た『外来人』とやらもいるようだが、俺は幻想郷生まれの幻想郷育ちだ。人里の入り口付近にある一軒家が愛すべきマイホーム。仕事は少し大変だが、生活には特に不自由していない。趣味と言えるものが無いせいか、友人に「味気ない毎日送ってんな」なんて言われたが、自分としては充実した生活だと思っている。それに、趣味とは言えないが、最近は定期的に行っていることもあるのだ。

 

「あら、今日も来てくれたのね。助かるわー」

「おう、今日も来たぜ。という訳で、お茶よろしく」

「あんたね……」

 

 軽く会話を交わしてから小銭を賽銭箱に投げ入れる。そう、神社へのお参りだ。

 全てに忘れ去られたのではないかと思わされる程に人がいるところを見たことがないこの博麗神社。いや、金髪の魔法使いだったり、鬼の子供だったりはたまに来てたっけか……? ともかく、俺は最近週に一回程のペースでこの神社に来る。

 

 きっかけは数ヶ月くらい前だったか。野暮用で人里の外に出ていた時、道に迷った挙句妖怪に襲われそうになった所を助けてもらったのが始まりだ。

 博麗の巫女という幻想郷の最重要人物がいるにも関わらず、全く人が来る気配のないこの神社の雰囲気に、何か惹かれるものがあった。あ、あと博麗の巫女本人にも惹かれた。何を言おうにもこの巫女さん、ものすごく可愛いのだ。もう一度言おう、ものすごく可愛いのだ。助けられた時に霊夢から貰った妖怪避けの札のおかげで神社までの道は前よりも安全になった。となれば、通わない理由はないだろう。

 霊夢の親友であるという金髪の少女からは物好きだなんだと散々に言われた。神社へのお参りでそこまで言われるという時点でどうなのかと思うところはあるけども、そこは触れないでおくとして。

 

 

 ひとつ、今日はある事に挑戦してみようと思う。生活は充実しているし、特に困っていることは無い。たけど一つ、男として、興味の湧くことがある。これだけ可愛い女の子が目の前にいるんだ。……見たい。未知の領域を、垣間見えるだけでもいいから見たい。欲求不満の時は、そういう店に行けばいい。外の世界には数多く存在するようだけども、幻想郷にだってある。だがそうじゃない。なんてことない日常の中で見えるからこそ、そういう行為に及ばないからこそ価値のあるものだと俺は思うのだ。……我ながら何言ってんだろ俺。

 

「ほら、持ってきたわよ」

「ああ、悪いな」

 

 霊夢がお茶を持ってきてくれたようだ。文句を言いながらもちゃんと用意する辺り優しいな。二人で縁側に座り、霊夢からお茶を受け取って一口飲む。やっぱり、お茶は熱いものに限るぜ。

 

 ということで、霊夢の未知の領域を覗くための作戦を立てなければ。まず基本事項として、バレないことが第一条件。博麗の巫女にセクハラしたなんて事が広まったら社会的抹殺は確実だろう。それに、霊夢のことだから物理的にも抹殺されそうだ。覗き行為や、抹殺を受け入れて無理矢理なんてのもナシ。本人を不快にしたり、卑怯な真似をするのは俺のポリシーに反する。いや、こんな事を計画している時点でポリシーなんて無いような気もするけど。

 

 それじゃあどうやって聖域を拝むのか。

 世の中には不可抗力というものが存在する。人の力ではどうにもならない現象のことを指す熟語だが、今回はそれを使いたいと思う。自分の意思ではないが、たまたま見えてしまった……というのを装って、全ての頂点へと行こうではないか。装うって時点で不可抗力じゃなくね? なんて質問はなしで。

 

 

 隣の霊夢を見ると、お茶を飲んで空を見ながらほっと息を吐いていた。可愛い。

 霊夢の服は割と肌色成分もある。腕の半分は袖で隠れているが、腋周りは何もなく、風が吹いたりするとお腹も見え隠れするため、何というか非常に焦れったい。服のデザイン考えた奴誰だ。

 こういう服の場合は腕を上に伸ばしたりすると、それだけで腋まわりから中が見える可能性もある。問題はどうやって腕を上げさせるかなんだけど……。

 

「ふわぁ……」

 

 と、霊夢が体を伸ばして欠伸をした。お、腕を上げた! ……だが見えず。思ったよりもぴっちりしているようだ。よくよく考えてみたら当たり前か。普段から腕を上げただけで見えまくってたら色々危ないもんな。となると、どうにか屈ませたところを覗き込むか……いやいや、覗き込んだら不可抗力じゃないだろ。

 そうだな……この巫女服は襟があるけど首元は割と広めだから、もしかしたら正面にいるだけで見えるかもしれない。試してみようか。

 

「なぁ霊夢。この辺りが痒いんだが、何かなってないか?」

「はぁ? 蚊にでも刺されたんじゃない?」

 

 俺が痒いと言った(思いっきり嘘だが)のは、首の辺り。今の体勢で俺の首を見ようとすると、少しだが体を前のめりにさせる必要がある。すると、服は重力に従って少し落ち、体との隙間ができる。ということは、俺は意図せずとも首元から巫女服の中を見ることができる……否、中が見えてしまうという訳だ。

 さぁ霊夢! 俺に全てをさらけ出して――

 

「というかそのくらい自分で確認しなさいよ。鏡ならそこにあるんだし」

「……おう」

 

 駄目でした。

 

 

 雨ニモマケズ、風ニモマケズ。という訳で、次行ってみよう。

 次なる作戦は、『押してダメなら引いてみろ』。正確には、上から見えないなら下から見よう、だ。先程言ったように、霊夢の巫女服は風が吹くとお腹周りが見え隠れする。ようするに、丈が短いということ。じゃあ下からでも見えんじゃね? という安易な発想だ。本来はスカートの中を狙いたいんだけど、この巫女服の場合はかなり長めだから難しいだろう。くそう、なんで腋は丸出しなのに下はそんなに長いんだ。

 

 とりあえず縁側に寝転がる。丈が短いと、胸の膨らみによって下に隙間ができる。霊夢が立ち上がって俺の頭の上辺りを通れば、そこから中が見えるはずだ。望み薄ではあるが、試してみる価値はある……と思う。あ、くどいようだけど、あくまでも不可抗力だからな。

 

「…………」

「…………」

「……なぁ霊夢。動かないのか?」

「エネルギーの無駄だわ。なるべく動かないのが、食べずに生きていくコツよ」

 

 ……一体どんな生活を送ってるんだろう。

 

 この作戦の欠点。それは、相手が動かなければいけない、ということだ。霊夢がもともと立っていれば別かもしれないが、それでもあまり近くに寝転がるのは不自然だろう。どうにか立たせたいんだけど……。

 

「お茶、もう一杯用意してくれないか?」

「おかわりはセルフサービスよ」

 

「お茶請けはないのか?」

「それを買うお金があったら食費に回すわ」

 

「掃除しなくていいのか?」

「さっき済ませたわ」

 

「下着を見せてくれないか?」

「……は?」

 

 あ、やってしまった。全く見えなかった場合に最後の悪足掻きとして頼んでみるのはありかもしれないけど、ここで聞いたら自殺行為じゃないか。

 霊夢は怪訝そうな顔をしてこちらを見た。

 

「あんた、それどういう――」

 

 霊夢がこちらに近づこうとしたその時、上から突然風が吹いた。

 

「よう霊夢! 暇潰しに来たぜ!」

 

 

 霊夢の声を掻き消す勢いで突如上空から現れたのは、白黒の服に身を包んだ金髪の少女。魔理沙、だったっけ……? ともかく、今の状況では助かった。話の流れを変えるには一番の機会だ。

 

「おう! 魔理沙、だったっけか?」

「ああ、合ってるぜ。お前は……ああ、最近このオンボロ神社に賽銭を入れてる物好きだな」

「オンボロ、は余計なお世話よ」

 

 よし、無事抹殺は免れたようだ。本当にシャレにならないからな……。今後はもっと気を付けないと、死をもって償わなければいけなくなりそうだ。

 

 それにしても、どうしよう。これまで試した方法以外に服の中を覗ける……服の中が見えてしまうような体勢ってあるか? 横は全然駄目だったし、上からも無理で、下からも厳しそう……じゃあどこから見る?

 ……なんか、こんな事を心の中でずっと計画してる俺ってどうなんだろう。本人に言ったら間違いなく引かれる……いや、むしろ消されるな。そうならないためにも、どうにかバレない方法を考えなければ。……努力する方向性違うな、俺。

 

「よーし、霊夢、また弾幕ごっこしようぜ! 今日こそは私が勝ってやる!」

「弾幕ごっこはもういいわよ。そんなの無意味にやっても疲れるだけだし」

 

 なんて会話をしながら、二人は騒いでいる。いや、騒いでるのは魔理沙だけか? ともかく、なんだか微笑ましい光景だ。……ん? まてよ、弾幕ごっこって……。あ、良いこと思いついたぜ!

 

「なぁ霊夢。弾幕ごっこ、俺からも頼む」

「はあ? なんであんたまで」

「やってくれるんだったら次のお賽銭倍にしてもいい!」

「っ!!」

 

 あ、すごい反応した。

 俺の夢と希望がかかってるんだ。どうにか二人で弾幕ごっこをして欲しい。

 

「……三倍よ」

「え?」

「何の目的か知らないけど、次のお賽銭、三倍にするならやる」

「お、おう! 三倍でも四倍でも入れるさ!」

 

 霊夢は表情を明るくしたかと思うと、魔理沙に向き直る。

 お賽銭三倍って……なんというか霊夢らしい。ともかく、二人で弾幕ごっこをしてくれるんだったら俺はそれでいい。ついに巫女服の中が見えるかもしれない。あれだ、心の準備をしておこう。

 

「ということで魔理沙、今回は受けてあげるわ」

「よく分からんが、決まったんなら早速始めようぜ!」

 

 

 スカートとは、一般的に女性のみが履くボトムスだ。外の世界では場所によって男が履くこともあるらしいが、一部の地域だけとのこと。人里で暮らす人間は基本和服を着るからスカートはあまり見ないけども、霊夢や人里で取材をしている烏天狗なんかを見ると、機能的でないことが分かる。とても長いものや、逆にすごく短いもの。よく分からない装飾がついていたり、やたら布が多く使われていたりと、生活面だけで考えると履く理由が見つからない。冬場でも露出の多いものなんかは見ている方が寒くなりそうだ。だが、それでも尚女性がスカートを履き続ける理由は、やはり、見た目からだろう。

 

 女性は自分のためにお洒落をするという。誰かと会うから、どこかに行くからといった場所や人を気にして見た目を整える男と違い、自分が楽しむために色々用意するんだとか。もちろん一概には言えないだろうが、そういうものの一環がスカートなんだろう。

 だがそれは同時に、男を誘う蜜にもなる。それに引き寄せられたのが俺。

 

 まあ要するに、次はスカートの中を狙うよ、ってことだ。

 

 

 上空に上がった二人を見上げる。当然、俺よりも高い位置にいる。それがどういうことかと言うと……。

 

「ねぇ! あんたがスタートの合図送ってくれない?」

「あ、ああ、いいぞ! それじゃあ位置について……」

 

 スカートに包まれた花園を覗く、絶好のチャンスってわけだ。

 

「始め!」

 

 俺の合図と同時に、二人が高速で動き始める。

 この作戦は実に単純明快。弾幕ごっこの最中は飛んでるんだから、真下に行けばスカートの中が見えるんじゃね? っていう、それだけだ。一応言っておくが、これも不可抗力に入る。誰がなんと言おうとこれは不可抗力だ。弾幕ごっこをよく見ようと下に行ったら違うものが見えたっていう、そういう感じ。うん。

 

 とりあえず上の様子を伺いながら、少しずつ移動する。あまり近づき過ぎると流れ弾が飛んでくる可能性もある。弾幕が直撃したことなんてないから分かる訳ないが、多分当たったら相当痛い。いや、むしろ怪我するかも……? とにかく、それには常に気を付けながら様子見しよう。

 

 少しずつ二人に近づく。が、やはり動きが速すぎて両者ともに中が見える気配が全くない。予想はしてた事だけど、これに関しては二人に賭けるしかないな。どっちでもいいから止まってくださいお願いします俺の夢と希望がかかってるんですどうかどうか……。

 

 なんて願っていたら、霊夢の弾幕を避けていた魔理沙がピタッと静止した。おお、ついに……?

 角度的にここからだと厳しいため、もう少し前に向かって歩きだそうとすると、なにやら魔理沙が服の中を漁り始めた。そこから取り出したのは、八角形の箱。なんだっけあれ。確か前にも一度、使っているのを見たことがあるような……。

 魔理沙はそれを霊夢の方に向けると、大声で叫ぶ。

 

「恋符!」

 

 ああ、思い出した。あれだ、ますたーなんとかって技。前に一度使っていたことがあった。あれは凄かったな。かなりの大きさの光線みたいなものを出してたし。

 

「『マスタース――」

「夢符『夢想亜空穴』」

 

 魔理沙の声に被せるようにして、少しトーンの低い霊夢の声が響く。瞬間、霊夢の姿が一瞬で消えた――と思われたが、魔理沙のすぐ上に移動したようだ。一体どうやってあそこまで動いたんだ?

 

 魔理沙も上にいることに気が付いたようだが、やはり反応が遅れたためか、霊夢の弾幕に当たってしまう。おお、これで霊夢が一歩有利に――。

 と、その時、魔理沙の持っていた箱から膨大な光が。これだ、あの時使ってた技。さっき発動しかけていたためか、被弾した後だが発射してしまったようだ。その光は凄い勢いで、俺の方に飛んできた(・・・・・・・・・)

 

 ……え?

 

 視界が光に包まれていく。

 ああ、そうか。さっき霊夢の弾幕に被弾したせいで発射する角度がずれたんだな。……いやいや、冷静に分析してる場合じゃないだろ。確か前にこの技で森の木を地面ごと根こそぎ消し炭にして霊夢に怒られてたよな、魔理沙。ってことは……今度は俺が消し炭になるんじゃね?

 

 ああ、なんというか……せめて下着を見てから死にたかった……。

 

 物凄い爆音とともに、俺の意識は闇に包まれていった。

 

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

 

 赤。一口に赤と言っても色々ある。丹、朱、緋、紅の四色を基本とし、茜色に苺色、今様色や梅重など、かなり薄いものもあれば、今俺の視界にあるように真っ赤なものもあったりする。色というものは面白い。そしてそれを判別できる人間の目も凄いよな。

 

 で、今俺の視界を覆っている真っ赤なものの正体なんだが……。明らかにリボンなんですよね。しかも装着者が俺の胸辺りにもたれかかって寝ているときた。え? 誰が寝てるんだ、だって? そんなの聞かなくても分かるだろ。少し胸の辺りが圧迫されて苦しいような気もするけど、こんなに可愛い寝顔が見られたらもう死んでもいいぜ。いや、実際さっき死にかけたけど。

 というか、さっきからめっちゃいい匂いがするんだよな。なんだろう、シャンプーみたいなんだけど、こう、優しいような、柔らかいような感じ……?

 ……いや、まてよ。柔らかいのは物理的なものだった。腕に当たってました。……見かけよりも大きいんだな。

 改めて今の状況を冷静に見てみると……なんとまあ、役得ですね。

 

 

 どうやら俺は助かったらしい。よく分からないけど、今こうして生きてるってことは、直撃は免れたみたいだ。膝や脹ら脛、額などは擦り傷か何かがあるせいか、ズキズキと痛む。まあ霊夢の寝顔&柔らかな果実のおかげで全部吹っ飛んだから良しとしよう。

 ところで、どうしようか。今俺は布団の上で横になっているけど、その上に霊夢が上半身を乗せたまま眠っている。大方、俺が意識を失っている間、傍にいてくれたんだろう。やっぱりめっちゃ可愛いよもうお持ち帰りしたい。

 

 霊夢が可愛いのは大変よろしいことなんだが、このまま目を覚まされると折角助かった俺の命が消えかねない。夢想なんとかで封印されるのは御免だ。どうにか抜け出そうとしてみるが、中々布団から出られない。あまり動きすぎると人生終了のお知らせだ。慎重にいこう。

 ゆっくり、ゆっくりと少しずつ布団から出る。よし、もう少しで出られる……!と思ったその時、霊夢がころん、と動いた。急いで布団から出ようとするも……。

 

「がぎぉう!」

 

 急ぎすぎたあまり布団を踏んで頭からすっ転んだ。

 

 痛てぇ! しかも変な声出た!

 

 なんてことを一人で繰り広げていると、いつの間に起きたのか寝ぼけ眼の霊夢がこちらを見ていることに気が付いた。床に這いつくばった状態で悶えている俺を見て、なんだか困惑しているようだ。あ、これ多分バレてないな。よし、一旦落ち着こう。霊夢のchest……じゃなくてbust? ともかく、触ったことは気付かれていないみたいだし、落ち着いて対処すれば大丈夫なは、ず……。

 

 立ち上がった霊夢を見て、あることに気が付いた。いや、むしろ気が付かない方がおかしい。呆然とそれを見続けてしまった。霊夢はよく分からない様子でただこちらに視線を送る。

 

「……どうしたの?」

「あ、ああ、いや……」

 

 なんて答えようか。俺としては当初の望み以上の結果になったんだけど、これは誤魔化しきれないよなぁ……。

 

「霊夢」

「何?」

「ショーツ履こうぜ」

「……は?」

 

 霊夢が履いているのは……ドロワーズだった。第一の感想としては、なんというかすごい残念。いや、確かにドロワーズも下着だ。下着なんだが、俺としてはやっぱりショーツ特有のあの形が見たかった。くそう、俺は諦めないからな。

 え? なんで霊夢がドロワーズを履いていると分かるのか、だって? ああ、そりゃあもちろん、霊夢が袴を履いていないからさ。

 ゆっくりと顔を下に向けて、霊夢はようやく気が付いたようだ。横にくしゃくしゃになった霊夢の袴があることから、多分寝ている間に帯が緩んで脱げてしまったんだろう。なんという奇跡。まさに不可抗力だな。

よって俺は悪くない。うん、悪くない。だから霊夢、顔を真っ赤にしてこっちを睨むのはやめてくれ。可愛いけど怖い。

 

「ねぇ」

「……どうした?」

「夢想封印と陰陽宝玉、どっちがいいかしら?」

「あー……その陰陽なんとかってのは聞いたことないんだが」

 

 聞いたことはないけど名前的にすごいヤバそうだなぁ……。なるべくバレないように見ようとしてたのに、まさかの所でこんなことになるとは、なんとまあ運の悪い。俺はこうなる運命だったのか。

 

「一応聞くが、拒否権は……?」

「ないわね。早く決めてくれない? 何なら両方でもいいのよ?」

「おおう……」

 

 これは終わったかもしれん。いや、もう終わってるのかも。

 

 ――M.F.(夢想封印)俺の人生は閉幕なのか?

 

 いや、俺はショーツを履いた霊夢を見るまで死ねんぞ。どうにかしてこの窮地を切り抜けなければ。考えろ……何か、何か方法が……。

 

 

「すみませんでした俺が全面的に悪かったですこれからずっとお賽銭三倍にするんでどうかぁ!」

 

 超早口で土下座付きの謝罪。最終的にはこれしかないだろう。確かに霊夢には不快になることをした。それはもう謝るしかない。……まぁ、ショーツを履いたところを見るのは諦めないけど。

 

「全く、もう……。じゃあ一週間境内の掃除をすること。あ、もちろんお賽銭三倍もね」

「え、本当にか!?」

 

 霊夢はどこかわざとらしく咳払いをしてからそう言った。あれ? なんか思ったよりもあっさりだったな。俺的には、謝ってももう駄目かと思ってたんだけど。

 

「あ、あとついでにお茶も用意して貰おうかしら。それに肩もみなんかも」

 

 おお……なんか、めっちゃこき使われてね? まぁ抹殺されるよりはマシだから全然問題はないんだが。むしろ霊夢の肩を揉めるとかご褒美じゃん。色々あったけど結果オーライだったな。

 

「おし、じゃあ早速肩もみするぜ!いやー、良かった良かった。霊夢の胸を触ったこともバレてないみたいだし…………あ」

 

  一難去ってまた一難という言葉の類語として、禍去って禍また至る、虎口を逃れて竜穴に入る、火を避けて水に陥る……なんてことわざがあったりする。今の状況はこう言ったところか? いや、この場合は自業自得だから違うか。霊夢の方からは物凄い殺気が。これはもう、完全に問答無用って感じだ。

 

「いや、違うんだよ、今のは――」

 

 

 霊符『夢想封印』。博麗の巫女、博麗霊夢の得意技。俺も何度か見たことがあるが、かなり迫力があり、そして強力な技だ。巨大な虹色の弾がゆっくりと飛んで、少しずつ行き場をなくしていき、相手にぶつかると炸裂。この弾幕は妖怪が最も嫌がる光らしく、当てると封印することができるらしい。人間にもかなりダメージを与えられるそうだ。前に弾幕ごっこを見ていた時は、当たったら痛そうだなー、というくらいにしか思っていなかったが……。

 

 実際に目の前にすると絶望感半端ないですね。

 

 

 

 

 丁度太陽が空の真上に来ようとしている頃……。博麗神社から、一人の男の叫び声が聞こえてきたという。

 

…………もちろん俺のことです。

 

 

 




いかがでしたか?
短編は初めて書きましたが、思ったよりも時間がかかってしまいました。
一応一話完結ですが、勢いがまだあればもしかしたら続くかも……? なんて。
という訳で、またお会いする機会があれば、ぜひ。

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