クッパ戦記   作:鰹ふりかけ

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思い付きで書いた
意味はない


クッパ戦記

ワガハイは亀族の王にして魔王

 

クッパ大魔王である!

唐突に自己紹介を始めた訳だが

 

朝起きるとワガハイはクッパになってた。

ただそれだけである。

 

さすがに自分でもえっそれだけしか感じないの?と自分に対して突っ込みを入れたのだがどうやら元のクッパの意識が自分に混じっているらしい

 

まさに良くいえば豪快、悪くいえばおおざっぱな性格になっているようだ

 

さて、こうなってしまったからにはしょうがない前向きで建設的な思考していかなくては

 

まずは現状確認からだ

 

ワガハイはクッパ、立憲君主制のクッパ帝国の王であり軍の最高指揮官でもある。

また、この世界の悪の象徴でありマリオの宿敵でしょせんは倒されるべきラスボスである。

 

「………マリオか」

赤帽子に髭の男とのこれまでを思い返すと出るわ出るわ

投げられ爆発させられ落とされ焼かれるとボッコボッコにされた苦い記憶がよみがえる

 

ここまではゲーム等で当たり前の流れなのだが、一つだけゲームでは語られなかったものがあったのだ

 

なんとワガハイ、すべての記憶のなかに帝国や民や部下の幸せを願っていたのだ

 

「どういうことなのだ?」

クッパは作中では自己中心的であり自分の欲望のままにピーチ姫を拐う、キノコ王国や周辺諸国への侵略を繰り返す等の悪行をしている。

だがそれらはこの思いとは矛盾しているのだ

 

なぜあのようなことをしたのか必死に思い出そうとするが思い出せない。

 

何故だ?

 

我は容姿に似這わず冴えた頭脳を持っている。

記憶の我が自分のためだけに無下に軍を動かし部下を危険にさらすとは思えないのだ

よくよく考えればワガハイ何回も侵略に失敗しているのだ。いくらワガハイが強くても失策を繰り返す指導者は人望を失うはずである。

何故?皆我についてくるのか…………

 

「何かあるな………誰か!誰かおらぬのか!」

「どうされまぢたクッパ様?」

王座の間から叫ぶと扉が開き紫のローブを着たカメックババが現れた

「おババか、ちょうどよい。我が国や周辺諸国の情報をすべて整理してここに持て!カメック達を総動員してもかまわん」

「かしこまりました」

カメックババが退出したのを確認した後に窓から我が国の景色を眺める。

 

乾燥した大地がどこまでも広がりドロドロとマグマが川のように流れ、遠方では大きな火山が噴火しているにが見える。火山の噴煙が空を覆い昼間でも薄暗く城下の灯りは絶えることはない

 

それが綺麗だなと感じる同時に自分が変わったことを実感する。

 

そして、一つ重大なことに気づいた

 

……………あれ?我が国で農業無理じゃね

 

 

 

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「なんと言うことだ!」

カメック達がまとめた資料に目を通すにつれて頭が痛くなり同時に怒りがこみ上げて来る。

おもわず炎を吐きそうになるがそれを抑えて情報を整理する。

 

まず、地理だ

この国があるのは緯度が高いところにあるらしく日照時間が少なく更に厳しい寒さに襲われるようだ。

確かにゲームでもラストステージの前は氷のステージを越えて行くパターンが多い

ワガハイ達は種族的にはカメに近似しているために寒ければ寒いほどに活動しにくい。

だがこの国は多くの火山とマグマが存在しているため気温は高くすごしやすくなっているようだ。

 

次に産業

多くを占めるのは第二次産業のようだ

この国は鉱物資源が豊富らしく鉱山が多くあり火山の熱を利用した工業が盛んなようだ。鉄鋼や造船、兵器工廠等の軍関係のもの以外にも様々な生活用品が生産されている。だが、国内での生産量は魔法による水の供給に制限があるため細かく規定されている。

 

そして懸念していた農業なのだが……壊滅的である。

 

水は魔法によって生成できるが噴煙が日光を遮り土地も荒れている。わずかであるが火山性植物のファイアフラワーや香辛料の集団農場があるぐらいだ。

食料自給率は最悪の状態で長い間配給制度が続いてる様子である。

 

では食料はどうしているのか?それは次の項目で語ろう

 

また、驚いたことにこの国。研究開発に重きをおいているようで予算が多く割り振られ。その成果か様々な技術が開発されている。

ゲームでもキノコ王国に無いような空中戦艦や大砲、戦車、動力が不明な空中要塞等明らかに技術が進んでいるのはわかっていたが………まともに国家運営してるなクッパ帝国

のはわかっていたが………まともに国家運営してるなクッパ帝国

 

続いてだが目を通して怒りがわくのはここの部分だ

 

交易

一応だがキノコ王国や周辺諸国にも国交があるらしく貿易が行われているようだ。

 

だが、レートが酷い!ものすごく酷い!

 

キノコ王国からは農作物や木材を輸入してクッパ帝国からは機械や工業材料、薬品を輸出してる。

 

比率はキノコ100個に対して鉄インゴット300である。

 

暴利にも程がある!!

 

こちらは食料がなければ生きていけないので泣き寝入り状態で条件を飲んでいる。

まさに「値段が高い?じゃあ買わなければいいじゃないですかw」状態。周辺諸国も大国のキノコ王国に習って同じようなレートを提示してくる始末

 

マリオのシリーズでもキノコ王国で飛行機や艦船、列車やレーサーカーが登場するが。一度も作っている工場や作業場を見たことがなかったがこのような理由があったのか……

 

当面の目標は食料だなと思いつつ。

中央計画経済にすべての工場や施設が国営で集団農場とか経済がソビエトぽいな………厳しい環境のなかで生きて行く上でこのような形態になったのかも知れないとつっこんでみて

 

そして、あれ?

 

クッパ国の長としては正しいことしてね?と思うようになり。

同時に食料確保のための植民地侵略・領土を荒らさないで活用するための首都強襲作戦(毎回ピーチ城を最初に襲撃する)・相手国の王族(ピーチ姫)との婚姻による併合計画・占領した領地への代官の派遣(各ワールドボス)

占領した領地の住民への危害をあまり加えないことといいゲームではおおざっぱにたてられた作戦に見えたが視点を変えて見れば実に合理的だなと思う

加えてゲーム規模の軍をあれほどまでに運用しているのだバックには強力な家臣団が控えているはずである。

 

なかなか堅実な国家運営である。もしかしたらクッパはマリオとバトルする以外は書類仕事してるんじゃと思うほどである。

 

だが、どうしてもマリオが邪魔である。

武力行使すれば正面から叩きのめされるし引きこもって何かしようとすればどこぞから情報が漏れて「クッパが何か企んでるの!」の告げ口がされマリオがここに攻めて来るし

 

というよりはあの髭の爺のどこにそんな力が?奴はただの配管工…………待てよ!

確かに奴は配管工だ。現実では「へーー」ですむが此処ではそうならない。奴が整備しているのはあの土管なのだからだ

 

土管と言えばあれだろA地点からB地点まで一瞬で行けるあれだろ…………ワープ装置じゃないか!

 

えっちょと待って!じゃああの爺は空間を繋げたりねじ曲げたりできるのか?

 

……………なんだ、ただの化け物じゃないか

もしくは空間やその他もろもろを弄くれる高度な魔法使いという可能性もある。

奴のこれまでの能力(火を出す・地蔵になる・ハンマーを無限に投げる・Bダッシュ・マグマに落ちても死なない)を考えてみるとあり得そうで怖い

 

だがワガハイは諦めない民に柔らかなキノコを!緑を!与え我ら一族の繁栄を築くことこそ我が使命!

 

「ワガハイこそはカメのなかのカメ!ワガハイがやらずに誰が成す!」

 

 

こうして今までとは一風変わったクッパは歩みを始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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