強欲な王女は鏡に問いかける。
「鏡よ鏡。この世で1番美しいのは誰なのかしら……?」
「1番美しいの……1番……それって私目線でしょうか?それとも王女様目線?世間一般の目から見て?」「……面倒くさい鏡ね。」
「まあ、強いて言うなら今のオススメはアリスです。」
「アリス?」
「なんでも不思議の国、七つの海、鬼ヶ島、竜宮城、迷宮とよばれるこの現代など……様々なところから生還した戦士だと噂が。」
「それが美しいの?」
「はい、そこまでのことをしていながらさらに可愛いという……いわゆるギャップ?ってやつらしいです。」
「へぇ……え?
「はい。可愛いんです、とても。……あ、でもこの世ではないですね。ちょっと世界線が……」
「そんなのなんとかしなさい。」
「では、私に飛び込んでください。ワープさせますので。」
王女は鏡から離れて、離れて、そこから走り出した。
鏡から2メートルぐらいのところで鏡に向かってダイビング。
王女は鏡に吸い込まれていった。
……と入れ替わるように鏡からウサギが飛び出してきた。
「遅刻だ!遅刻だ!」
そう言いながら鏡の前で、円を描きながら走り回る。
何周かして鏡の方に跳んできた。
「え、ウサギ!?ヤバイヤバ───」
鏡は慌てて元の世界に繋ごうとしたが、色々と切り替えている途中でウサギは鏡に飛び込んでしまった。
「あ……まずくね?」
「遅刻だ!遅刻だ!」
ウサギはそう言いながらジャングルの中を駆けていました。
そのまま走り続け、開けたところに──砂浜です。
目の前には、海の上に真っ直ぐ一直線に岩が並んでいました。
ウサギはその上を跳ねながら渡っていきます。
「あ?なんだ。」
岩が喋りました。が、
そんなことを気にせずウサギは跳び跳ねていきます。
結論からいえば、これらは岩ではなくサメなのです。
無許可で背中を渡るウサギを許すわけもなく、サメ達はすぐさま潜り、ウサギを海に落としました。
そのままウサギをとって食おうと考えたのです。
が!しかし。
サメ達はウサギが持っていた時計の真の力を知りませんでした。
「時よ止まれ、空間よねじれろ、世界を……終わらせる!」
ウサギがそう唱えた後、首からさがった時計のスイッチを押すと、それまでサメの泳ぎで荒立っていた波がピタリと止まりました。
いや、静まったのではなく
「やれやれ、面倒なサメ共だ。」
そうセリフを吐き捨て、時計の効果で出来た空間の穴に飛び込みました。
「鏡!」
「わーっ!なんですか。」
「アリスのところから帰ったわよ。」
「あ、ああそれはそれは。」
「お茶会の途中で突然目の前に首から時計さげたウサギが現れてね。びっくりしたわ。」
「え……それマジですか?」
「マジって……本当よ。アリスとも友達になったわ。処刑は王女同士で話し合ったら分かってくれたし。」
「そうですか、あぁ良かった……」
「なにがよ。まあいいわ、お土産もらったから兵士を集めて。あと白雪姫と小人も呼んで。」
「分かりました。みんな呼びますが……そんなに貰ったんですか?」
「タンクローリー2台分の紅茶と、大量のお菓子をね。」
「では私も変身しましょう。」
鏡は光に包まれ───
鏡が消えて現れたのは、
頭に王冠を被り、腰に剣を差した騎士。
『ミラーナイト』
HP 500
MP 0
魔法攻撃を全て跳ね返せるが、物理的な攻撃と物理の講義で受けるダメージが倍になる。
得意技:ミラクルミラーミネラルミスト(略称:ミミミミ)
・魔法を分散させる霧を発生させる。味方の魔法を通せるようになるには、術者の技量が試される。
「いいわね。みんなで食べましょう。」
王女の城は、甘い匂いと皆の笑い声でいっぱいになりました。