気づいたら目の前に眼鏡がいた。なんかめちゃくちゃ期待されてるので逃げられませんでしたって話。

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なんか書いてみたくなった。


第1話

力とはなんだろうか。

人は古来から多くの力を持って世の中を作り上げてきた。権力や武力を用いて世界を平定し、知力や想像力を駆使して現代の文化まで発展させてきた訳だ。無論のこと他にも力の種類は多くあるだろう、徳川家康だって知力だけでは天下を統一できなかった。胆力があればこそ待つことができたのだ。兎にも角にも単衣に実力といっても様々な見方があるということをわかってほしい。

だがしかし。数多ある力の種類全てが現代において適応しているかというとそうでもない。例えば一回の睡眠で何時間でも寝れる事が自分の力であると胸を張っても、それは現代社会の評価基準では評価はされない。いくら遠くのものを正確に捉えられるほど視力があっても、日々生活をする上での使い道には乏しい。今のは全体的な観点からの一例だが、これを個人的な視点から見るとまた変わってくる。

例えば銀行員になりたい人が腕力をアピールしたからといってそれがプラスになるわけもなし。バスケットボールの選手になりたい人が100年に1人の逸材の画力をもっていたとしても本人からすれば無価値に等しいのではないだろうか。必ずしも自らが持ちえる力ーー才能は自らの目的とは合致しない。

無論、例外も存在するだろう。才能と目的が合致した人間は、俗にいう天才なんて言われる人種だ。又は神童や麒麟児、なんて呼び方もされる。羨ましいな、憧れるよ。そういう声を多く掛けられる所謂人生が充実してる奴らだ。目的があり、実力もある。そしてそれが合わさってるのなら問題はないだろう。しかし世の中にはその力があるせいで人生が終わってしまったなんて人もいる。はるか昔の偉人、クレオパトラは自らが持つ魔性の魅力によって最期を迎えた。現代のごく稀な例だが超能力がある幼い子供が、国家のモルモットとして闇の中に消えた。一概に力があれば人生勝ち組とはいえないだろう。

 

少なくとも俺はほどほどが1番いいと思う。ほどほど。いいねほどほど。

力がないのも嫌だけど、力がありすぎても生きづらい。人生は難儀なものである。

「ーーー、以上で全説明を終えましたが、何か質問はございますか?」

目の前に紫色の髪した可愛い女の子がこちらを見ている。ちょっと冷たい感じがする瞳がその低い身長と愛らしい容姿とのギャップを醸し出していて中々魅力溢れる少女……先輩だ。

「…………」

その横で寡黙に机に両肘を着きじっとこちらを見るメガネ。まるで品定めされてるみたいでこっちとしては大変気持ち悪い。

無駄に洗礼されたデザインの机に調度品の数々。学校の部屋の1つとしては余りにも豪勢な作りのこの部屋と、新入生の俺とじゃ余りにも釣り合いが取れてない。

まったく。何故俺がこんな場所に来なければならんのか。

「どうかいたしましたか?」

俺が黙ってるのを変に思ったのだろう。すまないな、緊張しているんだよこれでも。まぁ、俺は友人から顔面石像と呼ばれる程度には無表情だからわからんかもしれないけど。

「いえ、特に何があるわけではありません。ただ1つもう一度確認させていただきたいのですが」

ええ、本当に。頼むから間違っていて欲しい。

「構いません。ですが何度となく繰り返しても結果は変わりません。貴方がー」

「お前が今年の新入生代表ーーAクラス主席合格者だ」

「……」

あゝ、神よ。どうして俺の平穏な生活を奪ってしまったんだ。実力至上主義とか名乗ってんだからもっとレベル高い奴ら集めろよ、

「驚いたと素直に述べようじゃないか。実施した全ての評価基準を歴代最高得点で通過、面接に至っては担当官を唸らせるほどの教養を見せつけるその知識と弁舌には教員の方々も賞賛されていた。加えて各運動能力値はオリンピック選手と比較しても遜色がないという異例の結果を収めた。正直これの結果には私ではなく国が頭を痛めていたよ、なにせこの結果が好評されれば間違いなく君は研究者に目をつけられるだろうからね」

その発言で既に国に知られてることがわかっちゃったわー。国からロックオン確定じゃねーか。

「フッ、歴代最高得点保持者が私の後輩とは……な?」

な?じゃねーから。眼鏡クイクイしてんじゃねぇぞこのインテリ野郎が。というか俺この人からの評価高過ぎではありません? なんか目がギラギラしてるんですけど、俺にそっちの気はないんですけど。

 

「君には期待している。宜しく頼むよ、逆廻十六夜君」

 





読んでくださりありがとうございました^ ^

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