俺は、スーパーザンクティンゼル人だぜ?   作:Par

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安易な展開、団長苦労の連続


今がどん底なら、あとは上がるだけだ

 ■

 

 一 待ち人来ず

 

 ■

 

 アウギュステを襲う激しい雨。住民達が慌てる中この事態に頭を悩ませる者達がある宿にいた。

 

「来ねえなあ、相棒のやつ」

 

 宿の談話室で既にここに居る筈の二名の人物。【星晶戦隊マグナシックスとB・ビィくんマン&均衡少女ZOY】の団長と彼が連れてくる手はずであるシャルロッテ騎士団長、その二人が未だ現れぬ事に星晶戦隊(以下略)の面々は、ある種の不安を覚えていた。

 

「この様な大雨であるから遅れていても不思議ではないが……」

「彼の場合、そこからのトラブルコンボが考えられるねえ」

 

 突然の嵐の様な大雨が二人の到着が遅れている理由である事は、ほぼ間違いないと考えているコーデリアだがフィラソピラは、そこからのトラブル発生に懸念を抱いていた。

 

「帝国の事もある。主殿がトラブルに巻き込まれるとなると更に厄介な事態に発展しかねんぞ」

「フアンダナァ・・・(´・ω・`)」

「団長は、一度巻き込まれるとそこから加速度的に状況が悪化するからなあ」

「マ、何時モノ事ダナ」

 

 団長のトラブルと苦労体質を心配する星晶戦隊の面々。一方で一人ティアマトは、のんびりと購入したワインを飲みながら外を眺めていた。

 

「ティアマト、お前は緊張感と言うのをだな……」

「心配シタ所デ状況ハ変ワランダロ。コノ雨ハ、多分モウスグ止ム。ソシタラ何人カデ、アイツヲ探シニ行ケバイイ」

 

 窓から見える天気の様子から風を司る星晶獣の彼女は、それとなくこの天気の変化を読み取っていた。

 

(明ラカニ不自然ナ天候ナノガ気ニナルガ……)

 

 またこの雨があまりにも突発的であり何者かによる魔術か何かを利用したものではないかと疑う。だがアウギュステ全域で特殊な術が使われた気配は感じない。あるいは、星晶獣の仕業であるかも疑った。

 

(微カニ星晶ノ力ヲ感ジルガ……海カラカ?リヴァイアサン、デハナイナ。ナンダ、コレハ)

 

 押さえ込められた様な気配。星晶の力には違いなかったが現状この様な雨を起こせるほどの力は、感じられなかった。

 

「……ナンダ?」

 

 そしてそんな事を考えていたティアマトを周りの面子が意外そうな顔で見ていた。

 

「にゃ、ティアマトが真面目な顔してるにゃ~と思って……」

「珍しいな……俺が団に入ってから見たことが無い様な表情だ」

「雨でも降るんじゃねえのかァ~?」

「もう降ってるわよ……」

 

 ボロクソ、異常な天候について考えただけでこれである。

 

「オ前等ナァ……」

「それとも腹痛かい?」

「やっぱり、おへそを出す服は、冷えると思うです」

「違ウッ!!」

 

 しかしこれも普段の行いの所為である。(笑)筆頭星晶獣の名は伊達ではない。

 

「まあ、実際の所彼女の言うとおりか。彼も宿には、向かっていたはずだ。この周辺にいるかもしれない、雨が弱まったら私とブリジールで彼を探しに行こう」

「ふ、二人で……いいの?」

「入れ違いでも困るからね。二人でも見つからないようなら一度戻り人数を増やすよ」

 

 ティアマトの言うとおり雨が直ぐ止む事を願いながらコーデリアは、外を眺めた。

 

 ■

 

 二 ピンクの空間

 

 ■

 

「ここは、元はラブホテルでね。もう普通の宿屋にしようと思って改装中なのさ」

 

 現在改装中、その名を【ホテル メイク・ラブ・ギュステ】と言う宿で俺とシャルロッテさんは、ドッピンクな部屋に通され慌てて引き返して主人のばあさんに詰め寄った。その際に帰ってきた答えがこれである。

 いや通すなよ、未成年を。と、思わないでもないがもうラブホとしては、営業を終えているのと説明のとおり改装中なので未成年が見たり使っても問題の無い物しか残ってないので、「大丈夫だよ」だそうだ。

 大丈夫じゃない、大問題だ。

 

「後言い忘れてたけど、給湯器は止めて無いから一応風呂使えるよ。好きにしな」

 

 風呂まであったんかい。というか使わねえよ。シャルロッテさんいるんだぞ。

 しかし依然として外は大雨、心なしか勢いが増している気さえする。今更ここを出るというわけにも行かないか。 

 

「シャルロッテさん、この部屋なんだけど」

「お、おお……これは、なんとも大きな……あっ!」

 

 フロントから戻ると、ポインポイ~ン、とベッドの上を軽く跳ねてる子供、と言うかシャルロッテさんがいた。

 

「何してんすか……」

「あ、いやその……お、大きなベッドだったので、つい」

 

 そうですか、ついですか。なら仕方ないね。ただ今の光景を俺は、心の癒し宝箱へとしまいこんだ。

 

「そ、それでジミー殿この宿ですが」

「ああ、うん。その事だけど、実はその……ラブホテルだったらしくて」

「ラブ、ホテ……?」

「ええ、だからどうしようかと思っ――」

「ラブホテル、愛の宿とは、またロマンチックですね。自分こう言う所は、初めてであります!」

「……え?」

「ベッドの天井なんて鏡であります。変な装飾ですね」

「あー……」

「しかし殆どがピンク色とは、気が休まりませんが宿としてどうなのでしょうか?それともこう言うのが主流だったりするのでありますか?」

 

 そ、そうきたかぁ~ッ。

 待ってくれよ、シャルロッテさんって確か今歳が24だろ?知らないのか、ラブホッ!?ザンクティンゼルのド田舎にいた俺でも何となく知ってるぞ、その存在と利用目的。いや、使った事はねーけどさ。と言うか部屋の雰囲気と語感でわからないのか。

 

「それにしても大きいベッドであります……シーツもピンク、不思議です」

「あはは、そうっすね……んはは」

 

 こ、これは言うべきなのか?いやだがここで説明すると俺の立場が……女性にラブホテルについて説明する男……いやいや、ちょっとこれは。

 

「おっと、そうでした。タオルで髪を拭かねば」

「あ、ああ……そうですね。タオルあるはずですけど」

 

 出入り口の傍に【バスルーム】と書かれた扉がある。タオルがあるとすればここか。何となく嫌な予感を感じつつ扉を開ける。

 

「ほらやっぱりー」

「どうしましたか……おお、これは!?」

 

 少し広めのバスルーム。そこは、ピンクの空間と打って変わって浅い蒼の光が空間を満たし浴槽まで蒼色に光っていた。力の入れどころおぉっ!!

 

「ああこれは……ジミー殿っ!!」

「はい?」

「あ、あわあわのヤツですっ!!」

 

 シャルロッテさんが浴槽の隣にある説明書きを見つけ興奮しながら指差した。そこには【本浴槽は、噴流式の切り替え可。ご自由にお楽しみください】とあった。丁度浴槽に入ると腰辺りに程よい勢いのあるジェット噴流があたるマッサージ風呂である。また凝った風呂を作ったもんである。結構いいやつだし多分改装後もこれは残すだろうな。

 

「こ、これが噂の……」

 

 えらい興味ありげだなこの人。使いたいの?いやいや、こんな状況で、しかも男である俺がいてそんな事思えど口に出したりなんてすまい。

 

「は、入ってみたい……」

「言うのかよっ!?」

「はっ!?」

 

 しまった声に出してしまったっ!!

 

「じ、自分声に出てましたか?」

「え、ええまあ割とハッキリ……」

「わわ、うわあ……は、はずかしいでありますぅ~っ!」

 

 その場で顔を両手で覆って屈みこむシャルロッテさん。耳まで真っ赤である。ただこう言っちゃなんだが自分の事を割と独り言で言うきらいがある気がしますぜ。

 

「そんなに憧れてるんですか……」

「えっとその、重ねてお恥ずかしいのですが……以前大人の女性としての魅せ方を少し本で調べた事がありまして」

 

 んな事調べてたんかい。騎士団の仕事どうしたあんた……と言うのは、最早いまさらか。

 

「それで、こう言った風呂の事が書かれておりまして……大人の女性としては、憧れが」

 

 大人の女性としては、なんて事自分で言うと尚更大人の女性から遠ざかる気がしますよ俺は。大人の女性への憧れの像が10代前半で止まってないかこの人。って言うかステレオタイプ?

 さてさて、しかしどうすればいいの?俺さっきからどうすればいいのかしか考えて……いや、日頃からそんな事ばっかり考えてる気がする。いやいや、それよりも今の事だが入りたいんだろうなあ、この人は……。

 

「そんな入りたいならちょっと入りますか?部屋いると気まずいだろうから、俺フロントにでも行ってばあさんと適当に時間つぶしますよ」

「い、いえいえっ!そのような、自分のわがままでジミー殿にご迷惑を」

「はは、ご迷惑だって。別に構いやしませんよ。迷惑も何も今更だし、俺も散々迷惑かけましたからね」

「いや、そのような事は……」

「無くはないでしょ?」

「……そう言われると、そんな気が」

 

 片手に担いだりからかったり、片手で担いだり、からかったり、片手で担いで放り投げたり。よくよく考えると俺は、出会って五日の間に豪い事しまくってるな、名のある騎士団長に。

 

「まあ雨で冷えたろうし、入らないかはともかくシャワーぐらいはしたらいいですよ」

「それは、確かに冷えましたが」

「鍵も掛けといていいですよ、適当に戻るんで開けてくれればいいんで」

 

 俺がいるとまた押し問答になる。迷惑だの、そうじゃないだの、時間の無駄で面倒くさい。とっとと部屋をでてばあさんと世間話でもしようと思った。だがしかし。

 

「お、お待ちくださいっ!」

「グエッ!?」

 

 服の裾をつかまれグエッてなった。

 

「なぐっ、なんすかぁっ!?」

「た、確かに入りたいかと問われれば自分は、この憧れのあわあわのマッサージのお風呂に入りたいであります」

「じゃ、じゃあやっぱ俺は外に」

「しかし、私と同様に雨に濡れたジミー殿を部屋の外に出そうなんて思いません」

「いや、それだと」

「だから別に……部屋を出る事はありません。居ていいであります」

 

 ええー……、今回、そう言う展開なんすか神様……。

 

 ■

 

 三 火消要因

 

 ■

 

 現在改装中のラブホテルの左右には、今それぞれ【ジータと愉快な仲間たち団】とバウタオーダ率いるリュミエール聖騎士団の部隊が休憩している。もちろんそんな事を団長も、シャルロッテも、ましてジータとバウタオーダも知らない。それぞれが突然の大雨に濡れて冷えた体をそれぞれの宿で乾かし温めていた。

 

「温かい……スープ、ごちそうさまでした。大変美味でした」

「ほほほ、ただのスープに大袈裟ですよ」

「いえいえ、本当に助かりました」

 

 宿の談話室で談笑を楽しみ、差し出された暖かなスープを飲むバウタオーダ達。具も少ない薄味のスープであったが、雨で冷えた体には、この上ない温かさであった。

 

「隊長、雨の勢いが収まってきました」

 

 天気の様子を見ていた部下の一人がバウタオーダの元へと来て報告する。言われてみると雨音がだいぶ収まってきた事にバウタオーダも気がついた。程なくしてこの雨は、止むだろう。

 

「そのようですね。各々何時でも出れるように準備をしておきなさい」

「はっ!」

「ご婦人、これは少ないですが今回のお礼です」

 

 バウタオーダは、おもむろにルピ硬貨を手渡した。少ないと言うがそれなりの量である。それを見た婦人は、少し驚くと微笑みと共にそれをバウタオーダへと返した。

 

「お礼を貰うためにやったのではありませんので」

「いえ本当に助かりました。どうか受け取ってください」

「私は、宿の商売以外でお金を取る気はありませんよ。何時かまたアウギュステに来たら泊まって行って下さい。そのお金は、その時にでも」

 

 やんわりと手に戻された硬貨を見てバウタオーダは、困ったように笑いながらそれを懐へとしまった。

 

「わかりました。必ずまた来ます」

「そうしてください、お待ちしていますよ」

 

 二人の会話が終ると共に雨脚が更に弱まっていった。それは、平穏の訪れと思えながら、しかし新たなる騒動が始まる“嵐の前の静けさ”の訪れなのであった。

 

 ■

 

 四 核弾頭

 

 ■

 

「さっぱりしたあっ!!」

 

 上下インナーのみで妙に元気な少女、ジータが宿の部屋で声を上げていた。

 

「コラ、ジータはしたないぞ」

「えへへ、ごめーん」

 

 女として如何なものかと思える格好のジータをカタリナが注意する。他の仲間と部屋を別れたジータ、ビィ、ルリア、カタリナの三人と一匹。濡れた体を宿の小さいながらもお湯の出るシャワーで洗い温め気分がだいぶすっきりした様子であった。

 

「あ、見てください!雨の様子が」

 

 カタリナに頭を拭いてもらっているルリアが窓の外を指さす。ジータ達が外を見ると先ほどに比べてだいぶ雨の勢いが弱まっていた。それを見てジータとルリアは、純粋に喜んでいるが一方でビィとカタリナは、心底ホッとし同時に不安であった。

 

「ビィ君、これは……」

「多分だけど、シャワーして気持ちすっきりしたから落ち着きが出てきたってことだと思うぜ」

 

 誰の気持ちがすっきりしたかは、言うまでもなくジータの事であった。そもそもが雨の原因もジータである事は間違いない。表に現れない気持ちの変化がこの天気に現れていた。

 

「このまましばらく落ち着いてくれるといいのだが」

「どうだろうなぁ……オイラも正直どうすればいいのかわからねえし」

「一先ず外を歩ける程度に雨が収まるか止むかしたら美味しいものを食べよう。それでも気持ちは多少変化するはずだ」

「それがいいな、一気に感情を変化させるような事すると何が起こるかわからねえし……っても、そもそもそんな方法今あるわけないけどな」

 

 キャイキャイと窓の外を眺めながら、ギュステで何を食べるか、どこで遊ぼうか等を語り合うジータとルリアを見る。今ばかりは、年相応の二人の様子に癒されつつも、謎の不安を覚えるカタリナであった。

 

 ■

 

 五 火薬庫および着火要因

 

 ■

 

 ……俺は、何してんだろう。

 

「お湯張りましたよ」

「で、では……いざっ!」

 

 シャルロッテさんが、湯のたっぷり張った浴槽にあるジェット噴流を生み出すスイッチを押した。すると浴槽内に勢い良く噴流が起き水中がキメ細かい泡で溢れていった。

 

「す、すごいであります!ブクブクであります!」

「そっすね」

 

 もう一度言う、俺は何してんだろう。

 はしゃぐシャルロッテさん、もう何を考えればいいかわからない俺。なんでこうなった?いんや、わかってるさ、俺がシャルロッテさんの部屋に居ていい発言を聞いて断り切れなかったのが悪いんだ。

 

「じゃあ、俺部屋で休んでますから」

「あ、わかりました。その……申し訳ありません」

「いいっすよ。バスローブもこっちの籠にありますよね?ごゆっくりどうぞ……」

 

 とっとと浴室から出ていく。そしてちゃんと浴室の鍵を閉めてもらった。お互いのためにである。それを確認すると、俺は一人では大きすぎるベッドに横たわった。

 もう一度だけ言う、俺何やってんだろう。

 本来ならコーデリアさん達と合流して【正義審問】も終わっていてもおかしくない時間だ。それなのに俺ときたら間違ったとは言え改装前のラブホでリュミエール聖騎士団の騎士団長のバスタイムが終るのを待っている。

 馬鹿なの?どうすりゃこんな事態になるのさ。ルナールさんの好きな絵物語でもそうそうねえよこんな展開。

 ……考えても無駄だよね、知ってる知ってる。まあボオ~っとして休むとするよ俺は。

 

「お、おおっ!?」

「……」

「うわ、す、水流が腰に……うひゃあっ!?」

「…………」

「んひいっ!?け、結構くすぐった……うわあ、あは、あはははっ!?」

 

 あの人はもおおぉぉっ!!聞こえてるっつーの!!気まずいわ、気まずすぎるわ!!

 声が収まるまでマジ気まずかったわ。延々と続いた気がしたわこの野郎畜生め。だがやっとシャルロッテさんが噴流の勢いにも慣れたのか声も聞こえなくなると、俺のほうも多少落ち着くことができた。

 色々と、この間に宿から出ての事を考える。もちろんコーデリアさん達との合流が最優先であるが間違ってもこの宿から出て行くところを誰かに見られるわけにはいかない。もう既に俺達がとってる宿で集合しているはずだからありえないがティアマトにでも見られた日には、死ぬまでからかわれる。見知らぬ誰かに見られたとしても恥ずかしいのに冗談ではない。

 それにシャルロッテさん、彼女のような高名な騎士団長がラブホへの出入りなんて見られちゃとんでもない事になる。ちゃんとラブホの事を説明出来なかった俺も悪いが……。

 やはり理想的退出は、人目に付かぬタイミングを狙う他ない。幸いにもすでに外は、夜。暗がりに紛れればわからないはずだ。この雨も降りだし方からして長く続く雨では、ないと思う。狙え絶妙な逃げ時を、俺っ!!

 などと勝手に一人決心していた俺であったが、気合と共に顔を上げた瞬間に浴室とベッドルームを仕切っている壁――それが一瞬にして奇麗な透明ガラスへと変化し、ありのままの姿のシャルロッテさんと目と目が合う展開は、本当に予想できるはずは、無かったのである。

 

「きゃああああああああああああっ!?」

「ぎゃああああああああああああっ!?」

 

 俺が、俺が何をしたっていうんだよっ!?

 

 ■

 

 六 「そういや、ガラスの事言うの忘れてたね」

 

 ■

 

「殺してください」

「ジミー殿、顔を上げてくださいっ!」

「殺してください」

「ジミー殿、じ、自分はその……気にしてないであります。だから顔を」

「殺して奉り候……」

「ジミー殿、言葉使いが変でありますっ!?」

 

 殺して……もう表を歩けない俺を誰か、殺してくれ……。

 

「お願いですから、もうそんなに謝らず……」

「それ以外に俺に出来る事は、無い」

 

 全空一申し訳ない気持ちの表れ、土下座。俺は、今土下座以外するべき事は無い。あるわけがない。婦女子の裸を偶然とは言え見てしまう。しかも入浴直後の、シャルロッテさんの……。

 被告人俺氏、有罪確定、満場一致。

 

「そもそも、ジミー殿を部屋に居て良いと言ったのは自分ですし、それにあの事も自分が……」

 

 シャルロッテさんは、未だ赤みの抜けきれぬ顔で俺を土下座の体勢から戻そうとする。

 突如の壁の透明化、と言うより実はガラスだったのだが……。ようは、ラブホ特有のサービスであった。ガラスと特殊な加工がされた魔法結晶を組み合わせた世にも不思議な【一押しですっきりクリアガラス(いやぁ~んエッティ⤴.Ver)】、工業の島バルツで物好きな職人が開発した色々と用途が限られてくる阿呆な発明であった。

 浴室に設置されたそれは、浴室内からのみ壁モードと透明ガラスモードの切り替えが出来る頭悪い仕様である。誰に聞いたって?ばあさんだよ。「言うの忘れてたよ、ごめんね」だって。この野郎。俺の知ってるばあさんってのは、こんな人ばっかか……。

 それでそのスイッチを見つけたシャルロッテさんが、興味本位で押してみたらあんな事になってしまった。と言うしだい。

 そしてこの事で必然的にラブホの事が結局シャルロッテさんにもバレた。と言うか、説明せざるをえなくなった。透明になるガラス壁とか、誤魔化し切れないから。そんでラブホの説明を聞いた時、暫し何の事かわかっていなかったようだったが、「つまり男女のですね――」と露骨な説明をしたあたりで顔が爆発したように赤くなりベッドに潜り込んでしまった。

 俺が潜りたいよ、もう穴があったら入りたいよ。何が悲しくて年上の女性にラブホの使用目的の説明をせねばならんと言うのか。拷問だよ、辱めだよ、地獄だよ。

 そしてその後は、今に至る、怒涛の土下座だよ。

 

「俺は、こんな事をして、どう詫びれば……」

「だ、だからもういいであります……気にしてないですから。と言うか、あまり謝られると、自分としても複雑と言うか……」

 

 だ、だってそれ以外に俺どうすればいいのか、わからないし……。

 

「ジミー殿、確かにその……自分も見られてしまった事は、恥ずかしいでありますが今も言った通りジミー殿を部屋に居て良いと言ったのも、勝手にあのガラスのスイッチを入れたのも自分ですから……そう、事故!これは、事故であります!」

「事故、ですか……」

「そうです、不運な事故です。だからどうかもう顔を上げてください」

 

 床に擦り付けていた俺の頭を、シャルロッテさんが優しくその小さな手で持ち上げる。その時、俺を許し微笑みを浮かべるシャルロッテさんの顔から後光が見えたような気がする。

 

「ありがてえ……ありがてえ……」

「泣くほどでありますかっ!?」

 

 泣くほどだよっ!人生終ったと思ったんだからな俺はっ!?衛兵に突き出されて前科付く覚悟もしたんだぞ!!

 

「はい、それじゃあ……もう今まで通りであります!」

「はい……はい……ありがてえ……」

「それはもういいであります」

 

 あ、はい。けど心の中では唱えときます、ありがてえ。

 結果的に、シャルロッテさんは、冷えた体を温めれた(事故によって羞恥心からも体が熱くなったが……)。その点は、せめて良かったと思いたい。一方で俺は、心底肝が冷えたが。

 さて、兎にも角にも場が落ち着いたところで新たな問題である。問題と言うか、試練と言うか、シャルロッテさんにラブホの事が知られた以上、さらに空気が気まずい事になった。さっきまでは、ただ大きいベッドという認識のベッドも、人間二人が入って動いても問題ない大きさと言う事を知ってしまったシャルロッテさんは、ずっと顔真っ赤です。だから俺らそろって部屋の隅にある大き目ソファーに並んで座ってる。なんだかなあ。

 

「……なんと言うか、申し訳ございませんでした」

「はい?」

 

 ふいにシャルロッテさんが謝りだした。なんでじゃい、俺の方がまだ謝り足りないぐらいだぞ。

 

「何がっすか?」

「今回と言いなんだか自分が案内する場所で次々とトラブルに巻き込まれたような気がして……申し訳ない」

 

 違います。

 違います。

 それ、違います。

 多分それ原因俺です。俺のほうがトラブル呼んでます。貴女じゃないです。そもそも俺がトラブルを呼んだ結果、貴女と出会ってます。

 

「それシャルロッテさん関係ないと思いますよ」

「けれど、自分がもっと冷静に対応できていたら、今回もこんな事には……」

 

 対応できるかあ?確かにラブホ知らんと言うのは、予想外だったが、知ってようが結果は、変わらなかったと思う。そもそもここに入った時点でダメだったはずだ。

 

「大人としてジミー殿よりもっと上手く対処するべき時、自分は慌ててしまいました。こんな事では、大人のレディを名乗る事は、出来ません……」

 

 あ、そこなのねショックなのは。

 

「はあ……いいですか、シャルロッテさん。そんな悩みは、不要です、いりません」

「え?」

「ポイしちゃいなさい」

「ポイって……」

 

 いいんだよ、ポイしちゃって。

 

「大人かどうかなんて、勝手に成ってるもんなんです。誰が決めるでも、自分が決めるでもなくいつの間にか成っとるのです。成りたくなくてもなるのです、考えても無駄です」

「し、しかし」

「それに、大人なら冷静に対処できるみたいなのは、妄想です」

「妄想っ!?」

「そうです、妄想、ファンタジーです。世の大人は、殆どが子供と変わりません。精々子供の時より大人しくなっただけで、基本的にみんな図体大きいだけの子供なんです」

「ジ、ジミー殿?」

「いい年して馬鹿みたいに酒飲んでは所かまわず吐く人がいます。人の困る顔を見たいがために無理難題を投げかける意地悪な人がいます。自制と言うものが無かったせいで四六時中笑い続ける人もいるし、しょっちゅう凶器を振り回してる人に、如何わしい妄想しかしない人もいます」

「ジミー殿、ちょっと」

「人の金を勝手に使い込む奴等に、悉く自分の尻を蹴ってくれと言ってくる阿呆に、笑顔で借金上乗せしてくる人もいて、死地へ笑顔で放り投げるクソババアも……」

「ジミー殿、しっかりっ!なんか目が変です!」

「ハッ!?」

 

 い、いかんいかん、ダメな大人の例を挙げてたらちょっと暴走した……。

 

「ジミー殿、なんだか苦労をされているようですが、大丈夫でありますか?」

「い、いや……俺の事はいいんですよ。要はですね、クソみたいな大人を見てきた俺に言わせればですね、シャルロッテさんはよっぽど大人です」

「そ、そうでしょうか」

「まあ、ぶっちゃけ面倒くさいんで、もうそんな事で悩むのやめてどうぞ」

「いっきにいい加減な答えになったであります……」

 

 仕方ないじゃん、本当に面倒なんだもん。

 

「だってしょうがないですよ。ラブホについて知らなかったのも、大人とか関係無しに知らなかっただけですし、大人だからって冷静な対応できないっても、自分の裸見られて冷静に対処できる人なんてそうそうおりゃしませんって」

「それは、まあそうかもしれませんが……」

「それに自分の悩みってのは、自分で答えを見つける事が難しいもんです」

「と言うと?」

「自分で同じ悩み延々悩んでて答えなんて見つかるわけ無いじゃないですか。一人で悩むって言うのは、宝探しで宝の場所を知ってる人が居るのにその人無視してたった一か所しか探さないのと一緒です。宝のない場所を掘り続けるだけっす」

「わかるような、わからないような……」

 

 仕方ないじゃん、俺こう言う例え苦手なんだから……。

 

「要は何一人でグダグダしてるのかって話ですよ。騎士団長としての立場や、大人だとか、身長の事込みで悩む事が有るなら尚更一緒に答えを探してくれる人探しましょうよ。シャルロッテさんの納得できる答えって言う宝を知ってる人はいますよ」

「……そんな人が、いるでしょうか」

「いますよ、幾らでも。騎士団の仲間にもいるだろうし。なんせ空は広いです、から……」

「ジミー殿?」

「いや、なんかすんません……今の忘れて下さい……」

 

 なんて言うか……何熱弁してんの俺。こんな偉そうな事言えるような人間じゃないじゃん、馬鹿かっ!!状況考えろよ、今さっき偶然で、許されたとは言え裸見てしまった様な人間だぞ俺は、急に恥ずかしくなってきた。

 

「偉そうなこと言いましたけど、たいして俺も分かってないんで、すんません」

「……いえ、忘れないであります」

「え?」

「ジミー殿の言葉、少し考えさせられました。自分は、一人で悩みすぎていたかもしれません」

 

 ええぇ~真に受けちゃったよ……やばいじゃん、クッソ恥ずかしいなあ、俺の馬鹿っ!!ほんとティアマトとかいなくてよかった、いたと思うとマジ寒気がするわ。

 ああ、てかもう無理間が持たない。早く部屋出たい、宿出たい、今日を終えたい!!

 そんな必死の願いが通じたのか、ずっと聞こえていた激しい雨の音が徐々に、徐々に小さく弱くなっていった。それに気が付いた時の俺ときたら嬉しくて勢い良く立ち上がってしまったね。

 

「雨弱まってきたみたいっすよ」

「あ、本当であります」

 

 大振りが小雨へと移り、窓に叩きつけられる雨粒もポツポツと数えれる程度になっていく。降るのも突然なら、止むのも突然だったな。

 

「……出ますか」

「そうでありますね」

 

 なんとも不思議な雰囲気の中、そそくさと宿を出る準備をして部屋を出ていく俺達。だが内心俺は、やっとこの空気から脱する事ができるとルンルン気分であった。

 フロントでばあさんに礼を言うと「改装したらまた来なよ」と言われる。ちょっとは考えておくがあの風呂の壁だけは、何とかしとけよマジで。

 さて、そして今日の本題。

 

「シャルロッテさん、実は来てほしい場所があるです」

「来てほしい?」

「ええ、ちょっと用事で……もう夜になってるのに申し訳ないですけど、ここの近くのはずなので」

「かまわないですが、どんな用事でありますか?」

「いきゃわかります」

「はあ、そうでありますか」

 

 流石にもう何も今日トラブルが起きることはあるまい。とっととコーデリアさん達の待つ俺らの宿に行ってしまおう。ひどいロスを食らったからな。帝国関係の事もあるから、もうのんびりしてられない。扉を開けて外へ出る。

 

「それじゃあ行きますか」

「我々も戻りますよ」

「行こうかみんな!」

 

 ……ん?

 なんか、宿から出たら声が重なった。両サイド?他の宿の客か?

 

「ん?」

「おや?」

「あれ?」

 

 …………ん゛?

 

「え?」

「え?」

「え?」

 

 え?

 

 

七 え?

 

 

 ちょちょ、ちょま……嘘だろ、嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろおおぉぉっ!?信じねえぞ、冗談じゃねえぞ、夢だ、これは夢、悪夢っ!?まってほんと、まってっ!?今左から聞こえた声ってめっちゃ聞き覚えある声だったよねっ!?いや、違いますよ、違うよ絶対!!そんな偶然……トラブルの極み、あるわけないっ!!

 

「ま、まさか、ババ、バウタオーダ殿」

「……シャルロッテ、団長?」

 

 あっはっはっはっ!!こっちはこっちでなんかあれだけど、まて深呼吸……落ち着こう、まだ顔は見てない、目は合わせてない。見なければ確率は二つ、アイツがいるかいないかの二つ。そうそしてきっといない、アイツが偶然俺が雨宿りで逃げ込んだラブホの隣の建物から現れるとかそんな事はないです、無いったらないっ!!

 

「……お兄ちゃん?」

「兄貴……?」

 

 聞き覚ええぇぇーーーーっ!!二つの声に聞き覚えぇっ!?覚えありすぎるっ!!

 

「ひ、人違い、じゃよ」

「うーん、お兄ちゃんっぽい幸薄オーラを感じるけど……」

「どこで判断してんだテメエっ!!……あ」

「ほーら、やっぱりっ!」

 

 思わず向いてしまった。顔を合わせてしまった。夏の太陽、満開の花とも思えるような、夜だと言うのに輝いて見えるその笑顔。傍らに寄り添うように飛んでいる小さなドラゴン。間違いようが無かった。

 

「よ、よう……ジータ、ビィ。おひさ」

 

 間違いなく、俺より先にザンクティンゼルを旅立った妹分で幼馴染であるジータとその相棒のビィだった。

 

「ほ、本当に兄貴なのか?」

「おう……元気そうだなビィ」

「あ、兄貴!本当に兄貴だっ!」

「嬢ちゃんどうした?えらい元気な声が聞こえたが……おっ?」

 

 ジータの後ろから見知らぬ男女がゾロゾロと現れた。ただ二人の少女と女性、確かカタリナと言う騎士とジータが助けたと言うルリアだったはず。

 

「んだあ、この事態は?」

「シャルロッテ団長……貴方は、このようなところで何を?」

「いや、それはその……」

「お兄ちゃん、すっごい偶然っ!!偶然?運命っ!?って言うか本当に空に出てたんだね!」

「兄貴ぃ、助かった……オイラほんと、今日なんかもうダメかと思って……っ!!」

「お、おうそうか……大変だな」

「いつの間にか姿を消したと思ったら、まさかアウギュステで出会うなんて」

「で、ですからそれは」

「本当に騎空団始めたの?いつ頃?その子って仲間なの?」

「兄貴、なんでもいいからジータに兄貴グッズを上げてくれよおっ!もう前のクッションとかじゃ無理なんだ」

「あ、うん……ちょっと、今はそのまずいって言うか」

「いや、ほんとどう言う事態だよっ!?」

 

 ジータの仲間と思われる髭の兄ちゃんが叫ぶ。お気持ちお察しします。俺もそう思うし、助けてほしい。

 

「てかこの小僧、この宿から出てきたのか?」

 

 そしてもう一人のおっさんが、わざわざ言わんでいい事言った。言わんでいい事言ったッ!!

 

「お兄ちゃん、隣の宿だったんだね?知ってれば呼んだのに~」

「あはは~そうだねえ、ところでジータ、ちょっと場所を移したいんだけど」

「ねえねえどんな部屋だった?私達雨宿りでね、この宿にお世話になったんだけど、そっちの、宿、は……」

 

 【ホテル メイク・ラブ・ギュステ】、ジータの瞳にバッチリ入る。他の皆もつられて見ちゃうね。まあ見るよね。

 

「こ、こここれって、あれよね」

「ええ、つまりそう言う宿ね」

 

 杖持った少女が顔真っ赤にしてて、隣の女性は微笑ましそうに俺とシャルロッテさんを見てる。

 

「シャルロッテ団長、まさか貴方……」

「誤解です、バウタオーダ殿!?」

 

 シャルロッテさんの方も大変そうだが、それどころじゃない。俺の第六感が告げている。「逃げろ」と。

 

 ■

 

 八 お年頃爆発

 

 ■

 

 ――この瞬間、極めて短期間の内ファータ・グランデ全域で歴史上今までに無い同時多発異常現象が発生した。

 ポート・ブリーズでは、ティアマト(真)の力を凌駕する突風が吹き荒れ、バルツでは、死火山と思われていた火山が突如噴火、アウギュステでは、ある筈の無い間欠泉が各所で吹き出しリヴァイアサンが火傷した。それ以外の島々でも地震、雷、雹、嵐と異常気象のオンパレードであった。だが奇跡的に死傷者は、全く居なかった。むしろそれ等の現象は、最終的に島にとってプラスに働いた。

 突風によって途中動力が故障し空の底へ落下しかけていた騎空艇数隻が奇跡的に島へと運ばれ助かり、バルツでは新しい火山の熱を使っての工場が作られた。アウギュステの間欠泉は、すぐにシェロカルテがその土地を買い取り、海と温泉が楽しめるリゾート地に改造。それ以外の場所でも同様の結果をもたらした。

 果たしてこの異常現象の原因は、なんであったのか後の学者達は、頭を悩ませた。ただの偶然か、それとも星晶獣の力か……あらゆる可能性を考えても答えが出る事はなかった。そして、この時。空の底へと通じる巨塔でも異変が起きていた事を、誰も知る由は無かったのである――。

 

 ■

 

 九 弱P・弱P・→・弱K・強P

 

 ■

 

 時間になっても現れない団長とシャルロッテ騎士団長を探しにブリジールとともに小雨になったのを見計らい外に二人を捜しに出た。おそらく二人は、近くまでに来ていると考えてあまり広い範囲を探さずにいると案の定覚えのある声が聞こえてきた。そして、同時に複数人の騒がしい声。

 やはり、トラブルに巻き込まれたのか……呆れながらも、彼らしい展開に思わず笑ってしまったが、声の聞こえる所に付いた瞬間には、その笑みは消えた。

 まずその状況、コーデリアからみて左からリュミエール聖騎士団の部隊が揃っていた。しかもその隊長は、コーデリアも知っている男バウタオーダだ。この時点でコーデリアも混乱してしまう事態だ。そして次に一番右に居た少女を中心とした集団。一見ただの少女と思えるが明らかに他の纏う空気が違う。何よりもその二つの団体に挟まれ心底困り切っている見知った二人。こうなった過程が想像できない構図であった。

 

「脱兎ッ!!」

「あっ!!兄貴っ!?」

 

 そして、唐突に彼が、団長が本気で逃げ出したのだ。一人の少女の元から、普段コーデリアが知る限り見た事がない本気で必死な表情であの団長が逃げ出していた。だがさらに驚くべきは、その団長に一瞬にして追いついたその少女であった。

 

「にがさない」

「あ」

 

 何時の間に移動したのか、目に追えぬ速度だった。団長が遅かったのではない、彼女が異常だった。そしてその声が聞こえた次の瞬間、瞬きする間もない時間で団長は見るも無残、ボロボロになって地に伏せていたのだ。

 そして その時、コーデリアがみたのは、修羅の後ろ姿であった。

 

「あ、兄貴いぃーーーーっ!?」

「……あ、いけないっ!!つい!?」

 

 一匹、団の仲間に居る黒いドラゴンもどきに少し似た子ドラゴン叫ぶ。他の者達も慌てて倒れ伏す団長の元に駆け寄った。

 

「ジミー殿おぉっ!?」

「つい、じゃねえよジータァッ!?」

「お嬢ちゃん、ついにヤッちまったのかっ!?」

「おい、あの坊主ヤバいんじゃないかっ!?」

「ヒ、ヒールッ!!誰かヒールできる人っ!!あ、私だっ!?」

「……あ?大きな羽が、ばっさばさしている……あっはは……あぁ、大きい!星晶獣かなぁ?いや、違う。違うな。星晶獣はもっとこう……ゆるキャラっぽいもんなっ」

「い、いけません!かなり意識が混濁していますっ!!誰か、医者をっ!!」

「……暑っ苦しいなぁ?ウリエル?うーん……星晶獣なのかな?……おーい、誰なんですか。ねえ!」

「しっかりするでありますジミー殿っ!!誰と会話してるでありますか!?」

「え?……これは、星晶獣の気配?」

「いえ、これは……まさか、天司達が干渉してきてると言うの……?」

「ルリア、ロゼッタ、何に関心しているんだっ!?」

「しっかりしてくれ、兄貴っ!!兄貴いぃーーーーっ!!」

 

 果たしてどう言う事があって、こんな事になったのか。コーデリアもブリジールも団長の元に駆け寄る事も忘れ呆然と立ち尽くし、わからずにいたのであった。

 

 




せっかくラブホにぶち込んだから、多少「いやぁ~んHっ」なイベントはしないといけないと思った。今は反省している。

今回のシャルロッテもかなりキャラ崩壊を起こしてしまい、ファンの方には申し訳ない。ジータの方に関しても、アニメ版を参考にはしておりますが、アニメ版そのものでは無いので、イメージと違うと思う事があるかもしれません。

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