俺は、スーパーザンクティンゼル人だぜ?   作:Par

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クロエ、またノース・ヴァストの魔物、アイテム、村人の訛りに関してのキャラ崩壊と二次創作独自の設定や解釈があるのでご注意ください。


ギャルと青春の旅立ち 中編

 ■

 

 一 ギャルのお手柄

 

 ■

 

 村長さんと顔を合わせた時、そこには5人の男が村長と話をしていた。動く鎧やら翼の生えた少女に(存在感も)浮いてる黒いナマモノ。向こうから見れば闖入者であると同時に不審者である俺達に、村長も男達もかなり驚いたようだった。

 

「あれま、あんだ達は?」

「村長さん、突然すみません。その……俺達よろず屋シェロカルテから魔物討伐の依頼を聞いて来た騎空団ですが」

「えっ!? ああ、そじゃったか、こりゃ失礼を。いや申し訳ねえべ」

「あ、気にせず座ってて大丈夫ですから」

 

 俺達の事を聞いて村長さんは更に驚き立ち上がるが、フラフラと杖をついている姿を見ると危なっかしい。

 

「それで、増えすぎた魔物の討伐と聞いて来たのですが……既に討伐隊がいるようで」

「あ、ああ……そのごとなんだがのう」

 

 既に家に居た男性達を見ながら聞くと、村長さんはきまりが悪そうに口を開いた。

 話を聞けば俺達が丁度島に降りて村を目指している頃にこの男達は現れたらしい。腕に覚えのある旅の傭兵団と言う事で、水や食料を山で確保しようと入ってから道に迷いやっとの思いで村を発見し道を尋ねたという。そこで偶然魔物に困っていると話を聞き、ならば、と魔物討伐に名乗りを上げた。

 それを聞いて喜んだ村長は、少し前に出していた依頼の事をすっかり忘れ彼らに魔物討伐を頼んだようだ。

 

「その……わ、悪いな坊主。どうも間が悪かった」

「ああ、いや気にしなくていいです。こう言う事もありますよ」

 

 男達は5人中4人がヒューマン、そして一人が物静かなエルーンの男だった。傭兵のリーダーを名乗る者が謝罪してきたが、これは仕方ない事だと思うので特に気にはしない。だが不思議な事にこの男、妙に不安げに謝罪をして来た。

 

「しかし、その……また妙な騎空団が来たもんだな」

 

 男は俺の後ろにいるガルーダを見て冷や汗を浮かべていた。

 

「人、じゃねえよな? あんたらなんて騎空団だい?」

「あー……【星晶戦隊マグナシックスとB・ビィくんマン&均衡少女ZOY】って言うんですけど」

「ブゥーッ!?」

 

 我が騎空団だの団名を聞いたとたん男は勢いよく噴出した。この反応を見る限り俺達の事を知っているようだ。きっとろくでもない噂を聞いているに違いない。

 

「あ、あの星晶戦隊(以下略)!? じゃ、じゃあその娘も……」

「如何にも! わらわこそ神鳥と呼ばれし星晶獣ガルーダ! 我が姿よく覚えておくが良い!」

 

 少し羽を広げ気取った調子で胸を張るのじゃ子である。まあ嘘ではないので偉ぶるのはいいが、俺にはありがたみは無い。さっき落とされたし。

 

「おお……こんな村にそんなありがてえ星晶獣様が来られるとは。ありがたや、ありがたや……」

「村長さん、こいつあんまご利益無いと思います」

「うむうむ、拝まれるのはやはり悪い気はしないの! お主あとで良い事あるかも知れんぞい!」

「お前仲間になる時に崇拝されんの飽きたとか言ってたじゃねえか」

 

 メドゥ子と言い調子良い奴だなこいつは。

 

「星晶戦隊(以下略)、なんだってこんな依頼を……!」

 

 こっちの傭兵のリーダーさんは俺達が来た事が信じられないらしい。確かにうちの騎空団の主戦力は星晶獣、普通ただの魔物増えたぐらいで星晶獣投入するわけが無い。なのでこの人の驚きはよくわかる。

 

「まあ色々と事情が……面倒なんであんま気にしないでいいですよ」

「き、気にしないってわけには……」

「するだけ損ですから。それより魔物がいる場所は把握されているんですか?」

「おお、そうじゃそうじゃ。魔物の巣窟は村の裏にあるでな」

 

 村の裏と言っても山に囲まれたこの場所では森しかない。しかもこの島の森は開けた所であれば日も当たり見通しがきくのだが、山に挟まれるような場所では昼でも薄暗く見通しが悪くなる。そんな森に増えた魔物がたむろしているのであれば村人の不安も高まるだろう。

 一刻も早く駆除すべきなのは間違いない。しかし一つ確認をする必要がある。

 

「お聞きしたいんですが、増えた魔物と言うのは狼型の魔物ですか?」

 

 あのクロエちゃんを襲っていたラウンドウルフ、あれが今回増えた魔物なのかどうかだ。

 

「んだんだ、群れてそっこら中にあらわれっがら、そんりゃあえれぇ恐ろしぐってなぁ。村のみんな恐ろしぃって怯えてよぉ、もお畑仕事もろくにできねんだ」

「そうですか……実はさっき村の女の子が一人襲われてまして」

「な、なんとっ!?」

 

 村の住人が襲われたと知り村長が驚き声を上げ立ち上がるので、落ち着かせながら座らせる。

 

「いや俺達が助けたんで怪我は無いです。クロエちゃんって子ですけど、安全な場所のはずだったそうですが、一匹だけ現れてきたんですよね」

「そ、そうじゃったか。いやぁ、えれぇすまんのう……」

「いえいえ。それで気絶させて調べたんですが、どうも本来ここら辺には居ない種類で……」

「ここには居ない……はてなぁ、すまねんだけどもワシらそう言う事さっぱりでなぁ」

「そうですか……」

「ああ、けんども……増えた魔物さ全部でっけぇっちゅう話だったなぁ」

「デカい?」

「んだ。ワシは見ておらんけんども、普通なら狼とおんなじぐれぇの大きさなのに、熊みてえにおっきいのを見たって村のもんの多くが言っとったわ」

 

 熊ほどにでかいとはまた妙である。ラウンドウルフは幾ら大きくなっても大型犬より大きいぐらいのはず。しかし本当にノース・ヴァスト産のラウンドウルフである場合、この話は本当なのかもしれない。

 しかしクロエちゃんも不思議な言葉だったが、この村の人は鈍りが凄いな。クロエちゃんほど意味不明ではないが、なんか色々混ざってるような気もする。

 なんであれ、この島で起きた異変は妙にでかい魔物が増えた以外は無いと言う事か。

 

「そんじゃ村の人も困ってるわけだし、さっさと魔物討伐しちゃいますかね」

 

 魔物に関しては村長からはこれ以上詳しい事は聞けないだろう。どこから来たか気になるのだが、とにかく魔物を討伐する事に決める。

 

「ちょ、ちょっと待ったっ!」

「え?」

 

 だがここで何故かリーダーさんが慌てた様子で待ったをかけた。

 

「えーと、なにか?」

「あの、だな……あの程度の魔物討伐にお前達程の騎空団が行くまでもないと思うんだが……」

「はい?」

 

 突然何を言い出すんだろうかこの人は。

 

「まあ確かに戦力的には過剰かもしれないけど、今は魔物を早く討伐できる方が」

「いや、それは……ああ! そうだ! 魔物の数は多いが俺達で対応できるような魔物だ。奴らの巣にいくのは俺達だけで十分と思うんだよ!」

「しかし、そうは言っても……じゃあ共闘なんてどうです? 一応提案しようと思ってたんですが」

 

 別に正式に依頼を受けた俺達だけが依頼を実行しようとは思ってはいない。この人達も村長さんから頼まれたのだから。

 

「ま、まてまて! 万が一村に魔物が来ることもあり得るだろ? その時あんたらみたいに強いのが居れば村も安心だと思うわけだよ!」

 

 妙に必死に訴えかけるリーダーさん。他の仲間もどこか焦った様子だった。彼の言ってる事はわかるのだが、何を焦っているのだろうか。

 

「あと、あと……そう、今回の依頼の謝礼に関してもっ」

「……リーダー」

 

 すると焦るリーダーを見て今まで沈黙を貫いていたエルーンの男が急に口を開き彼の話を止めた。

 

「そうまくし立てる事は無い。彼も困っている」

「お、おう……そうだったな」

「団長殿、すまなかったな。納得できないかもしれないが、君達は一先ずこの村に残ってもらって良いか? 村の少女が襲われたように、まだ把握出来てない魔物が居てそれが村に来ることもあり得る。村の防衛も必要だ。それに依頼達成の金に関してはよろず屋とも話をする必要があるだろうが……先に依頼を受けたのはそちらだ。あまり心配しなくていい」

 

 金の事を言われるとちょっと弱いのが俺。確かに気になる所ではある。しかしそこをあんま今追及しちゃうとなんか意地汚いというかなんと言うか。

 

「どうされますかジミー殿?」

「さてねえ……」

「まあ本人達がやる気ならいいんじゃねえのか? 余程じゃなけりゃ後れを取るような魔物でもねえわけだしよう」

「そ、そうだ! その不思議なトカゲの言う通りさ!」

「オイラはトカゲじゃねえぜ」

 

 B・ビィがそう言うと自分に都合がいい意見と思ったのか、リーダーさんが言葉をつづけた。

 

「あんなラウンドウルフ程度なら俺達だけで十分だぜ!」

「……ん?」

 

 自信満々に答えるリーダー。そこで俺は非常に気になる言葉が彼から出て来たのに気がついた。

 俺だけでなくおそらく気が付いたろうと思いシャルロッテさんとおっさんに視線を向けると、彼女達は軽くうなずいた。やはり気が付いたようだ。

 

「……わかりました。では魔物の方はそちらにお任せしますね」

「お、おお! そうかい?」

「ええ、とにかく村の人達安心できるのならいいので」

「わ、わかった! 森の魔物は俺達に任せてくれ!」

「……リーダー、早くいくぞ」

「お、おうわかった。そ、それじゃあ村は頼むぜ!」

 

 そう言ってリーダーの男は自信ありげに笑いながら仲間を引き連れて家を出て行った。

 

「……」

「うん?」

 

 だが一人エルーンの男だけは、最後まで俺の事をジッと睨むようにして見ながら家から出て行った。初対面のはずだが何か俺に用でもあったのだろうか。それとも顔になんかついてた? やだなあ。

 

「おい団長、なに顔を気にしてんだ?」

「おっさん、俺の顔なんかついてない?」

「なんもねえよ、いつも通り地味な顔だ。安心しろ」

 

 余計なお世話である。

 

「で、分かってると思うけど」

「ああ、どう動く?」

「あの者達を追いますか?」

 

 もし俺が今考えたとおりの事が起きていたと言うのなら、倒すべきは魔物ではなくなる。そしてきっとその倒すべき存在は恐らく。

 

「え、えっと……なんか他にあるんけ?」

 

 俺達が急に深刻そうに話を始めたからか、村長さんがうろたえていた。あまり怯えさせたくは無いが、村人の安全は確保したい。

 

「村長さん、今から村の人達は家の外に出ないように言ってください」

「はあ? そりゃまぁかまわねえけんど……なんかおっかない事がおこるんかのぉ」

 

 村の人間に被害が出る事を望まない村長さんから不安が強く伝わる。

 

「そうならないために俺達が来ました」

 

 そう告げて俺達も村長の家を出ると、村に着いた時のような人だかりは無かったが、コロッサスとルドさん、そしてクロエちゃんがまだ残っていた。

 

「あれ? クロエちゃんまだいたんだね」

「ぁ、ぉにーさんおっ~。話し終わったん?」

「まあね」

「ねぇねぇ、さっき先に出て来た人らってなんだったん (-ω- ?)」

「ああ、あれは……まあ傭兵らしいけどね」

「へぇそぅなんだ。っか、よーへー? とかクロエ知らなぃけどさ。けどこの華の事知ってるかと思ったんだけどなぁ」

 

 そう言うとクロエちゃんはポケットから一本の華を取り出した。見た事の無い特別美しいとも言えない華だった。

 

「それは?」

「なんか拾ったんだけどぉ、ぁの人達ならこの華知ってると思ってぇ」

「あは!? そ、それは……!」

 

 その華を見てルドさんが引きつった笑いを上げながら驚いた声を出す。

 普段ならその引きつった声は発作によるものと思うが、これは彼女の感情から来る引きつった声だった。

 

「ふふ! ちょ、ちょっといいかい?」

「ぇ? 別にぃぃけど。はぃ」

「あははっ! あ、ありがとう!」

 

 クロエちゃんが不思議そうに華を見ていると、ルドさんが笑いを堪えながら華を見せてくれと頼んだ。ルドさんは受け取った華を観察し、そしてその臭いを嗅ぐと「やはり」と呟き深く頷いた。

 

「何か?」

「ふ、ふふ! この華は私が山賊だった頃見た事がある。とても希少な華で、高価で取引される事があるんだ! ははは!」

「高く? 特に綺麗と言う事も無さそうだけど」

「むしろ地味じゃのう。しかし……この臭い?」

「あはは! い、いやこれは観賞用じゃないんだ。これの価値は“香り”だよ!」

「香り? 香水にでもするのでありますか?」

「それでもないんだ。ふふ! こ、この香りは魔物が好む香りでね! “魔好華”なんて呼ばれる事もあるが、上手く使えば魔物を誘き出す罠や……一時的に魔物を従えるような事もできるんだよ。ははは!」

 

 それを聞いて俺達は驚いた。そして危機感を同時に抱いた。

 そんな華がある事も問題だが、なんだってそんな物がこの村の近くに“生えていた”のではなく“落ちて”いたのか。

 

「この島に自生する種類ではないんですか?」

「うふふ! まずあり得ないなぁ! これは珍しい華だからねえ、もしここが自生地なら華目当ての人間の出入りが激しくなる。この島にそんな様子はないし、今まで話も聞いた事がないよ! あは、ははははっ!」

「クロエちゃんこれをどこで?」

 

 俺はクロエちゃんに詰め寄るようにして聞いた。

 

「ぇ? ぇっと、さっきぉにーさん達に助けられた時……ぁっ!? そぅ言えば、これ拾ってから襲われたっけ」

「おおそうじゃ!」

 

 クロエちゃんが記憶を辿りその時の事を話すと、それに合わせてのじゃ子もまた何かを思い出したようだ。

 

「これさっき団長を落っことす直前に臭った香りじゃ!」

「……鼻が痒くなったってやつか?」

「そうそう、微かに臭ったが間違いない。この臭いじゃよ」

「……これ星晶獣にも効くの?」

「知らぬがわらわは好かん。少し嗅いでも鼻がむず痒い」

「ボクモチョット (・´ω`・) タエレナクモナイケド・・・・・・」

 

 のじゃ子とコロッサスはこの香りが苦手のようだ。と言うかコロッサス嗅覚ってどこで感じてるの? 謎だ。

 しかし彼女がラウンドウルフに襲われた理由がこれでわかった。そしてラウンドウルフが一匹だけだったのも少しずつ理由が見えてきた。

 

「さっきの男達がこの華について知ってるかもと言ったな? お前何でそう思った」

 

 おっさんが鋭い視線をクロエちゃんに向けながら質問すると、彼女は少し自慢げに答えた。

 

「ん~とね、ぁの人達からこの華とぉんなじ香りしたからさぁ、そんでなーんか気になってぇ」

「確かに香ったのか?」

「マジだって、ぁたし香水とかけっこー拘ってるから、こーゆー匂ぃとかに敏感的な? もー自信ぁりまくりだし( ・`ω・´)」

「相棒、こりゃ決まりだな」

 

 クロエちゃんの言葉を聞いてB・ビィが確信を持ったように言った。そして俺も強く頷く。

 

「ありがとうクロエちゃん。いい情報だった」

「ぉよ? クロエけっこーナイスだった系?」

「ばっちりね。後は俺達に任せて、君は絶対家から出ないように」

「ぁ、森の方行くん?」

「ああ、懲らしめないといけないやつ等が分かったんでね」

 

 俺達は急ぎあの男達を追った。

 そしてこの時、森の方へと走る俺達はワクワクした様子のクロエちゃんの視線に気がつく事は無かったのだ。

 

 ■

 

 二 怪香の香る者達

 

 ■

 

 村長の家から逃げるように出て行った傭兵達は森に入ると真直ぐにとある場所めざし走った。

 リーダーの男は再び顔に焦りを見せ始め、後ろを気にしながら進んでいく。

 

「き、来てねえよな?」

「今のところ来てはねえようです」

 

 部下の一人が後ろを確認して答えた。それを聞いて少しリーダーは安心したようだった。

 そして森の特に薄暗いエリアに来ると、彼らは足を止めた。そこには数十人規模の野営地となっていた。日は高いが森が暗いために焚き火も焚かれている。

 

「あれ、リーダー?」

 

 そこで作業をしていた男達が戻ってきたリーダーを見て不思議そうに首をかしげた。彼の事をリーダーと呼ぶ事から、彼らもまた男の仲間であろう。

 

「もう本番ですかい? もう少し後かと思ったのに」

「それどころじゃねえ! 全員集めろ!」

「え?」

「いいから早くしろ!」

「へ、へい!」

 

 激しい剣幕で怒鳴られ部下の一人は作業をしている他の部下達を集め、リーダーの前に集合させた。

 

「何事ですかいリーダー」

「も、もしかして逃げた一匹の事ですか? それなら今華使って捕まえようと」

「もう遅いんだよ!」

 

 部下の何人かが何かの弁明を言おうとしたが、リーダーは彼らを怒鳴り黙らせた。

 

「逃げた奴はもう捕獲されたっ!」

「え? あの村のやつ等がですか!?」

「ちげえ馬鹿! 依頼受けた騎空団だ!」

「ええ!?」

 

 騎空団と聞き部下の男達は驚きうろたえ出した。

 

「もうバレるのも時間の問題だ! 撤収だ!」

「い、今からですか!?」

「当たり前だ! 証拠残さず必要なもんだけもって逃げるぞ! 急げ!」

「へ、へい!」

 

 バタバタと慌しく部下達は急ぎテントや荷物をたたみ纏め始めた。

 肩で息をしながらそれを見ていたリーダーは、疲れ果てた様子で詰まれた荷物の傍にある檻を――その中にいる魔物ラウンドウルフ達を見た。

 ラウンドウルフは中型の檻一つの中で3~4匹づつ入れられ、全部で十二匹この場に居た。

 

「まさかこんな早く騎空団が来るとは……」

「当たり前だ愚か者」

「うっ!」

 

 来るとは思わなかった騎空団の登場に不満を漏らすリーダーであったが、エルーンの男に強く責められると言葉を詰まらせた。

 

「だ、だってよう先生? この前もその前も上手くいったし……」

「こんな手が何度も通じるか。むしろよく今までこうならなかった」

「な、ならそう言ってくれりゃあ」

「止めておけと忠告は何度もした。それを聞かずに味を占めて繰り返したのはお前だ」

「そ、そうだけど」

「それになんだあの誤魔化し方は、余計な事まで喋りすぎだ」

「いやそれは、その……はあぁ~」

 

 途端に雰囲気が弱々しいものとなり、肩を落とし後悔するリーダーと呼ばれる男。

 男達は傭兵団と名乗ったが、実際の所はただの盗賊団である。もっとも人を傷つける様な事をした事が無い、と言えば聞こえは良いがただこの男達にそこまでの度胸が無いだけだ。全てがまともな仕事をする気にもならず、かと言って秩序の騎空団に捕まるのを恐れる半端者ばかりの寄せ集め、そのため彼らの仕事はケチな盗みばかりで、一番大きな仕事は夜の家人不在の家に忍び込んでの盗みが関の山だった。

 だがある時、彼らは偶然にも珍品を扱う商人と出会い、魔物を従える事が出来ると言う触れ込みで魔好華と呼ばれる華を手に入れた。

 そしてその効果は抜群であった。完璧に魔物を操れると言う訳ではなかったが、しかし魔物の注意を惹いたり動きを誘導するなどの事を調教師でもない男達でも出来てしまったのだ。

 この効果の高さを見て男達が不穏な計画を思いつくのに時間はかからなかった。

 魔物の売買を行う別の商人から魔物を数体買うと、男達はそれを主に小さな島の自衛手段の無い村の周辺に解き放った。そして村人に気がつかれないよう魔好華を使い魔物を誘導し村人の恐怖を煽り、ここぞと言うタイミングで自称旅の傭兵団を名乗って魔物討伐を引き受ける。そして村人の目の届かない所で再び魔好華を使い魔物を回収、さも自分達が魔物を倒したかのように振る舞い報酬を手に入れる。それがこの男達の常套手段と化していた。

 だが一度二度成功したからと言ってこんな方法を取り続ける事は普通無い。当然魔物を解き放てばそれを問題視して騎空団なりに魔物討伐の依頼を出す村も現れるだろう。だが味を占めて調子に乗った男達は仲間を増やし、また魔物の数も増やし、そして愚かにも大した工夫もせず全く同じ方法で犯行を続けたのだ。

 そうして案の定、今回彼らの犯行本番当日よりにもよってあの騎空団が現れた。

 

「一応聞きますけど……先生ならあいつらに勝てますか?」

「……」

 

 リーダーに“先生”と呼ばれるエルーンの男。彼は腰に下げた二本の剣を触れながら考え。

 

「無理だな」

 

 かなり呆気なく答えた。

 

「そ、そんなぁ……」

「あの後家の外に居るでかい鎧を見ただろう。どうせあれも星晶獣だ。複数の星晶獣が居て勝てると思うほど自惚れちゃいない」

「で、ですよね……」

「しかし、本物の星晶戦隊(以下略)……だとしたら、敵わぬとしても……」

 

 不意にエルーンの男はブツブツと声を小さく独り言を言い出した。急な変化にリーダーもギョッとする。

 

「ど、どうかしやしたか?」

「む? ああ、なんでも……それより逃げるならお前も準備を……」

 

 溜息をつくばかりのリーダーを急かし逃げる準備をさせようとしたエルーンの男だったが、細く尖ったエルーン特有の耳を動かすと何かに気が付き剣を引き抜いた。

 

「ひえっ!? ど、どうしました!?」

「……どうやら遅かったらしい」

「え?」

 

 エルーンの男が睨む先を見るリーダー。暗い森の中で最初は何が居るのかわからなかったが、しかし徐々に見えてくるその姿に戦慄した。

 

「あ、ああ……バ、バレて……た?」

「そのようだ」

 

 最初に聞こえてきたのは女の異常な笑い声。そして次に見えたのは、暗がりに溶け込むような高熱を発する黒鉄の巨大な鎧、筋骨隆々な黒いナマモノ、闇を照らす蒼剣、本を手に持った不敵な笑みを浮かべた少女。

 

「や、やば逃げろっ!」

「あっ!? おい、待て!!」

 

 盗賊の何人かが驚き怯えながら自分達に近づく存在の反対方向へと向かい走った。しかし上空から何かが羽ばたく音が聞こえたかと思うと、それは男達の前に急降下し降り立つ。その時巻き起こった激しい風によって、逃げようとした者達はその場で尻をつき、ゴロゴロと転がり飛ばされた。

 

「うぎゃっ!」

「な、なんだぁっ!?」

「戯けめ、逃げれると思うか」

 

 急降下の際閉じていた翼を徐々に広げ、そこから現れる褐色の少女。

 

「た、退路が……」

「ちっ……おい、金を貰った以上もう一蓮托生だ。指示に従ってやる」

「え、え?」

「戦うか逃げるか、選んだ方で動いてやると言ってるんだ」

 

 そして最後に気だるそうな少年。

 彼はこの場に居る盗賊達を確認し、そしてリーダーの男とエルーンの男を見て溜息をつきながら口を開いた。

 

「えーとですねぇ……取り合えず、言訳あるなら聞きますが?」

 

 まるで森に迷い込んだ一般人のように、この中で最も印象が薄い少年が、リーダーの目には一際恐ろしく見えた。

 

 ■

 

 三 盗賊団最後っ屁

 

 ■

 

 案の定俺達が辿り着いた場所に居たのは、あの“自称”傭兵の男達。そしてこいつらの拠点と思われる場所には、中型の檻が置かれていた。その中でラウンドウルフ達がうなり声を上げ俺達を睨み付けていた。

 

「あ、あのだな。えっと……」

 

 俺達を見てリーダーを名乗っていたおっさんは酷く狼狽していた。キョロキョロと視線は定まらず、隣に居るエルーンの男に対して助けを求めるような視線も向けている。

 

「……盗賊団のアジトを見つけた」

「って理由は通りませんよ」

「だろうな」

 

 そんな口から出まかせで俺が騙されるなんて、エルーンの男は微塵も思っちゃいなかったろう。だったら剣を握ったままにしやしない。

 

「うふふ! あ、案の定君達が、犯人……と言う事になるのかな? はは、あははははっ!!」

「自分等で魔物を扇動してそれに怯える人間から英雄の振りして謝礼貰うなんざ、やることがちいせえなあ、おい?」

「つまらん方法を考えよる者達じゃのう」

「とんだマッチポンプだぜ」

「悪戯に人々を恐怖させ、その上金銭を騙し取るとはなんたる非義非道! 許すわけにいかないでありますっ!」

「コンナコトシテ ( ・ὢ・ ) ダレカケガシタラドウスルノッ!」

「ひいっ!?」

「リーダーどうしよう……っ!?」

「そ、そう言われたって……!」

 

 臨戦態勢となっているB・ビィ達に盗賊達は腰が引けていた。こそこそ魔物使って楽して金稼いできた連中だから、肝の座った奴等と思ってはいなかったし、この中に複数星晶獣居ると知っている事も有るだろうが、なんとあまりに情けないものだ。

 

「何で俺達が怪しいと?」

 

 エルーンの男がそう聞いて来た。時間稼ぎや誤魔化し等ではなく、単純に気になったから聞いて来たと言う風だった。

 

「そこの“盗賊”のリーダーさんが魔物退治に行く時“ラウンドウルフ”って魔物の事を言ったからね」

「え、お、俺?」

 

 怯えたままの男は自分の凡ミスに気がついていないようだった。

 

「あん時俺達の捕まえたラウンドウルフは村長の家の外でコロッサスが見張ってた。窓からは見えないし、俺達は捕まえた魔物の名前は言ってない。なのにあんた態々あの時「ラウンドウルフ程度」だなんて言うからなんか変だなと思ってね」

「あ、あれは狼型の魔物と言ったから……」

「かも知れない。けど落ち着き無く冷や冷やしてたあんたが、ラウンドウルフの事を言う時だけは妙に自信を持ってた。怪しいでしょどう考えても。んで、別に予想間違ってもごめんなさいすればいい程度の事だから追って来たわけ」

「だろうな……だから喋りすぎと言ったんだ」

「す、すいやせん……」

 

 エルーンの男に睨まれリーダーの男は情けなく頭を下げた。

 

「魔好華、だっけ? あんたらそんな華使って悪い事するなんて、結構せこいと思うよ俺は」

「は、華の事まで……っ!?」

「落としたのを拾われたようだな」

「なるほど、ありゃやっぱり落し物だったわけね……それの所為で女の子が一人怖い思いしたんだからな。許さんぞまったく」

 

 大方華は移動中に落っことして、あのラウンドウルフもドサクサに逃げたか何かだろう。雑そうな奴等だし。

 まったく腹立たしい。あんな華がなければクロエちゃんはラウンドウルフに襲われ恐ろしい思いをせずに済んだはずだ。

 

「んで、どうします? こっちとしては大人しく捕まって村の人に謝ってくれればいいんだけど」

「あ、謝ったら全部チャラに……」

「んなわけあるか。秩序の騎空団行くに決まってんだろ」

「だ、だよな……じょ、冗談だって」

 

 この男よく今まで盗賊なんてやって来れたな。

 

「当然抵抗するならそれなりの対応はしますよ……こいつらが」

「そこはしっかりと「俺が」とか言えよ相棒」

 

 俺は後ろに居る主にB・ビィとコロッサス二名を指差した。

 無駄な争いをさけ血を流さないよう視覚効果による相手の指揮低下を狙うならば、「こいつとは戦いたくない」感を強調するのがいい。誰だってドラフよりも巨大な身の丈で更に大きな剣を持った黒鉄鎧の戦士と、筋肉モリモリマッチョマンの黒いトカゲっぽいナマモノを相手にしたくないだろう。

 

「ううっ」

「情けない声を出すんじゃない。お前が決めろ」

「せ、先生……」

 

 どうすれば良いのか悩むリーダーにエルーンの男は静かに、しかし強く声をかけた。彼は以前として剣を抜いたまま何時でも戦えるようにしている。

 こんな状況でありながら堂々として隙を見せない立ち方と姿勢を見て(強い人だな)と普通に俺は思った。実際の実力はわからないが、並の実力ではないはずであり武人系の人間である事がわかる。

 だからか、なんだってこんな盗賊団に居るのかとも疑問に思う。

 

「GAU! GAU!」

 

 その時唸り声を上げていたラウンドウルフ達がより激しく、興奮した様子で叫び吠え出した。

 俺達を警戒して威嚇しているのかと思った。しかしラウンドウルフ達の注意は別の所に向いているように感じる。

 

「あは!? はは! この香り……!?」

「ルドさん?」

「だ、団長! あは! 魔好華の香りだ!」

 

 ルドさんに言われ注意して臭いを嗅いだ。すると確かに微かだがあの華、魔好華の臭いがした。それは俺達の後ろから臭い、何故ここでこの香りがするのか考えた時ハッとして後ろを振り振り向いた。そして木の物陰に隠れようとしている人物と目が合った。

 

「ぁ、ャバ!?」

「……クロエちゃん?」

 

 そこには村に残っているはずのクロエちゃんがいた。

 何故彼女がここに居るのかと俺が疑問を感じるよりも早く、同じく彼女の存在に気がついたリーダーの男は彼女が現れた事を好機とみたらしい。

 

「チャ、チャンスだ!!」

 

 リーダーの男は咄嗟に傍のラウンドウルフの檻の格子扉を開いた。その中で咆えていたラウンドウルフ達は扉が開いた事に気がつき、更に大きく咆えてそこから飛び出し真直ぐに自分達の嗅覚を刺激する臭いを放つクロエちゃんの元に駆け出した。

 檻から飛び出したラウンドウルフは四匹、かなり興奮している様子だった。だが何よりも、その巨体。檻の中ですし詰め状態だったために分かり辛かったが、明らかに俺達の知るラウンドウルフの体格ではない。あんなのがクロエちゃんのような少女に噛み付きでもすれば、ただではすまない。

 

「くそったれ……!! おっさんっ!」

「距離がある、ニ体が限度だ!!」

「それでいい、後はこっちでやる!」

「自分もっ!」

 

 俺とシャルロッテさんは咄嗟に駆け出した。同時におっさんが指を鳴らすと、錬金術が発動し地面から槍が数本飛び出しラウンドウルフをニ体巻き込み倒した。

 

「シャルロッテさん、投げますよっ!」

「うっ!? し、仕方ないであります、どうぞ!」

「うおりゃっ!」

 

 久々の必殺シャルロッテ砲。残ったニ体のうち一匹に向かいジャンプしたシャルロッテさんを押し出すように投げる。

 

「やあああっ!!」

「GUGYA!?」

 

 剣を構え空中で自分を軸にして高速で縦回転したシャルロッテさんは、そのままラウンドウルフへとぶつかり一匹を排除した。

 あと残り一匹。

 

「GYAOOoo!!」

「ひぃゃぁっ!?」

 

 最後の一体がクロエちゃんに襲いかかろうとした。だがギリギリであったが、なんとか追いついた。

 

「させんってーの!」

「GYA!?」

 

 ラウンドウルフとクロエちゃんとの距離が縮まっていたため、剣ではクロエちゃんに当たりかねなかったので右手を伸ばし、そのまま腕の篭手部分を噛ませる。

 咄嗟に噛ませたが、しかしこのラウンドウルフを間近で改めて見て驚く。

 

(こいつ、デカ……過ぎねーかっ!?)

 

 このラウンドウルフ、まったく普通のラウンドウルフとは違う。とにかく体格が通常のラウンドウルフの倍以上はあるのではないだろうか。

 村長のいう通り最早狼と言うよりも熊である。今ここで納得がいった。最初島で見たあのラウンドウルフをおっさんは子供だと言ったがそれも納得である。あそこから成長していくなら、これ程の大きさになるのも理解できる。

 無理矢理口に篭手を噛まされたラウンドウルフはうろたえはしたが、一方で噛む力はドンドン強まってゆき鉄の篭手も歪んでいくのが分かった。その咬合力は巨体に見合って凄まじく、恐らく軽装の鎧に使われる金属板程度には穴が開くだろう。

 

「いい加減にせいっ!!」

「GYAN……!?」

 

 此方も腕をくれてやる気もない。そのまま腕を振りまわし、近くにあった木の幹へとラウンドウルフを叩き付ける。ラウンドウルフは悲鳴を上げて気絶して俺の篭手から口を離して倒れた。

 

「ぁわわ……! なにこれ、ゃばたん……」

「クロエちゃん怪我無いか!?」

「ぁ、はぃ……っか、ぁりがとうござぃますっ!」

 

 尻餅をついてしまっている彼女を抱き起こし無傷である事を確認する。

 本当ならなんでここに居るのか聞きたい所だが、しかし今そんな余裕は無いのが現状。

 

「このまま畳み掛けてやる、お前らやれ!」

「へ、へい!!」

 

 盗賊のリーダーが急にそう叫ぶと懐から一個の瓶を取り出した。部下達も同様のものを取り出すと、奴等はそれを俺達に向かって投げつけてきた。

 何か毒性の薬品かと思ったが、それは俺達の一歩手前に落ち中身の液体をぶちまける。だがそこに広がる液体から臭う香りに盗賊達の往生際の悪さを感じた。

 

「この臭い……しまったっ!?」

 

 それは記憶に新しい、先程クロエちゃんに嗅がせてもらったあの魔好華の臭いを強烈にしたようなものだった。

 

「多量の魔好華を煮詰めて作った香料だ! 今だお前ら、檻を全部開けっ!」

「わ、わかりやした!」

 

 続けてリーダーと部下達は一斉に檻の扉を閉めていた閂を引き抜き扉を開けた。そこからは無数の巨大ラウンドウルフの唸り声がした。

 奴等の鼻は既に俺達の方向から漂うこの臭いを感じ取っているはずだ。その所為かかなり興奮している。

 

「ぅわぁ!? ぃ、一杯来たんですけどぉ!?」

「あいつら面倒な事をっ! 来るぞみんなっ!!」

 

 剣を引き抜き叫ぶ。それと同時に檻からラウンドウルフが次々と飛び出してきた。奴等は臭いにつられ飛び出し、そしてその先に居た俺達に目標を切り替えた。

 

「ちっ! 雑魚の癖に小ざかしい真似しやがる!」

「迎え撃つぞ! おっさんはシャルロッテさんにルドさんとラウンドウルフの相手を!」

「わははっ!! りょ、了解した!」

「盗賊達はどうする相棒!」

 

 檻を開いた盗賊達はラウンドウルフに足止めを任せ、自分達は逃げようと四方八方へと走り出した。ラウンドウルフだけの相手をしていると盗賊達に逃げられる。ここは星晶獣組に盗賊は任せる事にした。

 

「そっちはお前とコロッサスとのじゃ子で捕まえろ! 頼むぞB・ビィ!」

「任せろぁ!!」

「うわぁ!? なんか形容し難いのがきたあぁ!?」

「ひいいいっ!? 人なのかトカゲなのかぁ!?」

「オイラはトカゲじゃねえぜええ! オドラアアァッ!!」

 

 盗賊達は悲鳴を上げて逃げまわる。筋骨隆々のマチョビィがラウンドウルフを片手で払い除けながら自分達に迫るのだから気持ちはわかる。俺だって逃げるに違いない。

 

「GUAAaa!!」

「ぅひゃぁぁ!? ぉにーさん来てる来てるっ!?」

「ぅおっと!」

「Gyain!?」

 

 飛びかかって来たラウンドウルフを剣の腹で強く叩き落とす。傍にクロエちゃんが居るのであまり血生臭い戦いは見せたくない。

 本来ならクロエちゃんはどこか物陰に隠れてもらうのがいいのだが、彼女からはまだ魔好華の香りが残っている。ラウンドウルフには直ぐ気がつかれるだろう。

 

「クロエちゃん俺から離れるなよ!」

「ぁ、はぃ! りょ!」

 

 クロエちゃんを後ろへと下げ、迫るラウンドウルフを相手にしようと剣を構えようとした。

 だがこの時俺達を取り囲むラウンドウルフの殺気の中から、一つ明確に俺へと殺気を放ち接近する気配を感じ取った。

 

「つっ!?」

「ひゃぁぁっ!? なになになにぃ!?」

 

 迫るのは殺気、そして刃。

 クロエちゃんを庇いながら剣で弾く。

 

「……これを防ぐか」

 

 そこには並々ならぬ殺気と闘志を身にまとい、細身の剣を構えたあのエルーンの男がいた。

 




後編へ続く

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