今まではオルガや各作品の主人公(冬夜、カズマ、サトゥー)の目線で一人称で書いていましたが、この幕間とナイツ&オルガは三人称で書いていこうと思います。
幕間1
『トラザユーヤの揺り篭』から脱出したオルガ・イツカ一行はシガ王国のセーリュー市へと帰る途中、モビルアーマー『ドレイク』に襲われた。
「さてと、帰るか」
「ねぇ、オルガ」
「どうした、ミカ」
「なんかバルバトスが動かなくなった」
「何っ!?……モビルアーマー、じゃねぇか」
今まで戦ってきたモビルアーマーとは何かが違うと直感で感じ取ったオルガはサトゥーへとこう告げる。
「サトゥー!俺とミカとマクギリスでヤツを止める。お前はNo.7を連れて先に行け!」
「でも、バルバトスが動かないんじゃ……」
「モビルスーツとは元々、モビルアーマーを倒すことのみを目的として造られた兵器なのだ」
「心配すんじゃねぇぞ、サトゥー!鉄華団は負けねぇ!なぁ、そうだろ【シノォ!】【昭弘っ!】」
「「ああ!」」
オルガはノルバ・シノの『ガンダム・フラウロス』と昭弘・アルトランドの『ガンダム・グシオンリベイクフルシティ』を召喚し、マクギリスの『ガンダム・バエル』を合わせたガンダムフレーム三機でモビルアーマー『ドレイク』を待ち受ける。
「俺は止まらねぇからよ……。お前らが止まらねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!……だからよ、サトゥー。ミーアを故郷に送り届けるまで、止まるんじゃねぇぞ……」
そのオルガの言葉でサトゥーは決意した。
「……わかった。必ずミーアを故郷に送り届ける!」
そう言ったサトゥーはNo.7を肩に担ぎ上げ、【水上走破】スキルを用いて後ろを振り返る事なく駆け抜けていった。
──数時間後──
モビルアーマー『ドレイク』との戦いは…………オルガ達の劣勢であった。
フラウロスの
「昭弘っ!!」
「クソッ……すまねぇ。先に還るぜ……」
「チッ、どうすんだよ、オルガ。このままじゃ……!」
「私の知る鉄華団ならば当然戦いを選ぶものと思っているが?」
「どうすんの?俺、出ようか?」
「たまには横で見てろって言ったろ。今までの戦いでバルバトスはモビルアーマーたちに警戒されちまってるんだ。あの特殊な妨害電波を何とかしなきゃ出したくても出せねぇよ」
モビルアーマーには自己修復、自動補給能力に加え、『自己学習能力』がある。モビルアーマーが破壊されると、その破壊された時の戦闘データが他のモビルアーマーに伝達され、その情報を元にモビルアーマーが対策を講じるのである。
今回、会敵したドレイクはハシュマル、黒竜、デストロイヤーと鉄華団との戦闘データから三日月のバルバトスを危険分子と判断し、バルバトスのエイハブ・ウェーブと逆位相の妨害電波を流す事でバルバトスの動きを停止させたのだ。
「それで?何とかなるの?」
三日月がオルガにそう問う。
「それは……」
「オルガがやれって言うなら、何だってやってやるよ」
「だから!バルバトスなしでどうするってんだ!!?」
「……」
オルガの怒りと焦りが混ざりあった乱暴な怒鳴り声に三日月は口を閉ざしてしまった。
その間にも、バエルとフラウロスはドレイクの攻撃を必死に堪え忍んでいる。
そして、ついに……。
「ダメだ……、もう終わりだ!」
「俺が……負ける!?」
シノのフラウロスとマクギリスのバエルもドレイクに止めを刺されようとしていた。
「オルガ!」
ヴァアアアアアア!!パン!パン!パン!
オルガは自暴自棄になって、単身ドレイクに突っ込んでいく。
そして、希望の花が咲いた時、『希望』は現れた!
「【俺は止まらねぇからよ……。お前らが止まらねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!……だからよ、止まるんじゃねぇぞ……】」
「【
【止まるんじゃねぇぞ……】して倒れたオルガの目の前に光の粒子が集まっていく。
次の瞬間、集まった無数の光の粒子は一体の巨人の姿へと変貌した。
全身に水晶の装甲を纏い、透明なその部分に幾つかの金色のラインが走る。大きさは標準的なモビルスーツと同じ。背中には折り畳まれた翼のようなものがある。
左右の腰に幅広の刀を装備しており、頭部の角は二本後ろへと伸びていて、肩も突き出すような鋭角さを持っていた。
「こいつは……?」
「これは僕専用の多様戦万能型フレームギア『レギンレイヴ』だよ」
『
「大丈夫?オルガ、ミカさん、リオンさん!」
「……冬夜?」
「なんでいんの?」
「望月冬夜……なのか? これは、まるで……」
マクギリス・ファリドはその言葉を最期に、息を引き取った……。
おお!マクギリス。死んでしまうとはなさけない!
次回、スマホ太郎無双