専業主夫目指してるだけなんですけど。   作:Aりーす

1 / 34
10月12日に1話を再構成致しました。転生要素を入れていましたが、話に何も絡まない為、不必要と判断した為です。もし改定前に読んで下さった方は再び1話をご覧になっていただけると嬉しいです。読まなくても内容は一切変わらないので、大丈夫ではあります。

変更前 主人公は転生者、前世の記憶あり

変更後 主人公は食戟のソーマの世界観で生まれ育つ。前世などは存在しない。少し親に設定あり(重め?)

また、今まで投稿した話しの前書きや後書きに書いた転生に対する系統の質問返答も消させていただきました。


▶︎1

 

 

 

 もうすぐ中学が終わる、なんて言えば色んな人が受験を彷彿とさせる言葉だと思う。ほとんどの人が通る道ではあると思う。家を継ぐだったり、中学卒業後に就職の道を考えない限りは、だけど。

 

 世の中は今、料理というものがかなり重要視されている。それは日本のみならず、世界中が料理を極め自らを高みに連れて行こうとしている。

 

 料理に全てをかける人もいれば、もちろんかけない人だっているだろう。俺は後者の方だ。料理は出来るが、全てをかけるほどの覚悟はないし……俺はある夢のために料理を練習している。

 

 俺の夢、それは『専業主夫になる事』これに尽きる。……言いようによってはヒモになるんだけどさ。

 

 この世界では料理を作るのは子供がいれば母親になる。まぁそれは別に不思議な事ではないが、ウチの家庭ではそれが当たり前とはあまり思えなかった。

 俺が幼稚園に通っていた頃、父親が消えた。死んだわけではないだろうが、何も言わずに消えた。理由は中学に入ってから聞いた。その時にはほとんど離婚に近い話し合いを繰り返していたらしい。

 

 それ以来、食事は母が常に作っていた。幼稚園の頃、俺の記憶には2人で仲良く作っていた光景が今でも鮮明に思い出される。

 

 あんなに仲が良かったはずなのに、それは嘘だったのだろうか?……あまり信じたくはないが、人は仮面をつけるものだと思うと怖く感じてしまった。あの笑みも全て、薄っぺらいもので……写真で3人で笑い合う姿も嘘だったと思うと、人の怖さが思い浮かんだ。

 

 せめて、そう思い俺は料理をし始めた。母の手助けをするために、だ。……だが何度作ろうと、母の料理には遠く及ばない。味や見た目ではない、何かが俺にはないように感じてしまったのだ。だからこそ、母の料理以上ではない。

 

 これに関係するが、俺にはそれなりに話す先輩がいる。その人は料理が相当美味い。料理を食べた時、俺には足りない何かがあると感じた。母と同じように、だが形が違う俺の知らない『何か』が。

 

 それが分からない限り、俺は一般人程度の料理しか作れていないと考えている。どうしても、誰かが作った料理より何かが足りない気がしてならないのだ。毎日夜、誰もいない時に作ったりもするが変わりはしない。

 

 店を持ちたい、というのも考えない。だから将来を担える料理人になるという目標を掲げていないのだ。今は料理人である事が普通、そんな風に近づいている世の中だ。

 

 だが俺にそんな腕はないし、料理における覚悟もない。だが俺はいつも憧れて夢に見る事がある。もう一度父と母が仲良く厨房に、もしくはキッチンに立つ姿を。

 

 でもそれは叶わない。だから自分がなろうと思った。先程言った通り腕はないからこそサポートに回りたい。でも店に出せる腕でもないから、家庭での料理を主に置く専業主夫になりたいと思った。

 

 ……長々と語ったが相手はいない。むしろ俺はこういう事を話した事もないし、人と会話するのは苦手。さらにコミュニケーション能力も乏しいと言った、客相手には最も向いてないし、正直専業主夫の前にそう言ったところをどうにかするべきだと思う。

 

 独り言とか、そういうのだったら得意なんだけどなぁ……

 

 

 

 ここから話は変わるが、日本には遠月学園という学園がある。料理の専門校みたいな感じらしいが……そこに行こうとは思ってなかったし、普通の高校に通うつもりだった。

 

 だが先輩から驚きの事を言われた。『遠月学園の入学試験を受けてもらう』という内容を。……正直目が点になった。さらに母からの許諾は得ているらしい。

 

 というかいきなり面白い所に連れて行くからー!みたいに誘われたら、そう言われたってだけだ。……思い切りの良い先輩だって知ってたけど、ここまでとは思ってなかった。

 

 さらに先輩とすら目を合わせて会話も出来ないので、何か反論する事も出来ずに受ける事になった。……というよりやる気満々に見えたらしい。

 

 ……てか明日試験って嘘やろ……いいや、受からないし。先輩に何故か日記つけてみてーって言われた。……まぁ受からないし、受からないし。大事な事は何回でも言います。明日試験終わったら日記書き始めようと思います。おやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇月〇〇日 天気 くもり

 

 

受かったんだけど。なんで?ほわいじゃぱにーずぴーぽー?一般人受からせるってヤバくない?誰かと間違えてるんじゃないの?

 

現実逃避はやめよう。なんだっけ、なんか試験官の人がいてね…2人だったかな?喋ってたのは主に1人だったけど。

 

金髪のロングヘアーの子とその付き添い?なんかメイドみたいな立ち位置な気もしたけど、名前は聞いてなかった。だって夕飯何にしよーかなって思ってただけだし

 

しかも気づいたら俺ともう1人以外いなくなってた。というか入学試験まで料理なんだね。卵料理だったかな?それがテーマだった。夕飯卵料理にしようかなー?って思ってたら卵料理がテーマって言われた。

 

もう1人の子はすぐに調理に取り掛かってた。いや、気づいたら完成してたよその子の料理。入学試験より夕飯の方が大事だったから…

 

でも不合格って言われてた。美味しそうだったのになぁってぼーっとしてたら俺も呼ばれた。とりあえずプレーンオムレツを作った。合格って言われた。

 

もう帰って良いって言われたから帰ってきて、日記書いてみた。なんかよくわからないので寝ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△月△△日 天気 いつか晴れる

 

 

合格通知届いちゃったよ、マジで正式な奴。先輩には褒められた。悪い気はしなかったけども、少し複雑。複雑な感じが顔に出てたようで先輩は変な顔してた。怒らせちゃったのかな?

 

あっちは寮に入るってさ。自由が失われていく感覚って、こんな感じなんだね。しかも俺は口下手だから何かと言えないし。

 

数日後には入学式って書いてあった。それと試験官の子はすごい子だって噂がある。「神の舌」って言われてるらしいんだけど、ならなんで俺受かったの?

 

いつか本人に聞けたら良いな。ごめんコミュ障なんだもん、日記でだけこういう長ったらしいこと言うだけ。実際アホみたいに無口だから…先輩くらいだ、それなりに話せるのは。それなり(当社比)

 

本人の名前を呼ぶどころか苗字すら呼べないと思う。付き合い長い先輩ですら、先輩としか呼べないし。

 

というか本当、なんで受かったのか未だに分からない。料理は専業主夫に重要なスキルだからそれなりにってレベルなんだけど。…専業主夫の前に相手がいない件は放っておこう。

 

母が喜んでたのは、正直嬉しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○月ーー日 天気 くもり、その後くもり

 

 

やばい、明後日入学式や。寮に移らないといけないからって荷物の準備で時間がほぼ消えた。明日は出発しないといけない、てぇへんだてぇへんだー…

 

とりあえずそれなりには調べておいた。なんか色々ヤバいらしい。例えば退学が簡単にあったり、食戟とかいうなんかバトル的な料理があるらしい。3分クッキングみたいに平和的にはいかないのかな…

 

それと十傑って言うんだったかな?その人達がトップ10みたいな感じらしい。まぁ会う事ないだろうから十傑って言葉しか知らないんだけど。

 

個人的には試験の時に一緒だった子が気になる、ふりかけごはん食べたかった。すごい美味しそうだったし。でも不合格って言われてたし残念。お店とかないのかな?

 

まぁ折角受かったから専業主夫スキル上げの為に頑張る!あ、やっぱヤダ、なんか急に退学を貰った方が良い気がしてきた。家から遠いのも面倒だよ。はぁ…日記でまでため息つくって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月日は犠牲になったのだ 天気 犠牲の犠牲にな…

 

 

吐きそう、人多くて吐きそう。都会怖すぎ………

 

電車じゃないよあれ、もはや人を乗せた魚雷とかそんなレベルだよ。人多すぎて怖い。田舎者は帰っていいですかね…?

 

というより学園に日記って持ち込んでいいのかな?思ったより書くのが楽しくなってきた。毎日書いたりしたいなぁ

 

今日はホテル泊まり。先輩も実は通ってたらしい、遠月さんに。お金もあるんだとしてもいつか高額請求されたりしたらどうしよう、と思ったりする。多分人柄的にしないと思うけど

 

入学したから本番みたいな事を言われたけど、雪なら余裕でしょーって軽く言われた。退学余裕って事かな?

 

さらに先輩に料理を作ってもらえた。やっぱりすごい美味しかった、口下手なのが本当にイライラするくらい、無口で食べてた記憶しかない。先輩はニコニコしてたけど、先輩だから許してくれたんだろうなぁ

 

とりあえず目標は専業主夫スキル上げ!って事で先輩にはそんな感じに伝わったと思う。スキル上げるっていうサインしたし、人差し指を上に向けたし。先輩はもっとニコニコしてた。その後は談笑してた。

 

そろそろ眠くなったから寝ようと思う。勉強は学生の本分…なんて認めたくはないんだけども、ちょっとくらい頑張るぞー、おー。みたいな感じでいこうと思う。おやすみなさい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

/月//日 天気 晴れて欲しくない

 

 

 

 

 

やっぱり退学になった方がいい気がしました、おやすみなさい




食戟のソーマがもっと広まってほしい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。