現実を認めぬ者!夢物語を実現させたい者!誰だって自由に生きたいと願う者!
そんな者達よ!この物語を読むがいい!
これは残酷に動き続ける現実に夢を砕かれ、友を殺され、守りたい者を失った兄弟の物語!!!
異世界で同じ勇者に殺されそうになった兄弟は死神より復讐に必要な強さと、それを成し遂げる武器を手に入れる!
邪魔な者は斬り、必要ならば撃ち、敵ならば慈悲を持って殺し、だが憎むべき復讐相手ならば慈悲無く生かさず殺さず斬って撃って殴って蹴って最後には断末魔と共に首を跳ね飛ばす。
兄は剣で刺し殺すのを願って、弟は銃で撃ち殺すのを夢見る…
そして復讐の先にある結末はただどこまでも兄弟に残酷だ。

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 これは小説家になろうで投稿している作品です。
 ハーメルンではプロローグしか投稿しません。もし続きが気になる方は検索して読んで下さい。


プロローグ

これから語る物語は平凡だった兄弟が別世界でどう生き、どう立ち向かったか、そんな物語である。

生まれたことを否定され、万人から畏れられ、守りたい者を奪われた二人の人生がどう変わったか知りたくはないかい?

単純に言えば彼らは復讐という修羅の道を選んだ。

理性ではなく感情を優先した愚かな選択かもしれない。しかし、それを選択しなければ彼らは壊れていたかもしれなかった。

復讐は無意味だ、虚しいだけ、悲しみの連鎖を生むだけなんていう奴らはただの偽善者、いや、正しい事を言っている自分に酔っている迷惑なクソッタレさ、そんな事では復讐者達は止まらない。

兄弟は復讐がただの自己満足と理解している。だから止まらない。

兄弟は復讐の理由を誰かのせいにはしない。だからこそ強い。

立ちふさがる者は斬る。必要なら撃つ。敵ならば慈悲を持って殺す。だが憎むべき復讐相手ならば慈悲無く生かさず殺さず心が晴れるまで狂笑しながら斬って撃って殴って蹴って最後には首を跳ね飛ばす。

さて、前置きはここまでにしてそろそろ語るとしよう。兄弟の悲劇が始まるあの日から復讐を遂げるラストまで。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ある日の夕方に兄弟の人生は変貌を遂げた。

生涯変わらないであろう日常が音を立てて崩れ去ったのだ。

 

 

 

学校が終わり日が明るい放課後に兄弟は部活はせずに真っ直ぐゲーセンに向かう。

それが兄である紫藤カケルと弟である紫藤アラタの日常であった。その日もゲーセンで金を使い、帰りに公園で100円で買った駄菓子を口にする。

ただ黙っているのもなんだからと兄であるカケルが口を開く。

 

「なあ、帰ったら何する?」

「勉強かゲームしかなくない?あ、その前に弁当箱洗わないといけなくない?」

 

「そうだな」とカケルも適当に返事を返す。そこで食い終えて空になった駄菓子の袋を近くにあるゴミ箱に捨てて立ち去ろうとする。

ちょうどその時夕日が差し込む公園の入り口から人がやってくる。

 

「…?なんだお前らかよ」

 

声をかけてきたのは学校で有名な横暴者の佐藤悠馬だった。髪は茶髪に染め、顔は整っているが性格は最悪の奴で、カツアゲにあった生徒も少なくは無く、俺達と多少の因縁を持つ相手だった。だから正直に言うなら関わりたくない相手だった。

俺達は「じゃあな」と言って横を通り抜けようとした。

だけど悠馬はそれが気に入らないのか俺の肩に手を置いてその場に引きとめようとする。

 

「おいおい、折角会ったんだからもう少しゆっくりしていこうぜ」

 

俺達の不愉快といいたげな視線を無視して引きとめる悠馬の手を払いのけようとする…。その瞬間に夕焼け色の空が不気味な灰色に染まると同時に、空間がひび割れブラックホールのようなものが俺達を吸い込んで消えた。

 

その場からは最初から誰もいなかったように綺麗に人がいた痕跡を消えていた。

消された兄弟と悠馬は空に放り出された。上空から見える景色は明らかに自分達が住んでいた町ではないことはすぐに分かった。

何故なら上から見える町の造りが現代ではなく中世の造りだったからだ。

だがそんな思考も1秒と経たずに別のことに切り替わる。何故なら顔に叩きつける落下による風が自分達が現在上空からパラシュート無しのダイビング中だと自覚させたからである。

 

「「「うわーーー!!!」」」

 

何もできずにどんどん落ちていくなかせめて弟だけでもとアラタに手を伸ばす。

 

「掴まれアラタ!」

 

必死に手を伸ばすカケルの手をアラタが掴んだ瞬間、下から人の声が聞こえてきた。

 

「「「「「魔法陣展開!!速度緩和三重詠唱!!」」」」

 

すると、アニメなんかで見るような奇怪な文字が書かれてある魔法陣が3つ浮かび上がり、カケル達にぶつかるとさっきまで物凄い勢いで落ちていたのにだんだんとゆっくりになり無事に地面に着地できた。

何が起こったのか分からずに呆然としているカケル達に髭の長い老人が話しかけてきた。

 

「ご無事ですかな勇者様方?」

 

勇者と言う単語にカケルとアラタは薄々感じていた事が確信に変わった。これって異世界召喚じゃね?

その確信は間違っていなかったようだ。さっき話しかけてきた人はこの国の王様で俺達の召喚を命じた人らしい。

しかも、俺達以外にも別の場所で召喚された人たちがいるようだ。…チート能力はあるんでしょうかね。

心の中で愛想笑いで神様に向けて問いかける。

 

魔法陣から降りた俺達は王様の前まで歩いていく。すると、何を考えているのか悠馬が王様の服を引っ張り上げる。

 

「おいおい、この俺に何の用があって呼んだか知らねえがよ、いきなり空から落とすとはどうゆう考えしてんだゴラァ!!」

 

王様相手に遠慮ない恐喝にカケル達が慌てて止めに入る。多分そうしなかったら周りにいる魔法使いの人達が動いてただろうから悠馬には感謝して欲しい。

 

その後、王様は咳き込みながら謝罪とカケル達が呼ばれた理由を聞かされた。

 

「いきなり空に召喚したのはすまなかった。だが、分かって欲しい。我々も悪意があってあそこに転移させたわけではない。召喚時に異世界から移動した際にでるエネルギーが周りに破壊という形で現れる為に何も無い空に転移させなければならなかったのだ。」

 

空に転移させられた理由は分かった。確かに上を見上げると吹き飛ばされたかのような不自然な形の雲が浮いている事から本当のことなのだろう。

 

「さて、本題に入ろう。何故君達を呼んだかと言えば、今この国は魔王国と帝国の二つの国から被害を受けているのじゃ!」

 

どうやらテンプレの魔王だけではなく同じ人間国である帝国からも攻撃を受けているようだ。

一体何してんだこの国は、魔王国は分かるが、何故帝国も攻撃を仕掛けているんだ?

 

「どうやら魔王国は我らの国の領土を欲している為に戦争を仕掛けてきているんじゃ!それにつけこんで今の帝国を治める現帝王が便乗して攻めてきておるのだ」

 

事情は分かった。右から魔王国、左から帝国と挟み撃ちというまさに泣きっ面に蜂という状態のようだ。

 

「どうするアラタ?協力してもいいが流石に2国から攻められている国に滞在するのは危険だろ!?」

「けど、他に頼りになるところもないし今は協力してもいいんじゃないかな?」

 

アラタの言葉に王様は嬉しそうな顔をしてアラタの手を握ってくる。

 

「良くぞ言ってくれた。勇者様、貴方様方はまさしくこの国の救世主です」

 

そろそろ、この場所から移動したいカケルは王様に落ち着ける場所に行こうと提案する。

王様もそれに賛同し、王城へ案内しようといいだすが、また悠馬が文句を言い出し始めた。

 

「ちょっと待てよ、なんでこの俺がそんな面倒な事しなくちゃいけねえんだよ。勝手に呼ばれて戦争ってふざけんなよ!!俺はそんな事しねえぜ、せいぜい王城とやらでダラダラさせてもらうぜ」

 

周りにいた魔法使い達もとうとう我慢の限界か魔法を使って悠馬の周りの地面を破壊する。

その拍子に悠馬は不様に尻餅を着く。顔が青ざめている事から多少のトラウマになっているかもしれない。

その後は悠馬も大人しくなり王城まで馬車で何事も無くたどり着いた。馬車から降りると大勢の人が俺達を出迎えてくれた。メイドさんや執事の皆さんに王城を守っている兵隊さん達が道を作って出迎えてくれたのは正直言って壮観だった。そして案内された王城の中でも一際立派な王座が置かれている部屋に辿り着く。

 

「さて、良くぞ来てくれた。改めて礼を言おう、ありがとう。さっそくじゃが君達以外にも召喚された勇者達を紹介しよう。大臣よ、呼んできてくれ」

 

そういえば俺達以外にも別のところで召喚された人たちがいたっけ。そう考えていると大臣と呼ばれた人が俺達と同い歳くらいの二人の子を連れてきた。一人は短髪の文科系の男子で、もう一人は長髪のクールっぽい女子だった。二人とも少しオドオドして頼りなさそうな感じだった。

二人が王様の前に立つと、王様は手を叩いて学校の先生みたいな事を言い出す。

 

「では早速自己紹介といこうか、私はアゼルキア王国23代国王シレイド・フォー・トーマス・ハラウドという。臣下達からはハラウド国王と呼ばれておる」

 

王様の自己紹介が終わり、カケル、アラタ、悠馬、後から来た男と女の二人が順番に自己紹介していった。

 

「俺の名は紫藤 カケルっていうんだ。まあよろしくな」

「僕の名は紫藤 アラタっていいます。名前から分かるとおり先程紹介したカケルの弟です」

「俺は佐藤 悠馬だ。迷惑をかけたら殺すからな!」

「えっと、僕は遠藤 隼人といいます。何もできないかもしれないですがよろしくお願いします」

「私は中村 莉奈っていいます。えっと、迷惑はかけませんのでよろしくお願いします」

 

悠馬のせいであとの二人がかなり困っていた。まったく厄介な事しかしない奴だ、王様も困った顔して悠馬の方を見ているぞ。とりあえず次に俺達に何ができるか王様に聞いてみるか。

 

「すみません、王様、呼ばれたのはいいんですけど、戦争なんかした事ない俺達に何ができるんですか?」

「確かに、今の何の力も持たない君達ではできることはないじゃろう。しかし、伝え聞く話によると勇者は、この城の地下にある試練のダンジョンに挑むことで、その身に宿る異能という才を引き出す事ができるそうじゃ」

 

成る程な…、つまり、そのダンジョンに挑む事で秘められたパワーが覚醒するということか。

悠馬もその話を聞くと面倒だと言う顔ではなく、さっさと案内しろといいたげな顔になっている。勿論、カケルもアラタも同じラノベ好きの為この話には興味津々のようだ。しかし、隼人と莉奈は行きたくは無いという表情をしている。

そんな二人の表情を見ていないのか、王様はまずは装備を整えようといって兵士が使う装備が置いてある武器庫に案内された。

どれでも好きなのを使っていいと言われ、アラタは奥にある防具を試着しに、カケルと悠馬は近くにあった鉄の剣を手に取る。

悠馬は始めて握る本物の剣に興奮したようでさっきから素振りしまくっている。そういうカケルも始めての本物剣の重さに若干興奮している。アラタは甲冑を着て動きずらそうにしている。アラタには軽装備の方が似合いそうだな。

それに対して隼人と莉奈は初めての剣というより凶器という視点で見ているようで、恐る恐るといった様子で武器に手を伸ばしている。

 

「さて、使う武器は決まったようじゃな。早速ダンジョンに案内しようと言いたいところじゃが、今日は勇者召喚の祝いとして豪勢な食事としよう」

 

長いテーブルのある食堂に案内され席に座ると、メイドさん達が豪華な食事を持ってくる。正直おいしそうな匂いが食欲を刺激して涎が出てきそうだった。

カケルとアラタは一応テーブルマナーがあったため問題なく食べられた。異世界の食事の作法が通じるかどうか心配だったが、王様も俺達と変わらない食べ方だったから安心した。

それに対して悠馬はとにかく出てきた物を口に入れていくという食べ方だった為に、悠馬の周りは食べカスが落ちまくっていた。隼人と莉奈はぎこちなかったが綺麗に食べていた。

 

食事が終わり、王様から明日俺達の部屋に朝の8時に迎えを遣すそうだ。その後カケル達はそれぞれに用意された部屋に入ると部屋の広さに落ち着き無さを感じながら、今日の疲れを癒す為に早々に寝た。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

誰もいなくなった玉座の間で王と大臣が密かに話し合っていた。

 

「全く、愚かな王の真似事は肩が凝ってしまう」

「ですが、素晴らしい演技力でございました。勇者達もすっかり王の話を信じきっている様子でした」

「バカな奴らで助かった。しかし、あの悠馬という奴は駄目だ、明日の試練が終わり次第すぐに隷属の儀を執り行わなければいかん」

「おまかせを、すでに例の部屋で儀式の準備は完了しております」

 

大臣の言葉を聞いた王は、忌避するような邪悪な笑みを浮かべる。

 

「そうか、よくやった大臣よ。魔王国と帝国が化け物を手に入れた時は焦ったが、こちらにも同じ化け物を5体手に入った。これで魔王国と帝国は私のものだ、フハハハハハハ!!!」

 

玉座の間から王の高笑いがしばらくは城中に響き渡った。




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