海風に舞う桜   作:座右の銘は天衣無縫

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FGO5周年おめでとう
そして、キャストリア、ウチに来てくれてありがとう!!
石270割った時は本当に心折れそうだったけどな!!
呼符2枚目で来てくれました

福袋はマーリン狙いで引いたら水着マルタと武蔵ちゃんでした


第三十五話

 

「隊長格が二人、流石に簡単には出し抜けませんか。」

 

オキタがジョズと戦いながらそう呟く。

更にいえば同じ海賊団のジョズとビスタはそのコンビネーションも中々のものである一方、オキタとミホークにコンビネーションなどという物はない。

 

互いに名の知れた剣豪かつ、これまでに時々手合わせをして、互いの攻撃範囲や攻撃内容を熟知している為、精々互いの間合いをズラして戦って同士討ちを避けている程度である。

 

そして、白ひげ海賊団の2人は下手にオキタとミホークを倒そうとしない為、隙が出来ない。

そんな相手に中々、斬り込むことが出来ず、攻めあぐねていた。

 

(そろそろ包囲壁の用意が整う筈。

なら、先に離脱して撤退する兵の援護をした方が良いですね。)

 

「ミホークさん、そろそろ作戦に入るはずです。

私は一足先に下がるので、いい所で切り上げてきてください。」

 

そう言って自分の戦っていたジョズを蹴りと能力で強引に吹き飛ばすと、その反動で離脱した。

 

近くにいた海兵から小電伝虫を受け取り、通信を聞く。

 

『湾内で戦闘中の全海兵に通達。

間も無く作戦を開始する。

合図があり次第、月歩を使え、即座に戦線から離脱できる海兵を殿として撤退を開始せよ。

湾外にいる者は撤退の援護をせよ。

 

湾右側の戦線はオダ少将が能力の部隊を展開させ、湾左側の戦線はオキタ中将、湾中央の戦線はボルサリーノ大将の指揮下に入る事。

また、三名は至急戦線へと移動せよ。

 

加えて通達、湾頭にパシフィスタの部隊の展開を開始。

湾頭付近の海兵は直ちに離脱せよ。』

 

通達を確認したオキタは湾の左側へと向かった。

既に湾右側にはちびノブの部隊が展開して海兵に混じって海賊達と戦い始めている。

 

更に湾頭付近の軍艦で爆破が起こった。

パシフィスタの部隊が暴れ始めた合図だ。

 

「後方の敵に構うな、野郎共ォ!!

一気に広場へ攻め込むぞォーーー!!!」

 

パシフィスタの展開に気付いた白ひげが指示を出す。

それに従って白ひげ海賊団が一気に攻め上がり始める。

 

「全隊直ちに氷上を離れろっ!!!

海賊達を決して広場に上げるなァ!!!」

 

センゴクの指示で海軍が湾内から撤退を開始。

それを追いかける白ひげ海賊団だが、殿に残った海兵とちびノブ部隊に邪魔され、中々前へと進む事が出来ない。

 

そんな中、白ひげの乗るモビーディック号の甲板に配下の海賊団の船長の1人、スクアードが現れた。

そして、白ひげと会話をしていると、持っている刀で白ひげに襲い掛かった。

 

本来ならば、病に侵されていた上に年を取っていた白ひげは刺され、重傷を負う。

だが、ここには白ひげの護衛の為に四番隊隊長サッチと四番隊のメンバーが数人残っていた。

 

故に

 

「テメェ、スクアードォ!!

オヤジに刃を向けるたぁ、なんの真似だ!!?」

 

白ひげにその刃が触れるより先にスクアードは取り押さえられた。

 

「なんの真似……?

それはこっちのセリフだ!!

やめちまえよ、こんな茶番劇!!

 

なぁ、聞いたぞ!

もう海軍と話はついてるんだろ!?

お前ら『白ひげ海賊団』とエースの命は必ず助かると確約されてんだろ!!?」

 

取り押さえられたスクアードの叫びに湾頭付近で戦っている傘下の海賊達に動揺が広がる。

 

「おれ達ァ、罠にかけられたんだよォ!!

おれァ…知らなかったぞ。

エースの奴が…あのゴールド・ロジャーの息子だったなんて……!

おれがアンタに拾って貰った時…!

おれは1人だった……!!

なぜだか知ってるよな!?

かつての仲間達をロジャーの手で全滅させられたからだ!!

 

……せめて…せめて一言言ってくりゃァ良かった。

エースはロジャーの息子で、アンタはエースを次期『海賊王』にしたいと思ってると!!

…………それを話してくれなかった時点でおれァ裏切られてた。

エースと仲良くもしてた……バカにしてやがる!!

そして、その大切なエースが捕まった!!

 

だからアンタはおれ達参加の海賊団43人の船長の命と引き換えにエースと白ひげ海賊団の命を買った!!

既にセンゴクと話はついてるんだろ!?

そんなことも知らずにおれ達ァどうだ!?

 

エースの為、白ひげの為と命を投げ出しここまでついて来て!

よく見ろよ!

現に海軍の攻撃に晒されてんのはおれ達じゃねぇか!!

波の氷で阻まれて逃げ場すらねぇ!!」

 

湾頭に展開されたパシフィスタによる攻撃が更に激しさを増す。

傘下の海賊達が次々と倒されていく。

 

「……そもそも本気でアンタを仕留められるとは思ってねぇ!

もう覚悟は出来てる、殺せよ!!

 

信じたくは無かった……!!

何度も何度も自分の目を疑った……!!

だが、現実はこれだ!!」

 

「…このッ、大馬鹿野郎ォ!!

オヤジが仲間を売るだと!?

そんな事を絶対にしねェからおれ達はオヤジについて来たんだろうが!!」

 

「サッチ、テメェまでまだシラを切るのか!?」

 

「よせ、エースがロジャーの息子ってのは事実。

それに最も動揺する男を利用しやがったんだ。

奴らの作戦が危うくおれ達の一枚上手を行く所だったってワケだ。

 

スクアード

……おめぇ、仮にも親に刃物突き立てるとは……とんでもねェ、バカ息子だ!!」

 

白ひげがスクアードを怒鳴りつける。

だが、それは部下に裏切られて激昂した船長としてではなく、むしろまるで出来の悪い息子を叱るようで

 

バカな息子を……それでも愛そう…

 

そして、何をするでもなく、ただ、本物の息子にする様に抱きしめた。

 

「!?

……ふざけんな!!

お前はおれ達の命を……!」

 

「…忠義心の高ェお前の心さえも…闇に引きずり落としたのは……一体どこの誰だ?」

 

「…海軍の!反乱因子だ…!

アンタを刺せば部下は全員助けてくれると……!」

 

「…赤犬か。

……お前がロジャーをどれだけ憎んでるかは……痛い程知ってらァ。

だがスクアード、親の罪を子に晴らすなんて滑稽だ…

エースがおめェに何をした…?

 

仲良くやんな…エースだけが特別じゃねェ。

みんな俺の大切な家族だぜ…」

 

そう言うと立ち上がり、処刑台の上にいるセンゴクを睨みつける。

 

「…衰えてねェなァセンゴク……!!

見事に引っ掻き回してくれやがって……!

俺が息子達の首を売っただと……!?」

 

そう言うと拳を空間にぶつけた。

数瞬遅れて、マリンフォードの両脇を囲っていた氷の波が砕け散る。

 

「海賊なら!!!

信じるものはてめェで決めろォ!!!」

 

マリンフォード全体に聞こえる大声でそう叫んだ。

それを聞いた海賊達から迷いが消えた。

そして、彼らにとって最悪の作戦を取った海軍に怒りの矛先が向く。

 

「おれと共に来る者は命を捨ててついて来い!!!」

 

その台詞に海賊達の士気が更に上がる。

そして

 

「行くぞォォォォォ!!!!!」

 

遂に白ひげが動き出した。

 

「構えろォ!!

暴れだすぞ!

世界最強の男がァ!!!」

 

それを見たセンゴクが全体に警告を発し、湾の左側にいたオキタが白ひげの前に回り込む為に移動し始めた。

 

白ひげが主に攻撃で使用する衝撃波とは即ち空気の振動。

現在の海軍の戦力において風、つまり空気を操れるオキタは最も白ひげの能力と相性が良いとされていた。

 

無論、身体能力、覇気などを含めれば白ひげに軍配が上がるが、純粋な能力だけなら拮抗できるとセンゴクは判断した。

 

その為、オキタが白ひげの能力による攻撃を受ける為に、どんな状況であろうと白ひげの前に行く様に事前に指示されていたのである。

 

 

白ひげが動き始めた事により戦況が一気に動き出した。

後方にいた傘下の海賊達が一気に前線へと移動を始め、白ひげ海賊団の船員達も白ひげの為に道を開こうと前線を押し上げていく。

無論、海軍側もそれを黙って見ているわけでは無い。

 

巨人族の海兵が白ひげ海賊団の先頭集団を蹴散らし、白ひげに迫る。

巨大な剣を振り下ろすが、白ひげはそれを薙刀を片手で持って軽々とガードする。

 

そして、薙刀から手を離し、両手で空中を掴む。

そのまま、何かを引き裂く様に力を込めて手を動かした。

 

マリンフォード周辺の海域すら巻き込む巨大な揺れが起こった。

白ひげの能力をよく知る海賊達と一部の海兵は揺れに耐えているが、それ以外は漏れなくバランスを崩して倒れ込む。

 

それは巨人族の海兵すらも同じで、バランスを崩して白ひげの方に倒れ込みそうになる。

倒れ込む前に白ひげが衝撃波を打ち出した。

衝撃波は巨人族の海兵を一撃でダウンさせるだけでなく、そのまま突き進み処刑台へと向かって行く。

 

が、広場の上空に突然、巨大な竜巻が起こり、その竜巻に相殺され、竜巻を吹き飛ばすと同時に霧散した。

 

「竜巻ってこったァ、アイツか。」

 

白ひげの前にオキタが降り立った。

 

「申し訳ないですけど、時間稼ぎ…させて貰います…!!」

 

「グララララ……!

やってみやがれ、ヒヨッコ…!!」




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