Fate/D×D   作:チンチラ

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サーヴァント召喚

「ほらほらいい加減起きなよ」

 

唐突にかけられた声に気付いて意識が覚醒して起き上がる。ここは?

さっきまで、ロンドンに居たはずなのに今は一面真っ白な空間にいる。

 

「やぁ」

 

そして俺の目の前には真っ白なローブを見に纏い手には杖を握っていた。………爽やかそうな笑顔を見せて来るけどなんか胡散臭そう。

 

「胡散臭そうとは失礼だな。これでも僕は以前に君と対面してるはずだよ」

 

ダウト。こんな感じの人を見かければ忘れるはずがない。

 

「あぁ、そうか。以前は別の姿で君に会ったんだ」

 

そう言うとこの人は指を鳴らし見る間に姿が変わって老人の姿になった。……ってその姿。

 

「思い出したかい?」

 

そう言うと再度指を鳴らすと元の姿に戻ってる。忘れるはずがない。今の老人は小学校の頃に骨董店で会った店主なんだから。

 

「うん。思い出してくれて良かったよ」

 

てか、ここってどこ?確か、剣を持った大男に斬られてた筈だけど……。

 

「そうだよ。君ははぐれ悪魔に斬られて瀕死の状態さ。そして此処は君の精神の中さ。僕はちょっと他人の精神に介入できるのさ」

 

何だよそれ。悪魔とかルフェイさんのお姉さんと言い、イギリスに来てから訳が分からない事のオンパレードだ。

 

「アハハ、そうだろうね。君は今まで表の住人だったから知らなかっただけさ。実際は悪魔や堕天使、天使や妖怪、妖精、神様だって存在するんだ」

 

……ファンタジーは2次元の特権だと思ってたけど、まさかリアルに存在するとは……。

そう言えば、ルフェイさん達は大丈夫なんだろうか?

 

「うん。今の所は無事だよ。でもあのはぐれ悪魔達は魂喰い……人間達を喰らい相当な力を蓄えているからね……。アルトリアなら兎も角、そのマスターであるルフェイ・ペンドラゴンには荷が重いだろうね」

 

いやいや!そんな悠長に言ってんなよ!?どうにか出来ないのか!

 

「どうにかしたいのかい?なら、強く願うといい。以前、君にあげた聖杯を持って来てるだろ?君が強く願うなら聖杯は神の意思に応えてくれるだろう」

 

でも、前もそんなこと言ってたけどうんともすんとも反応しなかったんだけど。

 

「それは君が悪い。君の中で不信感があったからだ。邪念を捨てて願ってみなよ。さすれば君の願いは叶うだろう。だけど良いのかい?彼女達は今日出会ったばかりの人だ。もし願えば君は今までのように安全な生活を送れないだろう。それでも彼女達の為に力を願うかい?」

 

もちろん。確かにルフェイさん達は今日出会ったばかりの人だけど友人だ。友人が危険だと知ればどうにかするもんだろ?少なくとも俺は見て見ぬ振りをしてほっとけない。

それに、ああ言う自分勝手な奴が大っ嫌いだ。自分が良ければ他人を傷つけてもいいって奴が。だから俺はどうにかしたい。

 

「そうか。友人の為に敢えて危険に飛び込む……。僕には分からない事だけど……うん、是非やってみるといい。……けど今の君が力を振るっても勝てる見込みは低いだろう。だからちょっと手を貸してあげよう」

 

そう言うとこの人は指を鳴らすけど別段、変わった様子はない。

 

「現実の方で細工をしといたのさ。そして後はーーーーーーーと唱えてみるといい」

 

そう言うとどうしてか視界が霞んで来た。

 

「おやおや、そろそろ目を覚ます頃合いみたいだ。さて、僕は君の物語を楽しく傍観させてもらおう。今回のは……ゲームで言うチュートリアルみたいな物と思ってくれればいい」

 

そう言えば、俺って一言も喋ってないのにどうして普通に会話出来てるの?

 

「此処は君の精神だ。僕にとって他人の読心術くらい容易い事さ。それにほら、君は他人のは苦手だけど今は普通に会話出来てるだろう?精神の中は多少なりとも自分がこうでありたいと言うのが反映されるのさ」

 

確かに俺はこう言う風にきょどんないで会話して見たいって思った事はあるな。ってか他人の読心術って人権侵害じゃないの?

 

「アハハ!面白い事を言うな。精神の中での事なんてどうやって立件するって言うんだい?精神の中なら僕の好き勝手できるのさ。例えば……おっ、君があの子を助けたいのは一目「やめろーーー!!」こう言う事さ」

 

愉快そうに笑う男に俺は少々怒りが込み上げてくる。俺等以外に人はいないとは言え、口に出されるのは許容出来ない。

 

「揶揄うのはこれぐらいにしておこう。さて頑張って来なさい」

 

あ、最後にもう2つ。どうして俺に綺麗な杯くれたの?それとあんたの名前って何?

 

「ふーむ、1つ目は単純に君の事が不遇に思えてね。聖杯をあげたらどう変わるのか見て見たかったのさ。そして2つ目は……」

 

————花の魔術師と名乗ろう。

 

そう聞こえた瞬間、俺の視界が暗転した。

 

____________________________________________________

 

ルフェイ side

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

油断してました……。セイバーが戦ってる相手気を取られて周囲警戒を怠るなんて……。しかも、一般人の誠二さんに庇ってもらうだけじゃなく怪我もおわせちゃうなんて。自分のミスが許せない……。

セイバーに助けを乞いたいけどまだ、全員仕留めきれていない。街中だからセイバーの宝具は解放出来ませんし……。

 

キ、キヒヒ……

 

微かに狂ったような笑いをしながら再度振り下ろしてきた剣を魔法力を使って障壁を作って塞ぐ。そして素早くはぐれ悪魔に指を差します。

 

「エクスペリアームス!」

 

武装解除魔法を唱えると指先から紅い閃光が走ってはぐれ悪魔が持っていた剣を弾き飛ばす。弾き飛ばされた剣はそのまま地面に落ちるとガラスが割れるような音がして呆気なく壊れました。これはラッキーですね。

でも、はぐれ悪魔はそれに気にも留めないでそのままジッとしていると手に新しい剣が出来上がっていた。

錬金術の一種?いや、あれは神器(セイクリッド・ギア)ですね。確か聖剣や魔剣を作れる神器があると聞いた事があります。

 

「……どうしましょう」

 

思わず弱気になってしまう。セイバーがいれば大丈夫と高を括って何も持ってこなかったのが悔やまれます。

すると突然、誠二さんが持っていた鞄が明るく輝きだし、同時に地面に魔法陣が描かれ輝きだしました!

しかもあの魔法陣は召喚陣?でも誰が?そんな事を考えていると誠二さんが痛そうに顔を歪ませながら起き上がってきました。

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

私の問いかけに答えないで誠二さんは座り込みながら右手を魔法陣の方に向ける。って、誠二さんの右手の甲にあるのは〝令呪〟!?もしかして!

 

「………素に銀と鉄。礎に石と契約の大公」

 

誠二さんが唱えるとそれに合わせて魔法陣がより一層輝き出す。……やっぱり。でもどうして?彼は魔法力なんて感じ……る?先程までは微塵も感じなかったのに?

 

「降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」

 

はぐれ悪魔もこの出来事には危機感を覚えたのか狙いを私から誠二さんに変えて剣を払おうとする。けどさせません!

私はその間に割り込んで障壁で攻撃を凌ぎます。どうしてサーヴァントの召喚方法を知ってるのかとかは後回しにしましょう!今はこのはぐれ悪魔の撃退を優先しないと!

 

「――――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

 

誠二さんのその言葉と同時に砂塵が舞い上がって視界を奪われましたがそれも直ぐに止んで、魔法陣の上には短い銀髪にアイスブルーの瞳をした女の子が立っていますね。服装は軽装……を通り越して露出の高い服ですね。と言うか下半身なんて腰にナイフポーチだけで下着姿じゃないですか!?

 

「あなたがわたしたちのマスター(おかあさん)?わたしたちはアサシン、ジャック・ザ・リッパーだよ。よろしくね♪」

 

「え……え?」

 

「わたしたちは何をしたらいいの?おかあさん」

 

「えーっと、あの大男を追っ払う事って出来るの?」

 

「うん!わたしたちなら解体出来るよ!」

 

アサシン。しかもジャック・ザ・リッパーときましたか……。厄介なサーヴァントが来ましたね。誠二さんがはぐれ悪魔を指差すとジャック・ザ・リッパーは無邪気な笑顔でそう言うと一瞬ではぐれ悪魔に駆け寄って行きました。

単純な敏捷なら私のセイバーよりも上ですね。

ジャック・ザ・リッパーはナイフを2本手に取ると瞬時にはぐれ悪魔の持っていた剣を細切れにしてしまった。攻撃時の動きも私の目では追いつけませんでした。でも剣を壊したところで意味がありません。

はぐれ悪魔は神器の力で更に剣を2本作って乱雑に斬りかかって来ます。しかし、敏捷の高いジャック・ザ・リッパーは苦にもならないようで笑いながら攻撃を躱している。

 

「アハハ♪そうか、神器だね!……うん、そうだね。ならこうしちゃおう♪」

 

まるで遊んでるかのようにはしゃいでると素早くはぐれ悪魔の背後に回る。

 

……ドサドサッ

 

するとはぐれ悪魔の大腕がいとも簡単に切断されてしまい、重力に従って地に落ちる。

 

「うん!これなら剣を作っても持てないよね♪」

 

そう言うとジャック・ザ・リッパーの殺戮劇が始まりました。逃げれないように両脚を切断させると弄ぶように斬り刻んでいく。最初は泣き叫んでいたはぐれ悪魔もだんだん泣き叫ぶ声も小さくなって来ました。

 

「……うん!もう終わらせよう!」

 

そう言ったジャック・ザ・リッパーははぐれ悪魔の心臓にナイフを突き刺しました。何度も何度もナイフを突き刺すとその部分に手を突っ込み瞬時に何かを抜き取る。

 

「これはおかあさんにあげるから没収するね」

 

そう言うもはぐれ悪魔は既に事切れてるから何も言えない。

 

「おかあさーん!あのはぐれ悪魔倒して来たよ!」

 

ジャック・ザ・リッパーはそのままマスターであろう誠二さんの方に向かって報告するも誠二さんに反応がありません。

 

「あれ?気絶しちゃってる。まぁ、いいや。これあげるね♪」

 

そう言うとジャック・ザ・リッパーが持っていた物を誠二さんの胸に当たるとそれは溶け込むように消えていった。恐らく持っていたのははぐれ悪魔の神器でしょう。

そう言えば、誠二さんの鞄が光ってたのはなんでしょう?どうやらセイバーの方も敵を倒し終えたようですし、ちょっと確認させてもらいましょう。

って、これは聖杯?なんで願望機を誠二さんが?

 

「ねえ、それおかあさんの何だけど。勝手に見ちゃダメ!」

 

するとジャック・ザ・リッパーは私から誠二さんの鞄を引ったくって距離を離す。

 

「大丈夫ですよ。私は貴女のマスター、誠二さんのお友達です。誠二さんの傷の手当てをしたいので出来れば大人しく付いて来てくれますか?」

 

「………わかった」

 

ふぅ、大人しく言う事を聞いてくれて良かったです。下手したらこのまま第2ラウンドは勃発するところでしたよ。

私の所に戻って来たセイバーを確認すると足元に魔法陣を展開させて私達は自宅に転移するのでした。

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