Fate/D×D   作:チンチラ

6 / 9
気がついたら評価が15件以上。お気に入りが700超えと作者自身非常に驚いています。
こんな自己満足の作品が大勢の人に読んでもらえて嬉しいです。



魔法使いの来訪

「えっと……麦茶です」

 

突如やって来たルフェイさんにセイバーさん。そして見知らぬ男性2人を部屋に招き入れたけど正直、どうしたらいいかわかんない。

取り敢えずテーブルに座らせると安い菓子と麦茶を差し出すと2人に対面するように座る。

因みに俺の隣にはルフェイさんが座っていてセイバーさんはその後ろに立っている。そして座るところのなくなったジャックは勢いよく俺の膝の上に座った。

にしてもこの人達は誰?見るからに普通の人には見えない。

1人は赤と青の髪をぴっちりと固めて両目も赤と青のオッドアイの強面顔の中年男性。

もう1人は切れ長の目元と金と黒の髪をロングウェーブにした20代ぐらいの男性。

 

「そんな緊張しなくてもよ。何も取って食おうって訳じゃないからね」

 

「あっ、すすいません!」

 

中年男性は強面の顔を破顔一笑しながらそう言う。

 

「ふふ、先ずはご紹介しますね。此方の方がメフィスト・フェレスさん。そしてもう一方の方がマグレガー・メイザースさんです」

 

ルフェイさんがそう言うと赤と青の髪の中年の男性、メフィストさんが金と黒の髪をした男性、マグレガーさんは頭を下げる。

 

「僕は魔法使いの取締役、後は灰色の魔術師(グロウ・ツァオベラー)と言う協会の理事をしてるんだ」

 

「私は魔王ルシファーの眷属で黄金の夜明け団(ゴールデンドーン)の長をしております」

 

メフィストさんとマグレガーさんの紹介に俺は困惑する。なんか想像よりも遥かに凄い人達が来たんだな。……ってか然りげ無く魔王の眷属って聞こえたぞ?って事はこの人達は悪魔?

こんな大したことのない小っぽけな人間の家に来ても得する事ないんじゃね?」

 

「おかあさん。声出てるよ?」

 

「ウェ!?」

 

マジか。めっちゃ恥ずい!?

 

「自分を卑下するのは勿体無いですよ。それに君を大したことのない人間と呼ぶ事が出来ません」

 

「それってジャックを呼んだからですか?」

 

マグレガーさんの言葉に俺はジャックを指差しながら聞くと頷きながらも「それだけではありません」と言う。

 

「確かに君は一般人にも関わらずサーヴァントを召喚しました。それだけでも些か異常ですが、それ以上に君が聖杯を所持していた事に驚いているのです」

 

「君や家族の経歴を調べさせて貰ったけど教会に所属してる訳でもなく僕達、魔法使いに所属してた訳でもない。それなのに聖杯を所持してるのが解らないんだ。もし良ければ僕達に教えてくれないかな?」

 

マグレガーさんとメフィストさんの言葉に俺は頷く。別に隠す事でもないから話しちゃってもいいか。

幼い頃に骨董店で綺麗な杯を見つけ、店主からタダで譲り受けて今日まで至ること。そしてこの間、襲われた時に意識の中で再会。その時に店主が花の魔術師だと名乗った胡散臭そうな人でその人の助力でジャックを呼ぶ事が出来た事を話した。

 

「え、えっと……み、皆さん?」

 

俺が話し終えると皆が唖然とした表情になってる事に気付いて慌てる。確かに信じられないかもしれないけど本当の事だからどうしよう……。唯一、セイバーさんだけは顔を顰めっ面にしながら……

 

「……失礼ですが本当にその人物は花の魔術師と名乗ったんですか?」

 

「は、はい」

 

俺に詰め寄って聞いてきた。俺はその迫力に飲まれながらも返事をすると「そうですか」とだけ返した。

メフィストさん曰く、花の魔術師は悪魔の魔力を解析し再構築させて魔法を広めた人物らしい。

ん?それだと、その花の魔術師って既に死んでるんじゃ……。俺が会ったのは同じ名前を名乗った魔法使いか?

 

「もしくはルフェイや君のようにサーヴァントとして召喚されたかでしょう」

 

あー、なるほど。いまいちサーヴァントってのは分からないけど、その可能性もあるのか。

 

「わからない事をあれこれ議論しても答えは出ないし、この話題は一旦ここ迄にしよう。君がどうして聖杯を持っていて、サーヴァントを召喚出来たのかはわかったんだし。今回、君の所に来た理由はもう1つあるんだよ」

 

えーっと、言ってあれなんだけど今の話を信じるの?

普通なら頭は大丈夫?……って変な人を見る目で心配するような物だと思うんだけど。

 

「そうだね。これが普通の人間だったら心配されるだろうね。でも、(こっち)側っていうのはね、そう言う摩訶不思議な事は沢山起こり得るんだよ。悪魔にしろ魔法にしろ神器にしろね。

……それに君には悪いと思ったんだけどここ数日、それとなく君の事を監視させて貰ってね、君の為人は見させて貰ってたんだ。それで君はあまり嘘をつける子じゃないと分かったから信じてるんだよ」

 

「……それってプライバシーの侵害じゃないんですか?」

 

メフィストさんの言葉に俺は顔を顰めながら問いかける。

俺が女じゃなくても私生活を覗かれていたというのは不愉快極まりない。

 

「それについては君の言う通りです。ですが、私達は君の危険性の有無を調べなければなりませんでした」

 

マグレガーさんは宥めるようにそう説明するけど俺に危険性ってどう言う事だよ。

 

「人間…いえ、我々悪魔もですが力を手に入れてしまうと力に飲まれ欲望のままに暴れる事があります。ましてや貴方はサーヴァントを使役しているだけでなく、神器に聖杯も所有しています。御自身が思ってる以上に危険な物を持っているのを理解してください。

……でもその心配も杞憂に終わって私達もホッとしています」

 

「本来ならもう数日は監視しようと考えていたんだけど、これ以上は不必要と判断して君の前に現れたんだよ」

 

マグレガーさんの言葉に続くようにメフィストさんが話す。

 

「えっと……それじゃあ俺ってど、どうなるんですか?」

 

不必要で俺の前に現れたって事は何かを告げる為に来たって事だよな?監視について態々、俺の所に来て謝罪しにって訳じゃなさそうだし。

って考えてたらメフィストさんが2つの指をピンと立てて口を開いた。

 

「提案としてはだね……1つ、君に記憶の改竄……早い話が君の眼の前で起こった摩訶不思議な体験を忘れて日常を過ごす事。

その時は酷だけどサーヴァントを消滅させて貰って、君が所持してる聖杯は僕達が回収させてもらうよ。

サーヴァントも聖杯も普段の日常では不必要な物だしね」

 

「え?じ、神器はどうするんですか?普段の日常に不必要な物なら神器も入るとお、思うんですが……」

 

そう言うとメフィストさんでもマグレガーさんでもなく、ルフェイさんが「あっ!」と思い出すかのように声を出していて、ルフェイの方を覗いてみると恥ずかしそうにしながらおずおずと説明して来た。

 

「そ、それはですね、この間言い忘れちゃってたんですが、神器と言う物は所有者の魂に結びついているものなんです。なので、所有者の思いに比例して神器も呼応するものなんです。

ですが魂に結びついているので所有者の人から奪っちゃうとその人を殺しちゃう事になっちゃうんです」

 

「ルフェイちゃんの言う通り、神器を奪うと言う事は他人の命も奪うことになるんだ。僕達も無闇矢鱈に命を奪うつもりもないからね、君の神器はそのままにして、神器については厳重に記憶の改竄をさせてもらうよ」

 

「そ、それで2つ目は?」

 

「……魔法協会に入って魔法使いとなってもらうよ。最低限、君の力を扱えるように訓練して働いてもらうよ。でも、この選択肢は裏の事に関わるって事でね。常に危険と隣り合わせなんだ」

 

メフィストさんの言葉を聞いて俺は考え込む。確かに危険な事に首を突っ込むなんて嫌だ。けど、普段の日常でもはぐれ悪魔ってのに鉢合わす確率がなくなる訳じゃないんだよな。……だったら。

 

「……お、お願いします。俺をあなた達のと、所で働かせてください」

 

2つ目の選択肢を選ぼう。

俺の言葉を聞いてメフィストさんは顎を撫りながら俺を見る。

 

「何故だい?君は巻き込まれただけの一般人だよ?そんな君が危険な道に進む必要はないと思うよ」

 

「た、確かに…そうですが、でも記憶を消して普通の生活を送っても……危険と隣り合わせ…のような気がするんです。だ、だったら…しっかりと教えてもらってそ、備えたいです。

そ、それに…じ、自分の都合で呼んだのに用が無くなったからって用済みにするのは…こ、酷な気がして……で、ですので最後までしっかり面倒を見たいんです」

 

メフィストさんは鋭い視線を向けていて、それにビクビクしながら答える。ち、ちょっと怖いです。

俺の言葉を聞いてメフィストさんもマグレガーさんも黙ってジッとしていて、セイバーさんは礼儀正しくピシッと立っていて、ルフェイさんはちょっとオロオロとしている。

そしてジャックは……退屈だったのか俺の膝の上で気持ち良く眠っていた。……割と図太い神経してるよね。

 

「ふふふ、自分で考えた末にその選択肢を選んだんなら僕は何も言う事はないよ」

 

「そうですね。もし〝なんとなく〟などだったらそれ相応の措置を取っていたでしょう」

 

メフィストさんとマグレガーさんはふふふと笑いながらそう言ってるのが聞こえる。

て言うかそれ相応の措置ってさっき言ってた記憶がどうのって話だよね?なんかそれ以上の不穏な感じに聞こえたのは気のせいだよね?

 

「君の所属はルフェイちゃんがいる黄金の夜明け団(ゴールデン・ドーン)に所属してもらおう。年の近い知り合いがいる場所なら他の所より幾分かは気軽に出来るだろうし……彼処には君と同い年くらいの子達が有り余る元気を振るってるから楽しくやれる筈だよ」

 

その配慮は助かるかも。知らない人たちの中にポンと入れられると人見知り、ボッチスキルがフルに発揮する事が容易に想像できる。

 

「ルフェイ、君には彼の指導をして欲しい」

 

「はい!」

 

「誠二君、今日の所はこれで失礼しますね。また後日、詳しい話をしにお邪魔させてもらいます」

 

「わ、わかりました」

 

ルフェイさんと俺の返事を聞くとメフィストさんとマグレガーさんは立ち上がって帰る支度をし始める。

2人はそのまま玄関に進んで外に通じるドアノブに手をかけて開けていた。

 

「え、えーっと今日はありがとうございました?」

 

玄関で見送っていた俺は2人に向けてそう言う。

でもありがとうは変だな。またのお越しをお待ちしてます?……これも違う気がする。

 

「ふふふ、此方こそだよ。いや、むしろこれからもよろしくと言えば良いのかな」

 

可笑しそうに笑うメフィストさんはそう言うとマグレガーさんを連れて部屋を出て行った。

そっか、あの人達はこれから上司?のような感じになるからそう言ったけばよかったのか。…………あれ?帰って行ったのはメフィストさんとマグレガーさんの2人だけ。ルフェイさんとセイバーさんは?

ふと俺の横を見ているとしっかりいた。

 

「あ、あのー。どうしてお2人は残ってるんです?」

 

「マグレガーさんが言った通り、誠二さんに魔法を教えたりするよう言われましたからね。今日はまだまだ時間もありますからこのまま開始しようと思ったんです。………ダメでしたか?」

 

いえ、ダメじゃないです。寧ろ嬉しいです。知ってる人だし、可愛いし。

 

「えーっと、寧ろなんかすみません。俺なんかの為に時間を割いてもらって……」

 

「なんか、なんて言っちゃダメですよ。それに私の意思で誠二さんの師になるんです。気にしないでください」

 

「誠二、貴方の神器は剣を作るものです。私は貴方に剣の戦い方をお教えしましょう」

 

拝啓、父さん母さん。イギリスに来てから摩訶不思議な出来事がたくさん会ったけど友人が出来ました。

その人の名前はルフェイ・ペンドラゴンさんにセイバーさん。美人で可愛い魔法使いとサーヴァントです。え、何言ってるか分かんないって?気にしなくていいです。

 

「あ、おかーさん。お話終わってたの?」

 

それに加えて娘?も出来ましたよ。名前はジャック・ザ・リッパー。ちょっと物騒な発言がポロリと出ちゃう可愛い娘です。こんな事手紙じゃ書けないので心の中でしっかり受信してください。

………あ、それから

 

「ぼーっとしてますがどうかしました?」

 

「あ…な、なんでもないです。えーっとそのー、よろしくお願いします」

 

今日から魔法使いとしても頑張ることになりました!




導入はここまでにして、次回から本編に入ります。

黄金の夜明け団のトップが分からなかったのでサーゼクス・ルシファー眷属のビショップでもあるマグレガーにすることにしました。
魔王の眷属が普段、何処で何してるかって書かれてなかった筈なので別にいっかって事でこうしました。

次回の更新もちょっと未定ですが年内に1話投稿しようとして思ってます。
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