Fate/D×D 作:チンチラ
そして今年最後の更新です。遅くなって申し訳ありません。
来年もよろしくお願いします。
母さんの言葉で外にいた俺達は挙って家の中に入る。家の中に入った瞬間、兵藤家の家の匂いが香ってきて懐かしさを感じる。けど、それと同時に何故か悪魔の気配が濃く感じた。ほんのちょっと居ただけじゃここまで気配は濃くない。最低でも数日はこの家に滞在してるレベルの濃さだ。
だけど今の俺にはそんな事気にする余裕もない。何故なら………
「これが5歳の頃の誠二よ!」
「きゃー!懐かしいわ!」
「か、可愛い……」
何を思ったのか俺達をリビングに招くや否や、母さんは昔のアルバムを持ち出してきて見せ初めて来た。
するとイリナとルフェイがいの一番に反応し母さんと共にきゃっきゃうふふと楽しみながら覗いている。俺としてはこんな公開処刑じみた物は今すぐにでも辞めさせたい。だけど……
「頼む、退けてくれセイバーさん!!あの3人からアルバムを奪えない!!」
「すみませんセージ。ですが、ルフェイの命令ですのでお許しください」
アルバムを奪われると危惧したルフェイはセイバーさんに抑えるよう命令。セイバーさんはそれに大人しく従い絶賛組み伏せられていた。
「ふむ、何故恥じるんだ?これまでの君の思い出じゃないか。寧ろ胸を張って自慢して良いと思うんだが」
「それが恥ずかしいんだよ!!」
ゼノヴィア…さん?だったか。彼女は不思議そうな表情を浮かべながら、置いてあったアルバムを何気なく手に取ってそう言う。
確かに俺の思い出だけど、だからって他人に見せたくない!
「ねぇ、なんだか焦げ臭いよ?」
「あらやだ、お料理の途中だったのすっかり忘れてたわ」
焦げ臭い匂いを感じたのかアルバムから目を離したジャックはそう言うと母さんは慌てながらキッチンの方に駆け出す。って火の元には気をつけてくれよ。帰って来て早々に実家が全焼とか笑えない。
「ジャックちゃーん、ちょっと味見して見るー?」
「わーい!」
キッチンからの母さんの言葉にジャックは嬉しそうに駆け出していくのを見送る。ジャックは聞き分けのいい子だから粗相はしない筈だし問題ないだろ。
「ねーねー、解体してもいい?」
…………問題ないよね?
「セイバー」
「わかりました」
ルフェイの言葉にセイバーさんは俺から離れてキッチンに向かう。どうやらルフェイも心配になったようでお目付役としてセイバーさんを向かわせたようだ。
「どうかしら?」
「すっごく美味しいよ!」
「ええ、もう少し頂いてもよろしいでしょうか?」
「勿論、遠慮しないで食べてください」
キッチンから楽しげな会話が聞こえてくる。どうやら俺達が考えてたような事は起こらなそうだ。代わりにつまみ食いのせいで晩飯減らないかって言う心配が出来たけど。
「ふむ。君の親が席を外してくれたのは都合がいい。ここで君達、魔法使いと話を済ませてしまおう」
ゼノヴィアの言葉にルフェイとイリナは名残惜しそうにしながらアルバムをテーブルに置く。俺も大人しくルフェイの隣に座り対話に応じる。
「さて改めて名乗ろう。私はカトリック教会所属のゼノヴィアだ」
「私はプロテスタント所属の紫藤イリナよ!セージ君は久しぶり!そしてルフェイさんはよろしくね!」
「
「同じ教団に所属してる兵藤誠二です」
ゼノヴィアとイリナがそう言うと俺達も自己紹介をして本題に入った。
「早速だが明日の夕方、この町を管轄しているリアス・グレモリーとその眷属達と会談する事が決まった。場所は駒王学園の旧校舎だ」
ゼノヴィアさんの言葉に俺とルフェイは頷きながら話を聞く。
今まで一般人だったから仕方ないけど、この町は悪魔が管理してなんて知らなかった。厳密には日本神話の主神に許しを得て土地を借りてるんだけど。
そして今、ゼノヴィアさんが言った駒王学園はその悪魔が経営していて、俺が留学している学校の姉妹校的な存在だとの事。
「そちらの聖剣が奪われたとの事ですけど奪っていった者の正体は?」
「堕天使の幹部、コカビエルだ」
まさかの堕天使と来たか。こんな大失態をしたのに他組織に頼っちゃっても良いもんなのか?こう言うのって他の組織に失態を知られ無いために自分達でするもんじゃないの?
「君の言いたい事はわかる。何故今回は魔法使いの手を借りなければなら無いのか私達も理解しかねてるんだ」
俺の考えを悟ったのかゼノヴィアさんは呆れながらそう言う。
「そもそも「君達じゃ戦力に頼りない」と言うなら魔法使いでは無く教会のエクソシストを増やせば良いんだ。こちらにも
吐き出すように愚痴り出したゼノヴィアに俺とルフェイはどう返答すればいいのか困惑する。
「御免なさいね2人とも。でも、エクソシストとして悪魔と密接な関係のあるあなた達と一緒に仕事をするのは、その…ちょっと抵抗があるの」
申し訳無さそうに言うイリナ。俺達も抵抗がある訳じゃないけど困惑はしてる。基本的にエクソシストと魔法使いは無干渉が基本なんだから。
「でも久しぶりにセージ君に会えたのは嬉しく思ってるのよ!こんな可愛い子と仲良くするなんて昔じゃあり得なかったわ!」
申し訳無さそうな表情から一転して嬉しそうな表情を見せるイリナ。
「昔の誠二君はどうだったんですか?」
「そうねー。ちょっと人見知りがあってあんまり他人と遊ぼうとしなかったわ!私も仲良くするのに時間かかっちゃったんだもん」
そうだなぁ。イッセーがまだ変態じゃなかった頃から俺って他人と一緒にいるよりも1人でいた時の方が多かったかも。ぶっちゃけイリナがぐいぐいと迫って来て俺が折れてから遊んだのが切っ掛けだったような気がする。
「後は……アニメやゲームが凄く好きだったわね!ほら!これとかこれも!」
イリナがそう言うとアルバムを再度開き、あれもこれもと写真に指を差す。その写真は俺とイリナが漫画本持ってたり、ゲームのコントローラーを握って一緒に遊んでるのが殆どだった。
「外で遊ぶなんて殆ど無かったわね」
本当に外で遊ぶ時ってイリナが駄々捏ねて無理矢理外に連れてった時ぐらいだったはず。
「そんなセージ君が可愛い子と一緒なんて未だに信じられないわ!!」
イリナは1人でキャーと言いながら1人で騒ぐ。
「昔からこうだったんですか?」
「いや、昔はもうちょいやんちゃで男っぽかった。それが今じゃこんな可愛くなってるなんて信じられないな」
「ねぇねぇ、2人は付き合ってるの!どこまで進んだの?教えて教えて!」
「「付き合って
イリナの言葉に俺達は声を揃えてキッパリと告げる。こんな事あのシスコンに聞かれでもしたら斬り殺されない!!
「2人が結婚するなら私に連絡して!その時はプロテスタントが総出で祝ってあげる!!」
「「気が
俺達は顔を真っ赤にさせながらイリナにそう叫ぶ。昔はこんな暴走する事なんて無かっただろ!
ゼノヴィアはぶつぶつと何か愚痴りイリナはキャーキャーはしゃぐと言うカオスな事になって収拾のつかない状況になってると廊下からドタドタと慌ただしくしながらリビングに向かって来る音が聞こえた。
「母さん!!」
そう叫んでリビングにやって来たのは俺と同じ顔立ちの男。兄のイッセーだ。そしてその後ろには見覚えのない金髪の女性も見える。
そして、2人からは悪魔の気配が感じ俺は驚きが隠せなかった。
「………本当、暫く会わない間に……再会って何が起こるかわからないものだわ」
イッセーがリビングにやって来た事はルフェイやイリナ、ゼノヴィアだけでなく、キッチンにいたセイバーさんやジャックも気づいていた。そして、イリナは哀しそうにポツリとそう呟いていた。