Fate/D×D 作:チンチラ
〜〜リアス side〜〜
私の幼馴染であるソーナから明日の夕方、教会側と魔法使いがこの町の管理者である私として会談を行いたいという話があった。私の許可なくその会談に了諾した事に顰めたけどそれと同時に一抹の不安も覚えた。
私の可愛い下僕であるイッセーが幼い頃、教会の人物と知り合っていた事。そして幼い頃の写真に聖剣が写っていた事を思い出した私はソーナとの話を一方的に打ち切って自宅に戻って来た。
家に戻ると教会の者達は既に帰ったらしく、私が思っていた最悪の想像は杞憂に終わった。しかし、その代わりに新たな不安も出来た。
それはイッセーと似た人と金髪の小柄な子。そして人間の姿をした2つの何かがリビングにいた。
4人と認識して良いのか分からないけど其々、底が見えない魔力が見え隠れしている。
「あら!リアスさん帰って来てたのね」
台所からお母様が変わらない様子で此方にやって来た。
「誠二、この人はリアスさん。アーシアちゃんと同じこの家でホームステイをしている子よ」
「…リアス・グレモリーよ。よろしくセージ」
気丈に振る舞うべくつい馴れ馴れしい感じになった事に反省しながらも彼に挨拶をする。セージは挨拶に応じないで私を値踏みするようにジッと見る。イッセーと違って下心で見てる訳ではない。寧ろ警戒するように私を見ている。私の事を悪魔と気が付いていると見ていいようね。
「なぁ、母さん。さっきのアーシアって子もそうだけど、なんでこの家にホームステイする事を認めたの?正直、取り返しのつかない展開になる前に考えを改めた方がいいと思うんだけど」
「誠二の言う事もわかるわよ。私もお父さんも最初はいい顔しなかったわ。でもアーシアちゃんもリアスさんも此処に住みたいって言うのよ。それに2人とも一誠の事、良い人って言って仲良くしてるのよ」
「なん……だって?ダウト、ダウトだ!アイツが良い奴なんて万が一にも……いや、天変地異が起きたってそんな事はあり得ない!」
……随分な言い分ね。
「どうせ、通ってる高校でもセクハラ紛いの事を平然としてるんだろ?そんな奴が女子に好かれるなんてあり得ない。……その人達がアイツと同じってんなら話は別だけど」
セージの言葉に私だけではなくお母様も思わず顔を背けてしまった。彼の行為は学年の違う私達にも届いている。確かにその行為を見るととても良い人とはかけ離れるわね。………でも、でも……
「………そ、それでも……イ、イッセーは良い子なのよ。困っていた私をボロボロになりながら助けてくれたんだもん」
思わずモジモジしながらそう言うと彼はあり得ないと言う表情を見せる。そして私は気恥かしさからそのままイッセーがいる二階の部屋に駆け込んで行った。
部屋に駆け込んでいくと案の定、イッセーとアーシアがいた。私の様子に何があったのかと2人は心配してくれたけど何とか平静を装いながら普通に振舞っていた。
………平静を取り戻した私は彼らの事について考え始める。やっぱりあの底知れない魔力は普通じゃないわ。ソーナ話だと明日、教会と魔法使いの会談が行われる。セージ達が魔法使い側の使者かしら?
後で話を……いや、今日は様子見ね。この家で事を起こすなんてことはないはずだし。イッセーとアーシアには……話さない方がいいわね。まだ、悪魔になって間もない2人にこんな事言っても上手く行くとは思えないわ。寧ろ過敏になり過ぎて彼等に変に疑われるだろうし。
それよりも2人には明日の事を話した方がいいわね。
私は夕飯までの間、イッセーとアーシアに明日の会談の事を話すのだった。
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「いやぁー!誠二がこんな可愛い子達を連れてくるとはな!」
イッセーの弟のセージが帰って来た事もあって晩御飯はいつもよりも豪華な物だった。イッセーのお父様も上機嫌にビールを煽りながらセージに話しかけていた。
「それにしてもルフェイさんとセイバーさんが御姉妹なのはわかったがそっちの子は誰なんだ?それにその手の模様はなんだ?あまりとやかく言うつもりは無いがタトゥーは感心出来ないぞ?」
お父様の言葉にお母様も興味があるみたいでセージの方を見る。
確かにセージの隣に座っている小柄な白髪の子。背丈的には小猫と同じぐらいかしら?でも雰囲気は真逆。大人しくて無口な小猫に対してこの子は年相応の無邪気さや幼さがある。でもその幼さや無邪気さに似つかわしくない恐怖も垣間見る。顔に切り傷がある所為じゃ無いわ。と彼女を見て考えていたら目が合う。
ゾクリ
彼女の無邪気な笑顔は普通なら可愛いものなのにその笑顔を見た瞬間、バラバラに解体されたかのような錯覚に陥った。
チラリとアーシアの方を見て見ると僅かにカタカタと震えている。どうやらアーシアも彼女を見て恐怖を感じたようね。
「どうしたんだアーシア?」
「い、いえ!なんでもありません。ちょっとこれを食べた時にビックリしちゃっただけです」
アーシアの様子の変化にイッセーが気付いて声をかけるもアーシアは心配させまいと小皿に載っているワサビを指差して言う。アーシアの言葉にイッセーは世話を焼きながら一緒に食事を再開した。どうやらイッセーは感じなかったようね。
「
「あらそうなの?ジャックちゃん、誠二はしっかりやれてる?」
「うん!おかあさん優しくしてくれるんだよ!」
おかあさんと言う単語を聞いた瞬間、お父様とお母様、イッセーから怪し気にセージを見る。
「ふふ……。誠二君が甲斐甲斐しくお世話をしてるとジャックちゃんがおかあさんみたいって言ってから誠二くんの事、おかあさんって呼ぶようになったんですよ」
ルフェイがクスクスと笑いを堪えるように口元に手を当てながらご両親に説明をする。するとセージは余計な事を言わないでくれ……と言った感じの視線を向けるもルフェイは尚も可笑しそうに笑いを堪えながらご飯を口に運ぶ。
その光景を見たご両親はホッとしながらそう言う事なのかと納得した様子のようね。幼い子が親のように真摯にお世話をしてるのならセージの事をおかあさんって呼ぶのも納得しなくは無いかもしれない。
でも……
「この手の模様だっけ?これはペイントアートの一種みたいなもんだよ。イギリスじゃちょっと流行りで
信用出来ない。底知れない魔力、手の模様、ジャック、セイバー。……頭の中に引っかかりがある。何かを思い出せそうで思い出せない歯痒さが私を襲う。特に手の模様とセイバーって名前……。昔、何かで見た事がある。何処で見た?何で見た?
「……どうかしたんですか?」
「っ!?な、なんでもないのよ。ちょっと考え事してただけ」
ふとセージから声をかけられ私は慌てながら思考を中断して返答する。返答を聞いたセージは箸を動かしながら隣にいるルフェイやお父様、お母様と楽しげに会話をし、ジャックのお世話もしたりと忙しなく動いてる。
ここで私はふと気づく。彼はご両親と話すもイッセーとは一切口を聞いていない。
「イッセーはセージとお話ししないの?久しぶりに会うのでしょう?」
「いえ……別に」
私は酷く驚いた。確かにイッセーは美形の男子とかには喧嘩腰のような反応を見せる。時折、裕斗との会話する時もモテてる事に僻んで喧嘩腰になる事はあっても居心地の悪そうに視線を逸らすような事は見た事がない。
「話す事なんて何もありませんから俺もしませんよ」
私がセージの方を見ると視線の意味を察したのかそう私に告げる。その言葉にルフェイとセイバーと呼ばれてる女性は揃って溜息を吐くも何も言わない。お父様もお母様も困った様子になりながらも何も言及をしない。気まずい空気になったのを感じた私とアーシアはどうしようかと悩んでいたらセージが思いついたようにお父様とお母様に向かって話しかけた。
「あっ、そうだ。明日の朝、ちょっと時間貰ってもいい?ちょっと早めに進路相談しときたいんだけど」
「あら、ちょっと早くないかしら?」
「次、いつ帰って来れるかわかんないからね。帰って来てる内にしときたいんだけど」
「夕食後じゃダメなのか?」
「いやぁ……時差ボケなのかな?ちょっと疲れてるから夕食食べ終えたら早めに休みたい。ちょっと自分勝手な感じだけどいい?」
彼の言葉にイッセーが「……いい子ぶりやがって」と言う言葉が聞こえて驚く。
ご両親はジッとセージを見た後にお互いの顔を見合わせると1つ頷いて口を開いた。
「…………お前の大事な進路の事だ。それぐらい時間は割いてやるさ」
お父様の言葉にセージはホッと息を吐く。
………気のせいかしら?イッセーのお父様とお母様なら息子の進路相談とくれば嬉しそうに言いそうな気がしたのに。今の様子はまるで何かを覚悟する感じだったような。
この後、程なくして夕飯を終えると各々、好きなように行動する。
アーシアと私は食器を洗うのを手伝おうとしたのだけれどお母様にやんわりと断られイッセーの部屋に向かう。……今日も寝る時はイッセーに抱き着いて寝れる。その嬉しさを感じながらイッセーの部屋に入るのだった。
この作品でのリアスは他のアンチ作品のような無能姫ではなく、まだ未熟の若手悪魔って感じで書いていこうと思ってます。
自分の中ではリアスって索敵能力が他人より劣っているだけってイメージがあるんですよね。ゲームで言うなら火力に極振りで器用や感知が低めな感じですかね。
投稿遅くなってすみませんでした。次はもう少し早く投稿出来るように頑張ります。