霧隠れの黄色い閃光   作:アリスとウサギ

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木の葉崩し 始動

流砂瀑流。

押し寄せる砂の津波。

数十メートルはあるだろうか?

術式クナイの分身だけでなく、会場に生えている木々すらも飲み込み、濁流の流れが全てを呑み込まんと、こちらに迫り来る。

そんな非現実的な状況で、心の内から九喇嘛がナルトに声をかけてきていた。

 

『ナルト……奴は、ワシ達ほどではないが、そこそこに強い』

『そ、そんなのこれ見りゃーわかるってばよ!』

『出し惜しみはなしだ! ワシも力を貸してやる』

 

妙木山での日々は、何も修業ばかりではなかった。

いや、毎日修業ばかりだったが、それだけではなかった。

この一月で、ナルトと九喇嘛は『友達』と呼び合うほどに、互いに打ち解け合っていたのだ。

そんな友の声に、ナルトは笑みを浮かべ、

 

『へへ、じゃあ一丁やりますか!』

『フン』

 

次の瞬間。

メラメラ。

陽炎が揺らめき、ナルトの体がオレンジ色のチャクラに包まれる。

九喇嘛と一心同体の状態になり、目に見えるほど鮮明なチャクラがナルトの体内から溢れ出し、衣を被せるように、その身体を纏っていた。

ゴォゴォと周囲に烈風を巻き上げながら、ナルトは十字に印を結び、

 

「多重影分身の術!!」

 

チャクラのうねりとともに現れたのは、200人の影分身であった。

すぐさま分身達が手を重ね合わせ、

 

「「「螺旋丸!」」」

 

100個の螺旋丸を作り上げ、押し寄せる砂の津波に向かって、一斉に駆け出す。

一つ一つが必殺の威力を誇る螺旋丸。

幾つもの碧玉が、辺り一面に広がっていた。

と――

ナルトの群れが右手を掲げ、突貫。

 

『やれ……ナルト!』

 

九喇嘛の激励にナルトは、『おう!』と応え、力技で術を叩き込んでいく。

 

「「「螺旋超多連丸!!」」」

 

ボン ボン ボン ボン ボン!!

 

一発撃つ度に分身も消えていくが、砂の津波もみるみるとその形容を崩し、崩壊していく。

凄まじい忍術と忍術のぶつかり合い。

ハクとサスケの試合同様、もはや下忍レベルなど遥かに越えた闘いをする二人に、

 

「スゲーぞ!」

「あの術って、四代目様のやつだぞ!」

「いやいや、砂の方も負けてないぜ!」

「この二人に勝てる中忍なんているのかよ……」

 

わー、わー、わー、わーと、会場の熱がここぞとばかりにヒートアップしていた。

本来、試合中は静かにするのがマナーなのだが、そんなことはお構いなしに盛り上がる。

そして、ここにも一人盛り上がる者がいた。

我愛羅はいつものような無表情ではなく、残忍な笑みを隠すことなく表面に出し、

 

「それだ! その力だ、うずまきナルトォ!!」

 

と叫びながら、見たこともない印を結び始め、

 

「今度はオレのとっておきを……お前に見せてやる……」

 

自身の体を砂の球体で覆い始めた。

今までの比ではない高密度な硬さを誇る、絶対防御。

砂の津波を抜けた数人のナルト達がそれを見て、

 

「何だかわかんねーけど、お前の企み通りに進ませるかよ!」

 

とりゃーと、かけ声を上げ、守りを固めようとしている我愛羅に突っ込むが……

ボン! ボン!

完成された砂の球体から伸びてきた、槍のような形状をした砂の矛に体を貫かれ、あっさりと返り討ちにされてしまった。

 

津波が治まり、分身達も消え、今一度場が静まり返る。

不気味なまでの静寂の中。

我愛羅が球体という絶対防御の中で、彼だけに許された印を結び始めていた。

それを観客席から見ていた一部の忍達に、緊張の色が走り始める。

我愛羅は今回、砂と音が立てた作戦……

木の葉を潰す作戦のキーパーソンの一つであった。

砂の守鶴。

それが我愛羅の正体。

砂隠れが保有する最終兵器。

守鶴の覚醒と同時に、作戦が開始される。

我愛羅が印を結び始めた今、それはもはや秒読みに差し迫っていた。

ただならぬ空気が場を支配する。

 

『…………』

 

それを感じ取った九喇嘛が、むくりと体を起こし、

 

『……ナルト』

『ん? どうした?』

『こいつはマジでヤバいぞ……』

『どういうことだってばよ?』

『あの我愛羅とかいうガキ……クソ狸を呼び起こすつもりらしい……』

『狸?』

『ワシと同じ尾獣の一人だ』

『…………え?』

 

九喇嘛の言葉を理解できず、首を傾げるナルト。

そんなナルトに、九喇嘛が追い討ちをかける。

 

『木の葉を潰すつもりか? まぁ、ここまで人が集まっていやがる場所で、あのクソ狸を出せば、一瞬で壊滅的なダメージを与えられるだろうがな』

 

なーんて、とんでもないことを言ってきて。

ナルトは漸く事態を理解し。

クソ狸って誰?

尾獣?

どういうことだってばよ?

いや、理解していない部分も多いが、

かなり多いが、

兎に角叫ぶ。

心の中でだが……

 

『ど、どーすんだってばよ!?』

『ワシに尋ねても知らんとしか言えんぞ』

『いやいやいや、さすがにマズイじゃねーか! っていうか、九喇嘛はドーンって出て来れないって言ってたじゃねーか!』

『正確には、今はまだ無理と言うべきだな。だが、あのクソ狸の人柱力は別のようだ……』

『そんなことさせられっか! 止めんぞ九喇嘛!』

 

と、ナルトが突っ込もうとするが、それに九喇嘛は否定的な意見を述べる。

 

『何故だ?』

『え?』

『木の葉の奴らがワシらに何をして来たのか、忘れたのか……ナルト?』

『そ、それは……』

『因果応報だ。今まで自分達大国は痛い目を見ないと高をくくってきたこの里には、丁度いい薬じゃねーか』

『……確かに、木の葉の奴らはオレだって嫌いだってばよ』

 

蔑んだ視線。

訳のわからない差別。

木の葉の忍に殺されかけた時のことを思い出すナルト。

九喇嘛は鼻息を吐き、

 

『フン……なら、放っておけば……』

『だけど!……だけど、木の葉にだっていい奴はいる』

『…………』

 

無言でナルトの話を聞く九喇嘛。

ただただ、友の結論を待つ。

 

『それに……ここで見捨てちまったら、そんな木の葉の嫌な奴らと、オレ達まで一緒になっちまうってばよ……』

 

その言葉に、友の言葉に九喇嘛は一言、

 

『……ケッ! お人好しなことだな…ナルト』

『だ、ダメか? やっぱ……』

『……チッ! やるならさっさとやれ!』

 

九喇嘛の方がナルトの意見に折れた。

ナルトは、にしししと笑い、

 

『やっぱり、お前は最高の相棒だってばよ!』

『フン……!』

 

照れ隠しで返事をする九喇嘛に背を向け、自分の意識を試合に戻す。

 

(さっき分身達が攻撃しても、変な砂の槍みたいなやつで反撃されたから……だったら)

 

ナルトは再び十字に印を結び、

 

「影分身の術!」

 

ボンっと分身を一体出し、右手に螺旋丸を、左手にクナイを携える。

数秒後、術が完成し、準備が整う。

役目を終えた分身が消えた途端、ナルトは砂の球体目掛けて一直線に走り、加速した。

ぐんぐんと距離を縮め、我愛羅へ一気に迫る。

が、その時。

ナルトが近づいたのを察知した砂の球体が、槍を形成し、円錐状の矛を穿ってきた。

その瞬間。

ひゅん!

ナルトは左手で逆手に持っていた術式クナイを、砂の球体目掛けて、真っ直ぐに投擲。

鋭い一閃が直線を描き。

そのクナイが、

キィン!

と、高密度な砂の絶対防御に弾かれた――瞬間。

ナルトが神速の速さで、自身を突き刺そうと迫っていた槍の一突きを躱した。

刹那の閃光。

自身の身体を弓と化し。

宙を舞っているクナイへ、光の矢を放つ。

ナルトの姿が会場から――

黄色い閃光が、全てを置き去りにする。

次の瞬間。

ナルトの左手には、宙を舞っていたはずの術式クナイが握られていた。

飛雷神の術――

まさしく目にも止まらぬ電光石火。

そして……

 

「螺旋丸!!」

 

乱回転するチャクラの球を、砂球の真上から叩き込んだ。

その動きは、先ほど返り討ちにされた分身達とは明らかに別次元のものであった。

砂の盾が反撃はおろか、こちらの姿を捉えることすらできないスピード。

さらには、

 

「突き破れぇええ!!」

 

絶対防御を貫き、突き破る威力。

螺旋丸が壁を削り、砂の球体を霧散させる。

そして、穴蔵から現れた我愛羅の体に……

 

「……母さん……何これ……痛いよ……ぐぁぁあああああ!!」

 

その肩に、螺旋丸を叩き込んだ。

我愛羅の体は術の衝撃に一秒足りとも耐えきれず、地面へ等身大の窪みを作り、めり込むように倒れ伏した。

だが、これで終わりではない。

ナルトは我愛羅の肩に触れている右手を、さらに押しつけ、

パッ!

マーキングの術式をつける。

これが妙木山で得た、二つ目の修業の成果であった。

とはいえ、この修行はまだ未完成であった。

今はまだミナトの術式のように、一度つけたら二度と消えない…というほど便利なものではない。

修業を手伝ってくれた自来也やフカサクも、完璧には飛雷神のことを理解していないのだ。

それゆえに、ナルト自身がつけたマーキングの術式は、精々一日で消えるものでしかなく……

予め色々な物にマーキングをつけていたミナトの戦術を、そのまま真似することは、今のナルトには、まだ不可能であった。

しかし、

一日あれば……それで十分。

 

「ぐっ……はあ、はあ、はあ……」

 

砂の盾も崩れ、大ダメージを受けた我愛羅が息も絶え絶えに立ち上がる。

今の一撃で肩が潰れたのだろう。

血の滴る半身を片手で押さえ、息を荒げている。

それでもなお、その瞳から闘志の炎は消えていなかった。

闘いを続けようとする我愛羅。

螺旋丸を二発も受け、まだ立っていられるとは……

それだけでも驚嘆の事実である。

だが……

次の瞬間。

ナルトが我愛羅の後ろへ、飛雷神で跳躍し、

 

「……終わりだってばよ」

「……なっ!?」

 

驚く我愛羅の首筋に、クナイを突きつけた。

ナルトはクナイを手にしたまま、

 

「お前、オレと同じ人柱力なんだってな……」

 

相手に言葉をかける。

我愛羅はそれには無表情で、

 

「……そういう呼ばれ方もある。で、それが何だ?」

「お前が以前、オレとお前は同じだって言った時、オレは違うって言ったけど、今ならお前の言いたかったことがわかるってばよ……」

「………………」

「けど、やっぱり憎しみを撒き散らすお前の生き方に、オレは……何て言うか……それはやっぱり違うって思うんだ……」

 

何とか我愛羅を説得しようとするナルト。

だが、もう口でどうにかなる問題ではなくなっていた……

我愛羅は淡々とした口調で、

 

「オレは生まれながらの化け物だ」

「!」

「他者はオレを測るものさしでしかない……」

 

冷たい眼差しで言い切る。

まるで心までが凍ってしまっているような、

いや、実際にそうなのかも知れない。

その、全てを拒絶する瞳に、

まるでかつての自分を見ているようで、

ナルトは顔を歪めながら、

 

「な、何でそんな歪んだ考え方しかできねーんだよ、テメーはよ!」

「……オレが歪んでいるのではない」

「え?」

「この世界が歪んでいるのだ。うずまきナルト」

「……う……」

 

ナルトは我愛羅にクナイを突きつけている。

しかも、相手は立っているだけで精一杯のはず。

いつ倒れてもおかしくないほどボロボロで……

誰の目から見ても、ナルトの勝ちが殆んど確定している状況。

だというのに……

我愛羅の獰猛としたその瞳には、敗北という二文字は存在していなかった。

それどころか、勝負はここからだと言わんばかりに、何か目に見えないものを発していて……

見えないはずなのに、ナルトにはそれがわかって……

 

(マジで、マジで、コイツ何者だ!)

 

我愛羅のただならぬ圧力に、ナルトの心は少しずつ気圧され始めていた。

 

「お前はオレと同じく、本当の孤独を知る目をしている。矮小な人間という生き物を知っている」

「…………」

「誰もオレ達の存在を認めない。なら、自分自身がその存在を証明してやればいい……オレ以外の人間はただ殺されるためだけに存在している」

「…………」

「闘いとは互いの存在を懸け、殺し合うことだ。勝った者だけが相手の存在を踏みにじり、己の価値を証明できる……さあ……」

 

膨大なチャクラ。

禍々しいチャクラの奔流とともに、

 

ずずずずずず……

 

砂が我愛羅の体を覆い、頭、腕、足。

それら全てが異形のものへと変化し始め……

 

「感じさせてくれ!!」

 

冷たい声が会場に響き渡った。

その人と呼べるのかすらわからない姿に、ナルトは思わずクナイを引いてしまい……

そんな隙を我愛羅が見逃してくれる訳がなく、こちらを振り向き、

 

「ウォオオオオオ!」

 

いつの間にか生えていた狸の尻尾で、ナルトの体を叩き潰そうと。

完全に無防備となっていたナルトに鉄槌が……

だが、

 

『しっかりしやがれ! ナルト!』

 

バシッ!

狸の尾を、九喇嘛がチャクラで形取った尾で相殺した。

衝撃で二人の距離がひらく。

それにナルトは肝を冷やしながら、

 

『わりー、九喇嘛……』

『相手の言葉に惑わされるな。お前はワシとコンビで闘っているんだぞ! 敗北はワシが許さん! しかも相手はあのクソ狸だ!」

『……もしかして九喇嘛とその狸って、仲わりーの?』

 

というナルトの質問を九喇嘛は無視し、

 

『あの砂のガキが尾獣化を始めれば、流石に今のお前では分が悪い……さっさとケリをつけろ!』

 

ナルトに忠告を送る九喇嘛。

尾獣化という知らない単語に一瞬思考を鈍らせるが、我愛羅の姿を見て、時間がないのはなんとなく悟っていた。

我愛羅の今の姿は、小さな尾獣そのものと化しており、もはや一刻の猶予もない。

 

「……次で決めるってばよ」

 

ナルトは手元にある術式クナイに分身をかけ、数を六本に増やす。

それを左右の手に三本ずつ持ち、九喇嘛に作戦を話す。

 

『九喇嘛』

『何だ?』

『今からオレの最終奥義。螺旋閃光超輪舞吼参式をやる……お前も手伝ってくれってばよ!』

 

などと自信満々に言うナルトに、九喇嘛は底知れぬ不安を覚えた。

何かわからないが、絶対上手くいかない予感がして、

 

『……待て、ナルト。それはお前達風で言えば、いわゆるフラグってやつじゃねーのか……』

 

作戦の変更を提案するが……

それに構わずナルトが我愛羅に向かって、

 

「行くぞォ!! 螺旋閃光超輪舞吼……」

 

奥義を繰り出そうとするが、

その声を我愛羅が雄叫びを上げ、かき消す。

 

「オレはお前を殺すことで生の実感を得る! オレの存在は消えない! ウオオォオォオ!!」

 

ド――ン!!

 

ナルト達が登場した時と同じぐらい大きな白い煙が巻き上がる。

そんな煙の中ですらも、姿が見えるほどの巨体。

天を衝く咆哮。

ただの一歩が地響きを起こす。

ただの一撃が世界に轟く。

人智を超えた力。

風の国、砂隠れの里の最終兵器。

一尾の守鶴が完全な形となって姿を現した。

 

同時刻。

観客席にいた音忍のスパイ、カブトが静かに印を結び、

 

「涅槃精舎の術」

 

幻へ誘う白い羽が舞い落ちる。

広範囲の幻術をかけ、会場にいる忍を除くほぼ全ての者を昏睡状態に陥れていた。

そして、砂と音の忍が作戦を開始する中。

カカシ、ガイ、再不斬、ハク、長十郎、サクラをはじめ、幻術返しを使える忍達が次々と、

 

「「「解!!」」」

 

行動に移り始める。

下にいたナルトも、

 

「あれ……なんだってば……これって……もしかして?」

 

幻術にかかりかけていたところを内側から九喇嘛が叩き起こす。

 

『寝るな! 幻術だ!!』

 

自分以外のチャクラを流し込める人柱力のナルトには、幻術は効かないようになっていた。

 

『さ、サンキュー、九喇嘛』

『やはりか……想像通りの事態になりやがったな……』

『え?』

『辺りを見回してみろ……』

 

九喇嘛の言葉に従い、周囲を見回すナルト。

 

ガキン! ギィン! ザク! ズシャ!

 

そこかしこから戦闘音が聞こえる。

そこかしこから死が蔓延する。

殺意。

悲鳴。

大量の血。

数え切れない死。

忍達だけではない。

男、女、子供、老人。

国も里も区別なく。

次々と人が死んでゆく……

 

『な、なんだってばよ……これ……』

『……これはもはや、小さな争いなどではないな……戦争が始まってやがる』

 

突然の事態に困惑するナルト。

だが、一秒ごとに現実は刻々と針を回す。

守鶴の姿をした我愛羅が動き始めた。

突如、空から声が堕ちてきた。

 

「クク、ここまで楽しませてもらった礼だ……まずはお前を消し飛ばしてやる!」

 

息を大きく吸い込み、

 

「風遁・無限砂塵大突破!!」

 

――轟音。

砂塵を含む爆風をナルト目掛けて放ってきた。

術などという生易しいレベルの技ではない。

小さな天災レベルの戦術兵器。

それにナルトは思い切り、術式クナイを横へ投げ飛ばし、

 

「くっっ―――!!」

 

飛雷神で飛び、何とか回避する。

次の瞬間。

凄まじい爆音とともに、

ナルトが元いた場所から、後方の観客席までもが原形をなくし、瓦礫の山へとその景色を変えていた。

ただの一撃が、地図を書き換える。

当然、その観客席にいた…幻術をかけられていた者達は今の一撃で、ほぼ死んでいた……

一瞬で百を超える命があの世へと……

本当に現実感など湧かないほど、あっさりと……

 

 

――そして

この闘い……いや、戦争を引き起こした張本人の風影……に、扮していた大蛇丸は一番見通しの良い屋根の上で、

 

「ククク……ついに始まった……」

 

三代目火影にクナイを突きつけていた。

あちらこちらから戦闘音と悲鳴の声が聞こえ始める。

大蛇達が門を越え、町を踏み荒らし、砂と音の忍が続々と木の葉の里へ侵入して来た。

その状況で、三代目火影は目線だけを大蛇丸に向け、

 

「……そういうことか……」

「アナタの愚鈍さが木の葉を後手後手に追い込んだ……私の勝ちだ」

「ふん、全てのことはその終わりまでわからぬ……そう教えたはずだったな……大蛇丸」

 

自身の正体を言い当てられ、大蛇丸が変化の術を解く。

それに一瞬だけ、残念な想いを込め、しかしすぐさま目に力を入れ、三代目火影は大蛇丸を睨み、

 

「いずれこのような日が来るとは思っていた……しかし、ワシの首、そう容易くはないぞ!」

「言ったはずですよ……早く五代目をお決めになった方が良いと……三代目…アナタはここで死ぬのだから……」

 

五大国の各国は、約二万人前後の忍達を有している。

そして今回の戦争では、砂隠れが約五千人。

音が三千人の忍達をこの戦争に投入してきていた。

対する木の葉の里に現在滞在し、かつ動ける忍は約一万と二千人。

数の上では、木の葉が有利。

しかし、戦場も木の葉の里。

当然、守らなければならないものも沢山あり……

木の葉vs砂と音。

互いの力がほぼ拮抗した状態で、両国は闘いを始めるのであった。

 

木の葉崩し。

里と里の歯車が回り始めた。

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