霧隠れの黄色い閃光   作:アリスとウサギ

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ナルト大橋

時は遡る。

水の国・霧隠れの里。

ナルト達はサスケをイルカ達に引き渡した後。

カカシを尾行していた忍を警戒し、森を駆け抜け、十分な距離を移動してから……

 

「そんじゃ帰るってばよ。飛雷神の術」

 

霧隠れへ帰還した。

本来なら数日かかる距離をナルト、ハク、長十郎、再不斬の四人は一秒もかけずに転移したのだ。

先ほどまで木の葉の森に立っていたはずが、気づけば目の前に水影邸が建っていて……

 

「こりゃ便利でいいな」

「さすがナルトくんのお父さんが遺した術ですね……とはいえ、この距離の時空間移動はナルトくんのチャクラあってこそでしょうが」

 

再不斬とハクが未だに慣れない移動方法に、感心の声をあげる。

それにナルトは余裕の笑みを浮かべ、

 

「まあ今回の任務、オレだけ殆どチャクラを使ってなかったからな」

 

自来也との修行で身につけた飛雷神の術。

あの時は修行の期間も短く、マーキングの術式も刻めるようになったばかりだったため持続時間も短かったのだが、今は一度術式を書き込めば自分で消さない限り、二度と消えないマーキングができるようになっていた。

今回、霧の人柱力であるナルトが木の葉遠征の任務に参加できた理由もこれである。

サスケ奪還の助勢。

本来なら通ることのないナルトのわがままだったのだが、いざとなればすぐに戻ってくることを条件に、五代目水影であるメイが最終的に折れたのだ。

 

「皆さん、ちょうど目の前ですし、早く水影様に会いに行きましょう」

 

少しでも早くメイに会いたいのか、珍しく長十郎が自発的な行動を取る。

そんな長十郎の後ろを追って、

 

「オレも行くってばよ」

 

ナルト達も建物の中へ入っていった。

途中、何人かの忍とすれ違いながら、足を進め、扉の前に辿り着いた。

水の国で頂点に立つ忍、水影の王座。

水影室。

霧隠れ第一班の班長、再不斬がその扉を叩き、

 

「邪魔するぜ、メイ」

 

部屋へ入室した。

中で書類整理をしていたメイが顔を上げ、

 

「お帰りなさい、皆さん。予想以上に早い帰りでしたね」

「帰りはナルトの飛雷神があったからな。ククク、暇潰しに受けた任務だったが、それなりに楽しめたぜ」

 

出会った頃とは違い、最近あまり見せなくなっていた残忍な笑みで再不斬が応えた。

ナルトは殆ど知らないが、再不斬の戦った君麻呂という忍が信じられないぐらい強かったらしい。

ちょっと羨ましい……オレも戦いたかったってばよ。

と思うあたり、ナルトも少なからず霧の影響を受けているのかも……

続けて、長十郎とハクがメイに報告をする。

 

「ただいま戻りました。水影様」

「五代目様、ただいま戻りました」

 

丁寧な挨拶をする二人。

最後にナルトが、

 

「メイの姉ちゃん。サスケのことは無事、木の葉の里に連れ戻すことができた。わがまま聞いてくれてありがとな」

「そうですか。なんとか間に合ったようですね、ナルト」

 

子ども達の報告に、メイは微笑みで返した。

が、その顔はすぐに真面目なものとなり、

 

「それで再不斬。肝心の木の葉の様子はどうでしたか?」

 

と尋ねてきた。

それに再不斬は、少し顔をしかめて、

 

「あくまでオレが肌で感じた程度の感想だが、かなり荒れてやがるな。うちはの小僧も里のトップは見捨てる腹だったらしいしな」

「見捨てる? 音の里に恩を売ろうとしていた…の間違いでは?」

「わかり切ったことをグチグチ言い直すんじゃねェ。大方、音にプレゼントするもよし。戻ってきてもそれはそれで……って、とこだろーな」

「……周囲の意見に耳を傾けず、自己の我欲を隠そうともしない。あまつさえ自国の忍すら利用するこのやり口。やはり現在木の葉を牛耳っている忍は……」

 

メイは一人、思考を巡らす。

最後の方は何を言っているのか聞こえなくなっていた。

が、突如こちらに顔を戻し、思い出したかのように両手をパンッと叩いて、

 

「忘れていました。第一班には次の任務が用意されています」

 

と言ってきた。

 

「おお〜!? どんな任務なんだ、メイの姉ちゃん」

 

任務と聞いて期待に胸を膨らませるナルト。

だが、そこに再不斬が割り込んで、

 

「待てメイ。木の葉の対策はどうするつもりだ。奴ら恐らく……」

 

が、それを制したのもメイであった。

 

「再不斬、今はどこの里も下手な行動は取るべきではありません」

「……出方を窺うのか」

「ええ。それに、どうやら今の木の葉は耐えるということを知らないようです。功を焦り、耐えることを知らない者は必ず何処かで足下をすくわれます。我々が動くのはその時で構いません」

「チッ……相変わらず食えねぇ女だ」

「考えの読める司令官ほど、無能な存在はいないものですよ、再不斬」

 

メイが言った。

 

「では話を元に戻します。今から第一班には二つの任務を言い渡します。とは言え、実質やる事は一つなのですが……」

 

天井から何やら詳細な地図の描かれた巻物が、落ちると同時に開かれた。

予め用意されていたものらしい。

 

「まず一つ目の任務。それは霧と雪の国を繋ぐ、巨大な橋を作ること」

 

と、そこまでメイが話してから、今度は長十郎とハクが会話に出てきた同盟国の名に反応して、

 

「雪の国って……女優・富士風雪絵あらため、君主であらせられる風花小雪姫様が治められているあの雪の国…ですよ…ね?」

「ですが、雪の国とは既に互いの国を行き来できるよう、幾つもの船が設置されています。今更橋を作る必要性はあるのでしょうか?」

 

二人の質問にメイは頷き、

 

「確かにただ行き交うだけであれば、今のままでも事足ります。ですが、より交流を深めるためには橋の創設は必要不可欠。最終的には雪の国の技術を利用した汽車の走る道、線路の敷設を考えてはいますが、まずは今の私達でも作ることが可能な、国境を繋ぐ橋を架けよう…と昨晩話し合い、霧と雪、双方同意の元決まりました」

 

霧と雪の同意。

つまり、形式上任務と称されてはいるが、もはや国交で交わされ、決められた約束事らしい。

それをある程度理解したナルトは、

 

「雪の国ってことは、風雲姫の姉ちゃんとまた会えるんだな! ならこの任務、オレ達がやるしかねェってばよ!」

 

満面の笑みでそう言った。

メイもその言葉を肯定し、

 

「ナルトの言う通り、これは私と小雪姫で決めたことです。そして二つ目の任務はその橋を創設した後に、集落…とまでは言いませんが最低限人が滞在できる程度の関を作ることです」

 

ふむ、ふむ……なるほど、なるほど。

話が難しくて、よくわからなくなってきた。

ナルトは頭を悩ませ、結局わからず、隣にいたハクにこっそりと尋ねた。

 

「なあ、ハク。関って何だ?」

「この場合、五代目様のおっしゃっている関とは、ちいさな村をイメージするとわかり易いですよ」

「村ぁ!? 村を作るのか? 何で?」

「そうですね……理由は色々考えられますが、大きな利点はまず橋の管理ができること。そして休憩所としても利用できますから、雪の国とのが行き来が楽になり、最終的には霧と雪の両国を栄え、発展させることにも繋がります」

「なるほど〜 いいことずくめじゃねェか」

 

陽気にテンションを上げるナルト。

だが、ハクは逆に声音を少し落として、

 

「そしてもう一つ、忍が関を作る大きな理由があります」

「忍が関を作る理由? 何だその理由って?」

「……戦いに備えるためです。関があれば、連絡や物資の調達もスムーズに進みますし、最悪……時間稼ぎの防衛戦にも使えます」

 

と、そこまでハクが言い切ってから、

 

「そこまで読みますか……末恐ろしい子ですね、ハク」

 

メイがぽつりと口にした。

その言葉の真意を理解するには、今のナルトには少しばかり早かった……

 

 

場面は移り、ナルト、ハク、再不斬、長十郎の四人は人の手で交通整理された森林地帯の奥部まできていた。

ナルトは高い木の上から、白い霧がかかり、途中で溝のできた断崖の地形を見渡す。

そこには幾つもの船が往来する、大きな川が流れていた。

霧と雪の国境。

第一班の目的地である。

今からここに橋を作る訳だが……

 

「そういえば……どうやって作るんだ、橋」

 

水の国はどこにでも水源があり、海と繋がる川がそこかしこに流れる大国。

ナルトも霧に住むようになってから、釣りも上手くなったし、舟もある程度漕げるようになっていたが……

 

「流石に橋は無理だってばよ」

 

自分でわからないのなら、人に訊けばいい。

ナルトは助けを求めて、首を右に向けた。

だが……

 

「すみません、ナルトくん。僕も橋の建設技術は持ち合わせていません」

 

さしものハクもお手上げらしく、首を横に振る。

次にダメ元で顔を左に向けると……

 

「あれ? 長十郎がいねえ……っていうか、再不斬もいねーぞ」

 

先ほどまで一緒にいたはずの再不斬と長十郎の姿がいつの間にか消えていた。

しかし、その二人はすぐに見つかった。

 

「ハク、ナルト。何ボサっとしてやがる! さっさと手伝いやがれ」

「雄大な橋=斬った木の数。だから斬らなきゃ」

 

既に作業に取りかかっていた。

再不斬が木材を運び、長十郎はヒラメカレイまで解放していて……

随分と慣れた様子で、何も知らないナルトから見ても効率のいい動きだった。

だけど、だからこそ、そんな二人に向かってナルトは叫んだ。

 

「いやいやいや、説明プリーズ! 何すればいいのか教えてくれってばよ」

 

それでようやく再不斬が作業を中断し、こちらに戻ってきた。

それから幽霊を見るような目つきで、ナルトとハクを見て、

 

「まさかテメーら、橋の作り方を知らねーのか? ナルトだけならまだしも、ハクまで!?」

「おい、今すげぇ失礼なこと言わなかったか……」

 

がっくりと肩を落とすナルト。

すると、今度はナルトに代わって、ハクが再不斬に尋ねた。

 

「再不斬さんは橋を作られた経験があるのでしょうか?」

「当たり前ぇだ。霧に住む奴なら、子どもでも簡単な橋ぐらい建てられるぜ」

 

と言いながら、再不斬は木の枝で地面に何かの図面を描き始める。

一本一本線が引かれていき……

暫くすると、それが橋の骨組みだとナルトにも理解できて……

 

「お、おお。これならわかるってばよ」

「はい。僕にも理解できました」

 

ナルトとハクは新しい知識に目を輝かせる。

再不斬は川の方を指して、

 

「見てみろ。向こう岸は丁度ここの作業に取りかかってやがる」

 

ナルトは目を凝らして見る。

最初は濃い霧で気づかなかったが、よく見てみると既に対岸にある雪の国からは橋の土台となる木材の骨組みがこちらに架かるように建てられていた。

一秒ごとに作業が進み、その形が自分のよく知る橋にどんどん近づいていく。

その風景に感動を覚えたナルトは、

 

「スゲェ……橋ってこうやってできてたのか……」

 

目を離さずに呟いていた。

続けてハクが再不斬に質問をする。

 

「僕達四人で作るのではなかったのですね」

「まだ説明してなかったな。この橋は霧と雪が協同で作ることになっている。両岸から緩やかなカーブを描くように組み立て、板をのせ、最終的にはアーチ状の大橋が完成する」

「アーチ状ですか?」

「ああ。設計図自体は職人が描いた物だが、橋のデザインは小雪姫、あの姫さんの提案らしい」

 

小雪の話題が出たことに、意気消沈していたナルトが復活して、

 

「風雲姫の姉ちゃんが考えたのか!?」

「らしいな。アーチ状の橋は虹をイメージさせたものらしい。なかなか粋な計らいじゃねーか」

「お〜 さすがオレの見込んだ姉ちゃん。ナイスアイデアだってばよ」

 

ナルトは自分達が受けた初のAランク任務、雪の国での出来事を思い出していた。

だが今は任務中、いつまでも呆けてはいられない。

再不斬が指示を出す。

 

「これで大体のことは理解できたな。ナルト、テメーは木を切り倒し、その木材を運べ。影分身を使えばどっちもできるだろ。やり方は長十郎にでも訊け。ハク、お前はオレ達が運んだ木材を組み立てろ」

「よっしゃあ! やってやるってばよ」

「了解しました」

 

こうして第一班の任務は開始された。

ナルトは影分身を使った人海戦術で、自分のせいで遅れた作業を取り戻していく。

本体のナルトは修行も兼ねて、風遁のチャクラを纏わせたクナイで、

 

「おりゃぁぁあ!」

 

長十郎の太刀筋を見様見真似で練習する。

大木が豆腐のように切断される。

倒れた木材の運搬は分身達が請け負い、

 

「上げるぞ〜」

「待て、まだ後ろ誰も持ってねぇ。早く持てよオレ!」

「オレはお前だ。よーし運ぶぞ、せーの!」

 

再不斬や長十郎が斬った分も含めて、次々と運んでいく。

大木を斬り、運搬し、組み立てる。

夜は簡易テントを張り、朝早く起きては作業に取りかかる。

その作業は一週間ほど続いた。

最後の方は、霧と雪の漁師達もが手を貸してくれて……

ついに……

 

「できたっ! 橋の完成だぁ!!」

 

橋が完成した。

長かった……いや、ナルトはこれが初めての橋作りなので、実際に長いのかはわからないが……

でも、苦労して作った橋がようやく完成したのだ。

ハクと長十郎も誇らしげな顔で、

 

「凄いですね……頭の中では理解していましたが、実際に自分達の手で作り上げ、こうして完成したものを見ると……」

「久々にいい仕事ができました。水影様も喜んで下さるといいのですが……」

 

本当に満足そうな顔で、疲れた身体を横にしていた。

ずっと作業をしていたから服もボロボロだ。

しかし……

橋が完成した今、ナルトには早急にやらなければいけないことがあった。

疲れ切った二人を労わるように座らせてから、雪の国境を見据え、足を軽く曲げて、伸ばして……

 

「一番乗りはいただきィ!」

 

スタートを切った。

風を切り、橋の上を駆け抜ける。

が……

 

「何してやがるナルトォ!」

 

再不斬が追ってきた。

いや、自分でも子供っぽいなーと、ナルト自身思っていたが、雪の国と繋がった橋を一目見ると我慢できなかったのだ。

それぐらい心を動かされたのだ。

だから足を止めずに、

 

「いいじゃねぇーかこれぐらい。渡ったらすぐに戻るって」

 

しかし、そうは問屋が卸さない。

再不斬がナルトに追いつき、横に並走して、

 

「先陣は隊長の指定席! テメーは隊列通り、オレ様の後ろに続きやがれ!」

「そっちかよ!? ここは子供のオレに譲れってばよ!」

「忍に大人も子どもも関係ねェ。あるのは勝つか、負けるかだ」

 

霧隠れの鬼人・桃地再不斬。

半生近く歳の差がある少年に、ガチである。

だが、負けず嫌いなのはナルトも同じで。

 

「へっ、望むところだ。スピード勝負なら誰にも負けねえぞ!」

 

啖呵を切るや否や、ホルスターから術式クナイを取り出す。

すると、今度は再不斬の方から抗議の声が上がり、

 

「テメー、それは反則だろーが!」

「勝負の世界に反則もクソもあるか。オレの勝ちだ…って……げっ!?」

 

投擲モーションに入ろうとしたナルトだったが……それはできなかった。

何故なら……

ナルトや再不斬以外にも同じことを考えるバカがいたからだ。

雪の国の人々だ。

向こうからも人が走ってきて、勝負続行はできなくなり、結局誰が一番最初に橋を渡ったかはうやむやになってしまった。

けれど、それも笑い話にしてナルトは雪の国の人々と橋の上で手を取り合い、国と国が物理的にも繋がったこの喜びを分かち合っていた。

その時だった。

彼女がやってきたのは……

 

「相変わらず無駄に元気そうね、ナルト」

 

声のした方を振り向くと、そこには風雲姫の衣装を着た、小雪が立っていた。

 

「ああっー! 風雲姫の姉ちゃん!」

 

ナルトは笑みをこぼし、思わず抱きつきそうになった身体に急ブレーキをかけ、

 

「何でここに姉ちゃんがいるんだ?」

 

疑問に思ったことを口にした。

そんなナルトに小雪は笑みを返して、

 

「あら? ここは私の国よ。別にいてもおかしくないでしょ」

「いやそうだけどさ、そうじゃなくて〜」

「冗談よ、そろそろ完成しそうって連絡を受けたから様子を見に来たのよ。私が出した依頼だったしね」

「そっかあ! へへ、見てくれよ。橋は今完成したところだってばよ!」

 

と、疲れた様子などかけらも見せずにはしゃぎ回るナルト。

その後ろから、班長の再不斬が寄ってきて、

 

「久し振りだな姫さん。いや、久し振りってほどでもねェか」

「そうね、この間も木の葉で助けられたわ」

「あの時はさすがに肝を冷やしたぜ」

 

挨拶を交わす二人。

そして、そんな小雪の姿を見つけたハクと長十郎がすぐさまこちらにやって来て、

 

「小雪姫様、お元気そうで何よりです」

「姫様、この度はご依頼を賜りまして、誠にありがとうございます」

 

丁寧な口調で挨拶を述べた。

そして。

全員の再会を終えてから、小雪はナルト達の前で一枚の書状を取り出し、

 

「発表します!」

 

突如、そう言った。

突然の行動にナルトは首を傾げ、

 

「いきなり何を発表するんだ?」

「決まってるじゃない」

「ん?」

「この橋の名前よ。名前」

 

なまえ……名前……

言われてからハッとした。

橋を作るのに必死で、名前なんて考えもしていなかった。

だけど、みんなで頑張って作った橋だ。

いい名前をつけてもらわなければ……

 

「名前! で、姉ちゃん。この橋の名前は何て言うんだ? 早く教えてくれってばよ」

 

ナルトだけでなく、みんな気になっていたのだろう。

再不斬もハクも長十郎も、僅かに身を乗り出し、固唾を呑んで次の言葉に耳を傾ける。

その雰囲気を感じてか、小雪は焦らすように周囲を見回してから、最後にその瞳をナルトに止めて、

 

「ナルト大橋」

 

橋の名を口にした。

 

「この橋は雪と霧を繋ぐ虹の架け橋。涙も枯れ、心を閉ざし、逃げて逃げて自分にまでウソを吐き続けたかつての私をナルトが救ってくれたみたいに。今度は私達が雪の国と霧の里に笑顔を照らす……そう願いを込めて作られた希望の架け橋」

 

朗々とした決意と確信に満ちた声。

そこにいた小雪は、紛れもなくナルトが憧れた世界一のお姫様、風雲姫であった。

そして最後にいたずらっぽい笑みを浮かべて、

 

「これ以上ぴったりな名前はないでしょ」

 

小雪は着物を翻し、その場を去っていった。

 


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